お酒に関する話をまとめ。<お酒で性格が変わらない?酔うと人が変わる…は嘘という研究>、<お酒で豹変は本当にないの?おとなしい彼が攻撃的で怒りやすく!>、<理性がまひ…酒乱になりやすい人、実は大体科学的に説明できる>などをまとめています。
2023/02/08追記:
●日本人の6人に1人は酒乱? 飲酒は安易で低レベルな快楽の可能性 【NEW】
『
酒乱になる人、ならない人』(真先 敏弘 国立療養所久里浜病院神経内科医長)


●お酒で性格が変わらない?酔うと人が変わる…は嘘という研究
2019/06/08:
「酔うと人格が変わる」はウソだった!?(米・研究結果) | TABI LABO(2017/06/28)という記事がありました。アメリカのミズーリ大学による研究を紹介したものだそうです。まず、実験については以下のような説明。簡単にいうと、ゲームやパズルをやってもらいながら、「人が変わったかどうか」を見てもらう実験みたいですね。
・156人の被験者をアルコールを摂取する人たちと、そうでない人とに分け、さらに各チーム内で同性を3〜4人のグループに。その上で、お酒(または炭酸飲料)を飲んだ後にゲームやパズルを実施した。
・その間、被験者の人格がどのように変わったかを、それぞれが主観で記録。さらに、部屋の外から客観的に見ていたオブザーバーも、彼らの人格の変わりようを同じく記す。
お酒を飲んだ被験者は、「他人の話を効かなくなる」「注意力が散漫になる」「頑固になる」「大雑把になる」「おしゃべりになる」などの自己評価をしました。しかし、部屋の外の人々からの意見は異なっていたのです。
部屋の外の観察者の意見は、「みな、少しおしゃべりになっただだけ」というもの。つまり、お酒の勢いで性格が変わったと思いたいのは自分だけで、他人から見たら、じつはほとんど変わった印象はなかった…というのが結論だと記事では書いていました。
●お酒で豹変は本当にないの?おとなしい彼が攻撃的で怒りやすく!
ただし、いろいろと問題を感じる結論。もともとの研究のせいなのか、紹介した記事のせいなのかわかりませんが、「酔うと人が変わる」という場合、悪酔いすることを指すことが多いです。上記の実験ではおそらくグダグタになるまで飲んでいないと思われるので、悪酔いにより性格の豹変が存在しないことは証明できていないでしょう。
例えば、
発言小町では、以下のような「おとなしい性格の人がお酒を飲んだときに怒ったり粘着したりして困る」という相談が出ており、こうしたケースは実際によく聞きます。これを「少しおしゃべりになっただだけ」で済ますのは、相当無理があるでしょう。
・今の彼について悩んでいます。普段はとても穏やかでやさしく、どちらかというとおとなしい性格です。でも、お酒を飲むと攻撃的になるんです。特にジェラシーが激しく、酔った彼の前で他の男人と楽しく話をしてしまっただけで怒り出します。
・先に帰ってしまったり、電話に出るまで何度もかけてきたり、後に二人きりになった時酔いが冷めるまでしつこく文句を言われたりします。
●理性がまひ…酒乱になりやすい人、実は大体科学的に説明できる
このような酒乱に関しては、実を言うと、過去に
お酒を飲むと怒りやすくなる怒り上戸や笑い上戸・泣き上戸のしくみで書いています。帝京科学大学医療科学部医学教育センター教授である眞先敏弘さんは、酒乱の人は「アルコールにより理性を司る部分が最初にまひするため、感情を制御できなくなる」と説明していました。アメリカの実験でこうした酒乱を考えていなかったのは、あまり量を飲ませなかっただけでなく、アメリカ人に酒乱が少ない可能性も…。日本人は、酒乱になる条件の2種類の遺伝子を持った人が多いんだそうです。
また、普段から自分を抑制している人や真面目な人、ストレスが多い人など…酒乱になりやすい環境的な要因もあるのではないかとのこと。つまり、普段は無理やり抑えている人格が出てきているって感じですね。そういう意味では「性格が変わらない」と言えなくはないですし、ある意味「本当の性格が出ている」とも言えるかもしれません。
で、この説明からすると、前述のお酒を飲むと異常なほど粘着してくる彼は、本来の性格に問題があると考えられます。付き合いだしたり結婚したりすると、今まで隠してきた地が出て嫌な思いをさせられるということもよくある話ですし、その本来の性格に耐えられるかどうかよーく考える必要があるでしょう。
●日本人の6人に1人は酒乱? 飲酒は安易で低レベルな快楽の可能性
2023/02/08追記:検索していて、『
酒乱になる人、ならない人』(真先 敏弘 国立療養所久里浜病院神経内科医長)という書籍があることを知りました。「酒乱」遺伝子を持っていて、かつ「下戸」遺伝子を持っていない人が酒乱になるための必要条件と考えると、日本人の六人に一人が該当するといいます。
<日本人の六人に一人は「酒乱」?「酒乱」遺伝子を持っていて、かつ「下戸」遺伝子を持っていない人、それが酒乱になるための必要条件である。この条件には、なんと日本人の六分の一が該当する。自分の「酒乱」が実は遺伝子のせいであると知ったら?「酒豪」も遺伝子のおかげだと分かったら?本書は、アルコールが細胞や脳にもたらす「酔い」や、「酒乱」のメカニズムを最新の研究をもとに科学的に解説>
レビューのところでは、アル中でお酒が入ると酒乱になるという主人に購入したという奥さんがいました。やはり「お酒を飲んで人が変わる」と言いたくなる人は現実にいますよね。ただ、この方は内容レビューはしていなかったので、別のレビューをひとつ紹介しておきます。
<自分が知りたかった脳生理学と薬理学の視点からのアルコールが及ぼす影響について書かれていますし、遺伝子の違いからアルコール(エタノール)を体内で代謝する能力の差についても説明されています。(中略)私が思ってきた考えの答え合わせになった点のひとつに、アルコールを求めることは、脳にとって「報酬系」を求めること。あたりまえっちゃ当たり前ですが、ヒトを含む動物は「気持ちよくなる」ことを求めますからね。
本文によりますと、飲酒について「なんの努力も伴わずに快楽という報酬を得ること」「この努力いらずの快感が『依存症』と常に表裏一体の関係にある。」と書かれていて(p.100)、この問題の本質について明らかにされていると思いました。
実は飲酒に耽って意識を鈍らせるよりも、自分の果たすべき責任に正面から取り組んで得られる達成感の方が、はるかに快感で幸福感をもたらしてくれるのですが、これは脳の前頭葉で行われる、ホモサピエンスを人間足らしめる領域で行われることなので、「快感」の次元が違いますよね。
何冊か飲酒に関連した本を読みましたが、この本とアレン・カーの二冊を読めば最強です。飲酒を止めてから読みましたが、だめ押しになりました。別にアルコール依存症でなくても、「お酒」という皮をかぶった「エタノール」を摂取することの無意味さを明確にしてくれます>
『
酒乱になる人、ならない人』(真先 敏弘 国立療養所久里浜病院神経内科医長)


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