●「結局結婚したいんでしょ?」の意味がわからない 未婚の若者増加で
2010/6/12:今回紹介するR25は元々軽いノリで、信頼性のある記事かと言うと、そうではありません。ですので、わざわざ書くほどでもない気がするのですが、変な記事がありました。それは
「未婚化対策を」の声にもネット住民は虚勢モード 2010年05月29日という記事で、以下、簡単に記事をまとめます。
・5月17日付の産経新聞に、「結婚しない若者が増えている。子ども手当より未婚化対策を」という、若者の婚姻率の低下を問題視する論説が載り、2ちゃんねるで大きな話題に。書き込み内容は以下のように大きく4つに分かれている。
(1)したいけど派 「しないんじゃなくできない」「したいけど金(仕事)がない」
(2)女性のせい派 「年収1000万円以上でしょ?」「30歳未婚女子とかw」
(3)社会批判派 「国の政策がひどい」
(4)あきらめ派 「日本オワタ」「少子化でいいじゃん」
おもしろいことにこれらの意見の一部は、国の少子化社会白書の分析
第1部 少子化対策の現状と課題 > 第1章 少子化の現状 > 第1節 近年の少子化の状況(2/3)と重なる部分がありますね。「若い女性の専業主婦志向が近年高まっている」「女性が男性に求める収入と実際に得る収入にかい離がある」などは、「女性のせい派」のように見えますし、「したいけど派」とも重なる部分かもしれません。
ついでに、少子化社会白書の分析をもう少し書くと、「男女の交際機会の増大・自由化によりいわゆる『もてる人ともてない人の二極化』が進んでいる」「結婚のメリットの相対的な低下」というのもありました。ここらへんになると、国の政策でどうこうするのは難しく、何となく諦め感が漂っています。
ところで、私が意味がわからなったのは、R25記事の最後の部分だったんですよ。
<結局、5月17日の昼過ぎにこの話題に関するスレッドが立てられて以来、書き込みの勢いは衰えず、わずか 2日あまりで書き込みは9000件近くに。なんだかんだと結婚しない理由を書き連ねているネット住民だが、
この数字を見る限り「結局結婚したいんでしょ?」とツッコミたくなるほど、関心の高さが数字として表れている>
<この数字を見る限り「結局結婚したいんでしょ?」とツッコミたくなる>としていたのですけど、そのツッコミはおかしいんじゃないか?と思ったのが、今回紹介しようと思ったきっかけでした。
例えば、これが「結婚」じゃなくて「車」の話題だったらどうでしょう。車が売れない理由について、「車が欲しいけど買えないのだ」という人と、「車にそもそも魅力が無いからだ」と言う人らが争っていて、「結局車が欲しいんでしょ?」となると思いますか? 必ずしも「関心が高い話題=話題の対象が欲しい」というわけではないと思います。
また、結婚を望まない人が増加したというのも事実であり、「結局結婚したいんでしょ?」とはなりません。新しい同様の調査が見つからなかったので、
平成15年 厚生労働白書 第1部 第2章 第1節 子どもをとりまく環境の変化からですが、以下のように、結婚を望まない人が増加していることがわかります。
・結婚意思を持っている人
男性 1982年 → 2002年
18~19歳 約96% → 約88%
女性 1982年 → 2002年
18~19歳 約96% → 約86%
(数字はグラフからの読み取りですので、正確ではありません)
結婚意思がある人が圧倒的な多数派であることに変わりはありませんが、最初から結婚したくないという人が増えたのは間違いありません。(なお、白書では「下げ止まった」としています)
R25記事のタイトル<「未婚化対策を」の声にもネット住民は虚勢モード>には「虚勢」(実力を伴わない表面だけの勢い、からいばり)ともありますし、人をバカにした嫌らしさの感じる記事でした。
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