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日本食を売るには脱日本流も大事 ファミリーマートの海外展開は現地化で成功


 実は違うテーマの二つの記事を強引にまとめたので、ややタイトルから外れたところがあります。メインの記事はファミマの方で、以下のようなシリーズ記事の一つです。
ファミマ海外展開好調は「脱日本流」にあり:日経ビジネスオンライン 白壁 達久 2014年1月21日(火) 1/3ページ

 戦後復興と高度成長を支えた輝かしい言葉、メード・イン・ジャパン。かつて「粗悪品」の代名詞だったそれを、先人たちは「高品質」を表す言葉に塗り替えた。日本で、日本人が生み出すからこそ、実現できる価値があると信じてきた。

 だが、経済が国境を容易に越えていく今、「日本」へのこだわりと過度の矜持は、ただ感傷的な懐古と驕慢を呼ぶにすぎない。

 攻めの2014年、世界に経営を開くために本誌が提起したいのが、「メード・ウィズ・ジャパン」の3語だ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140120/258490/?n_cid=nbpnbo_mlt

 ファミリーマートの海外事業部で東アジアグループを見る小川修史マネジャーはこう言います。

「日本で売れている商品をそのまま台湾へ持っていっても、全然売れなかった。小売業は現地化しなければ未来がないとその時点で分かり、現地パートナーの意見をしっかりと聞いて、土地に根差した店づくりに転換した」

 ファミリーマートが"台湾に進出した際"には、日本流を押し通しました。"日本の商品を持ち込み、日本流の陳列で店を作った"のです。ところが、日本に非常に近いとされる台湾ですら、そのやり方は全く評価されませんでした。

 そこで"現地資本の意見を聞きながら、新たな店づくりや商品開発をするようになった"…というのが、契機のようです。私がいつもしつこく書いている現地化(ローカライズ)ですね。

 なお、ファミリーマートが中国に進出する際には、"日本流よりも、同じ中華圏の流儀の方が共通点があると踏ん"で台湾スタッフを送り込んでいます。こういったやり方はファミリーマートに限ったものではありません。

 ネットの論調を見ていると、中国と絶縁して台湾と仲良く…という考えがあるようですが、台湾進出を中国への足がかりとする日本企業は多いです。台湾進出は中国進出と無関係ではなく、擬似的な中国の玄関口とみなされているところがあります。


 ファミリーマートはこうして現地化を心がけましたが、他のライバルコンビニもこういうやり方をしたというわけではありません。

 たとえば、現地化戦略の一環でファミリーマートは出資比率を10%近く引き下げ、中国の合弁会社の持ち株比率が約60%となるようにしていましたが、同時期にライバルコンビニは正反対の動きをしています。

 ローソンは2011年に"合弁会社の株を買い増し、ローソンの持ち株比率を49%から85%へと引き上げて"、"自社主導の商品開発や出店戦略に舵を切"りました。しかし、話の流れからわかるように成功したのはファミリーマートの方です。

 ファミリーマートより8年も早い1996年、国内3社で中国上海に一番早く進出したローソンですが、店舗数は"296(2013年11月末)"です。対して、出遅れたはずの"ファミマはその2.6倍に相当する770店(同)"。しかも、"ローソンは店舗数を減らす傾向"で、ファミリーマートは増加。差は開く一方です。

 "ローソンの上海事業は現状で赤字だが、ファミマは2013年度に黒字化する見込み"と中身の濃さでも、ファミリーマートに軍配が上がります。"日本流を押し通すのではなく、あくまで現地の商習慣や消費行動に合わせた店づくりをした"ファミリーマートの完勝でした。

 ただ、全部現地任せ(この場合は中国任せ)となるというわけではありません。大切なのは日本流を押し付けるのではなく、現地に合わせながら日本の良いところを活かすことです。


 ここでやっと「日本食を脱日本流で売る」というタイトルに絡む話がちょっとだけ出ます。日本料理の海外の反応 おでんは好きか嫌いか?で見たように東アジアでも人気のおでん。この投稿を読み直すとローソンの成功例が出ていましたが、ファミリーマートは中国で"串に刺して1本からでも買いやすいよう"としているようです。

 中国以外でも各国で工夫を凝らします。屋台文化の浸透するインドネシアでは、店の中に広大な食事スペース(イートイン)を用意している他、日本ではフライドチキンが並ぶところに焼き鳥を並べています。

 フィリピンでは、何と「袋に入れたパンは古く、かびていると思う人が多い」そうで、"パンを袋に入れて売らず、レジ横の棚に置いて売っている"ようです。
 
 そもそも日本で成功したコンビニというもの自体が元祖はアメリカで、日本流にアレンジしたものです。日本の食事はおいしく、現地の料理より日本の海外料理の方がおいしいなどと言いますが、それも日本人の舌に合わせて現地化した面が大きいです。

 「日本食」が昨年は注目された年でしたが、これも口を酸っぱくして言っているように、海外で流行っている日本食チェーン店は純粋な日本食ではありません。おそらく日本人が見ると「こんなもの日本食ではない」と顔をしかめるようなものでしょう。(イギリス日本食ビッグ4が世界へ 本場感よりローカライズが成功の秘訣など)

 でも、私はその純日本食にこだわって、日本人が日本食ブームに乗り遅れるというのも馬鹿らしいと思うんですよ。ファミリーマートの記事ともう一つ合わせようと思った以下のインタビューでは、ズバリそういう話がありました。
「純日本食」にこだわってはいけない:日経ビジネスオンライン 田中秋人・アジアフードビジネス協会理事長に聞く 小平 和良 2014年1月20日(月) 1/3ページ

――外食や加工食品の分野では、日本勢は「日本の食」にこだわるあまり、徹底してローカル化した現地勢や他の海外勢に市場を奪われてしまうケースもあります。

田中:まず大切なのは、国内か海外かに関係なく、競争力がある商品なのかということです。競争力がある商品を作ったうえで、中国なら中国といった具合に現地の消費者に合わせてローカライズすることは必要でしょう。

 日本の中華料理だって中国の人が食べたらこれは中華料理じゃないという人がいるかもしれない。一方で、中国人でもこれはこれでおいしいという人もいる。食は風土に合わせて進化するものなのです。「純ジャパン」にこだわる必要はありません。

 「純ジャパン」が可能なのは高級店だけ。ボリュームゾーンでは無理です。国内だけを見ても、最初に回転寿司が出てきた時には誰もが「あれは寿司ではない」と思ったはず。でも、消費者の支持を集めています。そういうものなのです。

 その地その地で変わっていい。ただ、変わりながらも「さすが日本人がやっている店だ。本場の店だ」と思ってもらえるかが重要になってくるでしょう。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140117/258400/?n_cid=nbpnbo_mlt

 将来日本食が世界で浸透したときに、日本だけが蚊帳の外だったみたいなの嫌ですよ、私は。


 関連
  ■日本料理の海外の反応 おでんは好きか嫌いか?
  ■イギリス日本食ビッグ4が世界へ 本場感よりローカライズが成功の秘訣
  ■ローソン、いつの間にかダイエー傘下から三菱商事系に変わっていた
  ■セブンイレブンの弁当値引き制限は独禁法違反・優越的地位の乱用
  ■セイコーマート、500円ワインの秘密とホットシェフの良さ
  ■その他の企業などについて書いた記事

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