かつてはスチュワーデスと言われていた飛行機の客室乗務員。今は違う言葉に変わったのですけど、各社いろいろ言っていてわけがわかりません。一応その中では、「CA」「キャビンアテンダント」という言い方が優勢。ところが、この一番メジャーな言い方が海外で通じないそうで、客室乗務員の方も戸惑っていました。
2018/05/16:
●日本だとスチュワーデスの言い換えは「CA」「キャビンアテンダント」
●「フライトアテンダント」「キャビンクルー」の名称も日本ではある
●最も多いCA・キャビンアテンダントは和製英語で海外では通じない
2020/05/03:
●未だに「スチュワーデス」をガンガン使ってるマスコミがあった!
●日本だとスチュワーデスの言い換えは「CA」「キャビンアテンダント」
2018/05/16:
スチュワード・スチュワーデスを言い換えるのは語源が差別用語だから?と関連する話。
JAL(日本航空)では、1996(平成8)年9月まで「スチュワーデス」という職位と呼称が存在していました。当時は、スチュワーデスの上位職が、アシスタントパーサー、パーサー、チーフパーサーという扱い。そして、同年10月からこれらの職位の呼称を変更するタイミングで、客室乗務員の呼称が「フライトアテンダント」に変更されたとそうです。
ところが、この言葉はさっぱり浸透せず、現在は「客室乗務員」「キャビンアテンダント」「キャビンクルー」「CA」と複数の呼称が存在するというややこしいことになりました。
ANA(全日空)の方は、1987(昭和62)年から「客室乗務員」を使用、社内では「客室乗務員」「CA」が多く使われるとのこと。乗客からはどう呼ばれることが多いのか、JALとANAに聞いたところ、JALは「CAさん」「客室乗務員さん」「キャビンクルーさん」、ANAは「CAさん」が多いとのことでした。
("飛行機の客室乗務員、「スチュワーデス」と呼ばなくなったワケ 外国では「CA」通じない場合も 乗りものニュース / 2018年5月15日 16時10分"より)
https://news.infoseek.co.jp/article/trafficnews_80311/
一方、
客室乗務員 - Wikipediaにおいては、"現在の日本では、テレビドラマなどの影響で「キャビンアテンダント」と呼ばれることが多い"とされていました。
●「フライトアテンダント」「キャビンクルー」の名称も日本ではある
ただ、日本の航空各社のウェブサイトを見ると、「客室乗務員」との表記が一番多いものの、いろいろあってわけがわかりません。
ジェットスター・ジャパン「キャビンクルー」
バニラエア「フライトアテンダント」
JAL、ANA「キャビンアテンダント」
コトバンクの説明でもいろいろあり、やはり「キャビンアテンダント」「フライトアテンダント」「キャビンクルー」の名称が出ています。
●最も多いCA・キャビンアテンダントは和製英語で海外では通じない
以上のようにいろいろあったものの、「CA」「キャビンアテンダント」が日本では多いとのことでした。ところが、先の乗りものニュースによると、よりによってこの最も使われている「CA」「キャビンアテンダント」が海外では通じないそうです。
作者である元キャビンアテンダントでライター宮崎佳代子さんが、何度かこの言葉を外国人に使ったことがあるものの、いずれも理解されなかったといいます。というか、このプロフィール説明でも「キャビンアテンダント」が採用されちゃっていますね。
一方で「フライトアテンダント」だと通じるし、「キャビンクルー」は、世界中の航空会社でよく使われているとのこと。ウィキペディアでも、"cabin attendant は和製英語で、英語ではこの表現を用いることは少なく、「フライトアテンダント (Flight Attendant)」、あるいは集合名詞「キャビンクルー (Cabin Crew)」がはるかに標準的である"としています。
かつてJALで先任客室乗務員を務めた人物によると、「キャビンアテンダント」は日本で生まれた言葉で、1970年代、すでにこの言葉が同社で使用されていた、とも宮崎佳代子さんは書いていました。また面倒なことになってしまいましたね。
●未だに「スチュワーデス」をガンガン使ってるマスコミがあった!
2020/05/03:スチュワーデスはマスメディアでは使われなくなったと思ったのですけど、ガンガン使っている記事がありました。
ロシア旅客機炎上 果敢に乗客救助のスチュワーデスを英国人が「ヒーロー」 - Sputnik 日本(2019年05月07日 16:34)というものです。ただし、ロシア国営系メディアのスプートニクの記事ですから、言語的な問題かもしれません。スムーズな日本語なんですけどね。
<モスクワで起きたロシア旅客機炎上は世界中で報じられているが、中でも英デイリーメール、メトロ各紙は、きわめて危険な状況の中で、乗員らと協力して乗客の救助に専心したロシア人スチュワーデスのタチヤナ・カサートキナさんの勇敢な行為を大きく取り上げた>
<たくさんの人が記事にコメントし、タチヤナさんを英雄とたたえ、そのプロ根性と自制心に感嘆している。
「なんというヒロイン。それに美しい」と書いたのはコービン・ヘイターさん。
「このスチュワーデスはヒーローだ。」こう書いたのはチャーム・クォークさん>
前述の通り、スプートニク記者が日本人ではないせいじゃないかと思いますが、「スチュワーデス」の女性の美しさについてのコメントを抜粋していて、前時代的な匂いもします。また、ロシア国営系ですので、女性の魅力を全面に出してイメージ向上をはかる…というロシアのやり方も思い出してしまいました。
【本文中でリンクした投稿】
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