最初に投稿したのは、2014/2/7。金正男暗殺事件に絡んで、マレーシアが国交断絶を検討と話題になっていたので、2017/02/26にその点を追記して、再投稿しました。
●マレーシアの国交断絶検討で話題の北朝鮮
2017/02/26追記:北朝鮮の金正男さんがマレーシアの空港で殺害された事件で、マレーシアが北朝鮮の横槍に反発し、国交断絶も辞さないと反発していると、複数のところで報じられています。
例えば、以下の記事では、"北朝鮮とは友好関係にあったマレーシアだが、今回の批判と強硬な姿勢には猛反発"していると、されていました。北朝鮮がマレーシア当局による捜査を「政治的な目的がある」と批判したり、あくまで正男氏と認めないまま、遺体の即時引き渡しを要求しているためです。
金正男氏殺害でマレーシアと北朝鮮“国交断絶”緊張状態 東スポWeb 2017年2月24日 17時00分 (2017年2月24日 20時11分 更新) 政府筋は、北朝鮮側が批判をやめなければ、平壌のマレーシア大使館の閉鎖や駐マレーシア北朝鮮大使を追放する可能性もあると言っています。またマレーシアのナズリ観光・文化相は北朝鮮を“ならず者国家”と批判していました。たいへん険悪になっているのです。
この険悪さは、友好国であったはずのマレーシアが…というもので、マスコミはこの北朝鮮との関係について、マレーシアが特別であるかのように報じていました。実際、北朝鮮とマレーシアはビザなしで渡航できるなど、特別な国ではあるようです。
とはいえ、北朝鮮と国交がある国ということで言うと全く珍しいということはなく、むしろ日本のように国交のない国は少ないという事実は、あまり知られてないと思います。以下、2014/2/7に投稿した内容です。
●実はほとんどの国と国交がある北朝鮮
2014/2/7:この前知って、へーと思った話。北朝鮮って世界で孤立しているイメージがあるのですが、Wikipediaの
朝鮮民主主義人民共和国の国際関係というページにある図を見ると、世界のほとんどの国と国交があり、国交がない国の方が珍しいです。
(著作権者:英語版ウィキペディアのJapinderumさん)

Wikipediaでは国交のある国を緑色、国交が終結した国(かつては国交があったがなくなった?)を赤、国交のない国を灰色で塗っているのですが、ほとんど緑色です。
"北朝鮮は法的にはいまだ韓国や西側諸国と戦争状態にあり、中国との密接な関係を維持し、他の国との関係はしばしば限定的である"とあるように、「国交がある」とは言っても正常な状態かはわからないのですがずいぶんイメージと違いました。
たとえば、2000年7月、北朝鮮はASEAN地域フォーラム(ARF)に参加し、7月26日から27日にかけてバンコクで開催されたARF閣僚会議に白南淳外相が出席しています。北朝鮮はその年から二国間関係を構築し始め、イタリア、オーストラリア、フィリピンと国交を樹立しました。
さらにイギリスとは2000年12月13日、カナダは2001年2月、ドイツとニュージーランドはそれぞれ2001年3月1日に北朝鮮と国交を樹立。メキシコもまた北朝鮮との国交を維持しています。
(著作権者:英語版ウィキペディアのJapinderumさん)

●北朝鮮と国交のある国・国交のない国
国交を結んでいない代表国としては、アメリカ、フランスですね。もちろん日本や韓国とも結んでいません。
しかし、G8で言うと、残りはすべて国交があるのです。
国交のある国 イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、ロシア
国交のない国 なし
前述のように限定的などの注文はつくところもあるのですが、世界で影響力の高い国とも国交を結んでいます。
「カナダ」
"カナダはアジア太平洋地域において北朝鮮が不安定要素の原因になっているとして、北朝鮮との貿易をほとんど行っていない。両国は2001年2月、国交を樹立した。しかし、両国はともに大使館を設置していない。カナダはソウルの駐韓国大使が北朝鮮大使を兼ねており、北朝鮮は国連大使がカナダ大使を兼ねている"
「イギリス」
"南北関係の改善に従い、2000年12月12日、北朝鮮と英国は国交を樹立し、ロンドンと平壌に大使館が設けられた。英国は北朝鮮の官僚に英語や人権についての訓練を施し、北朝鮮政府に対し国連人権状況特別報告官の訪問を受け入れるよう求めており、また、英国は二国間の北朝鮮における人道プロジェクトを監督している"
一方で、国交のない珍しい国としては、イスラエルに特筆すべき点があります。
「イスラエル」
"北朝鮮はイスラエルを承認しておらず、その代わりにイスラエル領内のパレスチナ自治政府の領土の主張を承認している。過去において、北朝鮮はイランやシリア、リビア、エジプトなどイスラエルと敵対してきた国にミサイル技術を提供し、それらの国は北朝鮮と核開発計画において協力を維持してきた。北朝鮮はガザ戦争においてイスラエルがシリアの領空を侵犯したと非難した。2007年9月6日、イスラエル空軍はシリアのデリゾール市を空爆した。メディアの報道やIAEAの査察報告によると、空爆のため10人の北朝鮮の科学者が死亡した。北朝鮮は現在イスラエル市民の入国を禁止している"
(著作権者:英語版ウィキペディアのJapinderumさん)

地図を眺めてみると、他にサウジアラビアと国交がなく、イラクとは断絶。それ以外の中東の国では抜けはなさそうでした。
残りも地図で見る限りですが、アフリカで国交がないのは2カ国のみです。ただ、この2カ国も国の独立などの別の問題があるかもしれません。
前述した国以外のアジアの国はほとんど網羅しています。ヨーロッパも既に言及した国を除きほとんど塗り潰されています。
…と書いていましたが、2017/04/28見直していて、バルト3国で1国灰色なのを発見。エストニアじゃないかと思います。あと、アジアでも台湾が灰色。アジアではもう一つインドの北東で少し灰色なのがあり、ブータンじゃないか?と思いました。
比較的抜けが多いのは中米、南米です。中米は面積が小さい国があってわかりづらいですが、南米だとエクアドル、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイあたりで、アルゼンチンやチリとが以前は国交あったけど…という意味だと思う赤色になっているのがわかります。
意外だなぁと思いますけど、ここらへんはマスメディアが北朝鮮に悪い印象ばかり植え付けているせいかもしれませんね。
この報道傾向はどちらかと言うと政府の意図に従ったものであり、「反日マスゴミめ!」と盛り上がれそうにないところですが、そういう単純なメディア観が現実的でないという証拠の一つかもしれません。
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