最初は「ダイエットに何度も失敗する理由 食事制限・低カロリー飲料の罠」というタイトルで書いていた話。その後、食事制限ダイエットが失敗しやすい理由をさらに付け足しています。そもそも食事制限ダイエットというのは、人間に向かないやり方なんだそうな。精神論や根性論頼りの方法だったんですね。失敗しやすいのは当然のようです。
●研究でわかった低カロリー飲料を飲む人が痩せない意外な理由は?
2014/2/16:「低カロリー飲料を飲む人が痩せない」と聞くと、「低カロリー飲料は自然ではない物質が入っているからだ」と思う人がいるかもしれませんが、そういう話じゃありません。これはどうも飲料でのカロリー摂取量は確かに低いんだけど、その分食べ物をたくさん食べちゃうってことみたいでした。
この話があったのは、
世界の雑記帳:低カロリー飲料を好む人、食事の量は増加=米調査 2014年01月17日 12時30分 毎日新聞という記事。米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが、低カロリー飲料を好む太った人は、砂糖入りソフトドリンクを飲む人よりも食べる量が多くなるとの調査結果を発表したそうです。
研究チームは、10年にわたって集められた計2万4000人分のデータを分析。低カロリー飲料を好む肥満の人は、そうじゃない肥満の人よりカロリー摂取量が少ないかと思いきや、何と飲み物の種類にかかわらず1日のカロリー摂取量は概ね同じでした。低カロリーだから大丈夫!と他のものを食べすぎちゃうのかもしれません。
●危険すぎ…厳しいカロリー制限をした摂食ダイエットは健康に悪い
この話のように、カロリー摂取量と痩せる・太るという話はセットになることが多いですね。低カロリーな食事を心がけて減量(いわゆるダイエット)…というのはよくある話です。ただ、この方法が本当に効果的なダイエット方法なのか?と言うと、そうでもない可能性がありそうでした。
こうした話があったのは、<食事制限だけでは正月太りを解消できないワケ>(2014年1月18日(土) PRESIDENT BOOKS /PRESIDENT Online スペシャル)という気になるタイトルの記事。記事の作者である医学博士で、東京学芸大学名誉教授の宮崎義憲さんは、まず、歳を取ると太りやすくなると指摘しています。
<30歳を過ぎると、身体の基礎代謝が落ちてくるために太りやすくなります。若い時と同じだけ食べてしまうとカロリーオーバー。それほど食べ過ぎているとも思えないのに、気がつけばお腹の周りに肉がついた「中年太り」体型になってしまったとお嘆きの方も多いことでしょう>
http://president.jp/articles/-/11706 では、「厳しいカロリー制限をした食事ダイエット」が良いのか?と言うと、そうではありません。宮崎義憲・東京学芸大学名誉教授は、極端にカロリーを減らした食事制限によるダイエットの場合、摂取する栄養分も減って栄養不足に陥るため、あらゆる世代の方にもお勧めできない大変危険な行為だとしていました。
●食事制限ダイエットが何度も失敗!逆効果で太りやすくなる理由
痩せたい!と思う人には、「体に悪い」という警告では歯止めにならないかもしれません。しかし、逆効果と言われると、思いとどまるかもしれません。実を言うと、食事制限ダイエットは健康面の影響だけでなく、ダイエット法として悪手。その理由は、極端な食事制限をすると、大事な筋肉までも減ってしまうからというものでした。
<ダイエットを行うと通常、まず、血中脂肪が使われ、その次に内臓についている内臓脂肪が使われます。そして
最後に肥満の人が最も減らしたいと考える皮下脂肪が燃焼されます。皮下脂肪を減らすには、時間がかかるのです。
もし低カロリーの食事制限のみのダイエットを行うと、皮下脂肪が減り始める前に筋肉がやせ細ってしまいます。その結果体重は減っても、体脂肪率は逆に上がるという大変不健康な状態になります>
減らしたい皮下脂肪が減らずに、他のものが減ってしまうという困ったことになるんですね。あと、私は「極端な食事制限をすると、大事な筋肉までも減ってしまい逆効果」ですぐ思い浮かんだのは「基礎代謝量の低下」だと思ったのですが、その話はこの後に出てきました。
<さらに筋肉が減ると、基礎代謝量も減り、やせにくく太りやすい身体になります。筋肉量が少ないので消費されるエネルギー量(カロリー)が減少し、少ししか食べなくても太ってしまうのです。カロリー制限ダイエットに失敗してリバウンドしてしまう人が多いのはこうした理由からなのです>
しかも、こうなると余計太りやすくなる体になってしまうため、ますます食事制限では痩せづらくなる…という悪い連鎖が起きるそうです。どういうしくみか…?というのを、以降、順に説明していきます。
まず、前述のように低カロリーダイエットによって筋肉は減った状態。ここでリバウンドしてダイエット前の体重に戻ったということは、体脂肪率は以前より上がっているわけです。そして、これまたさっき出てきた通り基礎代謝量は減ったままですから、元の体重以上にも太りやすくなっているとも言えるわけ。本当に悪夢のような話です。
食事制限型ダイエットに何度も失敗する人は多いですが、こうして見ると理由は明らかですね。食事制限型ダイエットをするによって、食事制限ダイエットが成功しづらい痩せづらい体を作り上げていたのです。
●筋肉が低下するだけじゃない…食事制限ダイエットが失敗する理由
2017/03/30:上記のような食事制限ダイエットが失敗しやすい理由を書いていたのですが、別の理由もあるみたいですね。『
「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する
』では、そもそも人間は食事制限ダイエットが向かない生き物だという話も出ていました。
別にヒトに限らず動物全般に言えるんじゃないかと思うのですが、ヒトの進化の過程を考えた場合、食欲というのは、ヒトが持つ最も根源的な欲望だと考えられます。すぐに想像がつくように、今と違って我々の遠い先祖の時代は、食べなければ死んでしまう…という状態にありましたからね。
本では、そこまで書いていませんでしたが、食べすぎてしまうというのもそういう理由でしょうか。食べられるときにたくさん食べたヒトの方が、生き残りに有利だったのではないかと思います。ということで、ヒトが持つ最も根源的な欲望である「食欲」を、意志によって極端に押さえ込もうなどという、摂食ダイエットはそもそも無理があるという話でした。
食べるものを変えていくにしても、運動をするにしても、甘やかしながら少しずつやることを、私は以前から勧めていました。食事改善も運動も続かなければ意味がありませんし、精神論で追い込んで達成するというのは、現実的ではありません。
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