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中止命令は渡りに船?調査捕鯨は赤字、日本の商業捕鯨は成立しない


 調査捕鯨裁判で日本が敗訴 勝ったオーストラリア政府もなぜか困惑に続いてもう一つ。

 私は裁判などのテクニカルな点について何で負けたの?という思いがありますし、文化的な点については認められないのはもっとおかしいと思っています。しかし、それらの点は抜きにして、ビジネスとしての問題を書いた記事がありました。書いているのはヤフー系のワールドリーフが運営するTHE PAGEです。
調査捕鯨継続なら“ビジネス”は継続したのか? THE PAGE(The Capital Tribune Japan)  [2014/04/01]

 アイスランドのように、国際捕鯨委員会に異議を申し立て、正々堂々と商業捕鯨を行っている国もありますから、伝統的に捕鯨を行ってきた日本としては、本来はそうした外交姿勢を貫くのが正しいという考え方もあります。実際、日本は1982年に異議を申し立てたことがありましたが、米国との個別交渉の結果これを撤回しており、それ以降は、異議の申し立てをしていません。

 もっとも日本が商業捕鯨を再開したからといって、ビジネスとして成立する状況にあるのかは微妙なところです。
http://news.mynavi.jp/news/2014/04/01/200/

 上の話では前回書いた何で商業捕鯨をやっている国がいるの?という話と、日本は過去に捕鯨を自ら捨てていたという話が出ていますね。

 問題はその後、ビジネスとしてなぜ成立しないか?という点です。
 日本を代表する水産物であるマグロは年間30万トン以上が供給されていますが、鯨は約5000トンと60分の1の規模しかありません。しかも鯨肉の消費は低迷が続いており、在庫はこの10年で2倍以上に増加しています。今後も国内で鯨肉の消費が大きく増える見込みはありません。

 市場自体が小さいということです。実際、調査捕鯨は大赤字のようです。
 現在、調査捕鯨は財団法人日本鯨類研究所が実施していますが、鯨肉の販売不振からこの団体は債務超過に陥っており、政府が税金で損失補填をしていることが国会の議論で明らかになっています。捕鯨に対する外交姿勢はともかくとして、経済的な観点で見れば、日本はすでに商業捕鯨を本格的に実施できる状況にはないようです。

 そういえば、政治家の国民向けパフォーマンスとは異なり、日本政府はやけに素直で"判決を受け入れると表明して"いました。国際司法裁判所の調査捕鯨中止命令は、渡りに船と考えているのかもしれません。

 当然このような大赤字事業だと商業捕鯨であっても、成立させるのは難しそうだと考えられます。前述の通り、これは裁判や文化とは別の話ですけどね。


 この文化の話と裁判の話と商業的な市場の狭さに関係する話ですが、クジラ肉の味について。

 私は個人的にクジラ肉はおいしくないと思っており、食べたくありません。しかし、好き嫌いとその文化が許されるかは無関係ですので、冒頭で書いた通り、鯨を捕ることは当然認められるべきだと思います。

 しかし、ネットを見ていると、ここらへんの話を一緒くたにした話をしている人が多くて残念に思いました。「おいしんだから海外の人も食べれば気が変わる」とか「クジラ肉はまずいから別に中止でいい」とかですね。

 また、商業的に成り立たないという「鯨肉の販売不振」については、実際問題あまりおいしいと感じている人がいないってことに他なりません。残念ながらクジラ肉文化は衰退の方向性は変わらなかったように思えます。


 あと、前回書いたときには触れなかったのですが、文化の話も裁判には無関係ですからね。条約のテクニカルな問題や、調査捕鯨の科学性について主張しなければいけないのに、文化の話を強調してしまうとそれは逆効果です。

 報道を見ると、一応日本代表はそういう感情的な主張をしたわけではなさそうなのですが、もしそれをやっていたとすれば日本が負けたというのも納得です。

 この点気になってもうちょっと調べてみると、判決は割と鋭いことを言っていますね。
調査捕鯨中止:「透明性欠いた」点、受け入れられず
毎日新聞 2014年03月31日 21時46分(最終更新 03月31日 23時25分)

 判決は、科学調査のため例外的に捕鯨を行うことまでは否定せず、日本の調査捕鯨も「科学目的と性格づける調査も含まれている」と指摘した。しかし

▽87年から04年までの第1期調査と第2期調査の違いが明確でない
▽非殺傷調査を増やす検討をしていない
▽目標枠に比べミンククジラの捕獲量が少ない
▽ナガスクジラの捕獲量も科学調査には不十分
▽期限が切られていない

 −−として「科学調査ではない」と断定した。【ハーグ斎藤義彦】
http://mainichi.jp/select/news/20140401k0000m030115000c.html

 前回でも書いたように、調査捕鯨ってのは建前でしたからね。日本側にそれを隠す姿勢が欠けていて、あまりにも堂々と食用の鯨を捕り過ぎていたようです。
 国際司法裁に詳しいアッサー研究所(ハーグ)のリベリンク・上席研究員(国際法)は「予想以上に厳しい判断を下した。科学調査といいながら研究成果が乏しく、なぜ、何のために、いつまでやるのか、透明性、明確性が欠けていたことが敗因」と分析する。(中略)

 捕鯨に反対する市民団体IFAW(米国)のラメージ捕鯨問題担当局長は「商業捕鯨を存続させるため官僚が立てた複雑な理屈が国際社会では通じなかった」とみる。

 ここらへんは日本は過去に捕鯨を自ら捨てていた 日米漁業交渉で遠洋漁業確保のためから続く日本の戦略性のなさかもしれません。また、「渡りに船」の話で言うと、最初から裁判で負けて調査捕鯨をやめるつもりだったのかとも疑いたくなります。

 本当に裁判に勝つつもりなのであれば、昨年夏の口頭弁論の前に捕獲の仕方を変えて、調査捕鯨という建前が成立する努力をしておくべきだったかもしれません。

(と書いたのですが、本当は勝つ気満々だったようです。 TPPでも主席交渉官の鶴岡公二、捕鯨裁判完敗で安倍晋三首相に叱責される)


 関連
  ■調査捕鯨裁判で日本が敗訴 勝ったオーストラリア政府もなぜか困惑
  ■日本は過去に捕鯨を自ら捨てていた 日米漁業交渉で遠洋漁業確保のため
  ■オーストラリア VS シーシェパード サメ駆除残酷と支援国に牙を剥く
  ■捕鯨に関してケネディ駐日大使「米国政府はイルカ漁反対」と批判ツイート
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