Appendix

広告

Entries

アメリカでトンデモ研究連発のDARPA 神話的・SF的兵器などを開発


 DARPAの話をまとめ。<米国防総省機関なのにトンデモプロジェクトの宝庫DARPA>、<DARPA最大の成果はインターネットの原型の開発>、<神話の武器みたいな兵器開発プロジェクト>、<フランス陸軍がSF作家を雇用して参考に…米などでも似た事例>などをまとめています。

2023/05/14:
見直し


●米国防総省機関なのにトンデモプロジェクトの宝庫DARPA

2010/5/19:最初は「DARPAはトンデモプロジェクトの宝庫」というタイトルで投稿していた話。米国防総省「DARPA」の歴代“トンデモ研究”とは? 2010年05月10日 R25.jp 村木哲郎を読んで、DARPA(ダーパ )という組織に興味を持ちました。DARPAは、国防高等研究計画局というアメリカの機関です。記事にも説明がありましたが、ほとんど変わらないのでDARPAの説明だけは、Wikipediaからの引用です。

 DARPAは軍隊使用のための新技術開発および研究を行うアメリカ国防総省の機関で、最先端科学技術の軍事技術への転用を目的とします。しかし、固定観念に囚われない自由度の高い研究への投資を重視し、軍や科学技術基金などの組織が行わない隙間技術への投資を積極的に行うそうで、一見すると空想的だったりトンデモに見えるような研究内容が多数あるそうです。軍の研究開発機関とは独立しており軍や議会からの批判や抵抗を受けないというのも、自由な研究に繋がっているのかもしれません。

 また、DARPAの研究施設というものは存在せず、実際の研究はプロジェクトマネージャーが企業や大学の研究施設で行っているそうで、プロジェクトマネージャーは公募、任期は4~6年で、大半は民間人だそうです。研究も全て一般公募で、海外からも参加が可能だったり、アメリカ軍そのものも一般人と同条件で参加したりとかなりユニークです。

 この他、無人自動車による競技大会などを定期的に開いていることが書かれていましたが、ネットの力で気球を探せ――米国防総省がインターネット40周年記念ゲーム ITmedia 2009年11月02日によると、ネットを駆使した「気球探しゲーム」なんてのもここの主催だったようです。

 このゲームは「Network Challenge」という名前で、米国のどこかに設置する10個の気象観測気球の位置を特定するというもの。4万ドルの賞金もあったそうです。

単に遊んでいるだけ…に見えますが、一応ちゃんとした目的がありました。「広範にわたりスピードを要する問題を解決するのに必要なタイムリーなコミュニケーション、広い地域にわたるチームの結成、緊急動員において、インターネットとSNSが演じる役割を研究する」というものなんだとか…。


●DARPA最大の成果はインターネットの原型の開発

 Wikipediaに載っていたDARPAの研究で、トンデモとしてふさわしいのが、兵士が最高のパフォーマンスを不眠・不休・絶食の状態で維持できるかという「メタボリック・ドミナンス」あるいは「『最高の兵士能力』プロジェクト」と呼ばれるプロジェクト。

 それから、最初の記事には、軍事利用に適した「空を飛ぶ車」、戦場で会話せずとも兵士同士が安全にコミュニケーションできるテレパシー技術「サイレント・トーク」、幼虫にチップを埋めて育て、偵察機代わりにする「虫のサイボーグ」などが紹介されていました。

 こんな機関が役に立っているのか?と不思議に思うかもしれませんが、DARPAの全身であるARPAの時期にインターネットの原型であるARPANETを開発していました。これが最大の成果と言えそうですが、DARPAだけでなく歴史的に見ても重要という大きな成果です。世界を変えるような大発明でした。


●神話の武器みたいな兵器開発プロジェクト

 で、他に記事はあるかなと調べてみると、出てくる、出てくる…そして、調べているうちに、私は以前この機関の研究について既に書いていたことに気付きました。"神話に登場するような兵器を作成中"というタイトルで投稿していた、稲妻を制御して人工落雷を落としたり、逆に防いだりといった研究の話です。以降は、その当時書いたものがベースです。

2010/1/2:ここから「神話に登場するような兵器を作成中」というタイトルで投稿していた話をまとめ。「現代的な火薬武器に代わって、神話に登場するような兵器が出現するかもしれない」とする「稲妻の制御」をめざす米軍(2009/12/22、Wired Vision)という記事がありました。

 何言ってるの?ってな感じなのですが、米国防総省の先端研究機関である国防高等研究計画庁(DARPA)は、以前から天候制御や地球工学的な研究を行なっており、敵国の気候を操作して、自国軍の作戦能力を高める研究などを遂行してきたのだそうです。

 先の「神話に登場するような兵器」というのは、どうやら具体的には「稲妻」のことを言ってるようでした。日本でも「雷(神鳴り)」なんて言いますが、世界各地に雷に関する神様はいて、欧米だと北欧神話の雷神トールが代表的でしょうか。神話的な兵器です。

 DARPAは、人工的に稲妻を発生させたり、自然現象として起きる落雷を防いだり、雷が落ちる場所を変更したりする方法を研究しており、要請文書には「稲妻は、年10億ドルを超える直接的損害を資産にもたらす上に、人命の損失、活動の寸断(たとえば、衛星打ち上げの延期)およびそれに伴う金銭的損失をもたらす」と、書かれているとのこと。

 より具体的な内容としては、稲妻が多くの場合雷雲の中で活動することを考えて、地上からロケットを打ち上げて稲妻を誘発し、その移動と落雷の様子を研究したいと考えているようです。

 何だか夢のような話ですが、「人工落雷」は既に成功しており、日本の財団法人レーザー技術総合研究所サイトによると、最初に成功したのは、ワイヤーを付けた小型ロケットを打ち上げ、これに落雷させる「ロケット誘雷」で、1965年以来多数の成功例が報告されているそうです。また、1997年には、このワイヤー付ロケットと同じ機能を果たすプラズマをレーザーで作る「レーザー誘雷」の成功例もあるそうです。

 天候を操るといえば、ロシア軍も人工降雨を行い、それによってその後雨を降らなくさせるといったことも行っています。すごい時代になりました。

 ただ、この人工落雷の話はその後聞きませんし、結局、ものにならなかったのかもしれません。それはそれで、トンデモプロジェクトであふれるDARPAらしい結末ですけどね(2017/04/23追記)。


●今ある需要に興味なし…「まだ存在しない需要」だけを研究の対象とするDARPA

2017/07/21:DARPAについて書かれた米国の「世界最強の軍事科学集団」とはどんな組織か | 週末はこれを読め! from HONZ | ダイヤモンド・オンライン( 村上 浩:HONZ)によると、ベトナム戦争時のARPA局長であったエーベルハルト・レクティンさんは、この組織を「まだ存在しない需要」を満たすためのものだと表現したといいます。スケールがでかく、長期的視野に立っていますね。

 DARPAもこれを受け継いでおり、既存の技術に基づいた明確な需要は研究対象外。そのため、DARPAの上位に位置するペンタゴンは、9・11以降の対テロ戦争の頃からSF作家にアイデアを求めるようになりました。「国益にかなうサイエンス・フィクション」をモットーとするSIGMAグループなんかは、ペンタゴンとホワイトハウスにコンサルティングを行っているそうな。

 なので、トンデモ研究が生まれてくるわけですが、前述の通り、インターネットのような有用性あるものもこれまで生み出してきました。記事では、"戦場の最先端で活躍するドローンや生物兵器まで、DARPAがその誕生に関わった技術は、実際に世界を大きく変えてきた"としていました。ドローンなんかも民間で大活躍しているものですね。

 基本的にDARPAで扱うのは軍事技術ではあるものの、このように軍事以外のところでも大きく生活に貢献しています。また、「まだ存在しない需要」を探すという目標そのものも、民間企業にとって参考になるものだと思われます。こうした大局観を持った企業は強いですよ。

 ブラックなところがあって手放しで褒められないものの、Amazonなんかはそういう企業。日本からも長いスパンで考えられる企業が出てきてほしいところです。


●アメリカ空軍も神話系の「神からの杖」を開発中?

2018/02/25:DARPAではなく、アメリカ空軍の話なのですけど、DARPAでもあった神話の武器みたいな兵器開発プロジェクトがあったのでここで追記。神の杖または神からの杖(Rods from God)と呼ばれる神話みたいな宇宙兵器(軍事衛星)を開発中だという話を知りました。「核兵器に代わる戦略兵器として計画されている兵器」というので、すごいです。

 これは、別名を「運動エネルギー爆撃」(Kinetic bombardment)とも言うとのこと。「運動エネルギー」ということで、DARPAの人工落雷兵器とは違い、物理的なもの。具体的に言うと、宇宙から金属棒をぶち落として破壊するという構想でした。

 報道によると、使用されるのは、タングステンやチタン、ウランからなる全長6.1m、直径30cm、重量100kgの金属棒。この金属棒に小型推進ロケットを取り付け、高度1,000kmの低軌道上に配備された宇宙プラットホームから発射し、地上へ投下するといいます。

 この金属棒の落下中の速度は11,587km/h(約マッハ9.5)。激突による破壊力は核爆弾に匹敵するだけではなく、地下数百メートルにある目標を破壊可能だとされています。

 これだけでもすごいのですが、金属棒の誘導は他の衛星によって行われ、地球全域を攻撃することが可能だとのこと。また、即応性や命中率も高いばかりか、電磁波を放出しないため探知することが難しく、迎撃は極めて困難だとされていました。

 ただし、実を言うと、これらは信頼に欠ける情報みたいです。柳田理科雄さんは、寸法通りの金属棒だと重量はタングステンで8.3t、チタンで2tに及んでしまうとのことで、計算が全然違います。また、100kgの物体が11,587km/hで落下しても威力は広島型原爆の12万分の1程度ということで、これも全然違いました。

 さらに、米国科学者連盟のジョン・E・パイクさんは、金属棒が大気の断熱圧縮により融解してしまう事を指摘。このように間違いの指摘だらけですので、事実ではない情報じゃないかと思われます。
(神の杖 - Wikipediaより)


●フランス陸軍がSF作家を雇用して参考に…米などでも似た事例

2019/08/09:フランス陸軍がSF作家を雇ったことが判明、「未来の脅威に備えるために」 - GIGAZINE(2019年07月26日 07時00分)という記事がありました。DARPAに関してもSF的という書き方やSF作家と軍の関わりについての話をしていた気がするのですけど、読み直してみると全然書いていませんでしたね。

 今回の記事は、軍の人間では思いつかないような「未来の脅威」を想定するため、フランス陸軍が4~5人のSF作家を雇い入れていたという、ウソみたいな話を伝えたもの。当然、SF作家が考えたシナリオは秘密。「トップシークレット」の扱いになっているそうです。

 2018年にフランスでは、人工知能(AI)やサイバーセキュリティの研究を行う国防イノベーション庁が設立されています。この国防イノベーション庁の報告により、フランス陸軍が新たにSF作家による「Red Team」を結成していたことが判明しました。軍の人間では考えつかない「混乱のシナリオ」を想定する役目を担っているそうです。

 アメリカでもレーガン政権下で作家のラリー・ニーヴンさんらが宇宙政策に関する警察市民会議を設立したという例があるとのこと。また、911事件の後にペンタゴンはSF作家を雇い入れ、国防のブレインストーミングに加えたこともあるといいます。さらに、カナダ人作家のカール・シュレーダーが書いたCrisis in Zefraという小説も、カナダ軍が将来的な紛争を想定するためのシナリオとして書かせたものだそうです。


【その他関連投稿】
  ■石油は植物の化石…は間違いだった?近年注目の石油無機起源説
  ■赤ん坊を殺したフリードリヒ2世の人体実験とオキシトシンの効果
  ■人差し指より薬指が長い男性は女性にモテる…指の長さでわかること
  ■兄弟姉妹の構成による性格の研究 末っ子・長男長女・次男次女
  ■ラットにもある共感力、サイコパスは欠如 男性は女性より低い
  ■科学・疑似科学についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由