現在の家電量販店の最大の敵はライバルの家電量販店ではなくネット通販の会社であり、店舗で実物を見て安いネット通販サイトで買う「ショールーミング」と呼ばれる行動も起きています。
過去にやった
ヤマダ電機も打倒アマゾンへ ショールーミングには低価格で対抗では、ヤマダ電機がこのショールーミング対策として「真っ向から価格で戦っていけばいい」として、さらに安い価格を提示するという対策を紹介しました。
ただ、私はこの対抗策に否定的でした。
安値勝負はすべての商品に適用するわけではないと書かれていたものの、
アマゾンの家電で不当廉売?仕入れ値を下回る価格の長期販売で日本の家電量販店潰しのように、仕入れ値すら下回っていると言われている場合があるというのが当時否定的だった理由です。コスト削減でどうこうできるものではありません。
で、この対抗策がどうなったか?と言うと、案の定大失敗したようです。
それも"13年4~9月連結決算は営業損益段階で23億円の赤字(前年同期は213億円の黒字)に転落し、02年4月に連結決算に移行して以来、初の営業赤字となった"という悲惨なものです。
不振ヤマダ電機、今年の正念場をどう脱す?ショック療法、高い授業料…第2の事業に活路へ(1/2) | ビジネスジャーナル 2014.01.13
ネット通販対策として打ち出したのが、ヤマダが最も得意とする「安心価格保証」だ。ヤマダはこれまで、他店の店頭表示価格より安く販売することで競合他社を押しのけてきた。従来は比較の対象を家電量販業界の店舗価格に限定してきたが、昨年5月からこれに通販サイトの商品の一部も加えた。価格比較サイト「価格.com」にデータ提供を始め、店長に価格設定の裁量権を与えた。
しかし、これが採算度外視の値下げを招き、単価下落→採算悪化につながった。
http://biz-journal.jp/2014/01/post_3846.html
それでもやりぬくのかな?と思ったのですが、"昨年9月からは価格で対抗する対象からネット専業の一部の商品を除外"ということで既に方針転換済み。完全に失敗を認めた形になりました。
この損失がかなり大きかったです。
「授業料は何百億円もかかった」と山田氏は語るが、粗利益率が2.8ポイント低下したということは、売上高に換算すると251億円をロスした計算になる。
251億円でも数百億円でもどっちでも良いですが、この損失がないだけで先ほどの4~9月連結決算の「23億円の赤字」は黒字になります。かなり手痛い失敗です。
なお、この方針を打ち出したヤマダ電機の創業者、山田昇社長は、昨年"6月に会長から社長に復帰、取締役を全員降格させ"ています。ですから、山田昇社長自身の責任はどうなのだろう?というのも気になります。このままだと「取締役を全員降格」といった処置と整合性が取れないでしょう。
ああ、あと、過去の投稿を見ていると、
ヤマダ電機がダメダ電機に 不振の理由はベスト電器と中国の失敗というのもありました。これも山田昇社長の方針が失敗したものでした。
他に記事では、「家電に次ぐ第2の事業である住宅関連事業の強化策」とブラック企業体質の問題が出ていました。
「住宅関連事業の強化策」は家電量販店とのシナジー効果などは書かれていませんでした。したがって、家電販売事業の復活に繋がらず、根本的な解決にはなりません。
しかし、この事業は独立したものであっても良いと思います。いざとなれば家電量販店事業を捨てて住宅関連事業のヤマダとして生まれ変わるということもできます。私は基本的に本業にこだわらず、本業を凌ぐ新しい事業を常に作っていくべきだと考えていますので、この方針には好意的です。
問題はブラック企業体質の方ですね。「週刊文春」(文藝春秋/13年12月19日号)によると、ノルマ達成のプレッシャーが強すぎて、架空売り上げを計上の上に自殺、うつ病を発症しての自殺などがあるようです。(関連:
ヤマダ電機、過労自殺など3件の自殺 ブラック企業体質との報道も)
これは当然擁護できるはずがありません…というか、そんな会社なら潰れてしまえとすら思います。
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