一地方をバッシングするネタは気分が悪いのですが、以前ニュースサイトで配信される記事の体裁を取ったもので、「関西から上京してきたけど何でこんなに東京人は冷たいんや。うつ病になったわ」(関西弁がわからんので適当)というものがありました。この東京人=冷たいはある程度定着したイメージだと思われます。
ところが、今回の話はむしろ冷たいのは関西人なの?と思う書き出しの記事でした。これで関西人バッシングに行かれても困るのですが、意外な感じのする話だなぁとは感じました。
「香典辞退」都市部で増加 目立つ関西、今どきの気配り:朝日新聞デジタル 2014年1月25日10時31分
お葬式で遺族が香典を断るケースが増えている。背景の一つに希薄化が進む近所付き合いがあるとされる中、「関西が特に目立つ」という業界関係者も。9割以上が辞退する葬儀場も出てきており、香典返しが専門のギフト店は「とても痛手だ」と頭を抱える。
http://www.asahi.com/articles/ASG1B6RTDG1BPTIL036.html?iref=comranking_realrank04
具体例が出ていたのは大阪の方。父の通夜・告別式で、"仕事関係者ら約200人が参列した"ものの、"葬儀場に「御香典はご辞退申し上げます」と書いた看板を立て、受け取らなかった"そうです。
"葬儀費用は約200万円かかった"のに貰わないというのでたいへんなことですが、一方で"ここ数年に自らが参列した葬儀の多くも香典を受け取って"いなかったそうです。こういった香典なしのお葬式は"気が楽だった"とも言っていました。
ただ、葬儀に関するお金としては、香典という収入、葬儀費用という支出だけではありません。「香典返し」という支出もあります。この点に関してこの方は「正直に言えば、香典返しの作業を省きたい気持ちもありました」とも語っていました。
大阪府の香典辞退率に関しては、大阪葬祭事業協同組合の増井敬司理事長は「府内の8割近くに広がっているのではないか」としています。この増井さん自身は"大阪府柏原市内で葬祭業を営"んでいるそうで、こちらは"年100件ほどの葬儀のうち9割以上が香典を辞退し"ているとのことです。
また、葬儀会社の公益社が"2012年に営んだ葬儀の香典辞退率を調べたところ、関東圏は3割だったが、関西圏では8割だった"とのことで、確かに関西で顕著なように見えます。
香典辞退の理由に関して、NPO法人の葬儀費用研究会(大阪市)は、以下のように解説を試みています。
・遺族が故人の人間関係を知らない。
・香典返しの手続きを面倒に感じる。
・核家族化が進んだ。
ただ、最初に出てきた大阪の方が"気が楽だった"と言っていたように、「参列者に負担をかけたくない」という心遣いでは?という見方もあります。物は言いようでどうにでもなるのですが、こうなるとむしろ関西人の方が情に厚いということになります。
こういう関東・関西で比較する形で書いてしまってあれなんですが、私としては争ように煽っているわけではありません。結局、上記の解説がそうであるようにどうとでも取れるのですから、こだわったとしても虚しいだけです。
また、記事で出ていた関西での香典辞退率の高さに関する説明は、人情うんぬんとは関係ありません。葬儀専門誌の「SOGI」の碑文谷創(ひもんやはじめ)編集長は、十数年前に京都のある遺族が始めたものと見ていました。要するに発祥地だから関西の辞退率が高いということであって、冷たい・温かいは関係なさそうです。
あと、そもそも何かと理由をつけてで特定の集団を叩く人たちを、温かい人だとはあまり言いませんよね。「バカっていうほうがバカなんだよ」という子どもの決まり文句(?)がありますが、一地方の人を冷たいって強調する人もあんまり温かくない気がします。
関連
■
葬儀費用・葬式費用の相場はどれくらい? ■
やっぱり葬儀費用はぼったくり?ティアの適正価格が相場から見ると激安に ■
「小さなお葬式」のユニクエスト買収される 葬儀業界で最も高いアルファクラブに ■
マンションより納骨堂が高収益 許可厳格化でも好立地で増加? ■
葬儀費用の相場・エンバーミング費用(死体防腐処理、遺体衛生保全) ■
その他の文化・芸術・宗教・海外との比較などについて書いた記事
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|