●投資商品人気ランキングベスト5が悲惨 初心者がカモになっている
2014/2/18: 2014年1月27日の『読売新聞』(朝刊)の「売れ筋ランキング」と題した記事に、ある大手証券で、NISA口座で顧客が購入した投資信託のランキングが上位5本発表されていました。経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元さんは、この中で唯一買える商品は4位だけだとしていました。この後説明してきますが、初心者がカモになっていることがわかります。
<NISA口座人気ランキングベスト5>
第1位 米国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンド 毎月分配型。販売手数料3.15%(税込)
第2位 カナダの高配当株式に投資するファンド 毎月分配型。販売手数料3.15%(税込)
第3位 米国株に投資しつつ為替リスクをブラジル・レアルにスイッチしたもの 毎月分配型。販売手数料3.15%(税込)
第4位 日経平均に連動するインデックスファンド ノーロード(販売手数料がゼロ)
第5位 日本株に投資するファンド 販売手数料3.15%(税込)
(
学生の答案に見る金融リテラシーの問題点|山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン 2014年1月29日より)
新しく取り扱いを始めた商品というのはよく売れる反面、大抵外れらしいです。投資信託は本来長いスパンで利益を出していくものなのに、短期的な目線で作られるからだと言われていました。売れるものはブームのものなのですぐダメになるんでしょうね。
●ぼったくり!とにかく手数料が高すぎるものばかり売れている
さて、4位以外の4つがヤバいという話。以前
投資信託はゴミだった 金融機関の手数料稼ぎの道具として販売というのをやっていますが、基本的に投資信託自体が良いものではないと思われます。ただ、今回の主な理由は、手数料があり、なおかつ高すぎるためです。
<第4位の日経平均インデックスファンドに投資した投資家を除くと、売れ筋ファンドを購入した投資家は、投資可能な100万円をフルに使ったとするなら、早速3万円(税抜)の手数料を証券会社に献上した。しかも、インデックスファンド以外の投信は信託報酬の水準も安くはないので、これからおおむね毎年1万数千円ずつ手数料を払うことになる(1百万円の投資金額に対して)>
しかも上位3本は、元本の成長を阻害する点で仕組み上NISAには明らかに不向きな毎月分配型の投資信託だとの指摘。素人には他所そうに見えるのか、分配型は人気あるんですよね。この毎月分配型の悪さについては、前半にあった学生への問題の回答部分で指摘があります。
<そもそも毎月分配型は課税のタイミングが早まる分金融論的に非合理的な商品であり、現実の商品はいずれも手数料が高く(信託報酬が1%以上の商品が大半)、「そもそも投資対象のとして毎月分配型投信は全てダメだ」とスッキリ指摘してくれると一番いい>
NISA口座の場合は分配されたものを再投資することができないという問題もあるでしょう。NISA口座の枠を有効に使うためにも、最初から再投資の必要ない非分配型のものを買うべきです。でも、前述のように投資信託は基本的にあまり良くないですよ。検索したら同じダイヤモンド・オンラインで別の方のこんな記事がありました。
<投資信託はプロに運用をお任せする分、それなりに手数料がかかります。3つの会社が係わっているので、買う時だけでなく、購入している間もずっと手数料が差し引かれるのですが、それを意識している人は少ないのです。また、その「手数料」は、高いからといって成績もいいとは限りません>
(
投信は手数料が高いからといって 成績がいいわけではありません!|はじめての「投資信託」で、絶対に知っておきたいこと|ダイヤモンド・オンライン 2013年2月1日 竹川美奈子 [ファイナンシャル・ジャーナリスト] より)
●おすすめ商品のおすすめは「金融機関にとっておすすめ」の意味
NISA口座の場合どうなるかわかりませんが、前述の販売手数料以外にもいろいろと手数料がかかるそうです。本当恐ろしい商品ですね。しかし、金融機関はこういう恐ろしい商品ほど売りたがるものなのです。手数料がかかるということは、それだけ金融機関側の利益が大きいということですからね。
山崎元さんは、先の上位3つの"米国のREIT、カナダの株式、ブラジル・レアルなどは、とても顧客の側から商品を指名して買いに来たようには思えない"としていました。その上で"セールスマンが顧客に勧めたものだろう"と推測しています。これが全体タイトルにした「初心者がカモに!」という話です。
<金融リテラシーの低い顧客に、分配金の大きさを強調して、あたかも良い運用をしている商品であるかのように見せかけて、手数料の高い投信を売りつけるという、通常の投信販売の手口がNISA口座でも繰り返されているようだ。
「NISAで投資の普及を」などと口では言いながら、わけのわからない顧客に手数料の大きな不適切な商品を売りつけて、NISA口座でも手数料稼ぎをしているのが、金融ビジネスの実情だ>
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