2022/10/27追記:
●すでに「ユニクロ超え」評価の中国アパレルSHEIN(シーイン)の強み 【NEW】
2018/07/29:
●商品を高く売る戦略 腕時計メーカーの中古品自己買い
●高級ブランドのバーバリーが約42億円相当の売れ残り商品を焼却処分
●価格維持は高級ブランドだけじゃない…キャベツなどの大量廃棄処分も
2019/01/21:
●ゾゾタウンからアパレル一斉撤退!高級ブランドが安売りを嫌う理由
●すでに「ユニクロ超え」評価の中国アパレルSHEIN(シーイン)の強み
2022/10/27追記:読み直してみると、だいぶ違う内容の投稿だったのですが、とりあえず、アパレル関係ということで、<「ユニクロ超え」謎の中国アパレル・シーイン、その「世界制覇戦略」と「真の目的」>(22/9/29(木) 8:18配信 現代ビジネス)という記事の話をこちらに追記しておきます。
<オーバーサイズのトップスに、シースルーのスカート。ゆるいキャラクターがプリントされたスウェット、ちょっと露出度の高いタイトなワンピース、さらにはウエディングドレスまでーー。
10代~20代前半のZ世代女性の心をとらえるアイテムが、500円から高くても5000円程度の安値でずらりと並ぶ。「SHEIN(シーイン)」の通販サイトを訪れると、その無限とも思える品揃えに圧倒される。日本でもすでに「ユニクロよりも可愛いし安いから、全身SHEINで揃えている」という中高生が増えてきている。
いま、大人には耳慣れないこのファストファッション・ブランドが世界のアパレル業界に激震をもたらしている。年間の世界売上高は200億ドル(約2兆8000億円)に達し、ユニクロを運営するファーストリテイリングの2兆2500億円(2022年通期業績予想)をすでに超えているとも言われる。
さらに今年4月には、1000億ドル(約14兆円)もの資金調達を検討しているとも報じられ、市場の度肝を抜いた。時価総額1000億ドルを超える未上場スタートアップ企業は、まだ世界でもイーロン・マスク率いるスペースX、TikTokを運営するByteDanceの2社だけ。ファストリの時価総額が約8兆6000億円だから、その規格外ぶりがよくわかる>
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ea434b9628596b714cd8013efcad9a8a7635b6c
シーインにはウェディングドレスもあるというのが他にない特徴なのですが、2008年に創業された前身の南京希音電子商務は当初、ウェディングドレスに特化した通販サイトだったそうです。現在の従業員は1万人以上、世界150の国と地域で事業を展開。ただし、主要拠点は中国国内ということで、今はまだ中国がメインの企業のようです。
ここの創業者である許仰天(シャー・ヤンティエン)さんはウェブマーケティング企業の出身だといいます。SHEIN(シーイン)の特徴の一つ目は、ネット・SNS上のファッショントレンドを超高速で取り入れる、リサーチと企画のスピード感だそうで、ネットでの強さを感じさせるものでした。
「SHEINは世界中のファッションサイトやInstagram、TikTokといった若年層の多いSNSを巡回・分析し、常に最先端のトレンドを追いかけながら商品企画を立てているといわれます。
信じられないことに、企画から製造までは最短で1週間。SHEINの製造工場は中国にあるため、全世界の顧客の手元に届くまでは少しタイムラグがありますが、それでもトレンドを捉えられる驚異的なスピードです」中国専門ジャーナリストの高口康太氏)
●商品を高く売る戦略 腕時計メーカーの中古品自己買い
2018/07/29:商品を高く売る戦略としては、スイスの高級時計メーカーパテック・フィリップのやっていたことがおもしろいと思って記憶に残っていました。
パテック・フィリップはオークションで古い自社時計を高値で買い戻すことによって、「パテック・フィリップの時計の中古市場価値を保たせる」というビジネス戦略をとっているそうです。また、「パテック・フィリップの時計は一生もの」というブランドイメージがあるため、この宣伝といった意味合いがあるとのこと。
このブランドイメージも高く売るためには大事なんでしょうね。どんなに古い自社時計についても修理することができる「永久修理」を宣伝していそうです。
ただし、保証期間(通常2年間)が過ぎた時計については、当然のことながら有料修理であり、無償でやってくれるわけではありません。また、オリジナル部品を長期にわたって保持することを保証するものではない、とのこと。
まどろっこしい言い方ですけど、要するに、オリジナル部品の在庫がなくなった時点以降はオリジナル部品を使った修復ではなく、その時どきで製造可能な代替部品を使ってのメンテナンスとなるという意味です。その場合、必要な代替部品を新たに製造するコストはやはり個々のユーザーの負担となり、時計の購入価格を大きく超える修理代金を請求されるケースも多いといいます。
(
パテック・フィリップ - Wikipediaより)
そのため、ものすごい良心的というわけではないのですけど、高く売る戦略やブランドイメージ確立といった面では成功と言えるものでしょう。勉強になります。
●高級ブランドのバーバリーが約42億円相当の売れ残り商品を焼却処分
上記の話を思い出したのは、
バーバリー、42億円相当の売れ残り商品を焼却処分 - 社会 : 日刊スポーツ[2018年7月21日21時31分]というニュースを読んだためです。
英高級ブランドのバーバリーが2017年、2860万ポンド(約42億円)相当の売れ残り商品を焼却処分していたことが判明して、各地で報じられたようです。これがやはり、商品の安売りを防いでブランド価値を守るための措置とみられているんですね。
処分された商品は過去5年間に総額9000万ポンド相当ということで昔からやっていた模様。なおかつこうした措置は同社に限らず、ファッション業界で一般的に行われているといいます。言い逃れということではなく、実際そうなんでしょうね。
ただし、この場合は中古腕時計の自己買いとは異なり、イメージが悪いです。資源を無駄にしていると批判が広がっているとのこと。バーバリーも、廃棄物を削減し活用する方法を模索する、と言わざるを得なくなくなってしまいました。
●価格維持は高級ブランドだけじゃない…キャベツなどの大量廃棄処分も
こういった価格維持のやり方は、何も高級ブランドだけの話ではありません。キャベツなどでも行われて、話題になることがありますよね。食べ物ですので、よりもったいない…と感じる話です。
これでよいのか、夏野菜廃棄!では、"長野でレタスとハクサイ廃棄、価格維持の需給調整"(読売新聞 - 2005年7月2日)の記事が紹介されています。
長野県で始まった夏ハクサイ2100トンと夏秋レタス2400トンの廃棄処分作業を伝えるニュースで、やはり、出荷量を抑えて価格を維持するのが目的。緊急需給調整事業というのがあるんだそうです。他にキャベツ、ダイコン、タマネギも対象だとのこと。このときは、「東京都中央卸売市場の7~10日分の入荷量に相当する量」とされているので、結構な量でした。
仕方ない…という理解がありそうな一方で、やはり抵抗ある人もいるでしょう。「農家の人が一生懸命作ったからちゃんと食べなさい」みたいな、食べ物の大切さや労働の大切さを説く文句が虚しくなってしまう話でした。
●ゾゾタウンからアパレル一斉撤退!高級ブランドが安売りを嫌う理由
2019/01/21:
ゾゾタウンから有名アパレルが一斉に逃げ出す兆候…ゾゾに出品する必要性低下か Business Journal / 2019年1月20日 10時0分(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)という一見、このページの話に関係なさそうなニュース。実際、あまり関係ない説明をしている記事もあります。
例えば、産経新聞社の夕刊フジは、以下のような説明で、最も重要なところを詳しく書いていませんでした。
・「五大陸」や「23区」などを手掛けるオンワード、ミキハウス、インターネット衣料品通販ZOZOTOWN(ゾゾタウン)から有名ブランドが続々と退く姿勢をみせている。
・夕刊フジの取材では、「パーリーゲイツ」などのゴルフウエアを取り扱うTSIグルーヴアンドスポーツや、「4℃」などのジュエリーブランドを手掛けるFDCプロダクツがすでに出品を見合わせている。
・止まらない“ゾゾ離れ”は、「ZOZO ARIGATO」が原因。有料会員になれば全品10%割引を受けられるというユーザーにとってはまたとないサービスだが、ブランドとしては自社サイトからゾゾに顧客が流出したり、ブランド価値を下げる懸念がある。(ビジネスジャーナルによると、割引分はゾゾが負担するのでブランドが経済的な損失を被ることはない)
・新たに撤退の意向を示した有名アパレルブランドの運営会社役員は「新たなキャンペーンが始まったことで、一部店舗では、実物を見た上でネット購入する動きがあった。アウトレットへの出店や割引を基本的に行わないわが社にとっては、あまりにもビジネスの方向性として合致しないと判断した」と説明。
・同役員によれば、ゾゾタウンに出品するための手数料は、他社のネットショッピングサービスよりも大幅に高く、その他にもクーポンや商品の物流経費がかさむという。
(
止まらない“ZOZO離れ”…「ARIGATO」サービス原因か 「あまりにもビジネスの方向性合致しない」有名アパレル役員激白 2019年1月19日 17時7分 ZAKZAK(夕刊フジ)より)
夕刊フジでも、割引は「ブランド価値を下げる懸念がある」「ビジネスの方向性として合致しない」という説明があったものの、ほとんど強調されていません。ただ、これが最も重要なみたいですね。もともとうちで書いていた部分を見てわかるように、高級ブランドでは、その価格の維持に異常に神経を使っています。
一方、ビジネスジャーナルでは、きちんと以下のような説明があり、うちでも紹介したバーバリーの焼却や、売れ残った新品の衣料品を大量に廃棄しているアパレル業界のやり方にも触れていました。このようなブランド価値に関する視点は、ビジネス記事でしたら抑えておきたいところですね。
<オンワードのような高価格帯のアパレルブランドにとって、ブランド価値は販売において重要な意味を持つ。「高級感がある」「ハイブランドだから」といった理由で購入されることが少なくない。そういったブランドが「いつも安売りしているブランド」と思われてしまったら、そのブランドは愛されなくなり、売れなくなってしまう。そういったことを避けるため、高価格帯のブランド各社はブランド価値を保つためにさまざまな施策を講じている>
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