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日本政府の禁輸措置・輸出規制で中国半導体は崩壊


 半導体の話をまとめ。<高性能半導体チップを作れない中国が規制で苦境 日本は作れる?>、<米中貿易摩擦は逆にビジネスチャンス!中国強化に走る日本企業も>、<日本政府の禁輸措置・輸出規制で中国半導体は崩壊>、<半導体の国産化は「脱台湾」 社長の8割が半導体の国産化を支持>などをまとめています。

2023/10/22追記:
●日本政府の禁輸措置・輸出規制で中国半導体は崩壊
2024/01/24追記:
●半導体の国産化は「脱台湾」 社長の8割が半導体の国産化を支持 【NEW】


●高性能半導体チップを作れない中国が規制で苦境 日本は作れる?

2021/04/12:ファーウェイが2021年3月31日に発表した財務報告書によると、19年に19%だった売上高の成長率が20年には3.8%にまで落ち込み、海外市場における売り上げは特に欧州圏で激減しました。WIRED.jpの記事はこの財務報告書について、<米国の仕掛けた政治キャンペーンのせいで同社が被った損失の大きさが示されている>と書いていました。

 ファーウェイのスマートフォン販売は特に大打撃。Canalysの調査によると、19年にサムスンに次ぐ世界2位の出荷数を記録したファーウェイが、20年末にはスマートフォン生産のトップ5からも転落したそうです。米国は、ファーウェイに対する高性能チップの供給と、中国への最新鋭マイクロチップ製造装置の供給を断つ目的で、20年に輸出規制を設けていました。これが大きかったといいます。

 この輸出規制により、実質的にファーウェイが高性能なスマートフォンを製造できないことになりました。高性能スマホに使われるナノスケールの部品を、中国はいまだに国内生産できていないためだとのこと。中芯国際集成電路製造(SMIC)をはじめとする中国の半導体メーカーがつくっているチップは、モノのインターネット(IoT)機器などに使われる低価格で低性能な製品に限られているそうです。

 中国は数十年の歳月と数十億ドルの資金をかけてチップ生産技術の確立に努めてきたのに、国内トップの企業でさえこの3カ国に数世代分の遅れをとっているのが現状だとのこと。現在、このような高性能チップを製造できる企業は、台湾、韓国、米国にしか存在しないとも説明されています。日本では技術を国外流出させないためという大義名分で大量に税金が投じられてきたのですが、結局、日本でも高性能なものは作れないみたいでした。


●経済学的には輸出規制は悪手…中国自身もレアアースで失敗している

 ただ、この話があったのは、ファーウェイに対する米国の制裁措置、その効果は長くは続かない | WIRED.jp(2021.04.09)という記事。「いまや世界的なテクノロジー大手となった同社を、完全に排除できるかは疑問です」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校国際政策・戦略大学院の学部長で、元米国政府官僚のピーター・カウヘイさんは見ていました。

 記事の冒頭では、<中国政府の資金投入と技術振興策によって勢いを取り戻す可能性がある>とも書かれています。政府支援があればうまく行くのか?というのは、日本の失敗例からしても疑問なのですが、中国の場合は資金も豊富でしょう。政府支援というのは私が嫌うやり方ではあるものの、うまく行く可能性はありそうです。

 また、一般論としては、規制が逆効果になるというのはよくあること。中国自身がこれで失敗しているんですよね。ここらへんの失敗例については、保護貿易主義と中国のレアアース輸出制限の失敗 フィリピンバナナの輸入禁止、オイルショック、アメリカの大豆禁輸の結果は?で集めています。アメリカの半導体規制も失敗例としてここに加わるかもしれません。


●米中貿易摩擦は逆にビジネスチャンス!中国強化に走る日本企業も

 中国の半導体については別の見方もほしいなと思って検索して見つけたのが、<ニュースイッチ by 日刊工業新聞社>の中国のディープな半導体事情をすべて話そう(2019年09月24日)という記事。この記事は別投稿の方で先に使ったのですけど、読んでみたら中国はイケる!とする、日本企業のフェローテックホールディングス副社長のインタビュー記事でした。

<中国に主力工場を多く構えるフェローテックホールディングス。同社の関連キーワードを挙げると「米中貿易摩擦」、「浮き沈みの激しい半導体関連企業」、「生産の主力拠点が中国」などだ。最近の経済情勢からすると、キーワードだけではネガティブなイメージを持つかもしれない。しかし、そこに勝機があるとみている。中国進出当初から継続して中国事業を担当している賀賢漢副社長に中国国内の状況と同社の戦略を聞いた>

 米中貿易摩擦の影響について、中国出身の賀賢漢副社長は「主力製造拠点があるからこそ、当社にとっては追い風になっている」と強気。こうしたフェローテックの中国への傾斜については、疑問視する記事が多数出ています。ただ、前述の通り、規制が逆効果になるというのは一般論としてはよくある話。賀賢漢副社長はその他に以下のようにも言っていました。

「全体的には、中国の国産化が進んでいるが、すべて国産化ができているわけではない。米国企業から他国へ調達を変える動きの中で、中国に製造拠点があり、市場に入り込んでいる当社に多くの引き合いがきている」
「さらに中国でチャンスがあるのは、民生家電品や自動車関係で使用されるパワー半導体用のセラミックス基板だ。中国国内で約90パーセントのシェアを占める。一番の競合企業は米国資本の会社だが、顧客の米国離れがが加速すれば、さらに受注が伸びると予想する。中期的にはセラミックスだけでなく、窒化ケイ素基板の量産化も計画している」


●日本政府の禁輸措置・輸出規制で中国半導体は崩壊

2023/10/22追記:「中国の半導体産業」は滅亡の危機…日本政府の「23品目の禁輸措置」に中国企業が怯えている理由 日本は中国の「アキレス腱」を狙った | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)という記事があったので読んでみました。アクセスしてみると、作者がアンチ中国なジャーナリストの福島 香織さんでちょっと心配。経済や製造業は専門ではないはずです。

<米国はオランダ、日本との「半導体三国同盟」で、中国の半導体産業包囲網を形成している。
 2022年10月、米国商務省は包括的な法律を可決し、特定の研究実験室や商業データベースセンターが先進的な人工知能半導体を取得することを禁止するとともに、その他の制限措置も盛り込んだ。米国はさらに、日本やオランダを含むパートナーに半導体製造設備を中国に輸出しないようロビー活動を行った>

 中国は対抗策として半導体国産化を目指し、中国の関連株がむしろ上昇する…という逆転現象のようなことが起きています。ただし、記事タイトルでわかるように、実際には中国に国産化が無理…というのが、福島 香織さんの話。アメリカ対策はしていたものの、日本対策はしていなかったとされていました。

<日本は2023年7月から半導体製造設備領域23品目の対中禁輸を実施しているが、米国以上に、この日本の対応が、中国の半導体国産化の道を阻むだろう。
 この措置を日本政府が発表した1週間後の5月31日、中国のウェハファブ業界関係者が中国メディアに語ったところでは、多くの業界人が、この日本の禁輸措置に呆然としており、日本製設備に巨大なリスクが潜んでいることを改めて意識したという。>


●半導体の国産化は「脱台湾」 社長の8割が半導体の国産化を支持

2024/01/24追記:半導体関係では、半導体の国産化「支持」8割 社長100人アンケート - 日本経済新聞(2022年12月28日 2:00 )という記事をブックマークしていました。それこそ経営では流行りに乗って失敗・乗らずに成功ということがあり、多数決で決まるような問題ではないですけど、興味深い結果ではあります。

<「社長100人アンケート」では半導体の調達状況も尋ねた。日本政府が推進する国産化政策は、安定供給につながるとして約8割が「支持する」と回答した。足元では半導体全体の逼迫感は緩んだものの一部旧世代品はなお足りず、半導体を使用した部品や製品を含めた供給制約は続いている。各社は在庫の積み増しや調達契約の見直しを急ぐ。>

 記事によると、半導体の国産化は、全然「脱中国」ということではなく、「脱台湾」みたいですね。そもそも中国は半導体で強い国ではなく、他の部分でも書いているように台湾が強い国。そして、中国の影響で台湾からの輸入が途絶えることを懸念があるので「脱台湾」です。

<政府は戦略物資の供給を強化する経済安全保障推進法を5月に成立させ、「特定重要物資」に11分野を挙げた。中国が最大生産地の台湾に侵攻する懸念もある半導体は、その筆頭格だ。
 政府は半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が24年の稼働を目指す熊本工場に最大4760億円の補助金を支給する。>


【本文中でリンクした投稿】
  ■保護貿易主義と中国のレアアース輸出制限の失敗 フィリピンバナナの輸入禁止、オイルショック、アメリカの大豆禁輸の結果は?

【関連投稿】
  ■世界シェア7割!フェローテックHDの半導体関連の真空シール
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