●研究不正もみ消しの東北大で准教授がデータ改ざん・盗用の不正
2022/02/06:
東北大院で論文不正 准教授が改ざん・データ盗用 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS(2022年02月05日)によると、東北大が大学院農学研究科の准教授の論文2本に改ざんや盗用があると認定したことが分かったとのこと。後述するようにかつては不正をもみ消した東北大は、今回は准教授に論文を撤回するよう勧告したようです。
東北大側は、准教授が責任著者の論文2本について(1)数値を入れ替えたと判断せざるを得ない図表がある(2)実際には複数の実験を一つの実験と見せかけている-などを確認。これらの理由により、改ざんがあったと判断しました。なお、お名前については記事では報じられていません。
また、改ざん以外に盗用の問題も判明。別記事
東北大准教授が論文データ改ざん、盗用も:朝日新聞デジタル(高橋昌宏2022年2月5日)によると、この研究では学生がほとんどの動物実験を担当し、分析結果を出していました。しかし、准教授は学生に事前の了解を得ずにデータを使った上、論文の著者に加えていないことから、盗用があったと判断されています。
調査結果に対し、准教授は異議を申し立てたのですが、大学側は再調査すべき理由が示されず、必要性は認められないと判断。根拠を示せないデータや誤った記載が多いとして、論文を撤回するよう勧告し、処分を検討する方針。有意差があるように見せかける改ざんだったようなので、致し方ないでしょうね。
●過去に不正をもみ消した東北大学…今回はなぜ対応が異なるのか?
東北大学と言うと、
ノーベル賞候補と言われていた井上明久・元東北大総長に不正疑惑の件が思い出されます。このときは、東北大学側は井上明久・総長を守り、不可解に見える対応で、不正がもみ消されたような形。学会側は後に不適切な行為があったと認定しており、東北大学側の対応の悪さが際立っています。
今回の場合、東北大学側は不正を認めたものの、これは不正を行ったとされる研究者が大物ではなかったためでしょう。大物ほど不正を認められないという傾向は、東北大学だけでなく日本中の大学で見られるものです。河北新報によると、今回は農学研究科長から研究担当の理事・副学長に准教授の不正に関する相談があっての調査だったそうで、むしろ大物側が不正を疑っていたものだとも言えます。
あと、朝日新聞では、<論文の不正調査について、同大はウェブサイトでの掲載にとどめ、記者会見は開かなかった。広報室によると、学内で協議した結果だという>とも書いていたんですよ。記者会見を開くのが一般的かどうかは不明なのですが、ひょっとしたら今回もやや消極的なところがあったのかもしれません。
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