Appendix

広告

Entries

東京海上日動の不払い隠しを内部告発(?)も、金融庁は「問題なし」


★2014/2/7 東京海上日動、自動車保険10万件不払いで「対応に間違いはなかった」
★2014/2/10 なぜ東京海上日動は自動車保険金不払いの事実を認めないのか?
★2014/2/17 東京海上日動の不払い隠しを内部告発(?)も、金融庁は「問題なし」
★2014/2/22 評判落とした東京海上日動の未払い 情報保持期間は見直さないと宣言


★2014/2/7 東京海上日動、自動車保険10万件不払いで「対応に間違いはなかった」

 不払い件数はいろんな数字が出ていますが、一番大きかったところだと13万件です。
東京海上、自動車保険で不払い 最大13万件、公表せず:朝日新聞デジタル 2014年2月6日11時52分

 東京海上日動火災保険が、自動車保険の保険金の一部を支払っていないことが6日わかった。2005年に保険各社で不払い問題が発覚し、金融庁の指示で調査したが、公表しなかった不払い分が最大で13万件に上る可能性がある。同社は今後、契約者の請求に応じて支払う方針だ。

 不払いになっているのは、自動車事故の相手方に払う見舞金などを補償する「対人臨時費用」。自動車保険にセットで組み込まれることが多く、最大10万円程度が支払われる。金融庁から指示を受け、東京海上日動は05年と06年に、02年4月~05年6月の3年分を調査。当時は、「不払いは約1万8千件あった」としか公表していなかった。
http://www.asahi.com/articles/ASG26332KG26ULFA003.html

 基本的に保険業界って信用ならないですよね。こんな話ばっかりの印象です。実際、日経新聞によると、もともと不払いは東京海上日動以外の業界各社でも行っていたことのようです。

 では、なぜ今東京海上日動だけ問題になっているのか?というと、こういうわけです。
東京海上日動、保険金未払いか 車保険で約10万件  :日本経済新聞 2014/2/6 11:00

損保各社は保険金の不払い問題が発覚した05年、金融庁から不払いの全容を調べるよう求められた。東京海上日動も02年4月から05年6月の間の自動車保険などの契約を調べたが、02年4月から03年6月の「対人臨時費用」の不払い状況だけは調査対象から外していた。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0600B_W4A200C1EB2000/

 どうも以前盛り上がったときに一部の不払いを隠していた模様です。

 これについて、東京海上日動は03年6月以前の契約の調査をしなかった理由を「03年6月までは契約者の請求を受けて、保険金を払う運用をしていたため」などとしているようです。

 しかし、三井住友海上火災保険などは「03年6月以前も調査済みで、同様の問題はない」と説明しているわけですから、やはり疑いが残ります。

 さらに別記事を読むと、この「03年6月までは契約者の請求を受けて、保険金を払う運用をしていたため」も東京海上日動が勝手に決めているだけで、契約者には説明していないおそれがあります。
東京海上:車保険、不払い最大10万件 05年把握、公表せず 毎日新聞 2014年02月06日 東京夕刊

約款には契約者が別途請求しないと保険金が支払われないとの記載はなく、同社の契約者への対応姿勢が問われそうだ。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140206dde001040086000c.html

 記載がなかったとなると、「疑いが残ります」という話では済みません。明らかに問題です。

 また、遅延損害金を上乗せして保険金を支払うようですが、不払い件数の少なく見せかけたことがその後の契約件数にも影響した可能性があり、それだけ済ませていいのか?という気もします。

 しかも、腹立つことにこんなこと言っています。
東京海上「当時の対応問題ない」 不払い問題、業界は疑問視

 東京海上日動火災保険が自動車保険金の一部を契約者に支払っていなかった問題で、同社は6日、「当時の対応に間違いはなかった」との見解を表明した。ただ、他の大手損保は不払い問題の発覚後、支払いを請求していなかった顧客にも請求を促しており、業界では東京海上の顧客対応や情報開示の姿勢を疑問視する声も出ている。
2014/02/06 19:45 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014020601001854.html

 契約者を愚弄しています。

 支払いの関係でもう少し。
東京海上、未払い12万件か…自動車保険の一部

 05年の保険金不払い問題は、臨費と同様、多数の付随保険や特約について、損保会社の担当者らが契約時や本体保険の請求時に受給できることなどを十分説明せず、「請求がない」として支払いを怠っていたことが発覚。これが金融庁の調査対象となり、「契約者軽視だ」と批判が上がった。

 この時に契約者に知らせていれば、多くの人が支払いを受けられたはずだが、同社は「請求がないと支払わない運用だったとしか言えない」としている。(2014年2月6日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140206-OYO1T00218.htm

 ふてぶてしいですね。言われなけりゃわからないだろうということで、隠していた感じです。実際、契約者は「気付かれなければ知らん顔。契約者軽視の体質は改まっていないのか」と批判していました。

 また、取材に事実関係を認め、「不親切だったかもしれない。請求を受け、契約していたことなどが確認されれば支払う」としているそうですが、これは逆に言うと「請求を受けないものは支払わない」という意味です。当時と全く変わっていません。

 この発言では「契約していたことなどが確認されれば」もポイントかもしれません。記録の大半は失われているのです。
東京海上、未払い記録の大半消去…「自動的に」

 同社は6日、読売新聞の取材に対し、支払いの判断材料とする契約者記録について「すでに大部分が消去されたとみられる」と回答した。

 未払いがあったのは2002年4月から03年6月の契約分。同社は、この記録を基に作成した未払い者リストの半数以上を消去したとも説明。同社は「未払いを確認できたら支払う」としているが、それを証明するデータを自ら消去していたことになる。

 同社関係者によると、この契約者記録は「進捗(しんちょく)状況記録票」。(中略)

 同記録の保存期限について、同社は「契約満期日(契約更新日)などの半年後から9年間」と説明。契約者が別の事故を起こして新たに対応した場合などは、その後も残るが、すでに保存期限を過ぎた記録も多く、大部分が自動的に消去されたとみられるという。

 日本損害保険協会(東京)によると、契約者記録の保存期限について業界で統一した基準はなく、各社ごとに異なるという。

 同社はリストの消去について、「保存期限の設定は支店ごとに任せており、失われた地域については、期限が過ぎたため、自動的に消えてしまったと考えられる」と説明している。(2014年2月6日16時09分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140206-OYT1T00827.htm?from=top

 "記録の大半は失われているのです"と私は書き、東京海上日動も意図的なものではないという説明ですが、上記の記事では一部証拠隠滅をはかったのでは?と疑っているような表現があります。

 この件はタイトル見た時点で「あっ、大ごとだ」と思いました。実際、ひどい内容です。しかし、読み始めて驚いたのは、東京海上日動の契約者を舐めきったような対応です。

 契約者をバカにしている会社なのか、憎まれたとしても支払いを拒みたいほど支払いをする余裕が無いのか? 理由はわかりませんが、こんなことをする会社があるのかと、読んでいてちょっと信じられませんでした。

 ただ、この不払いは今のところ東京海上日動でしか判明していません。この状況は2005年当時と大きく異なっており、東京海上日動だけが非難を浴びる構図となっています。

 どちらにせよこんな態度でしたら、小細工して支払いを減らせたとしても、将来の契約には響くでしょう。というか、そうじゃないと、保険業界の体質は変わっていかないでしょうね。


★2014/2/10 なぜ東京海上日動は自動車保険金不払いの事実を認めないのか?

 "東京海上日動、自動車保険10万件不払いで「対応に間違いはなかった」"を書いた後に記者会見やら何やらあって新しい記事も出ていて、いくつか読んでみました。しかし、特段新しい話は出ていません。ただ、なぜこんなに東京海上日動は強気なのか?というのが、何となくわかる話はありました。納得できるものではないのですけどね。

 とりあえず、最初は私が「強気」と表現した理由について。
東京海上:自動車保険問題 社長陳謝 「不払い」は否定 毎日新聞 2014年02月08日 東京朝刊

 東京海上日動火災保険の永野毅社長は7日、東京都内で記者会見し、自動車保険金の一部を支払っていなかった問題について「顧客にご心配をかけ、大変申し訳ない」と陳謝した。永野社長は「今からでもできることはする」と述べ、対象者への支払いを進める方針を示した。ただ、不払い契約のデータは保存期間の9年を過ぎたため「(全契約を)調べるのは不可能」(永野社長)。対象者には「可能な限り通知する」としたが、全員に連絡できるわけではなく、不払い解消は極めて難しそうだ。(中略)

 03年7月を境に異なった対応をしたことについて永野社長は「どこかで線を引かないといけなかった」と説明。「(不払いとは)考えていない。請求されたのに払わなかったものが不払い」と述べ、請求者だけに払っていた当時の判断に誤りはなかったと強調した。同時に「今の目線に立てばもっとできた」と述べ、「証拠が不十分でも総合判断で可能な限り支払う」意向を示した。社内処分は「まだ考えていない」とした。【工藤昭久】
http://mainichi.jp/shimen/news/20140208ddm003040023000c.html

 どう考えたって「不払い」なのに飽くまで「不払いではない」「当時の対応は問題なかった」という姿勢。私はこれを「強気」と書きました。契約者を舐めているとしか思えません。

 以下の高知新聞の記事なんかは「契約者軽視が目に余る」と書いています。
高知新聞:高知のニュース:社説:【東京海上不払い】契約者軽視が目に余る 2014年02月08日07時58分

 保険金の支払いは保険制度の根幹である。それを揺るがす不払いを一掃できないのであれば、損保企業としての存在意義が厳しく問われよう。
 (中略)同社は今もその判断に「間違いはなかった」との見解を示している。
 だが、請求がないのをいいことに無視を決め込む態度は、契約者の利益を置き去りにした収益至上主義でしかない。現に他の大手損保は不払い件数を自主的に公表し、支払い請求していなかった顧客にも請求を促している。東京海上日動の不誠実さは際立つ。
 不払いの保険金について、同社の社長は「可能な限り支払う」としている。一方で、同社は支払い対象の契約者のデータが保存期限を越え、大半が消えたことも明らかにした。
 不払いの実態を把握しておきながらその記録は残さない。こんなずさんな対応では、本当にきちんと不払いを清算する意志があるのかどうか疑われても仕方ない。
 監督官庁の金融庁の責任も重い。契約者の請求主義に偏った業界の体質は、今も温存されていないか。それが保険金の不払いにつながっているのではないか。いま一度チェックしてもらいたい。
 契約者の立場で誠実に対応することでしか信頼は回復できない。
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=315276&nwIW=1&nwVt=knd

 でもですね、東京海上日動は全然不誠実な対応をしていないと思っているのかもしれません。むしろ契約者に優しい誠実な対応をしているつもりなのかもと思いました。私の言った「強気」という表現も心外で、精一杯謝罪していると半ば本気で考えているおそれがあります。

 そう思ったのは、以下の記事を読んだせいです。
東京新聞:東京海上 古い体質改めず 保険不払い:経済(TOKYO Web) 2014年2月7日 朝刊

 〇五年の大量保険金不払いで批判されたのは、顧客からの請求がなければ動かない保険会社の姿勢だった。自動車保険では、事故で負傷させた相手への賠償に付随している見舞金などの「対人臨時費用」について、別途請求がないと支払い漏れが起きていた。

 金融庁からの行政処分を受け、「認識を変えなければならない」(大手損保関係者)として、各社は請求がなくても支払う運用に変更。補償対象の事故が発生した際、どのような保険金が支払い可能かをチェックし、それまで不十分だった顧客への通知も積極的にする体制に変えた。

 顧客からの請求がなく支払われていない保険金を各社では当時、不払いとして公表していたが、東京海上日動は非公表を続け、顧客にも通知していなかった。

 他の保険会社との対応が違った理由について、同社は「〇三年六月以前は契約者が自動車保険本体とは別に請求しなければ支払わないという運用をしていた」と説明。あくまでも公表が必要な不払いではないと主張する姿勢に、業界の古い慣習がいまだ垣間見える。(須藤恵里)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014020702000113.html

 どうも2005年まではどの会社もこういう姿勢であったようです。契約者軽視で普通、請求されずにまんまと逃げ切って儲けるというのが常識で、悪いことでも何でもないと思っていたのでしょう。その頭のまま切り替わっていない東京海上日動は、自分たちは十分な対応してきた…というつもりなのかもしれないなと感じました。

 でも、これはもちろん「だから仕方ない」って話ではないですよ。東京海上日動がどれだけひどい企業なのかというのを示す話でしかありません。

 「実はうちも…」というのはあるかもしれませんが、今のところ報道では他の企業は2005年で改めたということになっています。これはそれまでの対応が悪かったからです。それを指摘されながらも飽くまで「不払いではない」と主張する東京海上日動は頭がおかしいです。


 この記事の後に記者会見あったのですが、結局何にも変わりませんでした。その進歩のなさは、次の記事タイトル"「不払い」最後まで認めず"でわかります。
東京新聞:「不払い」最後まで認めず 顧客軽視 明白に 東京海上保険金問題:経済(TOKYO Web) 2014年2月8日 朝刊

 保険金の不払いで会見した東京海上日動火災保険の永野毅社長は、この問題を不払いとは最後まで認めなかった。(桐山純平)

 永野氏は「私たちは請求がありながら支払いをしていないものを不払いとしていた。請求がないものは不払いではない」と主張。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014020802000121.html

 子どもの屁理屈じゃないんだから…。本当、契約者を馬鹿にしていますね。

 "結局何にも変わりませんでした"と書きましたが、以下の事実は新しかったです。ただ、やっぱり良い話ではなく、契約者を愚弄するエピソードを一つ追加しただけです。
 顧客への問題公表も遅れた。〇六年には金融庁に説明していたのに、契約者にはこれまで知らされなかった。即座に公表していれば、今では消去されている契約者データも残っていたので、不払いにされた保険金支払いは今よりは簡単な手続きで可能だったはずだ。

 2006年ですから、問題のあったすぐ後です。これは当時の金融庁、国も悪いですよ。例によって誰も責任取らないでしょうが…。

 さらに相変わらず「信頼回復が重要で社内処分はまだ考えていない」としているというのもふざけた話。本当どうしようもない会社ですね。


★2014/2/17 東京海上日動の不払い隠しを内部告発(?)も、金融庁は「問題なし」

 東京海上日動の不払いの件では、やけに読売新聞の大阪版が詳しいなぁと不思議だったのですが、内部告発だったという見方があるようです。
東京海上、10年以上前の「不払い」問題に揺れる社内 誰が「大阪読売」?に内部告発したのか : J-CASTニュース 2014/2/16 16:00

 不公平感の強い当時の契約者が救済されるべき点を十分に指摘した上で、浮上する疑問が「10年以上前のことがなぜ今、蒸し返されるのか」(ある大手損保)。今回の読売新聞報道は大阪本社の社会部が大きくかかわっていたようで、2月6日付朝刊の特ダネ記事も大阪本社版の方が扱いが大きく、日銀本店での永野社長会見にも大阪から記者が来ていたそうだ。そんな事情から保険業界では「現体制を快く思わない社内の内部告発者が大阪読売と組んだのでは」との見方が、広がっている。
http://www.j-cast.com/2014/02/16196593.html?p=all

 タイトルにあったので「へー」と思いましたが、本文での記載は上のところだけ。最後にちょこっと載っていただけという感じでした。

 それにしても、どうせ告発するのであれば、もっと早い方が嬉しかったんですけどね。そういや、当時は社内で異論は出ていたという話なら他でも載っていました。

 話題の読売新聞関西版を見てみましょう。
東京海上、未払い12万件か…自動車保険の一部

 損保大手で、保険契約者からの信頼を損ないかねない事実が明らかになった。東京海上日動火災が、自動車保険の大量の未払いを契約者に通知していなかった問題。損保業界全体で不払いが表面化し、厳しい批判を浴びた2005年、同社も再発防止と信頼回復を誓ったはずだった。同じ時期に作成された内部文書や関係者の証言からは、社員らが「未払い隠しだ」と懸念していた様子も浮かび上がる。(中略)

 未払いを公表しない会社の姿勢を疑問視する声もあった。内部調査にかかわった社員らは、00年にリコール隠しが発覚した三菱自動車の例を挙げ、「今回の対応はこの問題に通じるところがある」と記したメールを交わしていたという。
(2014年2月6日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140206-OYO1T00218.htm

 ところが、当時は結局内部告発はなし。「ヤバいかも」という話をしただけで終わっていたようです。日本の内部告発者は守られず、「裏切り者」と断罪されますからね。気持ちはわかります。ただ、やはり残念な話です。

 ある大手損保の見方が正しければという話ですが、契約者保護の観点からは告発されず、取り返しがつかない時期になってから社内の権力闘争みたいなものの道具という形になって、やっと表に出てきたという話です。この内部告発の動機には契約者の姿は見えません。


 ところで、最初のJ-CASTニュースの記事。私が1つ前に書いたなぜ東京海上日動は自動車保険金不払いの事実を認めないのか?に関して、ヒントがありました。

 読んでいて仰天したのですが、今回の不払い隠しは国のお墨付きで「問題なし」とされたようです。だからあんなに傲慢な姿勢だったのか…。
 監督官庁の金融庁が「基本的に問題なし」と静観しているため、経営責任などへの発展はなさそう。(中略)

今回、東京海上で問題になったのは、損保各社が金融庁に調査を指示された期間の前半にあたる2002年4月から2003年6月まで。東京海上は2003年7月以降は顧客から保険金請求がなくても通知して支払う運用に切り替えたが、それ以前は請求があった分だけを支払っていた。そのため、調査報告でも、2002年4月から2003年6月までは「請求されたのに払わなかった」数十件だけを「不払い」公表数に含めた。

2003年7月~2005年6月については、請求できることを通知したのに支払い漏れがあったものを「不払い」とカウントし、結果、全調査期間で「不払い」は約1万8000件にのぼると公表した。当時の金融庁はそれを認めたという。

 ただ、監督官庁の判断だけが問題ということはありません。

 なぜ東京海上日動は自動車保険金不払いの事実を認めないのか?で少し書いたように、現在の契約者や新たに契約者となり得る大多数の人に悪い印象を与えることは、経営にとって良くないわけです。わざわざあんな人を舐め腐ったような姿勢を取るメリットは少しもありません。

 やっぱり不思議な会社ですね、東京海上日動というのは…。結局前回書いたように、古い保険業界体質を引きずっているから今回のような対応を取れたのだ…という説明は依然有効な気がします。


★2014/2/22 評判落とした東京海上日動の未払い 情報保持期間は見直さないと宣言

 古い話になってしまいますが、東京海上日動不払い問題でもう1個。この企業の隠蔽体質からすれば当然だと思う方もいらっしゃるでしょうが、新たな不払い案件が判明していました。気前良く最大2万5千件(報道によっては3万件)の不払いをさらに上乗せしてきました。
特約不払いさらに2万5千件 東京海上「支払い応じる」:朝日新聞デジタル 2014年2月10日20時41分

 自動車保険で最大12万件の保険金の「不払い」が明らかになった東京海上日動火災保険は10日、別の2種類の保険でも最大2万5千件の不払いがあったと発表した。

 新たに不払いが発覚したのは、事故で契約者や同乗者がけがをした時の入院費の一部などを補償する特約「人身傷害臨時費用」の最大1万5千件と、事故で相手の車や家屋などを壊した場合の見舞金などを補償する特約「対物臨時費用」の最大1万件。いずれも2002年4月~03年6月に事故が起きた契約の分だった。

 この期間の契約について東京海上日動は7日、事故でけがをさせた相手への見舞金を補償する特約「対人臨時費用」で最大12万件の不払いがあったと公表していた。だが、その後の社内調査で、今回発表した二つの特約でも不払いがあることがわかったという。(篠健一郎)
http://www.asahi.com/articles/ASG2B5S43G2BULFA138.html

 東京海上日動はこういった事態が判明した中でも、「問題はなかった」「不払いではない」といった姿勢を見せていて、当初不思議に思いました。

 この理由は東京海上日動および古い保険業界の性質のせいだろうという話を過去に書いています。なぜ東京海上日動は自動車保険金不払いの事実を認めないのか?です。

 しかし、東京海上日動の不払い隠しを内部告発(?)も、金融庁は「問題なし」では、金融庁のお墨付きのせいもあることを思わせました。似たような指摘は、下記の記事でも出ています。
東京海上、未払い問題でもなぜ強気?変わらない損保の体質、広がる「支払わない仕組み」(1/2) | ビジネスジャーナル 2014.02.20 黒羽米雄/金融ジャーナリスト

 今回の問題が厄介なのは、金融庁が東京海上の言い分を認めていた点にある。当時、東京海上は金融庁に運用ルールの変更を報告していたのだ。

(中略)強気の姿勢を崩さなかった背景には、金融庁のお墨付きがあったのは明らかだろう。金融庁に指示される前から運用を変えていたのだから、ルールを変える以前に遡って公表する必要がないことは承諾してもらっていたと繰り返した。

「読売新聞が報じたのが今回の報道の端緒。当初、社内では『なぜ当局も認めていたことに対して釈明する必要があるのか』との声も少なくなく、静観する予定だったと聞く」(経済部記者)。(中略)

「それでも広報は、あくまでも『説明』であり『謝罪』ではないことを強調していた。会見内容も永野社長の話し方は申し訳ない印象を前面に出していたが、『不払い』への謝罪は結局口にしていない」(同)
http://biz-journal.jp/2014/02/post_4186.html

 前回強調が足りなかったかなと思いますが、国も相当悪いですよ。ここらへんは例によってうやむや、追求される気配がありませんね。

 ここまでは以前の投稿と重なる話。私が知らなくて驚いたのは、データの保持期間に関する話です。

 東京海上日動はデータの保持期間を社内規定で9年としていたために、"03年時点の未払いだった契約者情報は実は社内に残ってい"ませんでした。これが問題の解決を困難にしており、"意図的な支払い漏れの疑惑を抱かせることに"なりました。

 ところが、"会見では今後も、今回のような不測の事態に備えて、顧客情報を従来よりも長く保存する予定はないと宣言し"ていたそうです。これはこの先も不払いなどの問題が後になって判明しても、解決に努力しないとする宣言です。記事では"ITの進化で情報保持コストが低減できる"ことも指摘していました。東京海上日動が反省ゼロということは、このエピソードからもよくわかります。呆れるしかありません。

 ただ、深刻なことにこういった姿勢は、ある程度保険業界全体に共通するものだと言います。

「不払い問題の教訓は、データが残っていたら支払う羽目になったということ。自社にデータが残っていなくても、結果的に代理店などの情報と突き合わせて支払った。その苦い経験を繰り返さないために、『個人情報保護』を名目に、いつの頃からか情報をなるべく早く消し込む姿勢が強まっている。本体だけでなく、代理店にまで半ば強制しているので悪質ですよ」(損保社員)

 実は私は「ひょっとしたら他の保険会社からも似たような漏れが見つかるかもしれない」と思っていました。ところが、冒頭で書いたように実際に出てきたのは、東京海上日動の未払い件数の積み増しでした。他の保険会社での新たな不払い隠しは今のところないようです。

 しかし、上記の話が本当ならやはり保険業界の体質はあまり変わっておらず、東京海上日動以外でも信頼しきれないということです。まあ、東京海上日動は論外であることには変わりないですけどね…。


 関連
  ■危険運転カッコイイ! 車に乗せてもらう人(特に女性)も要注意
  ■保険コンサルタントが語る「売れ筋の医療保険が必要ない」理由
  ■商品・サービス・技術についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由