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京大の霊長類研究所で20億円の裏金?松沢哲郎氏と友永雅己氏に疑惑


 京都大学の霊長類研究所で最大で20億円とも言われる研究費の不正疑惑が発生しました。すでに会計検査院の職員が3度にわたってすでに訪問している他、関係者らも不正があったことを認めるような発言をしています。霊長類研究は京都大学で最も有名な研究の一つであり、実際に有名な学者さんが不正に関わっている模様。大きな問題となりそうです。

2020/11/25追記:
●特別教授ら2人を懲戒解雇処分も、本人は不正を否定し訴訟の可能性


●京大の霊長類研究所で20億円の裏金?松沢哲郎氏と友永雅己氏に疑惑

2019/10/31:東大でもハラスメントはあるが少ない?教授が出張旅費不正受給で、京大は不祥事が少ないって書いた途端に、半端ないのが来ましたね。そのとき書いた東大パターンと同じで、数は少なめなものの発覚した場合は規模がでかくなる…といった感じかもしれません。

 疑惑が発生したのは、国内唯一の霊長類の研究所である京都大学の霊長類研究所。ゴリラ研究の第一人者であり、京大の総長という超有名人の山極寿一さんもここの出身です。ただ、山極寿一さんが疑われているというわけではなく、問題とされているのは、現在は京大高等研究院特別教授であり、チンパンジー「アイ」の観察で知られる松沢哲郎元教授と、大型類人猿の知性を研究してきた友永雅己教授だそうです。

 霊長研の関係者によると、ふたりは、都内の動物実験施設の設計施工会社に、霊長研関連の施設工事を予算より安い金額で受注させ、浮いた分の金を返さずに別の研究に回すなどといったことを繰り返していた可能性があります。記事では「研究費のロンダリング」と言っていましたが、会計検査院がこの裏金づくりを疑っており、会計検査院の職員が3度にわたってすでに訪問していたそうです。

 湯本貴和所長は「ふたりがやったことは遺憾です」として、不正を認めているようなことを言っていました。さらに、「今後、文科省から研究費の返還を求められる可能性が高い。その額は見積もりで最大20億円」と説明。本当に大きい案件となりそうです。
(「京大霊長類研究所」で研究費の不正が判明 返還額は最大20億円 | デイリー新潮 週刊新潮 2019年11月7日号掲載より)


●チンパンジーに言葉を教えるプロジェクトで有名だった松沢哲郎氏の経歴

 京大は生え抜きが多いイメージであり、松沢哲郎 - Wikipediaの経歴を見ると、松沢哲郎さんもやはりそうでした。

<学歴>
東京都立両国高等学校卒業
1974年 京都大学文学部哲学科卒業
1976年12月 京都大学大学院文学研究科博士課程中退
1989年 京都大学理学博士

<職歴>
1976年12月 京都大学霊長類研究所助手(心理研究部門(1993年4月 行動神経研究部門認知学習分野に改組))
1987年9月 京都大学霊長類研究所助教授(心理研究部門(1993年4月 行動神経研究部門認知学習分野に改組))
1993年9月 京都大学霊長類研究所教授(行動神経研究部門思考言語分野)
2006年4月 京都大学霊長類研究所所長
2014年4月 日本モンキーセンター所長(教授と兼任)
2016年4月 京都大学高等研究院特別教授

 アイたちチンパンジーに言葉を教えるプロジェクト(アイ・プロジェクト)などで知られ、現在はアイの子どもアユムとともに、チンパンジーでの世代間の文化伝達などを研究しているとの説明があり、想像するちから――チンパンジーが教えてくれた人間の心など、書籍も多数あります。




●目的のためには手段を選ばない…を解説していた友永雅己教授

 一方の友永雅己教授は生え抜きではなく、大阪大学から来た方でした。古いですが、友永 雅己 - 日本学術振興会のPDFに助教授までの学歴・職歴が載っています。

1986年 大阪大学人間科学部卒
1988年 大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了
1991年 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程所定単位修得退学
1991年 日本学術振興会特別研究員-PD
1991年 京都大学霊長類研究所助手
1994年 博士(理学)の学位取得(京都大学)
1996年 京都大学霊長類研究所助教授

 友永 雅己さんもチンパンジーの認知と行動の発達などの書籍があり、検索では共著もヒットします。



 共著では、マキャベリ的知性と心の理論の進化論―ヒトはなぜ賢くなったかというのがあったのが、印象に残りました。おそらくタイトルの「マキャベリ的知性」というのは、マキャベリズムの関係でしょう。マキャベリズムは、「目的のためには手段を選ばないやり方」のことを言いますので、今回の不正経理事件を思わせるものがあります。



●架空発注を繰り返し、不正額は最低でも1億数千万円に!との続報

2019/12/06:京大が調査委員会を設置して内部調査していることが判明した…ということで、大手マスコミ各社も報道を開始しました。松沢哲郎元教授が特定の業者と独占的な契約を結び、順法意識が欠如して会計制度を軽視した結果、利益供与に発展したとみています。一方、松沢元教授は毎日新聞の取材に「調査を受けているのは事実だが、コメントできない」としてました。
(京大霊長類研の設備工事で特別教授ら研究費不正使用か 大学側が内部調査 毎日新聞2019年12月6日 11時21分(最終更新 12月6日 11時21分)より)

 この問題では、京大が18年5月に関係者から通報を受けていたものだという新情報もあります。調査に1年以上かかるというのなら普通にありますが、内部調査開始までだいぶ時間がかかったというのは、ひっかかるところですね。

 関係者によると、工事は同研究所のチンパンジー用のおりの設置。2010年度から数年間にわたり交付された研究補助金のうち約1億3500万円が余り、別のおりの設置費用に充てることを計画して、付き合いのある業者に落札させたたといいます。

 ただ、これが問題の全容という話ではありません。このおりの設置で業者に赤字が出たため、補塡として、京大野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(熊本県)の工事に絡んで架空発注を繰り返す、ということをやっていた模様。実際には工事や物品納入がないにもかかわらず、業者に金を支払っていたとされています。

 私的流用はないとみているものの、不正額は少なくとも1億数千万円に上るという書き方をしていました。デイリー新潮だと最大20億円で、そちらは大げさだったのかもしれないものの、まだ増える可能性はありそうです。


●京都大が報告書「4人が関わって、4年間で5億円の不正支出」

2020/04/03:続報が来ました。「まだ増える可能性はありそうです」と書いていたのですけど、その予想が当たって以前より金額が増えています。また、不正に関わったことがわかった人も増えたみたいですね。

 <京大霊長類研の教授ら4人 5億円余を不正支出 大学が報告書>(NHK 2020年4月2日 22時31分)によると、タイトルの通り、霊長類研究所の教授ら4人が、研究費5億円余りを不正に支出していたとする調査報告書を京都大学がまとめたことがわかったそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200402/k10012365331000.html

 前述の2人以外の名前は今回の記事でも未掲載で、その他の話も以前と同じ話が多め。4人は愛知県などにある京都大学霊長類研究所とその関連施設で平成26年度までの4年間に行われたチンパンジーのおりの工事などの28件で、架空取り引きなど総額5億円余りの不正な支出をしていた、とされています。

 このほか、入札前に予算を業者に伝えたり、入札すべき工事を随意契約にしたりするなどの不適切な事例も確認されたとのこと。また、これらは取り引きを通して業者に発生した赤字を補填(ほてん)するために行ったと説明しているということで、私的な流用はなかった、と結論付けられたようです。


●以前からトラブル!2015年から京都大と霊長研教授らに訴訟

2020/04/20:その後NHK以外での報道がありましたが、基本的には同じ。まず、教員4人による不正支出を認定する報告書をまとめたという話。また、14件で計約4800万円、入札妨害が7件で計約4億4千万円など、合わせて34件の不正使用で、研究費約5億1千万円の不正使支出があったと認める、とされていました。
(東京新聞:京大霊長類研、5億円の不正認定 調査委、研究費の返還求め提訴も:社会(TOKYO Web) 2020年4月17日 21時37分より)

 ところで、私は教授らと業者との間ではトラブルはなかったと思っていたんですよ。おりの設置で業者に赤字が出たため、補塡として別の工事に絡んで架空発注を繰り返す、といったことをやっていたという報道があったためです。

 しかし、どうも違ったようでした。2017年11月30日という最近ではない記事で、京都大学「霊長類研究所」を詐欺的と訴えた「新証拠」--内木場重人 | ハフポストというものがありました。トラブルが起きていたんですね。また、この話は京都大の対応も早くなかったことを示唆しています。

 記事によると、京都大学および同研究所の教授と准教授(ともに当時、前述の二人とイニシャルが一致)を被告とした訴訟が2015年から続いていました。原告は工事を受注した業者で、東京地方裁判所で行われた1審では2017年5月、原告が敗訴したものの、控訴して争っているという状態でした。


●赤字補てんの約束を破る詐欺行為…メールや録音テープで証拠

 原告の動物実験施設の設計施工会社によると、3件の工事で赤字が発生したのですが、自社の経営判断で安すぎる金額で受注したのではなく、「詐欺」にあったようなものだといった主張をしていたようです。しかも、いくつもの有力な物的証拠を出していました。

<京大のM教授、T准教授らより事前の計画段階から相談されており、当初から大学側の予算額も聞いていた。(中略)
工事内容はいずれも予算額で収まらず、相当額の赤字が発生することは事前の打ち合わせで教授らもよくよく認識承知しており、それどころか、赤字分は以後、別の仕事を順次随意契約で発注し、その額に別予算で上乗せして補填する、という確約までしていた。(中略)が、実際に補填の話になると言を左右にして応じてくれない。やむを得ず提訴した――という主張だ>
<打ち合わせ内容のメモや後日作成した「議事録」、これに訂正があるならば申し出てほしい旨のメールと、そのメールを教授側が消去した記録、さらには、具体的な赤字額とそれを補填すると明記した後日作成の「確認書」(教授らの署名押印あり)などが存在した>

 これだけの証拠がありながらなぜか東京地裁は、京都大に忖度した判決に。ただ、控訴して新証拠として決定的な「録音テープ」を提出した…というところまでが記事の話でした。

 その後の話はなぜか検索しても出てこなくて、判決がどうなかったのかは不明。ただ、前述の通り、京都大による調査が行われて、認めざるを得ないというところまでやっと行った…ということみたいですね。どうも霊長研だけでなく、京都大側の対応にも問題がありそうでした。


●お金がない!不正を招いたのは、日本政府の研究予算の削減?

2020/06/28:京都大が調査結果を発表しました。4人は、平成26年度までの4年間、研究所や関連施設のチンパンジーのおりの工事で架空取り引きなどを繰り返し、総額5億円余りの不正な支出をしていたという報告に。20億円までは行きませんでしたが、十分すぎるほどの高額です。
(京大霊長類研不正 調査結果公表06月26日 18時01分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200626/2000031459.html

 契約後の不適切な仕様変更による過大な支出、架空の取り引き、入札妨害など、あわせて34件の不正が確認されたといいます。大学側は、順法意識の欠如や会計制度の軽視があったとしていて、今後、4人の懲戒処分を行う方針。一方、別記事によると、刑事告発については明言していませんでした。

 こうした不正は取り引きを通して業者に発生した赤字を補てんするために行ったとみられ、調査に対して、教授らは「窮状を訴える取引業者を何とかしてあげたかった」と話しているとのこと。ただ、前述の通り、業者は騙されたと主張していたんですけどね。今回も同じようなことを言っていました。

【工事業者の主張】
問題となった支出のきっかけは、平成23年に行われたチンパンジーのおりの工事契約。大学が確保した予算を大幅に上回る工事だったが、将来、別の工事で赤字を補填すると約束されたため、実際より低い価格で入札したと主張。
「入札前に松沢特別教授と面会した際、今後も自分には大きな予算がつくと言っていたので、いずれ埋め合わせをしてくれると信じた。以前から小さな案件で予算が足りないが受注してくれないかと頼まれたことがあり、なれ合いになっていた。好んでやったわけじゃないではないが自分の非は認める」

 今回の件を問題視しないというわけにはいかないのですけど、日本の研究予算が少なすぎるのが本当の問題なのでは?といった同情的な声も出ています。日本政府は長年研究予算を減らす政策をとってきました。京都大、それも霊長類研のような花形研究ですらこの有様なのですから、そういった面もあるのかもしれません。


●会計検査院の調査で不適切会計の金額が拡大、11億円以上に…

2020/11/13:<京大教授ら11億円超不適切会計 11月10日 11時39分 NHK>というニュースによると、以前書いた京都大の「5億円の不正支出」という報告を受けて、会計検査院が、平成29年度までの100件の契約に対象を広げて調べたとのこと。この会計検査院というのは、大学に限らず、広く国の予算の使われ方を検査している機関です。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20201110/2000037077.html

 そして、この会計検査院が手広く調査した結果、すでに明らかになった不正な支出を含め、総額で11億円を超える不適切な会計処理が行われていたことがわかったとのいいます。当初、最大20億円といわれており、そこまでは増えなかったものの、かなりのところまで増えてきましたね。

 会計検査院によると、中には作業工程を分割するよう業者に指示し、競争入札ではなく随意契約で受注できるようにしていたケースもあったのこと。随意契約は全部クロ…という極端なことではないものの、安倍政権のアベノマスクのときにも疑われたように、怪しいことがちょくちょくあるんですよね…。


●特別教授ら2人を懲戒解雇処分も、本人は不正を否定し訴訟の可能性

2020/11/25:今回の不正問題について、京大は2020年11月24日、研究者と事務職員の計6人に懲戒処分を行いました。チンパンジー研究の世界的権威で文化功労者である京都大の松沢哲郎特別教授(70)と友永雅己教授(56)は懲戒解雇になっています。懲戒処分前に辞職するケースも多いのですが、処分にまで行きました。

 京大特別教授ら2人を懲戒解雇 チンパンジー研究の権威・松沢氏ら研究費不正|社会|地域のニュース|京都新聞によると、その他の人には、野生動物研究センターの平田聡教授(47)を停職1カ月、森村成樹准教授(50)を同2カ月といった処分。当時同研究所の事務方トップだった60代男性事務職員、契約担当の掛長だった50代男性事務職員を戒告としています。

 京大は懲戒処分を受けた教職員について「内容を認めていない者もいたが、個別の説明は差し控える」と説明。ただ、松沢哲郎特別教授は「不正の判定の基礎となる大学の調査そのものが事実を誤認しており、このため誤った事実認定に基づく不正の認定になっている」「私的流用はありません」などと個人サイトで記載し否定し、、今後について弁護士と相談するとしいてたとのこと。裁判に発展するかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■東大でもハラスメントはあるが少ない?教授が出張旅費不正受給

【関連投稿】
  ■大阪大の青江秀史教授が反論「セクハラはしたが不正受給はしてない」
  ■宮崎大で不正受給が発生、宮木健二准教授に懲戒処分 焼酎ボトルをデザインしていた
  ■広島大准教授が不正受給で東大教授へ華麗に出世 パワハラ教授も
  ■大分大教授が二重に請求する旅費不正請求 元教授は家具購入の不正
  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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