以前も見た"モノづくり、ものがたり。"というサイトからメトロールという会社を。
株式会社メトロール:成功企業紹介 | モノづくり、ものがたり。
コンピュータ制御の工作機械や半導体製造装置が、高い性能を発揮するのに必要な「精密位置決めスイッチ」を世界で初めて開発し、その分野では世界シェアトップを誇る。
このオンリーワン企業を率いる松橋卓司社長の企業ポリシーとは、そして、国内で製造を行っているにも関わらず、円高不況をものともせずに、世界に向けて快進撃を続けるメトロールとは、一体どんな会社なのか?
http://kirari-tech.metro.tokyo.jp/success/example/index02.html
私は知らなかった会社ですが、あまり有名じゃないようで、Wikipediaにも項目がありません。
オフィシャルサイトによると社員数114人だそうです。Wikipediaで検索して出てくるのは、下記の
ファイヤーマンの関係だけでした。
『ファイヤーマン』は、円谷プロダクションと萬年社が製作し、1973年(昭和48年)1月7日から同年7月31日まで日本テレビ系で毎週日曜日18:30 - 19:00(第12話まで)、毎週火曜日19:00 - 19:30(第13話から)に全30話が放送された特撮テレビ番組と、その劇中に登場する巨大変身ヒーローの名前。
何でこれが出てきたのか?と言うと、"侵略宇宙人 メトロール星人"というのがいるためです。
あまり他におもしろい話を見つけられなかったので、さっさと"モノづくり、ものがたり。"の方へ行ってみます。
ただ、以下の部分もそうおもしろい話じゃないですね。メトロールが何をやっているかわからないので、仕方なく引用。
メトロールの「精密位置決めスイッチ」は、このCNC工作機械(引用者注:部品や金型を削り出す機械、マザーマシン)の工具位置をコントロールするのに、重要なパーツとして採用されている。CADで書かれた図面の構図を、工作機械のコンピュータがX・Y・Z軸を割り出し、自動的に刃物で工作物を加工していくように指示していく。
メトロールの「精密位置決めスイッチ」は、このCNC工作機械の工具位置をコントロールするのに、重要なパーツとして採用されている。(中略)
作業時間と共に、工具を取り付けている軸が回転の熱により膨張したり、工具が磨耗するなどし、ズレが生じてくる。このズレを定期的に検知し、工作機械にフィードバックすることで、精度の高い加工を実現する。そのための制御装置が、メトロールの「精密位置決めスイッチ」だ。
ここからが多少おもしろい話になってきます。実は制御業界では「電気式が当たり前」でした。その常識を打ち破ったのがこのメトロールなのです。
電気式は非接触のスイッチで、磁気や光を用いて、モノの存在を感知するものです。ところが、"油や金属切粉が飛び散る悪環境で、電気式のスイッチでは不具合を生じやすくな"るという問題がありました。
一方のメトロールの「精密位置決めスイッチ」は「機械式(接触式)」です。"アンプを使用しないメカ構造のため、温度変化に強く、金属粉の混じった切削油をかぶっても狂いが生じる心配がな"くなりました。
また、このページには書かれていなかったと思いますが、価格面でも機械式スイッチは有利だったようです。
こうして画期的なスイッチを世に送り出してから30年間、メトロールは"技術を磨き、オリジナリティが高く、高精度な工業用スイッチの新製品を次々と生み出し、世界に普及させた、オンリーワン企業"としてやってきました。
ただ、"2001年9月11日に起きた米国同時多発テロの影響で、工作機械の輸出がストップした"ときはピンチだったようです。
このとき松橋卓司社長は"「精密位置決めスイッチ」が求められている分野は工作機械だけではなく、産業機械に広くあるはずだと考え、新製品の開発に着手し、半導体製造装置、医療機器など、さまざまな業界で精度を求められる高性能な機械に徹底した売込み"、成功しました。
以前も書いた気がするのですが、このサイトに載っている成功例は「モノづくり」を前面に押し出しているにも関わらず、「良いものを作っているだけではダメだ」という教訓がところどころに見えています。
技術の高いものが作れれば、何もせずとも売れていくというわけではありません。高い技術を元にしつつも、顧客が実感できるメリットを自分たちで作り出さなければいけません。
その他、メトロールは松橋卓司社長の個性が強く、ユニークなことをしているのも特徴に見えます。
たとえば、"メトロールの工場、事務棟のフロアーは、製造、業務、営業、マーケティング、そして設計・開発の部門は、仕切りのないオープンスペース、壁があるのは応接室と更衣室とトイレだけ"という徹底したオープン志向です。
社長室もないそうですが、こういう会社はちょくちょくあると思います。ただ、「情報を取りに世界中の現場へ、動き回わる社長に、部屋は必要ないんですよ」という説明は、なるほどなぁという納得の理由です。
「プロジェクトが失敗した時は、全部社長の責任 勝負は時の運!担当者は忘れるのが仕事」というのも特徴です。結構成功している企業には、こうやって失敗を許容している企業があります。
それから、「会議で敬語禁止」というのもありました。これはさすがに聞いたことないですね。「発言権に、年齢、肩書き、経験は一切関係ありません」という思想を端的に示しています。
この後だいぶ省略して、次に「へー」と思ったところまで飛びます。精密機械の組立ての話です。
流れ作業による分業は行わず、一人一人が、製品を責任を持って完成させる、「一個流し」と言われる製造方法を採用している。(中略)
組立てにあたっては、かなりの熟練を要するのではないかと思われたが、「当社では、手順通りに組み立てていけば、誰でも精度の高い製品が作れるような仕組みを確立しています」(営業支援課長)
品質に関わる重要な工程は、必ず治具(製品を組み立てる道具)を製作し、それを使えば、作業の標準化が確実に守られるというわけだ。
失敗を許容しているというところだと、マニュアル的なものを嫌うかな?と思っていたのですが、むしろ積極的なようですね。ただ、上記の通り分業ではないせいで、やることの幅自体はたいへん広そうです。
とりあえず、私がおもしろいと思ったところは以上。かなり個性的な企業で、実はちょくちょくメディアで取り上げられているようですね。これを機に覚えておこうと思います。
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