2010/6/18:
●マイトツ?米突・瓦蘭姆・立脱耳が読めない!
●瓦蘭姆はガランモ…一応雰囲気はわかる?
●「立脱耳」の「耳」はなぜ「ル」なのかさっぱり理解できない
●マイトツ?米突・瓦蘭姆・立脱耳が読めない!
2010/6/18:ブログで一番最初に書いた投稿の
キロやミリの漢字は?センチメートル・キログラム・ミリリットルなどにおいて、「立脱耳(リットル)」の当て字が訳わからない…と書きました。ただ、「もしかしたら私が知らないだけで、それっぽい読み方があるのかもしれない!」と思い、米突(メートル)、瓦蘭姆(グラム)、立脱耳(リットル)に使われている感じを、一つ一つ漢和辞典で調べていくことに。
まず、最も問題ないであろうと思った「米突(メートル)」なのですが、ここでいきなりつまずきました。どうやら正式な読みとして「米」に「メイ」というものは無いようです。
<米突(メートル)>
米 読み:ベイ、マイ、こめ、よね、メートル
突 読み:
トツ、つく、にわか、つき
(
漢語林
より)
同じく音訳である「亜米利加(アメリカ)」、「米利堅(メリケン)」において「メ」と読みますし、一応違和感はありません。「米」は音訳の「メ」の定番なのかもしれませんね。「突」の方は「米」と合わせれば、「メイトツ」となり雰囲気はわかりますし、まだ理解できる範疇かと思います。
●瓦蘭姆はガランモ…一応雰囲気はわかる?
次は、「瓦蘭姆(グラム)」。このうち「蘭」は先程の「米」同様に国名の漢字表記として有名ですね。オランダの表記は複数あるようで、「和蘭」、「和蘭陀」、「阿蘭陀」などとあります。
余談ですが、「蘭」はラン科植物の総称で、イチイ、オンコの別名である「あららぎ」とも読むこともあるはずなのに、漢和辞典には記載になくてびっくり。正式なものではないのかもしれません。
<瓦蘭姆(グラム)>
瓦 読み:
ガ、かわら、グラム
蘭 読み:
ラン 姆 読み:ボ、うば
「姆」は辞典で太字ではなかったのですが、「母」と同様に呉音として「モ」という読みがありましたので、おそらくそれを取ったのでしょう。
したがって、合わせると「ガランモ」となり、雰囲気は伝わってきます。なぜ「グ」じゃないのかという疑問もありますが、「グ」と「ガ」の中間のような音に聞こえたのかもしれません。正しいフランス語の発音自体は聞いたことはありませんし、実はかなりそれっぽいのかも。
また、「瓦」は「ガ」の他に括弧付きで「グァ」という漢音も載っていましたし、元々「グ」に近い音である可能性もあります。
●「立脱耳」の「耳」はなぜ「ル」なのかさっぱり理解できない
最後に「立脱耳(リットル)」です。最初にも書いたように、「立脱耳」の「耳」が一番気になっていたものです。
<立脱耳(リットル)>
立 読み:
リツ、リュウ、たつ、たてる、たちどころに、リットル
脱 読み:ダツ、ぬぐ、ぬげる
耳 読み:ジ、みみ、みみにする、のみ
「脱」は太字表記ではなかったものの、漢音で「タツ」、呉音で「タチ」、その他「タイ」との読み方が載っていました。なお「ダツ」には「慣用」とありましたので、「タツ」の誤読として「ダツ」という読みが定着したのかもしれません。
問題の「耳」ですが、太字以外の読みを見ても、漢音の「ジョウ」、呉音の「ニ」、「ニョウ」のみで、「ル」に似た音はありません。ただ調べてみると先述のメートルにも「米的耳」といった記述もあるようで、「ル」に「耳」というのは当時の方には違和感なかったのかもしれません。
辞書情報だけで読んでみると、「リツタツニ」。「立」や「脱」の普段の読みからすると、「リッタッニ」といったところでしょうか?うーん、一応雰囲気はわかるのかなぁ?
以上見てきた感じ、音訳なのにあんまり雰囲気出ていないなぁというのが、全体の感想。えらく時間が掛かったわりには実のない記事になりましたが、今日はここで終わりにします。
2012/3/5追記:その後、コメントでヒントをいただいたので、もう少し考えてみました。→
土耳古、白耳義、伯剌西爾、日耳曼などで、「耳」「爾」を「ル」と読む理由【本文中でリンクした投稿】
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土耳古、白耳義、伯剌西爾、日耳曼などで、「耳」「爾」を「ル」と読む理由()
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