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国がディオバン問題でノバルティスファーマ告発 犯罪立証は困難


★2013/9/7 ノバルティス、元社員のディオバンデータ不正報道を批判していた
★2013/12/18 ディオバンでノバルティスを刑事告発へ
★2014/1/13 国がディオバン問題でノバルティスファーマ告発 犯罪立証は困難

★2013/9/7 ノバルティス、元社員のディオバンデータ不正報道を批判していた

 ノバルティスのディオバン問題でまたいくつか。ノバルティスは本当ふざけていますね。

 該当のコメントは今サイトを見ても発見できなかったものの、産経新聞によれば"7月17日、

あたかも弊社の元社員の関与により、データに不正操作や改竄があったかのように報道されている。これらは弊社の見解とは異なるもので、深く憂慮している」

 とするコメントをホームページ(HP)上で公表し"ていたそうです。

 実際に元社員がデータ操作をしたと報道で断言していたのであれば、その証拠が必要ですので確かに問題ではあります。

 しかし、この時点で元社員がデータ解析に関わっていたことは判明していましたし、ノバルティスもそれを認めていました。

 「製薬の効果に有利になる間違いがある試験において、データの解析者がその製薬を販売する会社の社員(当時)だった」という状況を客観的に見て、怪しいと思わない方がどうかしています。

 またそもそも私が見る限り、元社員が不正したと断定するような報道は見られなかった気がします。

 もうこれはほとんど「ノバルティス社員(当時)の不正関与を匂わせる報道は全部信用するな」と言っているようなもので、全く問題について反省している様子が見られないどころか、逆ギレしている状態です。


 とりあえず、ノバルティスが当時責任を押し付けたかったのは、京都府立医大のようです。確かにこっちも相当ひどいんですけど、私にはどちら"か"ではなく、どちら"も"悪いとしか思えません。
 ノ社が、府立医大の検証結果に反発する理由の一つに挙げたのが、症例などについて専門家が改めて検証する「エンドポイント委員会」と呼ばれる委員会の存在だ。

 エンドポイント委員会とは、医師によって診断にばらつきがある患者の症状を、心臓病や脳疾患などとしてカウントし、解析データとして使うべきかどうかを判定する機関だ。

 この委員会での審査の過程で、カルテと解析のデータが変わることがあるため、今回、検証結果を公表するにあたって、府立医大が委員会の記録を精査していないのはおかしいと主張した。

 府立医大によると、今回設置した委員会は委託した外部の研究者3人が研究チームの設定した基準に沿って審議する仕組みだった。

 今回の研究で、少なくとも10回のエンドポイント委員会を開催。ノ社の元社員は、資料の提出や結果の受け取りなどのため、ほぼ毎回出席しており、実は、元社員が事務局的な役割を果たしていたのではないかという指摘もある。

 いずれにせよ、府立医大は「委員会の議事録が残っていない」として、協議の内容について精査していない。

 ノバルティスにしても京都府立医科大学にしても、相手に責任転嫁できなければ最低「よくわかりませんでした」とうやむやでもいいんでしょうね。

 そういうところに落ち着いてしまう危険性は依然として高いですが、ディオバンの不正論文は結局京都府立医大以外の別の大学でも次々と不正が判明していますので、ノバルティスの当初目指していた京都府立医大だけがおかしいという結論には少なくともならないでしょう。

 そして、他の大学にも漏れなくノバルティスの社員が加わっていたというのですから、こちらが一番怪しいと見るのが自然ですね。まあ、私はやはり大学側の責任も追及すべきとは思いますけど。


 なお、古い記事ですが記憶になかったなと思ったのを追加。
架空の研究グループ名を記載 ディオバン論文不正問題 - ニュース - アピタル(医療・健康)

ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンをめぐる臨床研究の論文不正問題で、データの分析をした同社元社員の所属先として記された大阪市立大の研究グループは存在しないことがわかった。
http://apital.asahi.com/article/news/2013080800001.html

 「市立大の非常勤講師」というのはどうもちょっと講義しただけで利用していたそうですが、研究グループはそれ以上の悪質さで、完全な捏造だったようです。


 こんな感じで京都府立医大を叩こうが、マスコミを叩こうが、ノバルティスに不利な情報は止まることなくどんどん出てきます。その身勝手で見苦しいノバルティスの姿はかえって逆効果になっている気がします。

 有料記事なのでタイトルだけですが、

民医連  加盟143病院でディオバンの変更・採用中止( 2013年8月28日 )
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/dantai/article/1226574570606.html?pageKind=outline

 ということで、着実にディオバン離れが進んでいるのです。

 まあ、これも前回書いた通り、反省すれば済むというレベルを越えた大間違い論文ですので、たとえ真摯に反省していたとしてもディオバンは避けられたと考えられますが、ノバルティスの患者らを馬鹿にした対応は常軌を逸しています。


 もう一つ有料記事を冒頭だけ。

 ディオバン問題で業界は大揺れなのですけど、相変わらずこういうとき国は役に立たないようです。
ディオバン検討委  「真相究明」か「構造問題」かで紛糾 議論の方向性定まらず | 日刊薬業WEB - 医薬品産業の総合情報サイト
( 2013年9月3日 )

 厚生労働省は2日、ARB「ディオバン」(一般名=バルサルタン)の医師主導臨床試験をめぐる問題を受けて発足した「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」(ディオバン検討委)の第2回会合を開いたが、論文データが操作された事実に対し、行為者の特定や目的に迫る「真相解明」と、制度上の不備の検証に主眼を置いた「構造問題」のどちらを優先するかで議論が紛糾し、今後の方向性や論点は定まらなかった。
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226574621727.html?pageKind=outline

 このディオバン検討委には、不正追求に熱心な人も加わっています。そういう方は明らかに「真相解明」でしょう。

 ただ、この「真相解明」は「構造問題」と相反するものではなく、むしろ問題を明らかにした方が今後の対策が立てやすいというものです。

 「真相解明」を重視するあまりに対策が遅々として進まないというのも確かに害悪なのですが、「真相」をうやむやにするために自称「構造問題」重視メンバーを入れたってのが、本当のところじゃないですかね? 


 といった感じで、製薬会社も大学&研究者も国&厚生労働省もひどいです。

 ついでに言うと、各種団体も今回の件が起こるまで役に立っておらず、新たな防止策にも及び腰ですし、業界雑誌は製薬会社と癒着して積極的に宣伝していましたし、現場の専門家らは私にノバルティス擁護のメールを送ってくるしで、どこもかしこもおかしいです。

 やはり今回のノバルティス不正論文問題はどこか1つだけに問題があるというものではなく、日本の医療従事者全体の問題だと思います。


★2013/12/18 ディオバンでノバルティスを刑事告発へ

 検索しても読売新聞しか報じていませんが、厚生労働省は刑事告発に踏み切るようです。
血圧薬データ改ざん、ノバ社を刑事告発へ

 高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改ざん問題で、厚生労働省は、不正なデータを広告に使用したことが薬事法違反(誇大広告)の疑いがあるとして、販売元のノバルティスファーマ社(東京)と問題の広告に関与した同社の担当責任者を、近く同法違反容疑で捜査当局に刑事告発する方針を固めた。

 同省の調査に対し、同社は組織としての関与を否定しており、捜査で実態を解明する必要があると判断した。
(2013年12月18日03時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131217-OYT1T01542.htm

 薬事法では、"医薬品などで虚偽や誇大な表現を使った広告を禁じて"いるため、これが刑事告発の根拠のようです。

 ただ不安なのが、"同省によると、記録が残る1975年以降、誇大広告のみで行政処分や刑事罰を科されたケースはない"ということ。厳しいかもしれません。

 また、誇大広告の違反は"2年以下の懲役か200万円以下の罰金"ということで、日本一売れた薬でノバルティス社が得た莫大な利益からすると微々たるものです。やりきれないですね。


★2014/1/13 国がディオバン問題でノバルティスファーマ告発 犯罪立証は困難

 行政からの動きはないかもとも思っていましたが、一応刑事告発に踏み切ったようです。
製薬会社告発 疑惑解明し信頼回復図れ - 西日本新聞
2014年01月11日(最終更新 2014年01月11日 10時37分)

 降圧剤ディオバンをめぐる臨床研究問題のことである。厚生労働省が、販売元の製薬会社ノバルティスファーマ(東京)に対する薬事法違反(誇大広告)容疑の告発状を東京地検に提出した。

 厚労省によると、誇大広告容疑での国による告発は前例がないという。同省は「ノ社側がデータ操作を知りながら広告していた疑いが強まった」と説明する。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/62742

 ただ、この告発で万事解決となるかと言うと、私はかなり望み薄じゃないかと思っており、あまり期待していません。過去にも書いていますが、限りなく黒であってもそれを証明するとなると別次元のレベルを要求されるからです。

 ディオバン問題を熱心に報道している毎日新聞も「立件に課題」とタイトルに入った記事を出していましたので、読んでみました。
バルサルタン告発:「誰が」「役割は」立件に課題
毎日新聞 2014年01月09日 11時54分(最終更新 01月09日 12時09分)

 厚労省が告発対象者を「不詳」としたように、監督官庁による調査が十分ではない中で捜査に着手せざるを得ない。別の検察幹部は「うその効能で暴利を得たとすれば悪質だが、臨床試験から宣伝までの過程で誰がどういう役割を果たしたか確かめるところから始めなければならない。簡単な捜査ではない」と漏らした。【島田信幸】
http://mainichi.jp/select/news/20140109k0000e040158000c.html

 やはりかなり苦しそうに見えますね。

 別記事では今回の立件の結果を見て、行政処分と書いていました。私はこれを見て、行政処分だけでも可能なのかな?と思ったのですが、毎日新聞を読んでみるとそうではないかもしれないという書き方もしていたのが気になりました。
 薬事法は、虚偽や誇大な表現を使った医薬品広告を禁じており、違反した場合は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。法人を罰する「両罰規定」もあるが、適用には役員や従業員らの立件が前提で、個人の犯罪の立証ができなければ会社も罪に問えない。

 これだけ嘘の効能を売り文句にして大量に売りさばいておいて、会社に罰則なしってのは納得いきませんけどね。そういう腑に落ちない結果になることも、十分あり得そうです。


 罰則なしが納得できないというのは、ディオバンの不正論文問題が、単にノバルティス社を肥やしたというだけでなく、様々な迷惑をかけているからでもあります。

 まず、患者が一番の被害者であることは言うまでもありません。また、患者に薬を支給する医師に関係があるのも当然です。
バルサルタン:臨床試験疑惑 ノ社告発 拡大した業界不信 医療関係者ら「真相追及を」
毎日新聞 2014年01月09日 東京夕刊

 医療現場も混乱している。土橋内科医院(仙台市)の小田倉弘典院長は「現場の医師は何一つ腑(ふ)に落ちず、もどかしい思いをしている。不安を感じる多くの患者への対応に私も追われてきたし、一部の患者はノバルティスへの憤りから、この薬の服用を拒否した」。すべてのノ社の薬を扱わないようにした開業医もいるという。「患者は医師が出す薬を信用するしかない。真相が明らかにならないうちは安心して薬を飲めない」。血圧が高くて長年、降圧剤を服用してきた愛知県の男性(70)はこう語る。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140109dde041040040000c.html

 さらに日本の医療全体が疑いの眼差しで見られています。
 日本医師会の今村聡副会長は「医療や創薬を成長産業にしようとする日本が、国際社会から信頼を失うような今回の問題を未解明のまま放置することは許されない。大学が自ら解決できなければ、司法の力を借りるしかない」と訴えた。

 ディオバンの問題を書いていると、定期的に医療関係者から研究者擁護やノバルティス擁護(こちらが特に多い)のメールが来ていてました。これらのメールには「これだけ問題があるのに」と頭に来たという面もありますが、内容的には私のことを「間違っている」というものですから精神的にも参りました。

 ただ、複数の大学でデータ不正があったと発表されて以降はさすがに擁護のネタが尽きたのか、現実を認められるようになったのか、幸いそういった批判メールはピタリと止みました。

 ノバルティス社に勤めた経験がある男性ですら

「疑惑発覚当初の隠蔽(いんぺい)とも受け取れる会社の対応は、製薬業界への不信を拡大させた。退職したからと歴代の社の関係者は表に出ず、逃げ得のようだ。厳格な捜査で対応してもらいたい」

 と話したようにノバルティス社に誠意は感じられませんので、医療関係者の方はそんな製薬会社を守ることよりも患者を気遣うことに力を入れてください。


 関連
  ■滋賀医大でもディオバン(バルサルタン)のデータ操作・不正の指摘
  ■ディオバンで柏木厚典「結論に誤りなし」、ノバルティス刑事告発など
  ■ディオバン論文でデータ不一致の千葉大、「不正なし」と謎の見解
  ■ディオバンでノバルティスを刑事告発へ 名大はデータ操作なしの中間報告
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