エーワン精密の話をまとめ。<エーワン精密は中途採用が基本 給料は年功序列で賞与は超実力主義>、<人件費などは創業以来ずっと同じ!エーワン精密の必勝のバランス>などをまとめています。
2023/02/06まとめ:
●エーワン精密の梅原勝彦相談役が重視するデータは5つ 【NEW】
●人件費などは創業以来ずっと同じ!エーワン精密の必勝のバランス 【NEW】
●エーワン精密は中途採用が基本 給料は年功序列で賞与は超実力主義
2010/6/3:
エーワン精密 不況時こそ値下げしないの続きの話。
不況時こそ値下げしないの続きで、<エーワン精密 採用と給与>というタイトルで書いていた投稿を見直して再投稿しました。
梅原勝彦相談役は、売上高経常利益率40%を達成できる原動力として、「社員が一緒に頑張ること」を挙げています。そして、「終身雇用で定年まで働けるとなれば、将来の不安なく仕事に励める。安心して働ける職場があるからこそ、仕事へのやる気が出てくる」と言って、終身雇用制を守り続けています。
ただし、社員の報酬は「給料は年功序列」「賞与は働きぶりに応じた実力主義」と、二つの仕組みを併用しているのが、おもしろいところ。「給料は生活費という意味合いがあるし、長い時間をかけた貢献という面もあるから、年功序列だといいます。
ただし、頑張った人にしっかり払いたいから、賞与は成果配分にしている」と梅原相談役は説明しており、納得できる話かもしれません。この賞与は月ごとに金額を確定させ、給与明細書にも毎月記載しているそうで、かなり評価期間が短くなっているのが特徴です。
毎度評価するとなると無駄に時間をかけていられないので、その分すっきりした評価方法があると思うのですが、そのことについては触れられていませんでした。とりあえず、この賞与額はかなりきっちり結果を反映させているようで、入社3年目の社員が20年目の人を上回るようなケースもあるとのこと。超実力主義な感じです。
また、採用で変わっていたのが、中途採用が基本で、しかも「離婚して子どものいる女性」など、何らかの事情を抱えている人を優先的に選ぶということ。これは「そうした人こそ、仕事への必死さの度合いが高いから」だそうです。(2023/02/06追記:読み直していて思ったものの、離婚歴などを聞くのは問題になるかもしれません)
さらに、中途採用が基本なのにも関わらず、同業の経験者は「前職でのクセがあると、当社のやり方に慣れるのが大変なため」採らないそうとのこと。多くの企業が新卒採用を重視する理由はおそらく自社の色に染めたいがためだと思いますが、それにしてもキッパリ採らないというのは思い切っています。
そう言えば、過去に紹介したAZスーパーセンターも、
素人集団だから成功したと言われています。見方を変えれば、経験の無さは武器にもなるということです。採用では会社に自分の子供や親類を入れていないというのも、特筆すべきことです。それは同族経営が陥りやすい経営の不透明化を避けるためと説明しています。
あと、派遣社員は「自分の会社という意識を持ってもらえない」という理由から使わないそうです。入社後の社員教育はすべて現場でのOJT方式で、パート社員を含めて数年間かけてじっくり育てるとのことです。
その他、組織の特徴として、部、課などがなく、中間管理職がいないということがあります。これは人数の少ない会社だからこそかもしれませんが、課題があると、梅原相談役や社長が直接、担当者と立ち話ですぐに解決するため、会議もほとんどないという利点があるようです。(以上、
日本電産が“脱帽”した最強の中小企業~相談役の席はオフィスの入り口に エーワン精密の秘密(最終回) 日経ビジネスオンライン 2009年2月20日より)
●エーワン精密の梅原勝彦相談役が重視するデータは5つ
2010/6/2:強力な収益力を持つエーワン精密の梅原勝彦相談役が重視する経営判断のデータは、「売上額」「人件費」「材料費」「設備費」「総支出」の5つ。売上額は「金額」を、それ以外の項目は、「金額」に加えて「対売上高比率」(対売上比)をグラフに書き込みます。
これらは正式な損益計算書の数値とは必ずしも一致しないものの、「経営管理用の数値」として直感的で素早く計算でき、一目で大まかな経営状況をつかめるものになっているとのこと。それぞれの項目についてエーワン精密の梅原勝彦相談役は、次のように説明していました。
「当社の仕事は『社員』が仕入れた『材料』を、『設備』で加工して売ること。カネの出入りで言えば、『人件費』『材料費』『設備費』と、その他を合わせた金額が『出(=総支出)』になる。『入』は『売り上げ』。その差が利益になる。だから、この5つの項目を見れば、会社の問題が分かる」(以上、
日本電産が「脱帽」した最強の中小企業がある エーワン精密の秘密(その1) 日経ビジネスオンライン 2009年1月22日より、以下※1と表記)
また、設備費は他項目と違い、実際の支出額ではなく、「これくらいの設備投資をしたい」という数字を表に書き込むものだそうです。これは同社が設備投資を重視しているということもあると思います。それから、総支出は人件費や材料費だけでなく、広告費や運送費、電話代などの販管費も含めた支出の総額のことを指します。
(以上、
日本電産が脱帽した最強の中小企業(2)~“5つの数字”で問題発見 日経ビジネスオンライン 2009年1月29日より、以下、※2)
●人件費などは創業以来ずっと同じ!エーワン精密の必勝のバランス
おもしろいことに同社の業績グラフは、創業期から現在まで、各費用の売上高に占める割合はほぼ一定であるそうで、その値を示しておきます。「これが、エーワン精密における利益率40%経営の『必勝のバランス』である」と記事にはありました。(以上、※1より)
・人件費 15~20%
・材料費 7~10%
・設備費 4~5%
・総支出 40~60%
梅原勝彦相談役はこれらの数字を見ながら、数字に異常が現れたときに原因を追求します。そして、それによって、会社にどのような問題が起きているのかがわかるといいます。例えば、宅配便の利用額が急に増えていることに気づいて調べたときは、納入本数を間違えたためにクレームが発生し緊急便で送っていたことがわかった…といった具合です。
ただし、このエピソードの場合は顧客には素早い対応が喜ばれたとので、「そういう理由かと納得して、怒らずにむしろ良くやったと褒めた」とのこと(以上、※2より)。もともとエーワン精密は人数の多い企業ではありませんが、こうして社長がよく社内のことを把握しているというのは良いことでしょうね。
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