2018/03/12:
●愛知学院大学歯学部講師らの論文で捏造や改ざんの不正、撤回を勧告
●不正行為に関与したと認定されたのは尾関伸明講師
●過去には国立長寿医療研究センター不正で、愛知学院大院生にも責任認定
2020/11/21:
●愛知学院大学尾関伸明講師らの論文捏造不正、20論文にまで増加
●愛知学院大学歯学部講師らの論文で捏造や改ざんの不正、撤回を勧告
2018/03/12:最近あまりチェックしていないのですけど、たまたま
歯学部論文に画像捏造や改ざん 愛知学院大 : 京都新聞【 2018年03月10日 18時48分 】という記事が目に止まりました。
愛知学院大は、歯学部の講師らが発表した論文に画像の捏造や改ざんがあったとサイトに掲載。、講師の専門分野は歯の中心部「歯髄」などの再生で、論文は2013年に発表されたものです。17年2月に歯学部関係者から「不自然なデータが存在する」と指摘があり、調査委員会が画像データや実験ノートを調査していました。
結果、論文内で図に使われている画像に反転や切り貼りなどが判明。論文の根幹である基礎データの捏造、改ざんで、結論に影響を与え、悪質性は高いと判断したそうです。
●不正行為に関与したと認定されたのは尾関伸明講師
(PDF)愛知学院大学における研究活動上の不正行為に関する 調査結果について(平成30年3月9日 )によると、通報論文の責任著者は尾関伸明という方。筆頭著者は別の方で元大学院生、統括・論文作成を担当していたのはまた別の教員、また、ラストオーサーだったのはさらに別の教員でした。
この中で「不正行為に関与したと認定した研究者」されたのは、尾関伸明・愛知学院大学歯学部講師のみ。他の教員2人は、「不正行為に関与していないものの、不正行為が行われた論文の内容について責任を負う者」と認定されています。
・茂木 眞希雄(愛知学院大学 薬学部 准教授)
・中村 洋(愛知学院大学 歯学部 名誉教授)
先に私はここを見て、筆頭著者であった大学院生の名前がないことを不思議に思いました。すると、その直前に「調査過程において判明した不適切行為」というのがあり、これを読むと納得。以下のように書かれており、実際には研究の中心じゃない人が、筆頭著者にされていたみたいです。
<通報に基づき調査を進める過程で、実験に主体的に関わっておらず研究計画の立案や論文の執筆作業も行っていない者を筆頭著者とする、不適切なオーサーシップがあったことも判明した>
●過去には国立長寿医療研究センター不正で、愛知学院大院生にも責任認定
これだけだと短いかもと最初思っていたので、検索して見つけていた
村上真史、堀部宏茂、中島美砂子らの2論文が捏造等認定! - 世界変動展望というページも軽く紹介。こちらは主に国立長寿医療研究センターの問題でした。2論文に捏造、改ざんが認定されています。
村上真史 国立長寿医療研究センター幹細胞再生医療研究部 元特任研究員
(捏造論文1の不正実行者)
堀部宏茂 国立長寿医療研究センター 元研究員、愛知学院大学歯学研究科第2口腔外科学教室 大学院生(不正行為当時)
(捏造論文2の筆頭著者として責任あり。不正の実行者は不明)
中島美砂子 国立長寿医療研究センター幹細胞再生医療研究部 部長
(2つの論文の責任著者として責任あり)
この調査はなんかすっきりしないものです。捏造論文2の不正と認定された図の実験は元研究補助者が実施していたものの、誰が不正をやったかは不明とのことでした。
●愛知学院大学尾関伸明講師らの論文捏造不正、20論文にまで増加
2020/11/21:前回からえらく時間が経っており驚いたのですけど、続報が来ました。2018年3月に発表された2013年発表の論文不正の後、学内で追加調査をしたところ、20編の論文で存在しないデータから図表を作成する捏造などの不正行為が見つかったという話です。不正調査は時間がかかりますから、これだけ遅くなったのでしょう。
前回と中心人物は同じで、尾関伸明・元歯学部講師が図表の作成などを担当し、茂木真希雄・薬学部准教授が指導的立場にありました。これらの話があった
論文20編の不正認定 愛院大追加調査、歯学部元講師ら関与:中日新聞Web (11月21日 05時01分更新) では、尾関伸明さんについてのみ「元講師」との書き方でしたので、辞職したようです。
記事によると、他に11人の教員らが関わっており、学内で処分を検討しているとのこと。ただ、尾関さんのみが辞職して、茂木真希雄・准教授はそのままであるところを見ると、不正への関与度合いは差が大きいと見られているのでしょう。本来、共著者の方には事前に不正を見つけてほしかったところなのですが、尾関伸明講師以外の処分はかなり軽いものになりそうです。
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