冒頭に追記
2022/10/15追記:
●「やってないが迷惑かけた」セクハラ疑惑で熊野正士議員が辞職
2022/11/02追記:
●「代表らがセクハラ問題を隠蔽」と報道の出版社を公明党が提訴 【NEW】
●「やってないが迷惑かけた」セクハラ疑惑で熊野正士議員が辞職
2022/10/15追記:セクハラの話を紹介するのを忘れていました。セクハラも自民党が多めなので、これも自民党化案件ですかね。ただし、本人は認めておらず、本当にセクハラがあったのかはわかりません。一方で議員は辞職しており、「迷惑をかけたので辞職」という説明。自民党議員の離党などでよくある説明です。
<週刊誌にセクハラ疑惑が報じられた公明党の熊野正士参院議員(比例)は30日午前、尾辻秀久参院議長に議員辞職願を提出し、許可された>
<石井氏(引用者注:公明党の石井啓一幹事長)によると、熊野氏は8月下旬から入院している。9月29日に面会した家族らによると、報道された事実関係は確認できなかったが、熊野氏は週刊誌報道によって党員や支持者、国民に迷惑をかけたとして議員辞職する考えを示し、辞職願に署名したという>
(
公明・熊野正士参院議員が辞職 知り合いの女性にセクハラ疑惑 [公明]:朝日新聞デジタル 2022年9月30日 11時28分より)
<石井氏は30日の記者会見で、熊野氏が「本当に申し訳ない」と語ったと明らかにする一方、「本人は週刊誌報道を事実として認めて辞職したわけではない」とも語った>
(
セクハラ報道の公明・熊野氏が議員辞職 「事実認めたわけではない」毎日新聞 2022/9/30 10:29より)
週刊文春や週刊新潮は、知人女性にわいせつなメッセージをLINEで繰り返し送っていたなどと報道。となると、メッセージそのものは実際にあった可能性が高そうです。このような証拠のあるセクハラ疑惑を否定するにどうしても詳細な説明が必要になってくるので、ちゃんと説明した方が熊野正士さんのためになると思うんですけど…。
●「代表らがセクハラ問題を隠蔽」と報道の出版社を公明党が提訴
2022/11/02追記:前回書いたように、公明党の熊野正士議員はセクハラを認めていません。これに絡んで、公明党本体がセクハラ疑惑を報じた週刊文春と週刊新潮を提訴する…という事態に。というのも、報道では熊野正士議員がセクハラ行っただけでなく「公明党が隠蔽した」とも報じていて、政党全体の問題としていたためです。
・
公明党 「セクハラ隠蔽」報道で出版社を提訴[2022/09/09 19:57 テレビ朝日]
<公明党は、所属議員のセクハラ疑惑を報じた出版社に対し、「虚偽の事実を前提に社会的評価を著しく低下させた」として損害賠償請求と謝罪広告の掲載を求め東京地裁に提訴しました。
週刊文春と週刊新潮は、公明党の熊野正士参議院議員が知人女性にセクハラ行為を行い、山口代表や北側副代表が「口止めを行った」などと報じています>
山口代表は自身や北側副代表が隠蔽したということは「全くの事実無根だ」として法的措置を取る考えを示していたとのこと。こうしたことで提訴すること自体は悪いこととは言えません。ただ、思い出してしまうのが、以前書いた
名誉毀損の慰謝料の相場 一般人を安く、政治家・芸能人を高く設定の件ですね。
この以前やった話では、自民党や公明党が週刊誌からの批判を避けるため、本来なら報道する必要性の高い政治家への名誉毀損の慰謝料の相場を高めにしたのではないか?と疑われていました。今考えると、こうした措置は一時は盛んだった統一教会と自民党の繋がりを指摘する報道をも萎縮させていた可能性も疑われそうなものでしたね…。
●公明党はリベラル?野党より左翼?右翼化・自民党化する傾向も…
2021/12/29:
福岡県篠栗町議会議員たなべ弘之さんの2017年11月2日のブログで、 同日のニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!で、コメンテーターの佐藤優(元外務省主任分析官・作家)さんの話が出ていました。政党の右・左に関する話ですね。
佐藤優さんの分類では、自民党と維新は同程度で右。ただ、私はこの時点で疑問を感じます。維新と比べると、自民党はかなり幅が広く、右派色の薄い人が少なからずいます。2021年に首相になった岸田文雄さんがそもそもリベラルと言われていました。河野太郎さんなんかは「左翼!」と右派の人からも批判されまくりな人です。
また、立憲民主党については、<立憲民主党は「リベラル」とか「左派」とか言われますが、あの政党は、基本は「改憲政党」です。憲法を改正しても構わない>と指摘。つまり、左翼などと言われるけど、憲法改正OKな右派色が強い政党だということです。他に、沖縄の辺野古基地問題でも、<「ゼロベースで検討する」ということですが、現在の基地の工事を差し止めるとか、反対とかは言っていないわけです。なので、その位置に置いては、右>と指摘していました。
一方、一番左なのが共産党というのは、特に異議はないでしょう。社民党は共産党よりは右よりであり、これもまた意外ではありません。ただ、おもしろいのが自民党と長年組んでいる公明党の立ち位置ですね。佐藤優さんは「連立与党の公明党はどこかというと、政策的には社民党よりは右ですが、立憲民主よりは左」としていました。
佐藤優さんは例として、<憲法改正に慎重で、沖縄の辺野古問題に関しては、公明党の本部(東京都)は、辺野古で政府と一緒ですが、公明党の沖縄県本部が、「辺野古反対・普天間閉鎖」に加え、「海兵隊の県外撤退」ということを主張しているのです。それを容認している全国政党は唯一、公明党だけ>と指摘。立憲民主党に左翼批判している右派の人は本来公明党の方をより強く批判しなくちゃいけません。
ただ、公明党は支持層からすると、本来ならもっともっと左よりの政策を好んでいるはずで、これでも「かなり右傾化している」と言えるでしょう。公明党の支持母体である創価学会からは、ここらへんで不満が出ていました。自民党と連立を組んで自由に政策を決めきれないために、少し右に寄った左の位置なんですね。
●公明党・遠山清彦前議員や公明党議員の秘書ら4人を在宅起訴
また、私はこうした政策以外のところで、公明党が少し右傾化してきたな、自民党と似てきたな…と感じることが多くなってきました。それは自民党議員や右派議員でおなじみの不祥事が公明党議員にも出てきた…という部分です。例えば、
遠山元議員ら4人を在宅起訴=無登録で公庫融資仲介―貸金業法違反・東京地検 | 時事通信ニュースという記事が出ていました。
<公明党衆院議員の秘書らをめぐる貸金業法違反事件で、東京地検特捜部は28日、融資仲介を無登録で繰り返していたとして、元財務副大臣の遠山清彦・同党元衆院議員(52)ら4人を同法違反(無登録)罪で在宅起訴した>
<起訴状によると、遠山元議員らは2019年6月~今年6月ごろまでの間、貸金業の登録を受けずに、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した企業などへの日本政策金融公庫の融資を計198回仲介したとされる。このうち遠山元議員は、昨年3月ごろから今年6月ごろ、82回の仲介を単独で行っていた。4人とも起訴内容を認めているという>
私は正直この事件の重大性が最初よくわからなかったのですが、公明党と連立を組む自民党を応援する産経新聞が<遠山元議員在宅起訴 次世代エースの不祥事に公明は平身低頭>(21/12/28(火) 18:15配信)という記事が出ていて、かなりやばい案件だったんだな…と認識しました。
<公明党の衆院議員だった遠山清彦元財務副大臣らが28日、貸金業法違反罪で在宅起訴されたことを受け、公明党は幹事長名でコメントを発表して陳謝した。来夏に控える参院選への影響を最小限に抑えたい考えがあるとみられる。
「今回のことは公明党の議員として、また公明党の議員秘書として決してあってはならないことであり、誠に遺憾だ。到底許されることではない」>
記事では、<遠山氏は公明党の次代のエースとされていただけに、党のイメージダウンは避けられないとみられる>ともしていました。太田昌孝・公明党・前衆院議員の渋谷朗元政策秘書(61)も今回いっしょに在宅起訴されており、公明党色の強い案件であったようです。
●自民党化する公明党、不祥事続出で信者が好むクリーンイメージ失墜
2022/01/08追記:公明党のイメージダウンに絡むものとしては、<公明、クリーンイメージ失墜 参院選へ影響懸念 遠山元議員在宅起訴>(2021/12/29(水) 7:29配信 時事通信)という記事が出ていました。そういう印象がない人もいるでしょうが、公明党はクリーンさが売りで、信者や投票者がクリーンさを求めている政党だったのです。
<公明党衆院議員だった遠山清彦元財務副大臣らが貸金業法違反罪で在宅起訴された。
日頃から「クリーン」を標ぼうし、「政治とカネ」の問題に厳しい姿勢を見せてきた同党のイメージは失墜。早期の信頼回復は見通せず、党内には来年夏の参院選への影響を懸念する声も漏れる>
<クリーンイメージを取り戻せなければ参院選で支持拡大はおぼつかない。別の関係者は「これから裁判などでニュースになる機会も増える。影響はなくならない」と不安を隠さない>
https://news.yahoo.co.jp/articles/86a9799d4eed273f63715c8b590488645e6fa68b
そもそもクリーンな印象がない人もいるだろうと書いたように、ヤフーニュースのコメントでも<もとからクリーンなイメージを持てない。邪心があるから与党と連立しているわけだし、出してくる施策が日本のためというより自党の票のための施策でポピュリズムだし、宗教色があまりに強いので>といったものが人気していました。
また、私が書いた自民党化に絡むコメントも人気で、<自浄能力を失い、国民より利権を取った政党。(中略)もはや自民党公明派に成り下がったのだから、投票する必然性はなにもない>が全体の1番人気。他に、<確かに結党時の野党としての面影は全くない。自民党の補完勢力になり下がった。自民党に吸収されれば良いだろう。党としての存在意味は何なのか疑問に思う>というものもありました。
●他の政治家の口利きはやってる?検察幹部が「前代未聞」とした理由
2022/01/16追記:以前書いた「私は正直この事件の重大性が最初よくわからなかった」の関係での補足。
検察幹部「前代未聞の事件」 議員事務所で「貸金業」―多額の利益、悪質性高いと判断・特捜部:時事ドットコム(2021年12月28日)という記事が出ていました。今までの政治家の事件でも特にひどいという書き方です。
この記事では、国会議員や秘書らによる日本政策金融公庫への融資口利きは、「支援者サービスとして、皆当たり前にやっていた」(元国会議員)ため、事件化したのは他の政治家も驚きだったとも記載。ここだけ見ると、他も問題になりそうです。ただ、この記事だと今回の場合は内容が異なる…といった説明でした。
<検察幹部は「贈収賄や政治資金規正法違反で摘発された政治家はこれまでもいるが、自身の利益を得るために議員事務所で(金銭貸借を仲介する)『貸金業』を営んでいた。前代未聞の事件だ」と指摘する>
<特捜部は、遠山元議員が事務所ぐるみで牧元顧問らブローカーと協力して仲介を繰り返し、多額の利益を得ていた点に注目。貸金業法は、金を貸すだけでなく、金銭貸借契約の成立に尽力する「媒介行為」についても貸金業としての登録が必要と定めており、遠山元議員らの行為は違法と判断した。ある検察幹部は「手数料などの利益を求め、システム化した上で媒介しており悪質性が高い。事件化する意義があった」と強調する>
●「将来、公明党のトップになる遠山事務所の紹介だと融資が下りる」
2022/01/23追記:公明党の遠山清彦議員の場合、悪質性が全然違った…ということの関連では、最近になって<「コロナバブルなんだよ」 “公明党のプリンス”が関与した口利きビジネス 貸金業法違反事件の内幕(後編)>(1/22(土) 17:16配信 FNNプライムオンライン)という記事も出ていました。
遠山議員とともに在宅起訴された環境関連会社会長は、日本政策金融公庫から1000万円を借りたいと相談した男性に対して、「遠山事務所の紹介だとほぼ間違いなく融資が下りる」と説明。また、日本政策金融公庫の融資課長からも「遠山事務所の方から話は通ってます」と言われたそうです。これ、課長も問題ですね。
その後の面談でも「遠山事務所の方から話は聞いてます。後日、融資額を決定してまた連絡します」などとスムーズすぎて相談した男性も驚いたほど。環境関連会社会長は、遠山事務所を通して100件以上の融資に関わっており、「手数料を取れるから、ある意味、“コロナバブル”なんだよ」とホクホクだったようです。
この記事でも通常の口利きとの違いとして悪質性を指摘。私は普通の口利き自体悪いと思うんですが、遠山事務所の場合、単発ではなく111件もやっていてしかも手数料を取っているので完全なビジネス…という説明。遠山議員は日本政策金融公庫を所管する財務省の副大臣だったので、その意味でも圧力が効いたでしょうね。
あと、環境関連会社会長は遠山議員を「将来間違いなく公明党のトップになる人間だ」とも説明していた模様。「遠山事務所の紹介だとほぼ間違いなく融資が下りる」はこの発言とセットだったようですが、自民党スタッフが「自民党だから抜け道知ってる」と新型コロナウイルス関連で不正受給したことも思い出しました。本当、自民党と公明党は似てきましたね。
●公明党重鎮の口利きの伝統…過去の重要議員や秘書らも関係か?
2022/01/31追記:
公明党の遠山清彦元議員ら4人を在宅起訴でうやむやになった「口利きの系譜」〈dot.〉 | AERA dot. (アエラドット)(2021/12/26)も公明党は特別だった…とする記事。この公明党の特殊性を以下のように語っているのは、「捜査関係者」とされていたので、起訴した側の意見を反映しているのかもしれません。
「遠山氏に口利きの手法を指南したのは公明党重鎮です。同じく在宅起訴される太田前衆院議員の元政策秘書も公明党重鎮の元政策秘書でした。遠山氏と今回のあっせん業者をつないだのも藤井富雄元公明党最高顧問(故人)で、政界のフィクサーとして暗躍したとされる人物です。遠山氏は藤井氏から可愛がられ、口利きを受け継いだものとされています」
何度も書いているように、こうした口利きは公明党だけでなく、他の政治家もやっています。自民党なんかも得意ですよね。ただ、ある官邸関係者は特に公明党は伝統的に口利きが上手だとして、最近猛批判を浴びた「18歳未満への10万円現金給付」を例として挙げていました。この10万円への批判は自民党がクーポン配布と言い出したせいもあるんですけどね。
●東京地検特捜部の事実上の敗北…実は公明党に配慮した内容
一方、この官邸関係者は「貸金業法違反での在宅起訴という結果は東京地検特捜部の事実上の敗北」と揶揄しています。これは以下のように当初よりも軽い容疑になった他、「国会が閉まった後、慌ただしい年の瀬を選ぶなんて公明党に配慮し過ぎではないか」とのことで、むしろ公明党に甘すぎる内容だという理由でした。
「当初、遠山元議員が日本政策公庫を所管する財務省の副大臣であったことから、職務権限の指示に基づく、贈収賄での事件化を目指していた。だが、遠山氏がすでに国会議員の職を辞していること、貸金業法違反の容疑を認めていることなどを踏まえ、在宅起訴となった」
東京地検特捜部出身の若狭勝弁護士も「参院選挙があるので特捜部は早めに在宅起訴にしたのでは?」と想像。先の官邸関係者は連立を組む公明党が好きじゃないのか、「遠山事件は個人の問題に矮小化されるべきではない。公明党が長年に渡り培ってきた“口利きの系譜”をえぐり出さなければ」とも言っていました。
●「議員の影響力を悪用」国会議員初となる有罪を公明党がゲット
2022/03/30追記:まだ地裁ですが、貸金業法違反(無登録営業)の罪に問われた遠山清彦・元公明党衆院議員の有罪判決が出ました。裁判長は、1年3カ月間に111件の仲介をしたことをふまえ「政治活動としての陳情対応の域を明らかに超えている」とし、懲役2年執行猶予3年、罰金100万円の判決を言い渡しています。
遠山清彦元衆院議員に執行猶予つき有罪判決 コロナ融資で違法仲介:朝日新聞デジタル(植松敬 小野太郎2022年3月29日)によると、国会議員経験者が同罪で有罪判決となるのは初めてとみられるそうです。「史上初めて」ということですから、なんか画期的な感じがしてしまいますね。歴史に名を残しました!
<判決は、融資が実行された額を「約37億円」と認定し、「規模が極めて大きい」と指摘。大半が国会議員の在職中に行われたとしたうえで、「国会議員の影響力を背景としながら違法性を考えず、高い倫理観が求められる当時の立場に照らすと非難を免れない」と述べた。また、秘書らに指示して公庫担当者を紹介したことや謝礼金を得たことも認めた>
<公明党は結党以来、「クリーンな政治」を標榜(ひょうぼう)してきただけに、今回の判決に対する危機感は強い。(中略)自民党との連立政権は約20年に及び、与党として影響力を持ち続けてきた。判決は、遠山元議員が国会議員としての影響力を背景に犯行を繰り返したと指摘した>
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