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藤田道具の営業をしない経営 売れる高額商品は他人の金で買う商品


2014/2/18:縮小市場を生き残るための多角化戦略 成功事業にしがみつかないと同じく縮小市場(シュリンク業界)のお店の話。

餅つき機が6倍、かき氷製造機が7倍に販売数アップ シュリンクを脱して大統領夫人も訪れる有名店に! 下町の商店街で世界を狙う料理道具店の秘策と野望 ――浅草かっぱ橋通りの「藤田道具」店主・藤田雅博さんのケース
2012年10月30日 吉田典史 [ジャーナリスト] ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/27030

 前回で私は以下のように書いていました。
 シリーズで出てきたこういった業界の登場人物は近藤さんのように前向きにやり方を探している人ばかりでなく、景気が悪い、環境が悪い、世間が悪いと自分以外のせいにばかりする人も多かったです。私は書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞなどで書いた書店の人の姿勢にも似たものを感じます。

 でも、そういった人たちはやっぱり成功しないんですね。ただでさえ縮小市場なのですから、努力しない人がうまくいくわけがありません。

 今回の話は業務用かき氷機、餅つきの臼(うす)、石焼き芋やたこ焼きの道具を売る「藤田道具」の記事です。ここの店主・藤田雅博さんがモロに上記のような話をしていました。
「上手くいかないのは、景気が悪いからではないと思う。この通りでも売上が上がっているお店はありますから……。上手くいっていないところは、景気のせいにして安心している。ただ、それだけのこと。始めから、業績をよくしようとはきっと考えていない……」

 藤田道具株式会社代表の藤田雅博さんは、やや強い口調で答えた。業績が伸びる店とそうでない店の経営者の考え方について、尋ねたときだった。

 私は深くうなずいた。不況は、「不況だ」と騒ぐ人たちの心理がつくるとかねがね思っているからだ。その意味で、とりわけ業績が低迷するシュリンク業界では、自ら不況をつくり出してしまう人が多い。

 藤田道具でおもしろかったのは「営業をしない」ということです。藤田道具は3代続く老舗であり、"お客とのつながりは強力"であるにも関わらず…です。

「(住所録を元にしたダイレクトメール送付や出向いての勧誘のような)営業はあえてしない。『これを購入してください』とお願いをすると、こちらの立場が弱くなる。それが続くと、商売が悪い方向に向かっていってしまいかねない」

 また、値切りに応じない、ツケを認めないというのもおもしろいです。

「外食店のオーナーなどから、値切りを求められることがある。それで、値段を安くせざるを得なくなる。そのような関係になると、今度は『ツケで支払う』という条件で購入をしてもらうことにもなりかねない」

 「ツケ」に関しては、同業者の並ぶかっぱ通りの店の中に、"「ツケで支払う」という“約束”を信じ、商品を売ったものの、その代価をお客に支払ってもらえず、ついには倒産した店もある"ということからかもしれません。

 作者の吉田典史さんはこれを"小資本の店や会社が陥りやすい罠"だと書いていました。
 競争が激しくなると、弱い者の立場はどんどん弱くなり、強者はますます強くなる。その差は、実はお金などの資本力ではない。自分たちを「強者」にしていく仕掛けがあるかないかなのだ。

 これが冒頭の"業績が低迷するシュリンク業界では、自ら不況をつくり出してしまう人が多い"と書かれていた理由でもあるようです。

 縮小市場を生き残るための多角化戦略 成功事業にしがみつかないのコーエイ商会も強みを作るというところはありました。他店より代金の高い自転車やリアカーの修理というのがそうです。また、完成した自転車を店頭に置かないのは利益が薄いためでしたので、弱みを作らない戦略とも言えます。

 藤田道具自体は安いお店みたいですね。それなのに売れなくて変だと思ったら、ネットにもっと安いお店があったそうです。それで慌ててネット販売に進出。こちらはさらに薄利になったのですが、大量販売で稼いでいるようです。

 ネット進出で客層が"全国の農協や市役所などの自治体、幼稚園や小学校のPTA、町内会、スーパーなど"と様変わり。"アメリカやカナダ、オーストラリア、アジアの国々の業者(主に外食)からも依頼が来る"とのこと。

 コーエイ商会もそうでしたが、マイナーな商品は意外にネット販売でも売れます。というか、むしろマイナーだからこそいいのかもしれません。印象的だったのは、こういう話です。
「外食店の店主やオーナーは経営者だから、お金を使うことにシビア。自分たちで稼いだお金ですからね……。(中略)じっくりと商品をご覧になり、慎重に判断する。たとえば、あるラーメン店の店主が1回の買い物で購入する品は、4000円から5000円程度です。

 それに対して、役所やPTA、町内会の方は、この店に来ることはなくとも、1度に10万円くらいのものを買ってくださる。お金の支払いもいいですから、ありがたいですよ」

 さらに尋ねてみた。ネットでモノやサービスを購入することは、便利な反面、事前に品物のクオリティをよく吟味できないというリスクもある。なぜ、役所やPTA、町内会などは、金額の高いものをネットで購入するのかと。

 藤田さんは、「たとえば、餅つき機などはみんなで使うものだから、少々高くとも『まぁ、いいか』という思いで購入されているのかもしれない」と答える。(中略)

 私が「他人のお金がたくさん集まるところは、感覚がやはり変わっていますね」と言うと、藤田さんは苦笑いをする。それ以上は答えなかった。

 あと、藤田道具が気をつけていることでおもしろかったのは、メーカーとの関係です。
 商品が増えると、藤田さんは在庫を補うために、メーカーに新たに発注する。メーカーからすると、藤田道具は“お得意様”となる。コンスタントに大量に受注できる取引先だから、納期も確実に守る。藤田さんの要望にも迅速に応じる。

「今は、以前のように“ドーン”とたくさんの額の発注をすることができない店が多い。うちの店は、他の店よりも発注する額が多いと思う。それも、メーカーと小売店の関係をよくしていくきっかけになるでしょう」

 一方で、藤田道具としては常にメーカーに対する支払い日を守ることを強く意識している。これは、祖父、父、そして藤田さんと3代にわたる方針なのだという。

 裏を返すと、この業界には支払いが遅れて、メーカーとの関係が破綻し、品がそろわずにお客のニーズに応えることができない店が少なくないとも言えないだろうか。

 これ、どうなんでしょうね? 実際に藤田道具の店主がそのメリットを感じているとは言っていません。本当にメリットがあるのでしょうか?

 もちろんメーカーと良い関係を築くというのが悪いことだと、私が言いたいのではないですよ。しかし、現実としてはメーカーが優先するのはクレームの多い悪質なお店じゃないでしょうか? 文句つけたり、値切ったりしてくるんですもの、メーカーとしては悪質なお店の方が逆らいづらいです。

 相手に良くしたら、その分自分に返ってくるという話だったらいいなぁとは思うのですが…。


 関連
  ■縮小市場を生き残るための多角化戦略 成功事業にしがみつかない
  ■書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞ
  ■多角化はシナジーや本業との関連性より強みを出せるかどうかが大事
  ■その他の仕事について書いた記事

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