救世軍少佐「クリスチャントゥデイは統一教会」で訴訟 結果は？

　グーグルのニュース検索に最近「クリスチャントゥデイ」というところのニュースが引っかかるようになって、何じゃこりゃ？とWikipediaを見てみました。

クリスチャントゥデイ（くりすちゃんとぅでい、英：ChristianToday.co.jp）は、キリスト教系インターネットメディアである。

2004年4月11日に発刊された。当初は紙媒体の新聞を発行していたが、まもなく発行を休止した。以降、おもにインターネット上でキリスト教関連のニュースを配信している。
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　キリスト教徒同士での抗争が激しかったのでしょうか？ このクリスチャントゥデイ、以前に韓国統一教会の手のものだと因縁をつけられたことがあるそうです。

救世軍の山谷真少佐が、同社がキリスト教界では一般的にカルト・異端とされている統一教会との関係があるとの主張をインターネット上で行ったことから、同社は山谷少佐に対して2007年4月13日、東京簡易裁判所に一千万円の損害賠償請求調停申立を行った。

　「救世軍」であり「少佐」であり…となるとどこの軍隊に因縁つけられたのだ？とお思いでしょうが、たぶん山谷真さんは特にそういう感じの人というわけではないと思います。「救世軍」という名前のキリスト教団体があるのです。

救世軍（きゅうせいぐん、英: The Salvation Army）は、世界126の国と地域で伝道事業（＝宗教活動）、社会福祉事業、教育事業、医療事業を推進するキリスト教（プロテスタント）の教派団体。日本では日本福音同盟に加盟している。軍隊を模した組織をとって活動や、クリスマスを中心とした年末に行われる募金活動「社会鍋」で有名。
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　で、ここで用いる役職などに軍隊用語を採用しているので、何だか物々しい感じになっています。中二病の方にはおすすめの団体かと。

救世軍は、1865年にイギリスのメソジスト教会の牧師、ウィリアム・ブースと妻キャサリンによって、ロンドン東部の貧しい労働者階級に伝道するために設立された。設立当初は「キリスト教伝道会」（東ロンドン伝道会）と称する超教派の伝道団体だったが、軍隊式の組織編制、メンバーの制服・制帽・階級章類の着用、軍隊用語の使用などを採用し、1878年に「救世軍」と改称した。

　前述の損害賠償請求調停申立の件ですが、不調に終わりました。そこでクリスチャントゥデイは1000万円だった損害賠償請求をぐっと負けて、今度は210万円で民事訴訟をします。

　8割引きでお得な感じですが、騒ぎになってしまったので、"クリスチャン新聞、キリスト新聞、リバイバル新聞といった日本のキリスト教系新聞各紙で取り上げられ"、どうも白眼視されてしまったようです。"2008年6月13日、同社を支援していた日本基督教団総会議長の山北宣久は疑惑解消まで絶縁を宣言"という事態にもなりました。

　一方の" クリスチャントゥデイ側はクリスチャン新聞の根田祥一による異端捏造"と主張していたようです。クリスチャン新聞ってのはさっき出てきましたね、訴訟を報道していた新聞の一つです。仮にその捏造が本当なら、自分ででっち上げしておきながら何食わぬ顔で報道…いわゆるマッチポンプってやつですね。

　このクリスチャン新聞のWikipediaは短すぎてよくわかりません。

クリスチャン新聞(くりすちゃんしんぶん)はいのちのことば社から発行されている福音派系のキリスト教全国紙である。(中略)

聖書信仰の確立、世界戦教のヴィジョン、健全な伝道成長、実際生活の指針により地域教会に仕え、文書伝道をモットーとしていている。
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　先の救世軍は日本福音同盟に加盟しているとありました。日本福音同盟というのは福音主義教会の交流・協力機関です。クリスチャン新聞も「福音派系のキリスト教全国紙」とありますので近い系統なのでしょうね。

　一方のクリスチャントゥデイの立ち位置はWikipediaには書かれていません。しかし、オフィシャルを見ると同じ福音派なのではないかと思います。

企業情報 | クリスチャントゥデイ

　報道理念

Ⅲ　実践的四大方針

■ 福音主義の堅持
福音を変質させ破壊する如何なる勢力とも妥協せず、純粋な福音主義信仰を堅持し、如何なる孤独も甘受し、福音主義を貫きます。
http://www.christiantoday.co.jp/about/idea.htm

　まあ、救世軍の山谷真少佐的には、見かけの姿が何であろうと中身はキリスト教の異端統一教会だと思っていたので関係ないことでしょう。

　間にいろいろと挟み込んでしまいましたが、クリスチャントゥデイの主張するでっち上げの根拠は、以下のようなものだそうです。

根田祥一氏は、クリスチャントゥデイとその関連団体が、かつて統一協会の幹部であり、現在は自らを「来臨のキリスト」と信じさせていることが脱会者らの証言により明らかになっている韓国人張在亨氏によって主導されている問題について、韓国、オーストラリア、香港、アメリカなどで明らかにされた疑惑報道や、元クリスチャントゥデイスタッフの内部告発、韓国の主要教団がクリスチャントゥデイは異端である疑いが大きいと発表した検証の内容などを、クリスチャン新聞紙上で報道している。

　さて、気になる裁判の結果。クリスチャントゥデイの言い分が通ったようです。

　2013年11月13日、東京地裁がブログを管理する救世軍山谷牧師に対し、クリスチャントゥデイに対し根拠のない情報を元に異端、カルトとブログで展開したことによる名誉毀損の損害賠償として、95万円をクリスチャントゥデイ側に支払うこと、名誉毀損表現に当たる記述の削除を命じる判決を言い渡した。

　こうなると、「救世軍、ひどいやつ！」と思いますが、Wikipediaでは意外なことにこんな話が…。　

米国経済専門誌『フォーブス』の1997年8月11日号ではピーター・ドラッカーから「全米で最も効率の高い組織」として評価され、1991年と2004年にはノーベル平和賞候補に挙げられた。(中略)

現在イギリス国内においては政府に次ぐ規模の社会福祉団体であり、全世界で1万2千ヵ所近くの社会福祉施設、教育機関、医療施設を運営している。

　まあ、バチカンでマネーロンダリングやっているような世の中ですから、こういうこともあるかもしれません。

関連：バチカン銀行のマネーロンダリングとヨハネ・パウロ2世の罪

　また、情報はあまり精査されていないのでは？と思いますが、「宗教団体、霊感商法などの被害リンク集まとめ@Wiki」でも項目が存在していました。

救世軍 - 宗教団体、霊感商法などの被害リンク集まとめ@Wiki
https://sites.google.com/site/antireligionwiki/home/salvationarmy

　ただ、わりとありがちな話ですかね？ こういうのです。

１９９２年　アメリカ　ペンシルバニア
救世軍４歳から１５歳までの子供への性的虐待で逮捕された大尉をその後も教師として温存。被害者家族らは救世軍を相手取って民事訴訟。
http://cnt10.tripod.com/abuse.htm (引用者注：リンク切れ)
https://sites.google.com/site/antireligionwiki/home/salvationarmy

　カトリックでは大々的にやっていましたし、キリスト教以外でもよくあります。「その後も教師として温存」はなかなかないと思いますけど…。

　ああ、でも、キリスト教は過ちを許すものなのかも。聖書の一節にもこうあるようです。

13Mark01M　悔い改めて福音を信じなさい - マルコの福音書 - 礼拝メッセージ

御言葉：マルコの福音書1:1-15
要 節：マルコの福音書1:15「時が満ち、神の国は近くなった。悔い改めて福音を信じなさい。」
http://www.ubf.or.jp/modules/biblemsg/item.php?itemid=465

　小さい字で長いですが、こちらのページにはお説教が載っています。

「ここにおられる皆さんも神様の前で真実に悔い改めた経験をもっていると思います」
「救いの時は、人によって違います」
「この修養会で多くの兄弟姉妹たちがイエス様の前で、涙で悔い改めて福音を信じる御業がありますように心からお祈り申し上げます」

　救世軍的にはどう考えていたんでしょうね。


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