<若者の犯罪離れ 治安悪化で日本の犯罪件数・凶悪事件増加…は嘘>というタイトルで書いていた話は似た内容が多い
治安が良い日本で治安悪化の嘘 若者の犯罪離れで殺人減少、凶悪少年犯罪も昔の方が多いに移動。こちらは犯罪以外も含めて「昔の日本は良かった…は嘘」といった話をまとめました。
具体的には、<昔の日本は良かった論は嘘 殺人・犯罪・治安・病気と悪いことだらけ>、<電車は戦場?衣服は破け負傷、車内はゴミ箱で外にも捨てまた怪我>、<上級国民が泥棒だらけ・子供を犬小屋に入れる児童虐待なども…>などの話をやっています。
2023/08/04まとめ:
●大昔どころかかなり最近まで「不正乗車くらい構わない」の風潮 【NEW】
●2割が不正乗車!4時間検査しただけで3万8000人がひっかかる 【NEW】
●不正乗車を広める会があり、メンバーが顔出しで雑誌に出てた時代 【NEW】
2022/11/24追記:
●発音悪く何と言ってるかわからない男子小学生…メガネゴリラか?
『「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える』(大倉幸宏/新評論)

●昔の日本は良かった論は嘘 殺人・犯罪・治安・病気と悪いことだらけ
2022/04/04:この後病気や寿命の話もやりますが、とりあえず、「昔の日本は良かった」論の代表例は、殺人などの犯罪、治安に関するものでしょう。これはデータがはっきりしており、本来は昔より今の方が良いとわかりやすいものなんですよね。ただ、誤解がめちゃくちゃ多くなっています。
例えば、警察庁による2013年の1年間の刑法犯の認知件数の発表。全体で132万748件で、11年連続の減少です。このうち殺人(未遂を含む)は939件まで減り、戦後初めて1千件を下回りました。同じく窃盗も98万6309件で1973年以来、40年ぶりに100万件を割るという少ない数字です。
これを伝えた
殺人事件、戦後初めて1千件下回る 13年の認知件数:朝日新聞デジタル(吉田伸八 2014年1月10日10時01分)によると、警察庁は戦後すぐから1960年代初めは年間約2500~3千件だったと説明。しかし、その後は減少傾向が続いていて、調査年も前年より91件(8・8%)減少と激減していました。
あと、データ的な話ではなく、治安以外の話も多いのですが、
昔の日本は治安が悪かった!犬は番犬で重宝もその犬すら盗まれた?も関連する話。こちらの場合は、とにかく出てくるエピソードがおもしろいですね。昔の本を読むと犬を盗む「犬とり」の逸話が多数出てくるので、当時は一般的だった模様。三味線に使うために猫も盗まれたようです。
●今は悪くなっている…は誤解 明治時代の日本人の方が不幸だった!
2013/9/21:ここからは、<格差社会やグローバリズムでほんとうに世界は不幸になっているのか?>[橘玲の日々刻々](2013年6月4日 ザイ・オンライン)という記事の話。タイトルにあった格差社会やグローバリズム以外の話もあり、いろいろごちゃ混ぜで、「昔は良かったは嘘」とまとめた方が良さそうな記事でした。
<明治時代の日本人の平均寿命は男性も女性も40歳代で、1950年代にようやく60歳を超えました。乳幼児の死亡率が高く、結核やコレラ、ペストなどの感染症への対策が不十分だったためです。跡継ぎを得るために、戦前の日本女性は5人以上の子どもを産むのが当たり前でした。
人類はその長い歴史において、ずっと食糧不足と栄養失調に悩まされていましたが、いまやアメリカでは肥満、すなわち食糧の過剰摂取が大きな社会問題になっています。富める国と貧しい国の格差だと批判されますが、しかしこれではなぜアフリカで人口爆発が起きているかが説明できません。当たり前の話ですが、人口が増えるのは食糧が豊富だからで、食糧がなければ餓死してしまいますから人口は増えません>
http://diamond.jp/articles/-/36901 橘玲さんは過去に、最貧国といわれるアフリカのある国の栄養価が日本を上回ると書いていたと思います。貧しいアフリカのかわいそうな国……というステレオタイプな見方には、注意が必要なようです。…と書いていたら、二つ後の段落で、再びアフリカの話が登場。貧しいと言われる国の真の問題は政治なんですよね。
<アフリカの飢饉が頻繁に報じられますが、これは戦争や内乱などの社会的混乱で農作業ができなかったり、物流が滞ったりするためです。政治が安定すれば安価な食糧を入手できるようになり、ふたたび人口が増えはじめます>
●6000万人も戦争で死んだ昔の方が良かった…ってマジで思ってるの?
最初に「いろいろごちゃ混ぜ」と書いたように、この記事では多く話が登場しており、「昔は良かったは嘘」と言った方が良さげ。昔は大規模な戦争があったというのもその一つであり、これは誰が見ても悪い話です。…と最初書いていたものの、そういや今の日本では太平洋戦争を美化している人も結構いますね。(2022/04/04追記)
<20世紀前半は戦争の時代で、第二次世界大戦で日本は広島と長崎に原子爆弾を投下され、民間人を含む300万人が犠牲になりました。世界全体では、ソ連の2000万人、中国の1000万人をはじめ、餓死者を含む戦争の犠牲者の総数は6000万人にのぼります。
戦争が終わっても、米ソの冷戦の激化で、核戦争による人類滅亡がリアルな恐怖としてひとびとを襲いました>
●グローバリズムが世界を滅ぼし、格差社会が不幸を招くという批判は本当か?
私が気になった「グローバル化」のあたりは以下のような話。こうしたいろいろな例を挙げて、最後では<私たちは、人類の歴史上、もっとも幸福な時代に生きています。問題は、この単純な事実を認めるのが不都合なひとが多すぎることにあるのです>とまとめ。やはり「昔は良かったは嘘」とまとめるべき話です。
<グローバリズムが諸悪の根源のようにいわれますが、経済のグローバル化によって、中国では過去15年で3億人が貧困から抜け出し、2030年までには新興国を中心に新たに20億人が中流階級に加わるといわれています。このようなデータを客観的に眺めれば、世界がよりよくなっていることは間違いありません>
タイトルは編集部がつけるので仕方ないとはいえ、実は今回の話は本文である書き出しも問題。<格差社会やグローバリズム、テロや環境破壊、犯罪の増加や社会の右傾化で、私たちの暮らしはどんどん悪いほうに向かっていると多くのひとが思っています。しかし、それはほんとうでしょうか?>と書いていたのです。
格差社会、グローバリズム、テロ、環境破壊、犯罪の増加、社会の右傾化と一気に並べてしまったために、「これらが問題ではない」と全部肯定してしまっているかのような感じに。ただ、前述の通り、全体の内容からして、これらが問題ではないというよりは、「昔は良かったは嘘」という話ですね。
『「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える』(大倉幸宏/新評論)

●電車は戦場?衣服は破け負傷、車内はゴミ箱で外にも捨てまた怪我
2022/09/20追記:このページのテーマに合いそうな
「昔はよかった」は本当か? 戦前の日本人のマナーがひどかった! | ダ・ヴィンチWebという記事を発見。
『「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える』(大倉幸宏/新評論)という書籍の紹介記事でした。
戦前の日本人のマナーがひどかった例として載っていたのが、駅や電車の中でのマナー。現代は混雑するホームで列をつくって電車を静かに待つ日本人の姿に、外国人から「さすが礼儀正しい」と称賛の声があがるのですが、大正時代のその光景は“傍若無人の見本市”だったといいます。
1919(大正8)年に発行された電車でのマナー向上のための小冊子には、驚くべき話が載っていました。「無理無体に他を押しのける光景が普通」という記述までなら「わかる」話なのですけど、これに続く言葉がすごいですね。衣服を裂いたり、怪我をさせたりすることまで普通だとのこと。さすがに今では考えられません。
<1919(大正8)年に発行された電車でのマナー向上のための小冊子には、「無理無体に他を押しのけたり、衣服を裂いたり、怪我をさせたり、まことに見るに堪えない混乱状態を演ずるのが普通であります」とある。
こんな有様なのだから、電車が出発した後も車内はカオス。現在のようにお年寄りや病気の人に席を譲るという習慣はなく、先に座った者勝ちの状態。床には弁当の空き箱やミカンや柿の皮、ビールや日本酒、牛乳、サイダーの瓶などが捨てられ、ときには窓の外へ弁当箱やビール瓶などのゴミを投げ捨て、線路の保安員が重傷を負う事件もあったという>
●上級国民が泥棒だらけ・子供を犬小屋に入れる児童虐待なども…
「天長節」という、かつての天皇誕生日に行われた政府主催のパーティーでさえ、“身分の高い人たち”によって、食器やフォーク、スプーンなどが持ち去さられることに。当時はこうした“窃盗行為”も、「日常的な光景」だったといいます。そういや、福沢諭吉らも居酒屋の皿を持ち帰り、投げて遊んでいたそうですね。
今でも政治家など上級国民にも道徳心のない人が揃っていますが、これ以外にも以下のようなひどい話のオンパレードで、今の方がマシそうでした。なお、大正時代には東大の教授が“第一次世界大戦の終結後から道徳心が低下している”と、明治時代には貴族院議員が“明治維新以降、日本人の道徳は破綻してしまった”と嘆き。昔の人も「昔は良かった」と言っていたそうです。
・戦前の日本製品は儲け重視で不正行為のオンパレード。とくに大正前期は「特許権の侵害や商標の盗用を繰り返し(中略)粗製濫造を重ねて」いたといい、油に水を混ぜたり、大豆に石を混ぜたりと、その手口も超ズサン。
・戦前の記録によれば、貧しくもないのに息子を学校にも通わせず、家事一切を強制し体罰を続けた父親や、女中と共謀して息子2人を全身に大やけどを負わせながらも幽閉状態にした母親など、以前から児童虐待はあった。0歳の娘を犬小屋のような箱に寝かせたまま納屋に投げ込んで、5か月間ものあいだ満足に食事を与えなかったというネグレクトの事例もある。
・このほかにも、高齢者に対する虐待や、子どものいたずらの横行、しつけの甘さなどの例が出てくる。
●大昔どころかかなり最近まで「不正乗車くらい構わない」の風潮
2023/08/04まとめ:別投稿からこちらにも関係する話を転載。日本では今でもキセル乗車の不正があるようです。今回読んだ記事でも、<区間の連続しない2枚の乗車券を使用する「キセル」など、鉄道での不正な乗車は後を絶たない>としていました。
ただ、鉄道ライター・弘中新一さんによると、少し前の日本はさらにひどかったとの見方。<2000年代初頭までは「多少なら運賃をごまかしても構わない」という風潮は根強かった>という実感だそうです。<21世紀の初頭くらいまで、キセルをはじめとした不正乗車は、「悪いことだとは思うが、運賃が高いから」と正当化される風潮があった>としていました。
<大学生であれば、近距離を移動する時にキセルを行う者は珍しくなかったし、名古屋や京都、大阪から東京といった長距離の移動でも、キセルを行う手法を伝授する者がいたという。だが、筆者の知る限りでは、身近な範囲で捕まった事例は聞かない。この「そうそう捕まることはない」ことに加えて「たとえ捕まっても運賃の3倍を払えば、逮捕されない」といった一種の気楽さ(もちろん、実際には逮捕されることもある)が、不正乗車に手を染める者がいた理由だと思う>
(
「キセル = 犯罪行為」なのになぜ平気でいられるのか しかも、かつては「キセル研究会」まで存在していた! | Merkmal(メルクマール) 2023.1.22より)
●2割が不正乗車!4時間検査しただけで3万8000人がひっかかる
前回の記事によると、夏休み期間にあたる1979(昭和54)年7月29日、東京、新橋、川崎など14駅のホーム階段付近に臨時改札口を設け、413人を動員して特別改札を実施しました。すると、不正乗車でひっかかった乗客はなんと約3万8000人もいたとのこと。しかも、時間は午後3時半から同7時半までの4時間だけでこの人数でした。
検査した人数は明記なかったのですが、「実に乗客の10人に2人がキセル乗車をしようとしていた」ということで割合は書かれていました。多くが海水浴に出かけた者で、9割は若い男女でのかつ7割が女性だったというデータもあります。犯罪や不正は男性の方が女性の2倍ほど多いというパターンがよくあるんですが、これはほぼ真逆ですね。
この他、『週刊読売』1977年10月15日号によると、当時は初乗り60円切符を用いた不正が最も多かったそうです。60円切符は発売されたうちの7割が回収されずに消えており、これらはキセル不正に使われたと見られています。また、当時の東京鉄道公安室が怪しいと見て尾行した10人のうち7人をキセルを行っていたとのこと。以下は特に悪質だった者です。
<中年サラリーマンは、新橋駅から山手線で上野駅へ。そして東北本線の特急「ひばり11号(上野~仙台)」に乗り換えたのだ。そのまま仙台まで乗車し、通勤定期で平然と改札を抜けた。これでいい気になったのか、飲み屋に入ったサラリーマンは「タダ乗りで出張旅費をごまかした」と女将(おかみ)に自慢しているところを御用になったのである>
●不正乗車を広める会があり、メンバーが顔出しで雑誌に出てた時代
ところで、記事でタイトルになっていた「キセル研究会」ですが、これはなんといかにして国鉄にタダ乗りするかを実践する団体。しかも、『でいすかばあ・きせる』という会報を発行し、実践方法を集め、なおかつ広めていました。とんでもない犯罪者集団です。
ただ、民度が低かった当時の日本人には犯罪意識がなかったようで、『アサヒ芸能』(朝日新聞系ではない。通称アサ芸)の1974(昭和49)年12月5日号には、メンバーが堂々と顔出しでインタビューに応じていたとのこと。これによれば、難度によって「段」や「級」を設けて認定証を発行していたというふざけぶりです。
さらに、別の雑誌『流動』(東亜経済研究所、流動出版)の1973年2月号では、キセル研究会名義で「不正乗車のすすめ」を掲載し、「正当なる消費者運動」だとしていたとのこと。記事では「国鉄のシステムに反抗する社会運動」としていたものの、引用部を見ると社会運動的理論は極めて脆弱。また、前述の段位発行のふざけぶりからすると後付けの主張で、下手したらこの主張そのものも「おふざけ」かもしれないと感じました。
なお、作者の鉄道ライター・弘中新一さんは、こうしたキセル研究会の正当化の屁理屈について、そもそも人々が理解していたかどうかを疑問視。要するに大多数の人は屁理屈をこねているわけではなく、ただ単に罪悪感がなく不正乗車をやっていた…という話ですね。これはこれでひどい話。日本はそのような民度だったようです。
●発音悪く何と言ってるかわからない男子小学生…メガネゴリラか?
2022/11/24追記:学校帰りの小学生が、「メガネゴリラ~~~!メガネゴリラ~~~!」と繰り返し叫んでいました。叫んでいたのは、小学校低学年くらいの男子。叫ぶほど離れているのではっきりしないですが、目線の先にいる2組の小学生の集団いずれも同程度の年齢の小柄な子(女の子?)に見えました。
近づいて見てみると意外に筋骨隆々!という可能性はあるものの、メガネゴリラという感じはなし。せいぜいメガネ子供ゴリラ程度でしょう。ただ、そもそも本当に「メガネゴリラ」と言っていたのかは自信がなくなってきました。最初は「メガネゴリラ」と聞こえた気がするんですが、後から叫んでいたときは発音が曖昧です。
とりあえず、「ゴリラ」だけははっきり聞こえたので確実そう。ただ、前半が「メガネ」と最初聞こえた部分ははっきりしません。じゃあ、なにか?と言うと、適当な単語が想像できない発音でした。そもそもこれくらいの年齢の子って、まだしっかりと喋れない子がいる上に、叫んでいる状態ですからね。
小学校にあがる前であったので年齢がだいぶ違いますが、やたらと一生懸命しゃべる親戚の男の子は全然何を言っているのか聞き取れない…ということがしばしば。お母さんやお姉ちゃんに通訳を頼むものの、そのお母さんやお姉ちゃんもお手上げになることもよくありました。子供ってそういうものです。
ただ、よく考えると、大きくなったって、何言ってるんだかわからない人はわからないですからね。そういえば、先日読んだ昭和の時代小説の大作家である池波正太郎さんは晩年、「今の若い俳優のセリフは聞き取れない」と嘆いていました。池波さんが年寄りのため…ということはありそうですが、若くても発声が良い俳優はいたそうです。
この池波正太郎さんが亡くなったのは1990年。なので、当時の若い俳優というのは、1960年代生まれくらいのことを言っていたのかもしれません。1960年代生まれの人も今はもうお年寄りで「今の若い人は何を言っているか聞き取れない」と言う人もいそうですが、それは「昔から」であったようです。
『「昔はよかった」と言うけれど 戦前のマナー・モラルから考える』(大倉幸宏/新評論)

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