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ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」


★2014/3/3 ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」
★2014/3/14 博士論文画像流用疑惑知りながら、理研・笹井芳樹が1ヶ月も隠蔽


★2014/3/3 ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」

 不正追及スレとはいえ2ちゃんねるで見たものですので、さすがに釣りだと思いました。ただ、URLを見ると確かに理研のオフィシャルサイトっぽく、実際、"理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)"(理研ページとは別)の英語版トップから行けました。マジで書いていましたわ。(和訳は私がしています)
STAP cells overturn the pluripotency paradigm RIKEN CDB - News archive Jan 30, 2014

“I think it is no exaggeration to say this represents something of a Copernican revolution for developmental biology,” continues CDB Deputy Director Sasai. (略)

「私はこれが発生生物学におけるコペルニクス革命のようなものだと言っても誇張ではないと考えている」笹井CDB副センター長はさらに続けて語ります。(略)
http://www.cdb.riken.jp/en/04_news/articles/14/140130_stap.html

 扱いの大きさはともかく、STAP細胞に関しては日本だけでなく海外でもかなり画期的なこととして、報道されました。ここらへんのアピールも一役買っているんですかね?

 日本語版での該当部はもう少し控えめに見えますが、やはり歴史的で画期的で革命的といった印象を与える言い方です。
笹井グループディレクターは「細胞外部からの強烈な刺激に細胞を晒すことで、細胞の分化の記憶を消し去り、新たな多能性細胞を生み出せることを示した本研究は、決して誇張ではなく、発生生物学の歴史を塗り変える大きな革新をもたらすだろう」と語る。
http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/14/140130_stap.html

 英語版での"Copernican revolution"は一般的に「コペルニクス革命」と訳されています。以下のような説明を見つけました。
コペルニクス革命 とは - コトバンク

世界大百科事典内のコペルニクス革命の言及

【コペルニクス】より
…しかし宇宙がもし無限なら,そこには中心はないはずである。その種の議論をコペルニクスは天文学の問題ではなく,自然哲学者にまかせるべきだと考えて,みずからは立場を明確にしていないが,その発想が〈閉ざされた〉中世的宇宙観(コスモス)から〈開かれた〉近代的宇宙観への移行のゲート・キーパーとして影響したことは確かであり,この宇宙観・世界観の大変革がしばしば〈コペルニクス革命〉と称されたり,転じて哲学その他の分野で〈コペルニクス的転回〉(カント)の語が用いられるゆえんである。力学の問題は彼にも解けぬ問題であったが,従来のアリストテレス的な重力が,地球だけでなく,すべての天体について存在することを認めている。…

 また、以下のブログさんでは、"クーンの言っている近代力学の誕生にまつわる科学革命Scientific Revolution(中でも特にコペルニクスから始まったとするときには「コペルニクス革命Copernican Revolution」と言います)"という記述が見られます。

科学革命の仕組み① : 徒然なる猫日記 2010-08-16 05:23
http://zattou.exblog.jp/13776919

 トマス・クーンのいう「科学革命」はWikipediaに項目があります。
科学革命(かがくかくめい)と和訳される概念には、次の2つがある。(中略)

2.「科学革命」(英: scientific revolution)とは、トマス・クーンが1.の「科学革命」を拡張した概念で、いわゆる「パラダイム転換」一般を指す。

(中略)科学は「通常科学」と「科学革命」より構成されると主張、特定の科学者集団が奉じるパラダイム(一定の期間その集団の科学者に、問いと答えの範型を与える古典的な業績)にしたがって「通常科学」の研究がおこなわれるが、その過程で変則性が顕現するにいたって当該パラダイムに危機が生じ、ついに「科学革命」がなされて、別のパラダイムが生み出され、それと交代する事実があることを指摘した。すなわち、科学者は一定の発想、前提、枠組み、ルールなどにしたがって研究を進め、できるだけその枠内で問題解決を図る傾向にあるものの、このような試みが行きづまると、枠組み自体が疑われることになり、混乱期を経て思考の枠組みの大幅な変更が起こることになる。これをクーンは「科学革命」と称し、しばしば「パラダイムシフト」(パラダイム転換、パラダイムチェンジ)と言い換えられる。クーンによれば、こうした「科学革命」は歴史上何度も起き、また、現在も起こりつつある。クーンによれば、天動説が地動説に転換したできごとだけではなく、ニュートンの力学体系が行きづまってアルベルト・アインシュタインの相対性理論が生みだされたという事象や経緯もまた「科学革命」のひとつに数えられる。

 コペルニクス、ニュートン、アインシュタインというそうそうたる顔ぶれを見ていると、1年間に何人も選出されているノーベル賞ってのは、全然大したことない感じですね。コペルニクス革命レベルならノーベル賞なんか屁でもありません。

 まあ、実際、STAP細胞の作製は私もやはりすごいんだろうなぁと思います。それは捏造疑惑が出てきた今でも変わりありません。

 しかし、何でそんなコペルニクス革命に値するようなものすごい発見について記した論文を、ツッコまれまくるようなずさんな形で提出したんでしょうね? しかも、何度も書き直していたらしんですよね。修正した結果が疑惑の画像群なのかもしれませんが、もっと他にやるべきことがあった気がします。

 コペルニクス革命級の歴史に残る論文であれば、心理的にはむしろ全く逆に丁寧に仕上げようとすると思うのですが、どうしてこんなになってしまったのか…。不思議でなりません。


★2014/3/14 博士論文画像流用疑惑知りながら、理研・笹井芳樹が1ヶ月も隠蔽

 NHKから仰天ニュースが。
「STAP」写真流用把握も問題と説明せず 3月13日 19時20分 NHK

この論文の中で、細胞の万能性を示し、研究の核心部分の1つとなる3枚の写真は、小保方さんの博士論文から流用された疑いが指摘され、理化学研究所は論文の信憑性にも関わる重要な問題と受け止めて調査しています。
NHKが関係者に取材したところ、およそ1か月前には、小保方さんと、研究チームの中心メンバーで研究所の副センター長がこの問題を把握していたことが分かりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140313/k10015955891000.html

 名前を出していませんが、笹井芳樹・理研CDB副センター長のことです。いやぁ、これはひどい。

 これは外部へ発表しなかったというだけでなく、"外部の有識者も入った調査委員会のメンバー"にも、"この問題が単なる画像の取り違い"と説明していたということです。余計ひどいです。

 笹井芳樹副センター長は、"広報を通じ、「調査に関わることなので話せない」とするコメントを出し"ているようです。「話せない」と言っているってことは、内部リークでしょうね。まあ、ガセの可能性もなきにしもあらずですが…。

 とりあえず、東京大学医科学研究所の上昌広特任教授は以下のように苦言。

「今回、問題となったのは、研究成果の根幹に関わる画像だ。それにも関わらず重要な問題だと伝えられていなかったことは、調査に協力しようという気がないだけではなく、隠蔽しようとしたととられてもしかたのない状況だと思う。理化学研究所は、調査の経過や内容などについて包み隠さず情報を公開するべきだ」


 ついでに今回は笹井さんの話をまとめて。3月12日に「上原賞」授賞式があったのですが、この騒動ですから受賞者の笹井芳樹さんは少なくとも欠席すると思っていたんですよね。それがどうも出ていたみたいです。
STAP細胞 論文撤回勧告も 理研5人で不正有無調査 2014年3月12日 朝刊 東京新聞

 共著者の笹井芳樹・理研副センター長は十一日、都内で「上原賞」(賞金二千万円)授賞式に出席した。記念講演の後、報道陣に囲まれたが、問い掛けには応じず立ち去った。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031202000116.html

 なお、この記事にはこういう話も。
 理化学研究所(理研)は十一日、小保方晴子ユニットリーダー(30)らが発表した万能細胞「STAP細胞」の論文について、不正が認められれば論文撤回を著者らに勧告することもあり得ることを明らかにした。十四日午後に調査委員長と研究所理事らが会見して経過を説明するという。 

 理研では所内外の専門家二人ずつと弁護士一人の計五人の調査委員会を二月十八日に設置。小保方氏らから事情を聴き、指摘された画像転用や他論文のコピーなどの経緯などを調べている。調査が長引いているのは、次々に新しい指摘が出てくるためだという。

 ずっと書く機会がなかったのでここで書きますが、内部の人が入った調査なんか意味無い…とまでは言いませんが、信頼性は極めて低いですよ。外部だって人選によっていくらでも骨抜きにできるものの、内部の人を入れてしまうというのはそれ以前の問題です。

 また、撤回勧告という段階には既に達しています。私は最終的にはきちんと細部まで明らかにすべきだと思いますが、重要な問題に絞っておおよその結果を出した中間報告くらいはもっと早く発表できたはずです。まあ、最初から時間稼ぎだったんでしょうね。


 笹井さんに関しては東スポも書いていました。内容が嫌らしくて好きじゃなかったので控えていませんでしたが、今日は笹井さん特集ということでもう一度読みに行きました。

 前半は"授賞式では笹井氏の受賞講演もあったが、STAP細胞には触れなかったようだ。副賞は2000万円だという"など、上の記事があればいらないような内容。ただ、後半は特徴的でした。
小保方氏の上司“裏道逃亡劇”の理由は12日の法人指定会議? 2014年03月12日 16時00分 東スポ

 論文への疑惑は数多い。上司として見抜けなかった笹井氏の責任は重いが、責任を認めれば、笹井氏の理研内での立場は危うくなろう。論文撤回がすんなり決まらない背景には、政治的な事情もあるという。

 永田町関係者は「12日に開催される総合科学技術会議で『特定国立研究開発法人』の指定について、議論されるといいます。理研も指定の候補に挙がっています。理研にとって指定は大きなメリットになります」。同法人に指定されると、研究者への高額報酬が可能になり、優れた研究者を確保することにつながる。内閣府の科学技術政策・イノベーション担当は「総合科学技術会議が開かれたとしても、いきなり正式な法人指定までいくことはないかと思われます。ただ、理研が候補として挙がったのは確かです」とすっきりしない。STAP論文の行方次第では指定も危うい。
http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/243493/

 ノーベル賞どころではないSTAP細胞 笹井芳樹「コペルニクス革命」で書いたように、笹井さんはSTAP細胞の作製を「コペルニクス革命」だとまで言っていました。また、理研広報も認めたように、最初の発表はかなり誇張が含まれていました。

 『特定国立研究開発法人』の指定に関しては撤回による失点を心配しているのであって、STAP細胞論文を決め手にしたのではないと思います。ただ、STAP細胞論文での誇大広告的な発表にも、研究資金獲得を狙うような悪質なものを感じました。

 なお、"12日に開催される総合科学技術会議"は、こんな感じになりました。
STAP細胞問題次第で理研の扱い見直しも(03/12 21:21) ANN

 山本一太科学技術担当大臣:「確かに法人のマネジメント、リスク管理が挙げられている。この理研のガバナンス面も含め、下村大臣を中心にやってもらうしかない。その辺をしっかりと見極めた上で、政府として法案の閣議決定において最終的に対象法人を決定したい」
 新たに設ける「特定国立研究開発法人」の対象候補に決まったのは、STAP細胞を発表した小保方晴子さんが所属する理化学研究所と産業技術総合研究所の2つです。アベノミクスの成長戦略の一環として、世界トップレベルの研究開発を目指すため、優秀な研究者に高額の報酬を支払うことが出来るようにします。しかし、会議で下村文部科学大臣は、STAP細胞の論文問題について「引き続き調査中」だと報告しました。政府としては調査結果を見極めた上で、正式に決定する方針です。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000023068.html

 これをもって「先送り」と報じているところもありましたが、文字通り「先送り」するだけで、実際には「今はまだ内定と言いづらいので、ほとぼりが冷めてから」くらいのものだと思いますよ。

 STAP細胞問題の直前には、J-ADNIデータ改竄で厚労省田村憲久大臣、内部告発のもみ消しをはかるがありました。むしろ不正疑惑を積極的にもみ消そうとするくらいですから、国は信用できません。


 関連
  ■小保方晴子早大博士論文、参考文献までコピペしたせいで意味不明に
  ■J-ADNIデータ改竄で厚労省田村憲久大臣、内部告発のもみ消しをはかる
  ■STAP細胞捏造疑惑問題、悪いのは誰?小保方晴子、理研、笹井芳樹など
  ■小保方晴子博士のSTAP細胞論文はイグノーベル賞こそふさわしい?
  ■STAP論文捏造疑惑への海外の反応 小保方晴子が「女性だからか?」
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