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マジの語源とマジ・マジ戦争の由来 マジは江戸時代から使用って本当?


 マジ・マジ戦争という戦争があったそうです。戦争なんていっつもマジであり、ふざけ半分でやっているってことはないでしょうが、ものすごい本気感を感じる戦争の名前で印象的です。ただ、Wikipediaによれば、マジ・マジ反乱の方が一般的みたいですね。
マジ・マジ反乱(マジ・マジはんらん)、またはマジ・マジ戦争(—せんそう)は、1905年から1908年にかけてドイツ帝国植民地ドイツ領東アフリカの南部タンガニーカ(現タンザニア)において発生した反乱。植民地政府が現地民に輸出用綿花栽培の強制労働を課したことが原因となり、現地民が蜂起した。

 この「マジ・マジ反乱」の由来となった「マジ」(maji)は、スワヒリ語で「水」を意味するそうです。なぜこの「マジ」を使って「マジ・マジ反乱」と名づけたのかというエピソードは、マジ?と思うヘンテコなエピソードです。

 何でもタンザニアで当時"反乱に参加した現地民の多くはドイツ軍の弾丸を液体に変えてしまうという魔法の水を与えられた"からというのが、理由だそうです。

 えっ、マジで?と思いますが、本当に信じちゃったみたいですね。ただ、Wikipediaではわざわざ括弧して、「実際にその効力が現れることはなかった」と書いてくれており、日本の皆さんが間違って信じないようにという配慮をしてくださっています。…杞憂だと思うけどなぁ。


 以降、スワヒリ語で「水」である「マジ」が「魔法の水」としての「マジ」の意味で使われています。でも、そういえば、本当に「魔法」って意味である英語の「マジック」にも「マジ」がつきますね。たぶん「マジシャン」の略だと思いますが、オンラインゲームで魔法を使う職業の人も「マジ」って呼ばれていた気がします。なんかいろいろと縁がありますね。

 では、マジ・マジ反乱の「マジ」について。もう少し詳しく記載した部分は以下でした。(改行は変更)
現地民のドイツ人入植者に対する反感は募っていったが、同時にドイツ人を恐れてもいた。そのような中、ドイツ領東アフリカ東南部、ルフィジ川南岸のマトゥンビ高地に、蛇神ボケロの使者ホンゴに憑依されたと唱える霊媒師キンジキティレ・ングワレ(Kinjikitile Ngwale)が現れ、ボケロや憑依により交信した先祖からによるものとする預言を説き、預言により製法を伝えられたとする、ドイツ人の弾丸を液体に変えるという“秘薬”を与えた。そしてボケロの言葉としてドイツ領東アフリカの民はドイツ人を排除するよう命じられたと訴え、密かに各部族の団結と反乱勢力の結集を呼びかけた。
この“秘薬”は水(マジ)にひまし油と雑穀の種を混ぜたものだった。やがてキンジキティレは自らをボケロと称し、彼に仕える者をホンゴと呼び、彼の元にはドイツ領東アフリカ東南部の多くの人々が巡礼に訪れた。キンジキティレは巡礼者にマジを与え、ホンゴをキンジキティレの教えを伝えると同時にマジを配る使者として周辺各地へ派遣した。1905年中頃にはマトゥンビおよびキチ高地とその近隣のほとんどがキンジキティレの信者となっていた。

1905年7月、マトゥンビ高地ナンデテ村のマトゥンビ族住民が徴税に反発し綿花の木3本を引き抜いたことにより反乱は始まった。(中略)マトゥンビ蜂起の報を聞いたンギンド族はそれに呼応して動員を命じ、8月13日明け方に3方向からリワレを襲撃、陥落させた。翌日和平を説くために近づいてきたキリスト教宣教師を殺害し、その後沿岸から来たドイツ軍を待ち伏せ撃退した。
南ではムウェラ族が蜂起し、渋る住民を強制的に参加させドイツの影響の強かったルクレディおよびニヤンガオへ進撃を開始、それに近隣からの増援が加わった。8月28日にニヤンガオに着いた反乱軍はキリスト教伝道所を襲った。神父は2人のホンゴを射殺し、リンディへ逃亡した。マジは効かなかった。

 この後もマジの出てくる部分が多数あったので省略。かなり多くの人が騙されました。説明がなくて突然出てきてよくわかりませんが、「マジマジダンス」なるものが人気になったこともあったようです。

 何だか妙ちくりんな話なのですが、笑えないのがやっぱり戦争だってことです。"犠牲者数は植民地政府側の数百人に対して現地民側は数十万人に上ったと推測されている"そうですから、マジの罪は大きいです。


 ちょっとしたつかみのつもりが長くなってどっちが主役だかわからなくなったものの、本来書きたかったのは日本語の「マジ」の話です。実は「マジ」という言葉は江戸時代から使われているという話があり、「えっ、それマジ?」と思って気になっていました。

 日本語俗語辞書さんによれば、「マジ」はマジで江戸時代に生まれた言葉だそうです。

 ただし、当時からずっとメジャー街道をひた走っていたわけではなく、"芸人の楽屋言葉として使われた言葉"とありました。おそらくずっと業界用語という形での限られた使用だったのでしょう。

 それが"1980年代に入り、若者を中心に広く普及"。辞書に載るほどの支持を得ました。一度辞書に載っても消えてしまう語というのも実は珍しくないのですが、皆さんご存知の通り、一時の流行語にとどまることなく今もこうして普通に通じています。完璧に市民権を得ました。

 マジの語源に関してですが、これはそのまんま「真面目の略」みたいです。普通ですね。辞書ではどういう漢字を当てているのかな?と見てみましたが、私が見たものではひらがなのみ。「真面」とも「本気」とも書いていませんでした。



 とりあえず、これで書きたいことは全部書きました。マジ・マジ戦争に比べて、日本語の「マジ」に関する話が短すぎない?と思うかもしれませんけど、マジでもうこれ以上書くこと思いつきません。許してください。


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