長野大学の不正などの話をまとめ。<長野大学・田中法博教授が提訴 不正追求で報復懲戒処分との主張>、<設備目的外使用や不正疑惑…大学側は調査不要として逆の処分か?>、<不正告発者への処分は厳禁!むしろ保護しなくてはいけない理由>などをまとめています。
2番目に追記
2022/12/16追記:
●設備目的外使用や不正疑惑…大学側は調査不要として逆の処分か? 【NEW】
●不正告発者への処分は厳禁!むしろ保護しなくてはいけない理由 【NEW】
●長野大学・田中法博教授が提訴 不正追求で報復懲戒処分との主張
2022/12/10:長野大学では最近、
長野大教授、女性が拒否困難な状況でセクハラ・アカハラ繰り返すというのがあったばかりなのですが、<公立長野大学の教授が懲戒処分は不当と大学に損害賠償求め提訴>(NHK 2022年12月09日 16時45分)というニュースが入ってきています。
<訴えを起こしたのは、長野大学企業情報学部の田中法博教授で、9日弁護士とともに長野市内で会見を開きました。
長野大学では、ことし10月、田中教授が減給10%3か月、ほかの3人の教員が戒告の懲戒処分を受けました。
田中教授によりますと、処分を受けたのは、別の教員の研究活動の会計上の不正を調査するよう学長に強く働きかけたことなどが原因で処分は不当だとして、減給分の支払いと損害賠償を求める訴えを、9日長野地方裁判所上田支部に起こしたということです>
田中法博教授は会見で「不正の調査を求めることは正当な行為で、今回の懲戒処分は不正追及に対する報復だと考えている」と説明。田中法博教授の説明が事実ではない可能性もありますが、とりあえず、不正を指摘したところ報復されて、不正を指摘した人が逆に処分されるという…類似の事例は過去にもいくつかあります。
対する大学側の主張はどういうものか?が気になるところ。長野大学は、NHKの取材に対し、今回の懲戒処分は学内の指針に照らして公表していないと説明していました。そもそも懲戒処分を公開していなかった…という時点でどうかと思いますね。この記事からすると、大学側に怪しさを感じてしまいます。
なお、記事冒頭では、<上田市の公立長野大学でことし10月、教員4人が減給などの懲戒処分を受けていたことが分かりました>としていました。この書き方からすると、田中法博教授以外にも公表していなかった処分がありそう。この件だけを隠蔽していたわけではないとも言えそうですが、どちらにせよ非公表って変な気がしますね。
●設備目的外使用や不正疑惑…大学側は調査不要として逆の処分か?
2022/12/16追記:経歴紹介を優先させて、メモしていただけで読んでいなかった記事2つを読んでみることに。まず、
「不正追及で処分は不当」 長野大教授が提訴|秋田魁新報電子版(2022年12月9日)という記事。かなり短い記事でしたが、こちらでは、報復の原因となった不正の指摘に関する具体的な話が少し出ています。
<訴状などによると、2019年、一部の教員らが名刺の受注販売など営利目的で大学内の設備を使用した問題が浮上。田中教授らによる調査の過程で、他にも大学が関わった活動の中に公金や助成金の使途が不明となっていることも判明した。
大学側は、田中教授が学長に調査を強く働きかけたことや、越権行為を理由に22年10月、減給10%(3カ月)の懲戒処分にした>
もう一つメモしていたのは、<大学から不当な懲戒処分を受けた…長野大学の教授が損害賠償求め提訴、教授は大学の会計不正調査 長野・上田市>(22/12/9(金) 20:21配信 SBC信越放送)という地元のテレビ局の記事です。テレビ局の記事はやたらと消えるのが早いので、これもあって急いでメモだけしていました。
<大学では2019年から2020年にかけて、教員が研究費用を目的以外に使っている疑惑が明らかになり、当時、企画情報学部の学部長を務めていた田中教授が調査を行いました。
調査の過程では、大学の教職員などが未成年の学生と飲酒をしている写真を見つけるなどしたため、学長に危機管理委員会を開くように複数回にわたって働きかけたということです。
大学側は「調査は不要であり、度重なる要求は不適切だ」として、2022年10月、田中教授に減給10%・3か月の処分を下しました>
https://news.yahoo.co.jp/articles/b9f07960b17360baddd97706037a77d47e6ba6f8
●不正告発者への処分は厳禁!むしろ保護しなくてはいけない理由
SBC信越放送では、未成年者飲酒の話も出てきてややこしく…。とりあえず、仮に研究費用の目的外使用について「調査は不要」と大学側が判断したのであれば、かなり不自然です。また、たとえ不要な調査を要求したのであった場合ですら、減給10%(3カ月)の懲戒処分は過剰であり、やはり不自然さを感じますね。
1つ目の秋田魁新報によれば、「田中教授が学長に調査を強く働きかけたことや、越権行為」を懲戒処分の理由にしており、やはり処分の理由としては不自然。疑われている不正会計が問題ない可能性はありますが、いずれにせよそれを証明するためにはある程度調査が必要。現時点の情報では、大学側に問題を感じてしまいます。
なお、「たとえ不要な調査を要求したのであった場合ですら処分が過剰」については少しフォロー。研究不正などで、不正を指摘して間違っていた場合に、不正を指摘した人を処分するのは、よほど無理筋な指摘でない限り避けるべきです。なぜかというと、処分される可能性があるとわかれば、不正を指摘する人が激減するため。結果として、不正が増えてしまうのです。
こうした理由で、不正を指摘した人への処分は、基本的には不正隠蔽を行いたい組織で行われます。このため、内部告発者を保護するしくみが必要なのですが、安倍政権時代せっかくこの分野の法改正を行ったのに、内部告発者を保護するどころか、不正を隠蔽する組織を保護するような法律になってしまいました。問題があります。
●大阪の大学出身で3次元コンピュータグラフィックスなどが専門
2022/12/10:ここからは経歴的なところを。長野大学のオフィシャルサイトより
田中 法博 (Norihiro Tanaka) - マイポータル - researchmapの情報量が豊富でした。研究内容の話もありましたので、そちらも引用しておきます。
<コンピュータグラフィックス(CG)とコンピュータビジョン(CV)分野の技術を融合させることで様々な対象を3次元デジタルアーカイブする研究に従事している.
現在は分光画像計測と光反射モデルに基づいて美術品,文化財,人の肌などの「陰影や光沢といった3次元的な色再現」が重要となる対象の3DCG再現技術の開発に取り組んでいる.
また,シーン全体の照明環境の分光分布と空間分布を画像計測する技術を合わせて開発して,その情報を用いて文化財や人の肌を実シーンの照明環境で3DCG再現できる技術を開発している>
・学歴
- 2001年 大阪電気通信大学 工学研究科 情報工学専攻
- 2001年 大阪電気通信大学
- 1995年 大阪電気通信大学 工学部 経営工学科
- 1995年 大阪電気通信大学
・経歴
2007年4月 - 現在 長野大学 企業情報学部 教授
2011年4月 - 2013年3月 国立歴史民俗博物館 客員教授
2004年4月 - 2007年3月 長野大学 産業社会学部 助教授
2002年4月 - 2004年3月 大阪電気通信大学 博士研究員
2002年 - 2004年 Osaka Electoro-Communication Univ,
2000年4月 - 2002年3月 大阪電気通信大学 客員研究員
2000年 - 2002年 Osaka Electoro-Communication Univ,
・受賞
2010年 グッドプレゼンテーション賞 日本デザイン学会
2009年 優秀研究発表賞(GCAD賞) 情報処理学会 グラフィクスとCAD研究会
2005年 情報処理学会 山下記念研究賞
2004年 優秀研究発表賞(GCAD賞) 情報処理学会 グラフィクスとCAD研究会
2004年 画像電子学会 ビジュアルコンピューティング研究賞
2001年 電気関係学会 研究奨励賞
【本文中でリンクした投稿】
■
長野大教授、女性が拒否困難な状況でセクハラ・アカハラ繰り返す【関連投稿】
■
アフリカ南部マラウイのチルワ湖で今井一郎・関西学院大教授死亡か? ■
AI研究の神崎浩孝・岡山大特任教授をバイク不正輸入の疑いで逮捕 ■
日体大相撲部の齋藤一雄監督、学生からピンハネして目的外使用か ■
都立大火災で准教授解雇 危険物実験中に帰宅、手順も指導せず ■
学校・教育・子どもについての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|