2014/2/17:
●財政破綻は悲惨 鈴木直道夕張市長「政治家もわかっていない」
●やる気のある優秀な議員を失うから議員報酬カットはダメ?
●市職員だけじゃない…夕張市からみんな逃げ出した
●政治家はバラマキばかり…財政破綻のチキンゲーム状態
●第二の夕張の有力候補は千葉県銚子市…あの有名学園グループが関係
2019/01/30:
●鈴木直道夕張市長、3期目は出馬せず北海道知事へ
●財政破綻は悲惨 鈴木直道夕張市長「政治家もわかっていない」
2014/2/17:財政破綻は何ぞや?という話。自治体の倒産にも等しい「財政再生団体」になった唯一の都市である夕張市の鈴木直道市長は、いわば倒産市町村の第一人者です。その鈴木直道市長は、「『第2の夕張になるな』と口にする政治家もいるようですが、実際にどう変わるのか、分かっていない人が多いように思います」とおっしゃっていました。
財政破綻で具体的に何が変わるか?と言うと、当然行政サービスの低下があります。例えば、ごみの収集の有料化。住民からは「生活できない」と苦情が殺到した千葉市では、1リットルあたり0.8円ですが、夕張市では、その倍以上の1リットルあたり2円になっています。
その他、以下のように生活に厳しい話が出ていました。
水道水:目黒区の水道料金の倍くらい
軽自動車の税金:破綻後に1.5倍に (自治体ごとに決められるそう)
市民税や道民税:日本で一番高い設定
各種施設利用料:引き上げ
(
財政破綻」は実際にどういうことなのか :日本経済新聞(2014/1/7 6:30)より)
●やる気のある優秀な議員を失うから議員報酬カットはダメ?
なお、議員報酬カット…をしようとすると「やる気のある優秀な議員を失う」という不思議な反対意見が出るのですが、さすがに破綻まで行ってしまった夕張市は実行しているようです。
議員数も18人から9人に減らし、報酬も40%カット。同様に批判がある市職員のコストカットについても、260人いた市職員を半分以下の約100人にまで減らしていました。
ところで、私が「やる気のある優秀な議員を失う」について「不思議な反対意見」と書いたのはなぜかと言うと、順番が逆だからです。優秀な議員や市長や市職員がいなかったからこそ報酬カットが必要な事態になっているわけですから、今の報酬を維持したからと言って優秀な人が集まるということになりません。むしろ給与を維持したところで、優秀な人材が来ないことは既に証明済みだとすら言えます。
●市職員だけじゃない…夕張市からみんな逃げ出した
ただ、より優秀な方から抜けていく(特に職員の場合)という可能性は私もあると考えます。民間の会社で希望退職を募るとよくあるのが、辞めてほしくない人が辞めて、辞めて欲しい人が残るという嬉しくない構図。優秀な人の方が他でもやっていける可能性が高いですからね。
別記事の
財政破綻から5年。破綻した夕張市の財政は今、どうなっているのか?(週プレNews 2012年10月17日 取材・文/頓所直人 興山英雄)によれば、夕張市の場合にも「“これじゃやってられん!”とばかりに幹部候補の若手職員の多くが自主退職の道を選んだ」となったようです。
また、日経新聞の続きの記事である"
夕張の現実は日本の明日"で、「夕張から出て行ける人はみんな出て行きました。今残っているのは、いろんな事情があって出て行けない、一歩も動けない、という人たちです」と書いていました。職員だけでなくどんどんと人が出て行くという話です。
この物言いは大げさかな?と思ったものの、先の週プレNewsによると全然大げさじゃないようです。市役所の取引業者が市外へ撤退し、連鎖的に関連業者も後を追うようなことが起きました。市商工会議所の会員数は破綻前の300社から200社に減ったといいます。人口流出も止まらなくなり、夕張市の場合は06年の約1万3000人から6年間で約3000人減少しました。
●政治家はバラマキばかり…財政破綻のチキンゲーム状態
最初の日経新聞では、教科書的な説明として「財政再生団体」の話がありました。もともと「地方財政再建促進特別措置法」という法律があり、夕張市はこれに基いて破綻したものの、他の地方公共団体も厳しい財政状況にあることがわかって、新しく「地方財政健全化法」という法律を作ったそうです。
これは財政の悪化が深刻になる前に早めの対策を取りましょうという趣旨で、何を当たり前を…という話なのですが、政治家らは悪者にならずに利益だけ取りたいので、自分の関わっているときに対策はしませんからね。ばらまけるだけばらまいて、未来世代にお任せ…破綻するまで放漫財政を続けるという、いわゆるチキンゲームやロシアンルーレットみたいなことをします。
まあ、それを望んでいるという意味では、政治家だけでなく我々も問題なんですけどね。
●第二の夕張の有力候補は千葉県銚子市…あの有名学園グループが関係
ちょっと話がそれかけてきたので戻します。先ほどあった「地方財政健全化法」の基準で初めて「財政再生団体」になったのが夕張市だそうです。
これは全然嬉しくない記録ですが、さらに"夕張は抱えた赤字の金額が半端ではな"く、"自分たちの裁量で使える財源の8倍の借金を抱えていた"というすごさもあるようです。北海道出身者としては、穴に入りたくなる話でした。
2019/01/30追記:なお、その後、
夕張市が財政破綻したのはなぜ?原因は何? 雇用確保で放漫財政などという話もやっています。
また、第二の夕張の有力候補としては千葉県銚子市があり、
加計学園の木曽功千葉科学大学長「巨大な忖度の塊」 安倍晋三総理の意向文書も「違和感はない」で書いています。タイトルだと一見無関係に見えるんですけど、加計学園の大学誘致が市の財政を圧迫している理由でした。
●鈴木直道夕張市長、3期目は出馬せず北海道知事へ
2019/01/30追記:今回全体に手直しして再投稿したのは、鈴木直道市長が、道知事選に無所属で立候補すると明らかにしたため。無所属としているものの、自民党道連による意向聴取があったtめ、自民党の支持を期待していると思われます。「仮に要請があれば重く受け止める。即答できかねるが前向きに考える」と当時も色気を見せていました。
(
北海道知事選、夕張市長が出馬へ 無所属で - 共同通信 | This Kijiより)
これは他の候補者より脈アリといった感じで、決まりで良さそうだったのですけど、自民党内で意見が割れてごちゃごちゃしており、なかなか決まらず。先手必勝的に決定する前に出馬表明して、自民党の他の選択肢を潰そうという狙いではないかと思われます。
個人的に自民党の政治家はクズしかいないと思っていましたが、鈴木直道さんは夕張市の実績があり、良さそうです。ただ、正直、もう少し夕張市の市長をやってほしかった…とは思います。一番たいへんな時期に市長を務めたので、十分すぎるほど貢献しており、これ以上望むのは酷だったかもしれませんが…。
【本文中でリンクした投稿】
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夕張市が財政破綻したのはなぜ?原因は何? 雇用確保で放漫財政など ■
加計学園の木曽功千葉科学大学長「巨大な忖度の塊」 安倍晋三総理の意向文書も「違和感はない」【関連投稿】
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