●言うこと聞かない子供に困ってます…病気なの?専門家の回答は…
言うこと聞かない子供に困っているという親の質問に、教育評論家・都留文科大学特任教授の石田 勝紀さんが答えているという記事がありました。 「5歳の子ども」に関しての質問でしたが、ありがちなものであり、3歳でも4歳でも6歳でもあるでしょう。他の年齢のお子さんを持つ方でも参考になると思われます。
<毎日言うことを聞かなくて困っています。例えば、朝、保育園に行く時間になるとゲームをやりだしたり、寝る時間なのにいつまでも寝ないで遊びたがったりします。そんな子どもに感情的になってしまうこともあります。どのようにすれば、言うことを聞いてくれるようになるのでしょうか>
うちの子供は病気では?と思う親御さんもいるでしょうが、これは「とてもよくあるケース」とされていました。石田 勝紀特任教授はむしろそもそも、親の言うとおりに「きちんと」やる5歳児がいるのか、はなはだ疑問とまで言っています。つまり、子供が大人の言うことを聞かないことは、極めて「普通」だということですね。
では、親が異常で病気なのか?と言うと、石田 勝紀特任教授はそういう突き放したこともおっしゃっていません。「親はどうしても自分の思いどおりにならないとイライラしてしまうこともあります。それはとくに異常なことではなく、極めて一般的な反応です」と優しいお言葉でした。気遣いを感じます。
●「言うこと聞かない子供」は実を言うと「子供」の問題ではない
前述の通り、「普通」であるため、私はそもそも子供に言うことを聞かせようということの方が間違いだと思っています。言うことを聞かない子供は正常なため、非現実的な対応です。ただ、石田 勝紀特任教授は慎重。子どものタイプ、親のタイプによって方法はさまざま異なるため、どの対応が正しいか、間違っているかと判断することはできないとしていました。
では、アドバイスなしか?と言うと、そういうわけでもなく、解決策も提示。これは親が考え方を整理してみよう…という提案でした。質問者が抱えている問題は、一見「子どもが言うことを聞いてくれないこと」のように思えるものの、実は違う問題ではないかと指摘しています。本当は別の問題だということですね。
どういうことかと言うと、「子どもが言うことを聞いてくれないこと」に問題があるのではなく、「親が困ってしまい、イライラしてしまうこと」にあるのではないか、とのこと。つまり、子どもの問題ではなく、親のあり方の問題かもしれないということです。そして、解決策はズバリ「子どもに言うこと聞かせる方法を求めるのではなく、『親の考え方』自体を変える」ことをお勧めするというものでした。
なお、親が考え方を変える以外にも、うまく対応する方法がないこともないとのこと。ただし、プロである幼稚園や保育園の先生たちなら上手に対応できるものの、親はプロの先生ではないため、そのような方法を聞いたところで、同じようにできない可能性があるため、考え方の変更の方をおすすめする…という話でした。
●子どもとの関係を大切にしようと思えば、自然と問題は解決?
で、親の考え方を変えるというのは、具体的にはどういうことか?と言うと、以下のような質問をして、考えてもらうというものです。正直、私が予想していたものとは、全く違う方向性の話になってきたため、面食らいました。
「今、目の前にいる5歳の子どもとの関係は、今しか経験できません。つまり来年は6歳になってしまうため、5歳のこの子の状態は今しか経験できないということです。子どもは心身ともに成長し続けているので、来年は今とは違った子どもになっているからです。この二度とやってこない5歳のこの子の『今』をどう思いますか?」
作者は、「二度と経験できない、現時点での子どもとの関係を大切にしようと思うようになれば、普段とは違った感情が出てきませんか?」「今を大切にしようと思うことでしょう」としていました。そして、親の感情が落ち着いてきて、自然と対応が変わり、子供も変わることが多いと書かれています。本当なんでしょうか。ちょっと信じられないような話です。
ただ、信じられないと思うのは当然で、実際、これで100%うまくいくわけではないではありません。作者は、やってられるか!という人もいるだろうと予想。私もそんなにできの良い親が多いとは思えません。その場合は、今のままの状態を継続でも良いとされていました。前述の通り、子育てに正解はないため…という理由です。
●子どもにガミガミ言う親に訪れる数年後の苦難とはどんなこと?
この場合、当然、親と子供との戦争は続行。お互いが精神的に疲弊することは間違いありません。また、この親と子供とのバトルは小さい頃だけでは終わらない可能性があります。未就学児期間だけではなく、小学校、中学校、高校ぐらいまでは続くこともあるだろうとしていました。
あと、実を言うと、この記事は、
子どもにガミガミ言う親に訪れる数年後の苦難 | 東洋経済オンライン(2020/10/29 9:20)というタイトルだったんですよ。タイトルの「数年後の苦難」というのは、この子供に言うことを聞かせようという永い争いのことを言っていたようです。ただ、高校生ともなると、数年どころではなく、10年以上苦闘が続く…ということになりますね。
なお、私がこのタイトルを見た時点では、子供を従わせようとすると、子供が健全に育たないために、成長してから余計苦労するという話だと思っていたので、かなり予想外の話でした。こうした予想をしたのは、
周囲を批判!自信がない人・自己肯定や自尊心感が低い人の特徴などの話をやっていたためです。
実を言うと、子供を尊重せず、親がコントロールしすぎた場合、自分に自信がなく自分を愛せない人間に育ち、自己肯定感がないゆえの問題行動を引き起こす…とも指摘されているんですよ。石田 勝紀特任教授はそこまで断定的ではなく、親がバトルを続ける選択肢もアリ…といった穏当な意見のようでした。これはこれで地獄ですけどね。
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