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米で農薬の効かないスーパー雑草出現!遺伝子組み換え作物のせい?


2014/1/17:
●米で農薬の効かないスーパー雑草出現!遺伝子組み換え作物のせい?
●わりとよくあること?スーパー雑草は日本でも見つかっている!
●農薬業界の企業も認めている「除草剤の過剰使用」という問題
●だから農薬を使うな!は過激すぎる極論…現実的な対応は?


●米で農薬の効かないスーパー雑草出現!遺伝子組み換え作物のせい?

2014/1/17:アメリカで"除草剤が効かない「スーパーウィード」と呼ばれる突然変異の雑草が大繁殖しているそうです。そして、これが除草剤耐性のある遺伝子組み換え(GM)作物を使っている農場で多いというので、遺伝子組み換え作物が原因だ!と槍玉に上がっているようです。

 ちょっと前にやった遺伝子組み換え作物への恐怖のせい?トウモロコシ発がん論文撤回では、"GM菜種が在来の菜種や白菜と交雑して悪影響を与え"る可能性を心配している方がいました。私もこれに関しては、こういった交雑は遺伝子組み換え植物に限らず起こり得て、やはり悪影響を与える恐れがあるのは同じと書いています。

 これは当然、普通の植物でもあるという意味だけであり、遺伝子組み換え植物では起こらないという話ではありませんでした。なので、遺伝子組み換え植物由来の困った変種が現れる可能性はゼロではないと思います。

 ただ、今回の場合、「スーパーウィード」(日本では「スーパー雑草」の表記が多い)大量発生は、別の理由じゃないかという話でした。農薬の効かない雑草「スーパーウィード」、米国で大繁殖:AFPBB News 2014年01月15日 19:33では、以下のように書いています。

< 米科学誌サイエンス(Science)9月号に発表された研究報告によれば、除草剤に対する耐性をもったGM種子が開発されたために、除草剤が過剰使用されていることが原因だと、多くの科学者が指摘している。(中略)
 アグリビジネスの市場調査会社、ストラタス(Stratus)の最新調査によれば、グリホサート系除草剤が効かない雑草が生えていると答えた農家は、2011年には米国の農家全体の34%だったが、2012年は49%と半分に迫っている>


●わりとよくあること?スーパー雑草は日本でも見つかっている!

 遺伝子組み換え作物だけでじゃなくて、農薬も毛嫌いしている人が多いもの。この農薬嫌いは偏見や迷信の類だと思っていますが、「使いすぎ」というのは良くないと思います。ただ、過剰使用を指摘されたアグリビジネス業界は、スーパー雑草の繁殖に関する責任を否定していたそうです。

<(引用者注:GM種子や除草剤の開発会社である)モンサントの広報は「除草剤の効かない雑草は、GM作物が開発されるずっと以前からあった」と反論している。米農務省(USDA)も同じく「数十年前から起きている現象」だという見解だ。「時間とともに作物が耐性を選択する結果、自然に起きることで、すべての除草剤でみられる」としている>

 モンサント社の言っていることは間違いではないです。実は日本でもスーパー雑草と呼ばれるものが発生しているみたいです。やはり遺伝子組み換え作物に関係なく見られる現象というのもわかりますね。

<オモダカは農薬に対する耐性をしだいに身につけ、農薬とオモダカの果てしない戦闘がエスカレートします。こうして田んぼは農薬漬けになりました。
 最近になってオモダカが繁殖している田んぼを多く見かけるようになっています。
その理由は二つ考えられます。
一つはオモダカの農薬に対する勝利宣言。もはやどのような農薬も効かないスーパー雑草に変身してしまったからです>
(何有荘のblog: スーパー雑草・オモダカ 2010.7.14より)


●農薬業界の企業も認めている「除草剤の過剰使用」という問題

 ただ、そもそもモンサント社の反論はずれていました。前述の部分を見てわかる通り、遺伝子組み換え作物そのものがスーパー雑草を作り出したとは言っていません。"除草剤が過剰使用されていることが原因"だと書いています。

 そして、この除草剤を過剰使用してしまうのは、除草剤に強い遺伝子組み換え作物があるために心置きなく除草剤をばら撒けるせい…ということがあるみたいです。なので、直接的には農家の農薬の使い方が悪いためのようでした。

<USDAは、GM作物ではなく「農家の除草の仕方」にスーパーウィード繁殖の一因があると強調する。GM種子と一緒に、モンサントや競合他社が開発したグリホサート系農薬を使っていることが問題だという主張だ>

 モンサント社の競合会社であるダウ・ケミカルの広報も「問題は、過去の除草剤耐性作物の栽培システムが、グリホサートの過剰使用につながったことにある」と述べているそうです。

 ということで、悪者のレッテル貼りをされている遺伝子組み換え作物はかわいそうだと思いますが、モンサント社なんかはどんどん自社の除草剤を使ってほしいと思って除草剤耐性のある遺伝子組み換え作物を開発したのでしょうから、やはり責任の一端があります。


●だから農薬を使うな!は過激すぎる極論…現実的な対応は?

 なお、この問題はさらに加速して悪化するおそれがあります。除草剤が効かない雑草に困った農家がその対策として、さらに除草剤の使用量を増やしているためです。

 こういった過剰使用がスーパー雑草発生の理由だと書きましたが、除草剤を使っている限り、ある程度免れることができない問題ではあります。いわゆるイタチごっこがどこまでも続いてくということになりそうです。

 では、除草剤を使わないようにすればいいと思うかもしれませんが、これは弱者切り捨て的な副作用があります。除草剤を使わないとなると、生産効率が悪化して収穫量が減ったり、コストがかかったりで、農作物を気兼ねなく食べられるのはお金持ちだけ…ということになりかねません。

 除草剤の使用量を適正にして、イタチごっこのペースを抑えるというくらいが、現実的な解だと思われます。


【関連投稿】
  ■遺伝子組み換え作物への恐怖のせい?トウモロコシ発がん論文撤回
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