アメリカの新聞発行部数ランキングの紹介です。日本と比較して極端に部数が少ないなど、日本とは異なる特徴がいろいろあり、そこらへんについても書いています。(2014/3/8)
2017/09/27:アメリカの声を代表する新聞はどこ?
●アメリカの新聞発行部数ランキング
2014/3/8;過去に
世界の新聞発行部数ランキングと
中国の新聞発行部数ランキングをやっています。最近検索していて、アメリカのものを紹介しているサイトさんを見つけて、これは興味ある!と思いました。ベスト10は以下のようになっています。
<アメリカの新聞発行部数ランキング> 2011年 ABC(部数公査機構)
1 ウォール・ストリート・ジャーナル 211.8万部
2 USAトゥデイ 182.9万部
3 ニューヨーク・タイムズ 91.6万部
4 ロサンゼルス・タイムズ 60.5万部
5 サンノゼ・マーキュリーニュース 57.8万部
6 ワシントン・ポスト 55.1万部
7 デイリーニューズ 53.1万部
8 ニューヨーク・ポスト 52.3万部
9 シカゴ・トリビューン 43.7万部
10 シカゴ・サンタイムズ 41.9万部
アメリカの新聞 発行部数ランキング(2011年)【ABC(部数公査機構)】世界ランキング統計局●日本と比較して極端に少ない理由
日本の方がむしろ世界から見ると変わっているのですが、日本と異なる大きな特徴としては、部数の少なさです。
世界の新聞発行部数ランキングで出ていた日本の新聞では、中日新聞が最後で世界9位、日本5位にあたる280万部。
アメリカは1位のウォール・ストリート・ジャーナルですらこれに満たない数字です。2位、3位となるとさらにどんどん数字を落としていますので、もっと勝負になりません。
理由は複数ありますが、一つは日本の識字率の高さ、教育レベルの高さでしょう。教育レベルというのは上位層ではなく、下位層のレベルの高さですね。上位と下位のレベルの差が少なく中央にまとまっていて、落ちこぼれが少ないのです。(2017/09/27追記:2つ目の理由の方が、より適切な説明かもしれません)
この点は世界に誇って良い日本の良さなのですが、ことマスコミに関しては海外を持ち上げて日本を叩く傾向が強く、新聞を読んでいることはあまり自慢したがらずにむしろ馬鹿にする人が多いです。それこそ反日じゃない?と思うんですが…。
とりあえず、日本の1位であり世界の1位である読売新聞の数字を比較すると、日本人がどれだけ新聞を読んでいるかよくわかります。(発行部数を水増しする押し紙がなければの数字ですが)
日本 人口 1億2800万人 1位 読売新聞 1000万部
アメリカ 人口 3億1400万人 1位 ウォール・ストリート・ジャーナル 212万部
アメリカは日本の2.5倍の人がいるのに、1位の部数は5分の1程度です。圧倒的に日本人の方が新聞を読んでいるように見えます。
●アメリカ人は地元志向が強く多様性がある
日本はアメリカ以外と比べても新聞を読んでいる人が多いので、日本が読み過ぎってのは確かにあります。ただ、アメリカの部数が少ないのはもう一つ大きい理由があります。
世界の新聞発行部数ランキング 読売新聞など日本が上位占拠のベスト10にはアメリカが1つも入っていませんでした。アメリカよりもっと人口の少ない国のものも入っているにも関わらず…です。
これはアメリカの地方意識の強烈な強さがあると思われます。地元の新聞を読むという傾向が強く、あまり全国紙を読まなくくちゃ!という意識がないのでしょう。引用元でも"アメリカでは全国紙が主流の日本とは異なり、それぞれの州に拠点を置く「地元紙(Local newspaper)・地方紙(Regional newspaper)」が多く購読されている"としています。
ただ、引用元サイトによれば、下記が全国紙にあたるようです。「National newspaper」と呼ばれる"特定の地域による偏りが少なく、全米の読者を対象としている"新聞とのこと。
1 ウォール・ストリート・ジャーナル 211.8万部
2 USAトゥデイ 182.9万部
3 ニューヨーク・タイムズ 91.6万部
4 ロサンゼルス・タイムズ 60.5万部
6 ワシントン・ポスト 55.1万部
サイトによっては、全国紙はUSAトゥデイのみとしているところもあります。ただ、引用元の定義によると、一応アメリカでも全国紙が上位を占めているようですね。
●大衆紙の部数が少ないのも日本の特徴
ついでにこの5紙のジャンル的なものも。 Wikipediaから引っ張ってきたんですが、分類がバラバラで統一感なくなっちゃいました。
1 ウォール・ストリート・ジャーナル 211.8万部 経済誌
2 USAトゥデイ 182.9万部 大衆紙(タブロイド紙)
3 ニューヨーク・タイムズ 91.6万部 高級紙
4 ロサンゼルス・タイムズ 60.5万部 高級紙(Wikipedia以外で確認)
6 ワシントン・ポスト 55.1万部 高級紙
たぶん普通に2つに分ける場合は、高級紙か大衆紙(タブロイド紙)じゃないかと。大衆紙ってのは、日本で言うスポーツ新聞や日刊ゲンダイ、夕刊フジあたりです。アメリカのランキング上位は、大衆紙はUSAトゥデイだけで、高級紙が多いようです。
ただ、大衆紙(タブロイド紙)が2位に入っている時点で日本とかなり違う雰囲気。他の国でも大衆紙が多く読まれているところがあり、大衆紙の部数がそうじゃない新聞と比較して少ないというのも、日本の特徴だと思われます。
アメリカのランキングの11位以下を見ましたが、私が他に知っている名前はありませんでした。韓国の宗教団体統一教会系のワシントン・タイムズ(ワシントン・ポストとの混同に注意)は、安倍晋三首相らが意見広告を出したり、産経新聞が引用したりで日本ではまずまず有名なのですが、ランクインせず。
Wikipediaを見ると、2009年12月現在、8万5000部だそうです。ランキングの50位は15万部程度でしたので、これにも全然届きませんでした。こうやって見ると、やっぱり産経新聞がわざわざ力入れているのというのは不思議ですね。
●アメリカの声を代表する新聞はどこ?
2017/09/27:全体の訂正だけのつもりでしたが、最近見かけた話を紹介。よく「世界の声」「アメリカの世論」の代表格としてニューヨークタイムズが引き合いに出されるけど、ニューヨークタイムズの部数は少ない…という主張がありました。たぶんニューヨーク・タイムズやそれを引用するマスコミへの批判なのだと思われます。
ただ、その論理で言うと、読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日本経済新聞・中日新聞(東京新聞)より部数が少ない産経新聞は、日本の声を代弁しておらず価値がないということになります。この方の他の意見を見ると保守っぽかったのですが、非常に都合の悪い話でしょう。
あと、そもそも「世界の声」「アメリカの世論」の代表格だと、わざわざ強調した紹介の仕方は見た覚えがありません。単に引用しているという形です。それで言ったら、それこそ産経新聞はなぜ50位にも入らない統一教会系のワシントン・タイムズを引用しているのだ?という話にもなってきます。
また、もう一つ新聞のジャンルまで見た場合、ニューヨークタイムズをアメリカの代表とするのが妥当とも考えられます。上記で書いたように、アメリカの1位であるウォール・ストリート・ジャーナルは日経新聞のような経済関係を重視した新聞です。そして、2位のUSAトゥデイは大衆紙というさらに特殊なもの。となると、一般的な全国紙としては、3位のニューヨーク・タイムズがアメリカで最も部数が多いということになります。
私は別にニューヨーク・タイムズ推しではなく、右派とされるウォール・ストリート・ジャーナルの方がむしろ好みなのですけど、あまりに妙ちくりんな主張でした。
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