<ロサダの法則「人間が叱られる下限は、2.9回褒められて1回」>、<怒るの3倍褒めるロサダの法則は嘘だった?成功企業の事実は…>、<部下を叱る上司は皆等しく馬鹿である!そう断言できる理由とは?>など、叱る関連の話をまとめています。
冒頭に追記
2022/03/25追記:
●プーチン大統領のウクライナ侵攻でわかる「叱ることが悪い理由」 【NEW】
●プーチン大統領のウクライナ侵攻でわかる「叱ることが悪い理由」
2022/03/25追記:別のところで書いた二度目のウクライナ侵攻の話をこちらにも追記。記事そのものは希望的観測が混じっていそうで本当かいな?というものだったのですが、とりあえず、「叱ることが悪い理由」「ワンマン社長の弊害」「ホウレンソウの失敗」の典型例になっていました。
私が読んだ記事というのは、<情報機関がプーチンに反旗?ロシア内部に大きな亀裂の兆し>(2022/3/23(水) 11:01配信 JBpress 藤谷 昌敏)というもの。タイトルになっているのは、プーチン大統領の強さの理由であった情報機関の支持が崩れて、内部リークも起きている…といった話です。
一方、私が興味を示したのは、<報道によれば、ウクライナ侵攻後、FSB(連邦保安局)で外国の諜報活動を担う部門のトップ、セルゲイ・ベセダが自宅軟禁された>という部分。自宅軟禁されたのは大統領に逆らったからではなく、大統領が怖くて正確な報告ができずウクライナ侵攻で苦戦したため…とされていたのです。
<第5局は侵攻に先立ち、ウクライナの政治情勢を報告する任務にあったが、プーチンを怒らせることを恐れて、ウクライナ軍の士気、ゼレンスキー政権の統率力、民衆の支持状況などについて、耳ざわりの良いことだけを報告していたようだ>
https://news.yahoo.co.jp/articles/ccff312d8e4df2a2e0f3fea5a9f8623c82e9873f
叱る上司が悪い理由のひとつは、このように「悪い情報」という本来ならたいへん重要な報告が上に上がってこなくなること。ワンマン社長では特に起きがちなことで、周りがイエスマンになり耳に痛い忠告がでなくなってしまいます。そして、これらの状態は典型的な「ホウレンソウの失敗」だと言えるでしょう。
●ロサダの法則「人間が叱られる下限は、2.9回褒められて1回」
2014/1/16:ライフネット生命出口治明会長の話は大抵おもしろいんですが、今回の記事
怒る経営者、上司が、筋違いなワケ:日経ビジネスオンライン ライフネット生命会長 出口治明さん 高島 宏平 2013年11月18日(月)もおもしろいところが多すぎて削るのに困りました。なるべく引用を少なくするように心がけます。
今回と同じ日経ビジネスオンラインやダイヤモンド・オンラインなんかでは、「叱るのは大事」「叱り方」みたいな特集もやっていたはずです。一方、今回の記事は「怒る」「叱る」のは良くないという話。出口治明会長は、根拠のない精神論を語らないので、「だから、頭ごなしに叱るようなことはしません」としていました。
これはつまり「頭ごなしに叱る」に科学的根拠がないという話。逆に言うと、頭ごなしに叱る人は精神論的だとも言えるかもしれません。で、肝心の根拠というのでは「ロサダの法則」というものでした。これは、アメリカでの研究の結果。人間が叱られる下限は、2.9回褒められて1回だという話です。
前述の通り、叱るを勧める記事もあるのですが、今回は研究に基づいたものであり、経験論じゃありません。研究結果にも異なるものがあり、すぐ決まりとはならないですけど、出口さんはこの後「ビジネス本なんかより社会心理学などの本を」という話もしていました。個人の経験と比較にならないほど研究の方が信頼性が高いのです。
●怒るの3倍褒めるロサダの法則は嘘だった?成功企業の事実は…
なお、気をつけなくちゃいけないのは、「ロサダの法則」は2.9回褒められて1回叱るのが良いと言っているわけではないこと。3:1がベストだという理解だと「嘘」になってしまいます。
最低で3回は褒める必要があるという話。飽くまで怒ることができるというギリギリの「下限」なんですね。
実は研究だと、いい組織の場合は、「褒められる」と「叱られる」の比率が6:1になっていたそうです。3:1はベストではありませんでした。上記の話では6回褒めて良い会社となっていますが、別のサイトで出口さんは"超優良な会社では9対1の割合になります"とも言っており、基本的に叱らない方が良い感じに見えます。
(
ネットでゆるやかにつながった子育て仲間が企画した「出口社長に会いたい」イベント | ライフネット生命保険より)
「よく褒める」というのは非常に欧米的と言えばそうですけど、たぶん実際に調べてそれ以上叱られると精神的にマイナスの作用が見られたってことなんでしょうし、会社の優良さを比べているのですから実際の会社の成功度も調べたのかもしれません。
●心理学ではポジティブ・ネガティブの「3:1の法則」というのも
このロサダの法則をもう少しと検索かけると、「3:1の法則」というのが出てきました。でも、別の心理学者さんが書いていますし、違う内容のようです。
バーバラ・フレドリクソン (著), 植木 理恵 (監修), 高橋 由紀子 (翻訳)の『
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則
』の書籍紹介では、以下のような話がありました。「ポジティブ心理学」の話だそうです。
<本書はアメリカの注目の心理学者、バーバラ・フレドリクソンの画期的な研究結果である上昇スパイラルに導く「ポジティブ感情とネガティブ感情の黄金比」に迫ります。
100%のポジティブ思考が必ずしも成功を引き寄せるわけではありません。著者が証明したポジティブ・ネガティブの黄金比は「3:1」。このバランスが人や組織を上昇スパイラルへと導きます>
●部下を叱る上司は皆等しく馬鹿である!そう断言できる理由とは?
日経ビジネス記事に戻ります。昔、口の悪い僕の友人が数学的に論証して、「怒るヤツはみんなバカである」と断言していた。その理屈がとっても面白いんです」という話がありました。おそらく記事のタイトルになっているものでしょう。要するに屁理屈なんですが、確かにおもしろいです。まとめると、こんな感じです。
1. まず、人を「A:意欲があってそこそこ賢い人」と「B:そうでない人」二つの集団に分けて考える。
2. 「A:意欲があってそこそこ賢い人」の場合は怒る必要がない。ひと言「ここが良くないね」と指摘さえすれば、後は自力で矯正できるため、怒る必然性はない。
3. 一方、「B:そうでない人」の場合は、なぜ怒られているかを理解できず、怒られている事実だけを恨みに思うので、怒っても意味がない。
4. つまり、どちらのケースにおいても怒ることは無駄であり、怒るヤツはみんなバカである。
ということで、「部下を叱る上司は皆等しく馬鹿である」という話。ただし、出口治明さんでも「僕は実はものすごく気が短いので、昔はしょっちゅう怒ってました」ということですから、この通り、やれていたわけではありません。わかってはいても、実践するのはなかなか難しいんでしょうね。
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