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らでぃっしゅぼーやを高く買ったドコモ、競合オイシックスドット大地に安く売る


 オイシックスなどの話をまとめ。当初、<オイシックスはらでぃっしゅぼーや、大地を守る会に吸収される?>といった見方を紹介していたのですが、その後は全く逆の展開に。オイシックスが次々と競合他社を飲み込み、<らでぃっしゅぼーやを高く買ったドコモ、競合オイシックスに安く売る>などといった事態になっています。

2023/05/21追記:
●オイシックス・ラ・大地と「旬八青果店」のアグリゲートがなぜ提携?
2024/01/09追記:
●カラオケ売り給食で頑張るはずだったシダックス、苦戦で買収される 【NEW】


●オイシックス VS らでぃっしゅぼーや 売上、シェアなどの比較

2014/1/28:皆さん知りたいのはサービス面での比較だろうとは思いますが、私が気になったのは市場シェアです。はっきりと「シェア」と書いているところはなかったものの、オイシックスのIPOにみるバーティカルコマースの限界 | The Startup  投稿日: 2013/02/27というサイトがすごく良かったです。ここでは、売上が表で出ているというわかりやすさ。シェアは顧客数や出荷数で示すという考え方もありますが、売上を使うことももちろん多いです。

 タイトルになっていたバーティカルコマースってのはわからなかったですけど、デジタル大辞泉には、バーティカル市場という言葉はありました。バーティカル(vertical)は「垂直の」の意であり、金融・保険・運輸・医療など、一定の業種に特化した市場という説明がありました。こちらのページでは、楽天のようなモール型の総合サイトと比較する使い方をしています。

 さて、シェアの話。たぶん発表がないからだと思われますが、わかるのは2012年という古いデータのみ。でも、助かります。以下のように「らでぃっしゅぼーや」の方が「オイシックス」(おいしっくす、oisixとも表記)よりはるかに大きい売上。2倍までは行きませんが、2倍と言いたくなるほどの差がついています。

2012年
オイシックス
売上 12,609百万円
営業利益 579
営業利益率 4.6%

らでぃっしゅぼーや
売上 22,014
営業利益 261
営業利益率 1.2%


●特化型サービスの限界 オイシックスの成長は限定的との予想

 売上で見ると、らでぃっしゅぼーやがオイシックスの2倍くらいなんですね。らでぃっしゅぼーやは、"ドコモによるTOB実施後、ローソンに譲渡しており(引用者注:譲渡は全部ではなくおそらく10%のみ。20%に買い増しという情報は確認)、販路はドコモによるd-shoppingとローソンという、キャリアとコンビニという強いチャネルを押さえて"いるそうです。もっと伸びているかもしれません。

 ただし、"感覚値としてオイシックスの方がブランドイメージが良く、(中略)野菜の定期購入ならオイシックスを使っていると言うとなんだかカッコ良く、先端的なイメージがあります"と書かれているように、オイシックスの方が高品質だとは言えます。単純な売上だけのイメージとは違うでしょう。

 一般的に高価格商品の方が利益率が高いため、これは営業利益率で見るとオイシックスが4.6%で、らでぃっしゅぼーやの1.2%に圧勝していることでもわかります。ただし、作者はファッション分野かつモールモデルであるZOZOTOWNの25.1%と比較して、EC型の両者とはかなり差があることを指摘していました。

 したがって、"手堅く緩やかな成長が見込まれる"ものの、"売上成長は限定的"という見方でした。これはらでぃっしゅぼーやの方が良いという意味で書いているのではなく、特化型サービスの限界という見方でした。


●オイシックスはらでぃっしゅぼーや、大地を守る会に吸収される?

 私がより興味あるのは私が実際に利用していて印象が良いオイシックスの方です。ですので、こちらをもうちょっと検索していてオイシックスの「企業分析[強み・弱み・展望]」 Vorkersのサイトを発見。社員の方が強み・弱み両方を自己分析していました。

強み:仕入先やお客様をある程度確保できているので、安定して売り上げを確保できる。インターネットで食品を売るノウハウ・スキルを持っている。

弱み:資金力。コンプライアンス・ガバナンスの弱さ。競合も売り上げを伸ばしているし、また、大きな資本を持った競合もいる。競合がオイシックスを真似して来たら、勝てるかどうか疑問を感じる。また、社内統制が弱いので、大きな問題(個人情報の流出や、食中毒、食品偽装など)が起きなければ良いのだが・・・

事業展望:体に良い食品の通販はニーズがあるので、しばらくは売り上げも利益も伸びると思う。ただ、将来、どこかのタイミングで市場規模の伸びは止まると思う。オイシックスは、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会、生協などに比べると、まだまだ規模が小さい方なので、そうなった時に生き残れるように、今のうちに売り上げを伸ばして、業界大手になれるかどうかが、運命の分かれ道だと思う。大手になっておけば生き残れると思うけれど、なれなければ、大手に吸収されることも有り得ると思う。
総合評価 2.6 / 5.0 回答日:2012年12月31日


●庶民向けではない!高品質な分、オイシックスは規模拡大には不利?

 おいしっくすは質問の対応にも丁寧で、安全管理などはむしろ好印象です。私はいわゆる放射能問題は非科学的だと思っていたので気にしていませんでしたが、「放射能」不安が広まったときや、クロネコヤマトのクール冷凍便の不備のときなど、素早く告知を出しており、意識が高い感じがあります。

 ただ、ベンチャー企業のことですから、コンプライアンスの心配をしておくというのはよくわかります。特に食品業界では何かあったときの影響力がでかいですしね。まあ、ベンチャー企業じゃないところでも、みずほ銀行の暴力団融資とか、それこそ食品でのマルハニチロ食品(1914年創立。100周年なのに)の農薬事件とかあるわけですが…。

 一方、"将来、どこかのタイミングで市場規模の伸びは止まる"については、しばらくは心配ないだろうとは思いました。上では買収の心配もしていますね。前述のように利益率はむしろ良いのですが、「弱み:資金力」とあるように、巨額のドコモマネーを持つらでぃっしゅぼーやなどには資金力だと敵いません。

 また、規模拡大のためにはむしろオイシックスの高価格帯の品揃えというのは、不利になりそう。庶民向けではなく、お客さんを選ぶサービスです。個人的に気に入っていますし、「憧れのオイシックス」というブランド力はピカイチですので、何とか踏ん張ってほしいところなんですけど…。


●らでぃっしゅぼーやを高く買ったドコモ、競合オイシックスに安く売る

2018/02/05:吸収される心配がされていたオイシックスですけど、2017年10月、競合の「大地を守る会」と経営統合し、自然派食品宅配業界の最大手に。「オイシックスドット大地」という名前になりました。その前の3月に株式交換により、株式会社大地を守る会を完全子会社化しており、どちらかと言うとオイシックスの方が上な感じです。

 そして、今度は2018年に、同業の「らでぃっしゅぼーや」を買収。買収金額は10億円で、来月末にすべての株式を取得して完全子会社にする予定です。不安視されていたはずのオイシックスが、より大きかったライバルを次々と買収するという、当初の予想とは正反対の形になりました。
(食品宅配大手オイシックス 「らでぃっしゅぼーや」を買収へ NHK 1月30日 20時44分より)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180130/k10011308921000.html

 なお、過去の報道によると、2012年にドコモがらでぃっしゅぼーやを買ったときの買収額は約69億円。ドコモは高値買いしたとも言われており、高値づかみしたものを安く売ったという形です。こういった失敗があるのは致し方ないことではあります。ただ、ドコモはことごとく失敗して、ほとんど成功したことがないようでした。

 オイシックスは今回、NTTドコモから新たに6億3000万円の出資を受けて業務提携を行うそうですけど、これもドコモが失敗を認めないための業務提携では?と揶揄されていました。


●オイシックスとは対照的にらでぃっしゅぼーやは成長しなかった

 NHKによると、オイシックスは、農家から直接仕入れた野菜を会員の自宅に届ける事業を全国で展開し、前年度である2017年度の売り上げはおよそ360億円。一方とのらでぃっしゅぼーやも、低農薬の野菜などの宅配を手がけていて、2017年度の売り上げはおよそ198億円でした。

 最初のうちの投稿では、2012年のらでぃっしゅぼーやの売上は220億円となっていました。2017年は198億円ですので、むしろ売上を減らしていたみたいですね。ドコモは本当商売が下手なようです。オイシックスの方は126億円から360億円に増えました。これは先の大地を守る会の買収があったのが大きく、わかりづらいのですけど、売上を伸ばして地位を逆転させた形にはなりました。

 オイシックスは、今回の買収によって顧客基盤を拡大するとともに、配送の効率化などを通じて競争力の強化を図る狙いだと、NHKでは書かれていました。別記事をちらっと読むと、契約農家を得られるのが大きいとも言われていますね。生鮮食品の宅配事業には、ネット通販大手の「アマゾン」や、流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」などが相次いで本格的に参入しており、それらへの対抗策です。

 安さではなく高品質で勝負するというのは、アマゾンとは違うやり方だと思うのですけど、アマゾンはアメリカだと高級スーパーを買収していますし、今後日本でもどうなるのか?というのも気になります。


●オイシックス・ラ・大地と「旬八青果店」のアグリゲートがなぜ提携?

2023/05/21追記:オイシックスの最近のニュースを…と検索。オイシックス・ラ・大地、「旬八青果店」運営のアグリゲートを子会社化へ 青果流通を通じてシナジー | TECH+(テックプラス)(2023/05/16 08:00 日本ネット経済新聞)という記事が目に止まりました。旬八青果店もうちで紹介したところですので、興味があります。
(関連:町の八百屋は潰れて当然!アグリゲートの旬八青果店はフランチャイズ開店も予定)

<食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地は5月11日、アグリゲートの第三者割当増資の引き受けにより持分法適用会社化したと発表した。オイシックス・ラ・大地によるアグリゲートの所有株式割合は20%となり、今年秋ごろの子会社化も見据え、業務提携を推進する。>

 提携の理由は「親和性が高い」、要するに似ているから…といった説明でした。最初のときにオイシックスがむしろ伸びない理由と見られていたのは、付加価値の高い路線であったこと。「旬八青果店」もこだわりを持って農産物を選んでいるところで、地方の農家との繋がりもあります。似ているために相乗効果があるという説明でした。

「旬八青果店」
・ブランドミッションは「不本意な都市の食生活を豊かにし、それと同時に地方経済を活性化する」を
・モットーは「あなたにとってのおいしい青果を。」
・契約生産者や全国の市場とのリレーションを持ち、ストーリーのある農産品を数多く開発し販売。

「オイシックス・ラ・大地」
・食の課題をビジネスの手法で解決することが企業理念
・「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」といった、農産品や加工食品など、安心安全にこだわった食材を取り扱う食品宅配サービスを展開。

 記事では記載なかったものの、個人的に気になるのは、オイシックスのリアル店舗への展開。リアル店舗の企業がオンラインへの展開を目指すだけでなく、ネット専業だった企業がリアル店舗を求める…というのは、以前からあるトレンドのひとつ。例えば、ネットで大成功したあのアマゾンすらもリアルを重視。そういう意味でも興味ある業務提携でした。


●カラオケ売り給食で頑張るはずだったシダックス、苦戦で買収される

2024/01/09追記:シダックスはカラオケを売って本業の給食事業に注力!といった感じだったのですけど、その給食事業でも苦戦していたみたいですね。買収しまくっているオイシックスが、シダックスをも子会社化(MBO、経営陣が参加する買収))するというニュースが出ていました。

オイシックス、シダックスを子会社化 給食で連携拡大 - 日本経済新聞(2023年11月10日 20:09)
<食材宅配サービスを手掛けるオイシックス・ラ・大地は10日、シダックスを子会社化すると発表した。シダックスがMBO(経営陣が参加する買収)で株式を非公開化した後に実施する第三者割当増資を引き受ける。オイシックスは66%を出資する予定だ。原材料高や人手不足でシダックスの主力の給食事業の収益が悪化する中、構造改革を急ぐ。>

 もともとオイシックスがシダックスに約28%を出資して筆頭株主だった模様。ほぼ同じ約28%を創業家関連が占めており、これだけでほぼ6割でした。以前からオイシックスとシダックスは協業もしていたそうで、これをさらに進める予定だと言います。

<シダックスはオイシックスと、シダックスが運営する保育園への業務用の食材「ミールキット」の提供などで協業している。だが、食品宅配の購入経路の多様化などで迅速な意思決定と事業展開が十分でなかったという。
 原材料高や人手不足で主力の給食事業の収益が悪化するなか、非公開化とオイシックスによる子会社化で構造改革を迅速に進める。シダックスが給食を提供する病院や保育園などの利用者へのサービス提供拡大や、法人向けサービスに接する顧客をオイシックスの会員に誘客するといった相乗効果の青写真を描いている。>


【本文中でリンクした投稿】
  ■町の八百屋は潰れて当然!アグリゲートの旬八青果店はフランチャイズ開店も予定

【関連投稿】
  ■メルカリの蔑称「泥棒市場」、ドン・キホーテの前の店名だった
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