就活セクハラの話をまとめ。<男女対立している場合じゃない!就活セクハラ、最も被害が多いのは20代男性>、<就活セクハラでは大林組社員が逮捕される事件も 実態は強制わいせつ>、<トヨタ自動車系勤務のトヨタ一族やDeNAの採用担当者も問題に>などをまとめています。
その後、<「断ったら内定取り消し」日鉄の人事がパワハラで性的関係を強要>、<就活生に睡眠薬飲ませるなど、リクルート系社員が10人性的暴行>なども追記しました。
2023/09/04追記:
●就活生に睡眠薬飲ませるなど、リクルート系社員が10人性的暴行 【NEW】
●男女対立している場合じゃない!就活セクハラ、最も被害が多いのは20代男性
2019/05/30:
就活セクハラ、男性も被害に...女性は「執拗な誘い」「身体への接触」など深刻な被害 | ハフポスト(2019年05月29日 12時41分)という記事を読みました。日本労働組合総連合会は、職場や就職活動中に受けるセクハラなどのハラスメント被害について、アンケート結果を発表。20歳〜59歳の有効サンプル1000人について、また就活経験のある人については835人のデータを調べています。
男女・世代別に見ると、就活中にセクハラを受けたことがある割合は20代男性が21.1%と最高。ついで、30代女性の15.5%、20代女性の12.5%、30代男性の10.7%となっています。全体としては10.5%。就活以外での「職場でハラスメントを受けたことがある」だともっともっと多く、38%となっています。
セクハラ問題はなぜか男女対立となることが多いので、私はいつも「男性も被害者になることがある」と強調しています。ただ、男性の方が被害が多いというデータがあったらあったで、「女性の被害は大したことない」「女性より男性の問題を解決しろ」「男性被害者の方が多いのに、女性の被害を問題視するのは差別だ」などというバカが出てきそうな気もしますね。
なお、調査した連合の総合男女・雇用平等局担当者は、「対象者の数が少ないためあくまで参考と捉えてほしいが、『男性なら言っても大丈夫』という意識があるのでは。女性の場合は、直接的な関係を迫られるなど、より深刻なセクハラ被害が多くなっています」と話していました。なので、引き続き女性のセクハラを問題視するのは、当然だと言えます。
●就活セクハラでは大林組社員が逮捕される事件も 実態は強制わいせつ
すでに就活セクハラで逮捕されている事例があるとされていたのが、大林組社員の事件。ただ、検索してニュースを読んでみると、これは「強制わいせつ容疑」とされており、セクハラの域を超えていると考えられます。これを「セクハラ」と言っちゃうのは、逆に矮小化していて問題でしょう。なるべく「強制わいせつ」などと言った方が良いと思います。
(1)大林組社員は、ОBと就職活動中の学生をつなぐスマートフォンのアプリで女子大生と知り合い、大林組本社近くの喫茶店で、初めて会った。
(2)すると、大林組社員が「パソコンを見ながら説明した方がいい」などと話し、女子大学生をマンションの部屋に連れ込んだ。
(3)その上でОB訪問に来た20代の女子大学生にわいせつな行為をした疑い。容疑を大筋で認めている
(
大林組社員を逮捕=就活生にわいせつ容疑-警視庁:時事ドットコム 2019年02月21日13時43分より)
●トヨタ自動車系勤務のトヨタ一族やDeNAの採用担当者も問題に
強制わいせつまで行かなかった事例としては、トヨタ一族の
女子大生には謝罪しない!アイシンAW、豊田理彰氏の性行為要求問題で宣言を思い出しました。これもかなり悪質ですけどね。
もう少し情報をと検索した
「就活セクハラ」採用担当者にホテルへ連れ込まれる被害…どう対処すればいい? 弁護士ドットコムニュース / 2017年5月23日 9時39分では、DeNAの採用担当者が、入社試験を受けた女性をホテルに連れ込んだと、「週刊文春」が報じたという話も載っていました。
このケースでは、「食事をしながら」の面接から、バーへの誘いに。女性は仕事について聞くつもりだったのですが、男性社員の態度が豹変。異性関係の話になり、足を触りはじめ、バーを出た後は、男性社員は女性に抱きついてキスしてきて、さらに、タクシーでシティホテルに連れ込まれたとのこと。中途半端な認め方ですが、ホテルに入ったことまでは本人も認めているそうです。
●証拠が大事など…弁護士がすすめる就活セクハラにあった場合の対処法
記事自体は就活セクハラ対策的な話を、竹花元弁護士に聞いたというもの。まず、「『セクハラ』とは、一般的に、雇用関係を背景にしておこなわれる『性的な嫌がらせ』」であるものの、雇用契約に類似する関係性だとしていました。というか、雇用関係がないとダメという法律が問題な気がしますけどね。政治家などによるセクハラは無罪になってしまいます。
そして、「就活セクハラ」にあった場合どう対応すべきか、という話。加害者が約束、たとえば「採用する」といった約束を守る保証は全くないことが指摘されています。なので、受け入れるべきではないというのが、まずひとつですね。
また、証拠が大事になってきます。「採用担当者に食事に誘われるなどして、途中から『おかしいな』と感じたら、スマホの録音アプリなどを使って、会話内容を録音しておくことが、その後の立証の観点から極めて重要」としていました。
いじめ・パワハラ・セクハラの証拠録音は盗聴・違法・犯罪なのか?などで書いたように、なぜか加害者に味方する人が多いのですが、録音は全く法的に問題ないそうです。
その他に、一人で抱え込まずに、両親や友人、大学の学生課、弁護士、(事案によっては)警察に相談することが大切だとしていましたし、以下のような選択肢があることも示していました。
(a)加害者または所属企業に対して損害賠償請求をおこなう
(b)会社に情報提供して懲戒処分を促す
(c)警察に告訴状または被害届を提出して刑事処分を求める
●セクハラ拒否で不利益・性的関係の強要が多く、就活をやめる人も多い!
2021/06/07:就職活動や就業体験(インターンシップ)でのセクハラ被害について、厚生労働省がやっと初めて調査したとのこと。男女1千人を対象にインターネットで実施したところ、被害の経験があると答えたのは25・5%でした。ちょうど4人に1人だと言えますね。性別でみると男性26・0%、女性25・1%で、男性の方がやや高いですが、ほぼ同じです。
被害の内容は「性的な冗談やからかい」(40・4%)が最も多く、「食事やデートへのしつこい誘い」(27・5%)が続きました。セクハラが問題なのは、拒否することで不利益を受けるのではないかという不安。これのせいで強姦ですら訴えられない人が多いです。はっきり拒否できないため、加害者も犯行の自覚が全くないことも珍しくありません。
今回の調査では、「性的な言動を拒否したことで内定取り消しなど不利益な取り扱いをされた」ケースは11・0%)もありました。不利益されるかも…ではなく、実際に不利益になったというケースですから深刻。さらにひどい「性的な関係の強要」をされた人というのも、ほとんど変わらない9・4%ですから、衝撃的なひどさです。
訴えることの難しさは、セクハラを受けた後の行動についてたずねた質問からもわかります。「何もしなかった」(24・7%)が最も多かった一方で、大学のキャリアセンター、家族・友人、大学の指導教授などに相談した人はいずれも1~2割にとどまりました。さらに「就活をやめた」(7・8%)人もいました。就活以外のセクハラでも言えることですが、セクハラは日本の経済をも悪化させているのかもしれません。
●「断ったら内定取り消し」日鉄の人事がパワハラで性的関係を強要
2021/10/21追記:またセクハラレベルじゃなくてもっとひどい犯罪だろう…という事例があったことを知ったので追記。
「断ったら内定取り消しだよ」 女性に性的関係迫る 日本製鉄、社員を懲戒解雇 | 毎日新聞(2021/6/19)などの記事が出ていました。こちらは実際に性的関係の強要に成功しているという、最大限に悪質な事例です。
<国内鉄鋼最大手の日本製鉄で人事を担当していた男性社員(当時)が、入社予定の女性に性的関係を迫っていたことが18日、明らかになった。女性は精神的ショックを受け、現在も入社していない。日鉄は男性社員を懲戒解雇した>
<ところが、毎日新聞が入手した男性社員と女性のLINEのやり取りでは、男性社員が好みの女性の容姿を記した後、「すべて一致したのが<女性の名前>」「それで採用しているから 笑笑」「会いたい」と執拗(しつよう)に迫る様子が浮かび上がる>
名門「日本製鉄」でも「就活セクハラ」 採用担当者がラインで「朝からず~っと会えますか?」性的関係を迫る | デイリー新潮によると、1次面接の面接官3人のうちの1人が加害者。一番の年配で、採用の責任者のように見えたそうです。断りきれず始めたラインでは、〈Hしてもいいですか〉などとのメッセージが送られてきました。
就活セクハラはセクハラ単独ではなく、不採用にされる…という脅迫を伴う悪質なパワハラとのセットになるというのが大きな問題。今回の例ではかなり露骨で、男性社員を退職に追いやった話など人事面での影響力を誇示。また、返事が遅れるとすぐに癇癪を起こし、“採用者名簿”を写メしてくることも…。結果、女性は精神的に不調を来したそうです。
●就活生に睡眠薬飲ませるなど、リクルート系社員が10人性的暴行
2023/09/04追記:またしても「セクハラ」ではなく明確に犯罪という話を追記。就活セクハラ以外もあるみたいですけど、なんと被害者は10人もいます。
就活生に睡眠薬飲ませ性的暴行、元会社員に懲役25年判決 - 日本経済新聞(2023年9月4日)などの記事が出ていました。
就職活動の相談に乗ったり、マッチングアプリで知り合ったりした女性10人に睡眠薬入りの飲料を飲ませ性的暴行を加えたなどとして、準強制性交や準強制わいせつなどの罪に問われた元リクルート関連会社社員の裁判。東京地裁は、懲役25年(求刑懲役28年)の判決を出しています。
<判決によると、犯行は約3年半繰り返され、被告は自らのわいせつ行為などを撮影していた。野村裁判長は、10人は日々恐怖を感じ苦しみを打ち明けられずに過ごすなど、多大な精神的苦痛を受け、日常生活や社会生活に大きな支障が生じていると指摘した。(中略)
判決によると、2017年4月〜20年10月、当時19〜30歳の女性らに飲食店や自宅などで睡眠薬入りの飲料を飲ませ、抵抗できない状態に陥らせ、ホテルや自宅でわいせつな行為をしたなどとしている>
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