●児童文学のノーベル賞・国際アンデルセン賞に上橋菜穂子 理由は?
2014/4/15:<国際アンデルセン賞:上橋さんに 児童文学のノーベル賞>(毎日新聞 2014年03月25日 12時18分(最終更新 03月25日 15時11分【山崎明子、鷲頭彰子】)によると、「児童文学のノーベル賞」といわれる「国際アンデルセン賞」の作家賞に、文化人類学者でファンタジー作家の上橋菜穂子(うえはし・なほこ)さん(51)が選ばれたそうです。
http://mainichi.jp/select/news/20140325k0000e040214000c.html 私は「国際アンデルセン賞」自体が聞いたことありませんでした。記事では、<国際アンデルセン賞は、国際児童図書評議会(IBBY)が、世界の児童文学者、画家らを対象に56年から2年に1度表彰する国際賞。作家賞と画家賞がある。個々の作品に対する評価ではなく、児童文学への永続的な貢献を観点に、作家の全業績に対して贈られる>と説明されています。
日本人の作家賞受賞は1994年の詩人、まど・みちおさん以来2人目で20年ぶり。画家賞の赤羽末吉(あかば・すえきち)さん(80年)、安野光雅(あんの・みつまさ)さん(84年)を含めれば4人目となるそうです。このうち、 赤羽末吉さんは名前を覚えていました。癖のある絵ですが、絵本ではこういう絵好まれるイメージです。
私は上記のような日本の話での印象が強かったですが、「スーホの白い馬」も赤羽末吉さんでした。これも家にあったはずです。
今回国際アンデルセン賞を受賞した上橋菜穂子さんの話から逸れてきました。上橋さんの代表作は「守り人」や「獣の奏者」だそうです。ともに読みづらく、前者が「もりびと」、後者が「けもののそうじゃ」だそう。<アンデルセン賞 子どもに夢これからも:社説>(中日新聞: 2014年4月4日)では、以下のような説明でした。
<女用心棒が主人公の「守り人」や異世界での少女と獣の関わりを描く「獣の奏者」など長編シリーズは世界中で翻訳出版されている。テレビアニメにもなり、幅広い年代に親しまれている。
作品の根っこには、自然に対する尊敬がある。人間であれ、物言わぬ生きものであれ、静物であれ、同じ命を感じ取る目がある>
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2014040402000102.html また、「文化人類学者の顔も持つ」ともありました。少女時代は読書に没頭する一方で、歴史や考古学が好きだったといいます。ナウマンゾウの化石が出土した長野県野尻湖にある祖母の家で毎夏を過ごし、縄目のついた土器の破片に触れた体験は忘れがたく、その延長にあるのが文化人類学者の仕事だとされていました。
<オーストラリアの先住民アボリジニの研究でフィールドワークに明け暮れ、変わり続ける人々の生活や文化に向き合うことを知る。本の知識だけでなく、自分で見て、歩き、感じたことが出発点になり、それらは作家の仕事に生かされていく>
最初の毎日新聞によれば、実はこの点も重要だったようです。
<上橋さんは、階級社会において人間の自由や力を求める作品が多く、子どもたちに力を与える物語が特徴。JBBYによると、今回の受賞は、日本の民話や、オーストラリアの先住民族、アボリジニの民話などに関する文化人類学者としての研究も生かされ、世界的な広がりが認められたものとみられる>
また、初めて見たニュースサイトである「アニメ!アニメ!」では、アニメニュースサイトらしくアニメの重要性についても触れていました。<「精霊の守り人」「獣の奏者」上橋菜穂子さん 児童文学の国際アンデルセン賞を受賞 | アニメ!アニメ!>(2014年4月6日(日) 16時17分)という記事によると、上橋さんご本人がそうおっしゃっているそうです。
<作品に対する高い評価の一方で、上橋さんの作品を世界の読者に認知されることになったアニメの役割も忘れてはいけないだろう。
講談社のサイトで掲載されている上橋さんの受賞の言葉では、日本の児童文学が海外に出ていくのはとても難しいとしている。そのうえで、「『精霊の守り人』と『獣の奏者』がアニメになって、世界を巡っていったことが、翻訳につながる、とても大きな力になりました。」と述べている。さらに感謝の言葉のなかに、肉親や友人、翻訳者、編集者、画家、書店員、読者と並べて、アニメーターを加えている>
http://animeanime.jp/article/2014/04/06/18189.html【関連投稿】
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