フェイスブックの話をまとめ。<利用者の6割以上が嫌だと思うフェイスブックをやめられない理由>、<ダサいフェイスブック離れの若者が向かった先はインスタ…ではない>、<フェイスブック離れ・インスタ離れでメタ社の時価総額7割消失>などをまとめています。
冒頭に追記
2022/11/05追記:
●フェイスブック離れ・インスタ離れでメタ社の時価総額7割消失
2022/11/16追記:
●「大量採用」と「大きなチャレンジ」失敗で旧Facebook大量解雇 【NEW】
●フェイスブック離れ・インスタ離れでメタ社の時価総額7割消失
2022/11/05追記:ここの投稿では、嫌なのにフェイスブックをやめられない…という話を書いていましたが、ついにフェイスブック離れが深刻化してきたのかも…という記事がありました。さらにこれはメタ・プラットフォームズ(メタ)社に社名を変更した旧フェイスブック社離れ、インスタ離れの話でもあります。
これを書いていたのは、
わずか1年で時価総額76兆円が消失のメタ 「脱・Facebook」の大きすぎた代償:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン(2022年11月04日 06時00分 公開)[古田拓也,ITmedia]という記事。というか、社名変更していたのを私は知りませんでしたわ…。
<Facebookがメタ・プラットフォームズ(メタ)社に社名を変更しておよそ1年が経過した。Facebookブランドを捨ててまで「メタバース」に社運をかけたが、その代償は計り知れないほど大きかったのかもしれない。
同社の「Horizon Worlds」は、1兆円をかけて開発されるとうわさされていたメタバースアプリケーションだ。しかし、8月にCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookアカウントでそのティーザー画像を公開すると、あまりの品質の低さから、ただでさえ下落基調であったメタ社の株価はそこから下げ足を加速させた>
<そんなメタ社の株価は、社名を変更した1年前の株価水準328ドルから、直近で95ドルと70%を超える大暴落となった。時価総額は8700億ドルから2500億ドルと5200億ドル、現在のドル円レート換算でおよそ76兆円が消失してしまったのだ>
直近のドル高によるドルベースの広告収益低下やFacebookなど主力SNSの伸び率低下、そして企業の広告出稿を控える動きで業績が悪化。企業の広告ボリュームが減少している理由としては、FacebookやInstagramと肩を並べ、成長率の面でより有望なTikTokに広告フローが流出していることが考えられるそうです。
GoogleTrendsによれば、22年現在、Facebook、Instagram、TikTokの検索数はほぼ同じ。ただ、勢いは全然違っていて、Facebookは減少中で、Instagramはピークからやや下降してから横ばい、TikTokは上昇中です。なので、上昇の余地が残り将来性で勝る中国アプリのTikTokに広告が切り替わっていってるみたいですね…。
●「大量採用」と「大きなチャレンジ」失敗で旧Facebook大量解雇
2022/11/16追記:「フェイスブック離れでメタ社の時価総額7割消失」という話を追記したばかりのところで、
「全責任は私に」米メタ社のザッカーバーグCEOが1万人超の解雇を発表(2022/11/10 CoinPost)というニュースが入ってきました。比率としては13%であり、半分とか3,4割とかではないのですが、それでもかなりの比率です。
<米メタ(旧フェイスブック)社は9日、全従業員の約13%にあたる1万1,000人超の解雇を発表した。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は社員に向けたメッセージで、今回の大規模な人員削減を「メタの歴史の中で最も困難な変化」と形容。直接影響を受けた社員に対して特に申し訳なく思っていると述べた>
ザッカーバーグCEOは人員削減に踏み切らざるを得なくなった理由として、経営判断を誤った責任を認めたとのこと。「コロナ禍の急速なオンライン化とeコマース急増により収益が大幅増」したことで、「成長は加速度的に続くと予測し、大幅な投資増額を決断」したことが失敗だったとしています。
現実には、「eコマースはパンデミック前のトレンドに回帰する一方で競争激化。広告収入減少で予想を大幅に下回る収益に」なり、大失敗。以下にあるように、そもそもここ3年で異常なほど従業員数を増やしていました。「大量採用企業はヤバい」の法則が、こういう世界的な大企業ですら通用するんですね!
<メタ社の9月末時点の従業員数は約8万7,000人。コロナ禍でオンライン活動が拡大し、急成長した同社は、2020年と2021年には合わせて2万7,000人、今年1月から9月までの9ヶ月間でさらに1万5,000人を超える従業員を新規に雇用していた。同社の従業員数は3年弱で倍増したことになる>
なお、この説明の中では明記されていなかったものの、ザッカーバーグCEOが押し進めたメタバース部門で巨額の損失を積み重ねていたことももちろん打撃だったはずです。シリコンバレーの格言である「小さく失敗せよ」を守らず、社運をかけてギャンブルするという、これまた典型的にダメなパターンでした。
社員へのビデオメッセージでは、大量解雇の決断に対する全責任は自身にあると発言。ただし、「責任がある」と言うだけなら誰でもできます。安倍元首相が典型的で、彼は最後まで全く責任を取らずに別の理由で辞任しました。ザッカーバーグCEOの責任の取り方についても、記事では書かれていなかったことが気になります。
●利用者の6割以上が嫌だと思うフェイスブックをやめられない理由
2014/3/27:アメリカの世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが行った調査によると、フェイスブックを利用している米国人の半数以上が、他人が必要以上に自分の個人情報を共有しているとの概念についてうんざりしており、このサービスを約36%が「とても嫌だ」、約25%が「嫌だ」と回答していました。
この「とても嫌だ」の約36%と「嫌だ」の約25%をそのまま足すと、約61%。数字を丸めているので微妙には変わるでしょうけど、フェイスブック利用者の6割以上が「嫌だ」と思っているという衝撃の結果です。しかし、この結果がただちにフェイスブックの終焉を意味するかと言うと、そうではないんですよね。
ここまでの話が掲載されていた記事のタイトルは、
フェイスブック利用者、「嫌」でもやめない理由は? 米調査機関が公表 AFPBB 2014年02月04日 14:50 発信地:ワシントンD.C./米国というものでした。このやめられない理由に関係するのが、アメリカにおけるフェイスブックの普及度です。
<ピュー・リサーチ・センターは昨年も調査を行っているが、その調査結果から、米国のインターネット利用者の71%がフェイスブックを利用していることが明らかになった。
同センターによると、フェイスブックを利用していない人のうち52%が、家庭内に利用者がいると答えており、さらにこのうち子供1人と同居している両親の66%が、自分たちはフェイスブックを利用していないが、家庭内にアカウントを持つ者がいると答えている>
よく言われるのはフェイスブックはインフラのようなものだという表現。欧米圏では好むと好まざるとにかかわらずフェイスブックというのはもはや「やらなくてはいけないもの」であり、画期的だとか、格好良いとか、使いやすいとかといった理由で使っているわけではないのです。
●フェイスブックは古くてダサい!アメリカではかなり前から言われた
これはだいぶ前から言われているなと思いました。私が思い出した
フェイスブックって古くない?:日経ビジネスオンライン 津山 恵子 2011年2月22日(火)という記事なんか2011年でしたらかね。2011年は日本だと「フェイスブック元年」と言われていたものの、既にこの頃からフェイスブックはもう「クール」じゃなくてダサいものだったようです。
当時すでにニューヨークでは、もう完全な「インフラ」。初対面の人と会って、「また連絡を取りたい!」と思ったら、メールアドレスを聞くのではなくて、まずフェイスブックにアカウントがあるのか確認していたといいます。マンハッタンの地下鉄や、スタンドで売っている雑誌の企業広告でも、企業が記載しているのは、もう自社のウェブサイトではなく、フェイスブックのファンページでした。
さらに、誰もが使うようになるとクールじゃないし、書けないことも増える…という問題も出てくるのです。フェイスブックはみんなが使うものなので、下手なことは書けないので辛いというのもあるでしょう。本当の友人同士でやり取りする…みたいな期待に応えるのは、別のもっと新しいSNSなのです。
●フェイスブック離れ加速って本当?ダサいと辞められないは相関する
同じピュー・リサーチ・センターの調査を紹介した別記事では、10代の若者の最大の悩みは「友達が増えすぎて、自分の情報が親に漏れるのが心配」とのこと。他にも「オジサン・オバサン(つまり大人)ばっかり増えてクールじゃなくなった」「夕食に何を食べたとかどうでもいい投稿が多すぎる」といった声が出ています。
そして、フェイスブックのアカウントは残したまま、ツイッターやインスタグラム、タンブラーに移る若者が続出することに。ソーシャルメディアを利用している10代の94%がフェイスブックに登録しているが、熱狂的なブームから一転ここへきて“フェイスブック疲れ”の症状があらわれているとしていました。
他に創業者のマーク・ザッカーバーグさんが年を取って、若い感覚とは乖離したなんてことも言われています。ただ、これまで出てきたインフラ説や・利用者が増えすぎた説の方が妥当だと感じます。
なお、これらの話は、
加速するフェイスブック離れ その理由が明らかに:米シンクタンク調べ - IRORIO(さえきそうすけ 公開日時:2013年05月23日 15時00分 更新日時:2013年05月23日 15時00分)というタイトルの記事からの話でした。しかし、前述の説明からすると、フェイスブックを完全にやめるという人は少ないのでしょう。
フェイスブックがダサいのはインフラだからという話でしたが、インフラでしたら辞めようと思っても辞められないとも言えます。このようにフェイスブックがクールではない理由というのは、そう簡単に死に絶えるわけではない、やめられないという理由にもなっているわけですが、何だか寂しい理由ですね。
●ダサいフェイスブック離れの若者が向かった先はインスタ…ではない
2021/08/02追記:もともと書いていた話はアメリカの話。また、普及したからこそダサいという話であり、ダサいから流行らなかったといった話ではありません。日本でもフェイスブックは私の予想以上にヒットしたのですが、アメリカほどは普及せず。日本は世界で唯一ツイッターが圧倒的という変わった国になっています。
で、とりあえず、日本のフェイスブックの話はないかと検索してみました。出てきた
フェイスブック離れの若者、インスタで受けきれず: 日本経済新聞(2018年2月17日 6:30)という記事にアクセスしたら、残念なことに、またしても日本ではなくアメリカの話でした。アメリカの若者は「スナップチャット」に行ったとのことです。
<バミューダパンツやダサいジーパン姿でフェイスブックをいじっているおじさんやおばさんが雰囲気をぶち壊したため、イケてる若者は今や動画を使ったメッセージサービス「スナップチャット」にたむろしている――。米市場調査会社のイーマーケターがこんな調査結果をまとめた>
<イーマーケターは「2018年には11歳以下のフェイスブック利用者は前年比9.3%減り、12~17歳は5.6%、18~24歳は5.8%それぞれ減るとみている。こうした年齢層でフェイスブックの利用者が減ると予測するのは初めてだ」と述べた。
フェイスブックはこのところ、こうした若者は(傘下の)写真共有アプリ「インスタグラム」に移ることをあてにしていた。ところが、インスタグラムは受け皿になり切れていないとイーマーケターは指摘する。
「イーマーケターの試算では、18年にフェイスブックから24歳以下の利用者200万人が流出する。だが、全員がインスタグラムに移るわけではない。例えば、インスタグラムの24歳以下の利用者は160万人増にとどまる」との見方を示した>
とはいえ、フェイスブック傘下のインスタグラムの24歳以下の利用者は160万人増なので、私は大成功だと思いますけどね。こうした利用者のトレンド変化に対応できる企業はほとんどありません。日本のニコニコ動画もユーチューブに負けましたよね。フェイスブックはむしろかなりよく頑張っている企業でしょう。
とりあえず、「イケてる若者はスナップチャットに乗り換えている」とのことで、24歳以下の利用者はインスタより多い190万人増える予想だったそうです。そして、これにより、各社が欲しがる若者たちの間では、スナップチャットが引き続きインスタグラムに先行し、ビジネス的にも成功するだろうと予想されていました。
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