幼児IQに意味がないということは、今までの研究(
幼児教育で赤ちゃん用DVDは逆効果、幼児IQには2年で既に相関性無し)で既に見えていましたが、またその系統の説を補強する研究が出ていました。
「よく遊ぶ子は賢くなる」調査まとまる 2月13日 5時30分 NHK
発達心理学が専門のお茶の水女子大学の内田伸子名誉教授らが20代の社会人の子どもを持つ保護者1000人余りを対象に行いました。
この中で、「小学校入学前の子育てで意識していたこと」について尋ねたところ、偏差値68以上のいわゆる「難関大学」に合格するなどした子どもの保護者の35.8%が「思いっきり遊ばせること」と回答したのに対し、そうでない子どもの保護者では23.1%にとどまっていました。(中略)
内田名誉教授は、「小学校入学前は五感を使うことで脳が発達する大事な時期で、関心を持ったことをすぐ吸収できる力があります。遊びのなかで楽しみながらさまざまな力を身につけることがその後の学習意欲を育むことにつながる」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140213/k10015207301000.html
内田伸子名誉教授で検索するとこういう記事もありました。
"遊び"ができる子を育てる - 「強制型しつけ」の危険性を専門家が指摘 | マイナビニュース 神野恵美 [2014/01/17]
子供の発達的観点から見た場合、早期教育は子供にとって効果的なのだろうか。(中略)お茶の水女子大学の内田伸子名誉教授は次のように話す。
「重要なのは子供の発達段階に合わせた遊び方をしていくこと。そして早期教育というのは一概に時期ではなく、やり方や親の関わり方が重要です。大切なのは、"強制型"のしつけではなく、"共有型"のしつけです」。
強制型のしつけと共有型のしつけについて、内田名誉教授の解説は次の通りだ。「親の養育態度は子供の意欲や探究心を育てるうえで大きな影響を持っています。調査結果では、親のしつけスタイルは2つのタイプに分かれ、共有型しつけと強制型しつけがみられます。共有型しつけとは、子供の主体性や自主性を大切に子供との触れ合いを大事にする親の養育態度ですが、共有型しつけを受けた子供は、意欲や探究心が旺盛で、小学校に入学した後も学習意欲が高く、学力テストの成績も高いのです。一方、禁止や命令、悪いことをしたら罰を与えるのは当然と考えて子供に接する強制型しつけを受けた子供は、自尊感情が低く、学ぶ意欲や探究心も育ちません。いつも親の顔色を見ながら、指示を待って行動する態度が身についてしまうのです」。
その上で幼児期に最も大事なのは"遊び"。十文字学園女子大学人間生活学部幼児教育学科の大宮明子准教授は、「大人と子供では"遊び"の概念が違う。やっていて楽しいことというのは共通項ですが、大人の場合は仕事の息抜きなどの余暇的なもの。でも、子供の場合は純粋に楽しいことを意味し、"遊び"の結果として、考える力や思いやりの心など様々な能力を身につけていきます」。また、内田名誉教授も「やっていて楽しいということが子供の自発性を育み、学習へのその後の自発的な意欲につながっていきます」と、幼児期における遊びの重要性を強調する。
http://news.mynavi.jp/articles/2014/01/17/asobi/
内容がだいぶ異なりますが、
幼児期の子供はIQより自制心の強さが大事 マシュマロ実験の結果なども、学習させることよりも将来学習を続けるための能力をという話と捉えられなくもありません。
この研究に関するオフィシャルサイトからアンケート結果に関わるところをピックアップしておきます。
レポート:20歳代の社会人の子どもを持つ親1,000人に聞いた 子育てに関する実態調査|プレイフルラーニング 幼児の「遊びと学び」プロジェクト
http://asobi-manabi.jp/reports/02.html■とても意識的に取り組んでいたこと
思いっきり遊ばせること
難関突破経験者 35.8% 未経験者 23.1%
遊びの時間を子どもと共に過ごすこと
難関突破経験者 26.3% 未経験者 15.3%
子どもの趣味や好きなことに集中して取り組ませること
難関突破経験者 24.1% 未経験者 12.7%
注目すべきなのは、2番めの「遊びの時間を子どもと共に過ごすこと」です。完全な放任主義ではないのです。
これは最初にリンクした
幼児教育で赤ちゃん用DVDは逆効果、幼児IQには2年で既に相関性無しタイトルの前半部分の話を思い出しました。子どもは生身の人間との触れ合い、「共有型」の子育てによって学ぶ面が大きいのです。
ここらへんの話は「毎日一緒にしていたこと」でより顕著に見えます。
■毎日一緒にしていたこと
一緒に話す
難関突破経験者 82.0% 未経験者 73.3%
一緒に遊ぶ
難関突破経験者 55.7% 未経験者 44.9%
絵本の読み聞かせをする
難関突破経験者 39.9% 未経験者 25.7%
一見矛盾するようですが、難関突破経験者はこの親との触れ合いと自発性的で自由な遊びが両立した子供時代を送っていたようです。
■遊ばせ方の違い
子どもの思いや意欲を大切にして遊ばせるようにしていた
難関突破経験者 29.7% 未経験者 14.2%
遊びに対する子どもの自発性を大事にした
難関突破経験者 28.8% 未経験者 16.0%
子どもが遊びに熱中している時には言葉をかけず、困った時だけ助けるようにした
難関突破経験者 19.6% 未経験者 12.3%
ここまでは「就学前のお子様の遊ばせ方」でしたが、小学校時代ではこの影響が残っている部分が見られます。
■小学校時代の育ち方
それなりに成績も良かったが、勉強ばかりしていたわけでもなかった
難関突破経験者 37.3% 未経験者 34.5%
親がきちんと理由を説明すれば、我慢や感情の抑制ができる子だった
難関突破経験者 34.5% 未経験者 14.1%
失敗してもくじけず、それを糧に再挑戦する意欲があった
難関突破経験者 20.9% 未経験者 8.4%
勉強しなさい、と言わなくても自分で勉強に取り組んでいた
難関突破経験者 16.8% 未経験者 6.6%
「我慢や感情の抑制ができる子だった」「自分で勉強に取り組んでいた」あたりは、再び
幼児期の子供はIQより自制心の強さが大事との関連性を思い起こさせます。
その他、アンケートでは「就学前の遊びを通じて身につけた力」について聞いていました。これは当然全体的に難関突破経験者の方が高くなっており、そこはあまり参考になりません。
おもしろいのは、難関突破経験者の「集中力」の高さが他の要素(想像力、論理力、応用力、解決力)より際立ったところが見られることです。先の「子どもが遊びに熱中している時には言葉をかけず」との関連を思わせました。
アンケートでは「共有型」と対立する「強制型」の選択肢(スパルタ、罰、叱るといったタイプ)が用意されていたのかがちょっとわからなかったので、単に難関突破経験者は全部高いんじゃないの?と思わなくもないです。
それは抜きにして、一応ポイントとしては、
・遊びの自発性
・親子のコミュニケーション
・集中力・熱中力
といったところでしょうか。
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