2014/10/22:
●湖池屋はパクリ企業?実はビジネス的に確立された立派な戦略!
●パクリ企業だった湖池屋が大変身!カルビーが逆に真似するように…
●立派な戦略であるパクリ でも、湖池屋は狙ってたわけではない?
●良さそうな「アイデア重視」で実は失敗 より大事なのは「無意識」
●湖池屋もカルビーも創業家や業界をよく知る生え抜き以外で成功!
2020/09/25:
●湖池屋のヒット商品「じゃがいも心地」をやっと初めて食べました
●湖池屋はパクリ企業?実はビジネス的に確立された立派な戦略!
2014/10/22:
湖池屋の変身 「脱・2番手意識」でヒットメーカーに :日経ビジネス電子版(長江 優子 日経ビジネス記者 2020年2月14)では、湖池屋に「2番手意識」といった言葉を使っていました。
ただ、私はもっとイメージの悪い「パクリ企業」というイメージがあったんですよね。とはいえ、これはこれでアリで、割り切った悪くない戦略だと思っていました。ビジネスでは「フォロワー戦略」という考え方があるんですよ。
業界のトップ企業にはなれる力はないものの、リーダー企業を真似することで開発にかけるコストを削減することができます。大ヒットは出せなくても、コスト削減により、そこそこ稼いでいくというやり方。「フォロワー戦略」というのは、立派なマーケティングの戦略のひとつです。
●パクリ企業だった湖池屋が大変身!カルビーが逆に真似するように…
ところが、記事はその湖池屋が変わったという話。私もだいぶ前から、湖池屋が変わったなと思っていました。オリジナル商品をガンガン出しているという前に、デザインにも気を使うようになったところで、なんか湖池屋らしくなくなったと思ったんですよね。
記事によると、ヒット商品の不在やロングセラー商品の終売など、明るい話題が少ない菓子業界において、湖池屋の存在感が目立っているとのこと。例えば、新商品投入時と比べると小さくなりがちなリニューアル発売で、ポテトチップス「プライドポテト」が初回出荷量以上の数字を達成しています。
また、季節限定でリニューアル発売した「じゃがいも心地」は、販売の継続を求める電話が相次ぎ、通年販売になっていたとのこと。どの商品が具体的に書かれていなかったのですけど、今ではカルビーが逆に湖池屋をパクったような商品を出して、話題になったこともあるそうです。
ただ、私は買わないような商品ばかりですね。さっきの「プライドポテト」なんかは高めの価格設定。私は安物を買うので、かつて買っていた湖池屋商品をすっかり買わなくなってしまいました。私が買う商品やお店は苦戦しやすいので、たぶん私に好かれない方が良いんですけど…。
●立派な戦略であるパクリ でも、湖池屋は狙ってたわけではない?
ところで、先程私はパクリも立派な戦略だと書いたのですけど、どうも湖池屋の場合は意識してやっていたわけではない模様。創業家の小池孝会長は「競合の動きばかりを気にして、どこかで見たような商品ばかりが増えていた」としていました。
これは会社の規模が小さいため…という説明もあります。小さい会社では、商品開発をする余裕がないためです。かつての湖池屋は「カラムーチョ」や「ドンタコス」を出していましたし、今でも業界によっては小さくでも発想力がある企業もあるのですけど、小さいと開発力で劣る傾向があるのというのは本当でしょう。
こうした状況に危機感を覚えて、湖池屋は、2015年には30~40代の精鋭部隊を集め、社内の意識改革を働きかけるプロジェクトチームを立ち上げたとのこと。それで湖池屋は変わったのか!と思うかもしれませんけど、実は違うんです。長年染み付いた意識を変えるのは難しく、成果は出なかったといいます。
●良さそうな「アイデア重視」で実は失敗 より大事なのは「無意識」
では、なぜ変わったのか?というと、社外から社長として招き入れた「伝説のマーケッター」が社員の意識改革を進めた結果だとのこと。16年9月に就任した佐藤章社長のことでした。佐藤さんは、キリンビバレッジ時代に緑茶飲料「生茶」や缶コーヒー「FIRE」など数多くのヒット商品を手掛けた人なんだそうです。
先程言った発想力に関して言うと、もともと菓子業界はネーミングや味付けなど「アイデア重視」だったそう。ただ、これではうまくいかなかったんですね。佐藤章社長のいた飲料業界の商品開発では「人の無意識の行動」を起点に商品を作り込むのが定石となっていたそうです。
「人の無意識の行動」を起点に商品を作り込むことについては説明がなく、わかりづらかったのですけど、後半を読むと、具体例らしきものを発見。「主婦が昼食代わりや夕食までの小腹満たしに買っているのでは」「40代以上の主婦はなぜポテトチップスを買わないのか」といった議論から作るってことみたいですね。
上記のような仮説から、健康志向の高まりでポテトチップスではなく、煎餅を選ぶ人が多くいることにたどりつきます。その上で、「ポテチではなく、芋本来の味を楽しめるお菓子として提案」したのが、ヒット商品の「じゃがいも心地」だったとのこと。これが、「人の無意識の行動」を起点に商品を作り込むやり方なのだと思われます。
●湖池屋もカルビーも創業家や業界をよく知る生え抜き以外で成功!
ただし、こうした意識改革は当初苦労。佐藤社長は、創業者だった小池和夫さんが生前に残したカセットテープの「その業界で最高のものを作る」という言葉を利用しました。外部から来た社長の言うことは皆聞かないために、これは良いやり方でしたね。
しかし、これでもすんなり変化したわけではなく、佐藤社長が実際に成功例を作ったことが最大の決め手でした。これが前述の「プライドポテト」なんです。で、写真を探して見てみたら、私も見たことありましたわ。湖池屋らしくないデザインだと思ったのがまさにこれであり、高くて未だに一度も買ったことがありません。
あと、私がおもしろいと思ったのが、日本では嫌われる外部招聘の社長で成功したというところでした。実は湖池屋が大苦戦に陥ったのも、ジョンソン・エンド・ジョンソンの社長だった松本晃さんがカルビーのトップになって以降ということで、こちらも外部の門外漢だったというのもおもしろいですね。
ただ、カルビーの方はあんまり褒めたくない企業ではあります。
カルビーはブラック企業?松本晃会長「残業手当なくせ」がひどすぎるなど、結構イメージが悪い企業でした。
●湖池屋のヒット商品「じゃがいも心地」をやっと初めて食べました
2020/09/25:記事の中で出ていた湖池屋「じゃがいも心地」をやっと初めて食べました。私は高い商品をほとんど買わないため、もらいものです。食べてみた感想としては、どうってことない…というもの。厚みがあるというだけで、普通のポテトチップスだと思ってしまいました。同じ価格なら買っても良いかなと思うものの、私はむしろチープでいかにもカラダに悪そうなポテトチップスの方が好きかもしれません。
うちの投稿を読み直してみると、「じゃがいも心地」は「ポテチではなく、芋本来の味を楽しめるお菓子として提案」というコンセプト。言われてみれば、芋っぽさはたしかに強いと感じます。ただ、私的にはストロングポイントになりませんでした。私は本来のじゃがいもも、味付け無しで食べるくらいなので好きなんですけどね。まあ、健康志向的な人には、グッと来るのかもしれません。
なお、こういう食品は高いイメージですが、そもそも本当に高いんだろうか?と確認。アマゾンの場合、
カルビー ポテトチップス うすしお味 60g×12袋
が982円、
湖池屋 じゃがいも心地 オホーツクの塩と岩塩の合わせ塩味 58g×12袋
が1581円。やはりダントツに高くなっていました。
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