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女性は数字が苦手は本当?女子が男子より数学が苦手…は思い込み


 とりあえず、研究ではないものから。
有名進学塾のトップ層小学生 「小5の算数」で男女差が出る- NEWSポストセブン(2014年3月23日16時00分)

 理系に進む女子学生「リケジョ」が注目されているが、「いやあ、うちの娘は算数がサッパリで」と苦笑いを浮かべる保護者も多いだろう。たしかに女の子は算数・数学が苦手だといわれる。なぜなのか、どうすれば克服できるのか。新学年を控えて算数が苦手な子どもを持つ保護者のために、大手進学塾「SAPIX」教育事業本部本部長の広野雅明氏に取材した。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

 * * *
--女の子は算数が苦手と言われますが、それは本当なのでしょうか。

広野:うちの塾のトップ層を見たとき、小学4年生までは男女半々でそんなに差異は見られません。ですが5年生になると教室によっては7割ぐらいが男の子になって明らかに男女に開きが出てきます。成績で差がつく主な原因は算数だと考えられます。

--なぜ5年生で差がつくのでしょうか。

広野:私が教室で感じるのは、「割合と比」の単元で女の子がつまずくケースですね。全体の4分の1が何%なのかとか、200の60%はいくらなのかとか。これはなぜかというと、「割合と比」の考え方が小学生の日常生活で出てこないからだと思います。たとえば二つのものを比較するとき「彼女は私よりクッキーを3個多く持っている」とか「個数の差」で捉えて、「彼女は私よりクッキーを1.3倍多く持っている」とは考えませんよね。今までの生活環境の中で存在しなかった概念が「割合と比」で持ち込まれる。

 それでも男の子は解き方や方法論さえ頭に入れば、深く納得しなくても馴れで問題をこなせる。ところが女の子はなんでそうなのかという原理がちゃんと自分の中で消化し切れていないと、見よう見まねで解いてみようという感覚がないんです。
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_246602

 研究ではなく個人の意見だとあてにならないものが多いのですが、塾の成績上位者を見ていますのである程度信頼できるでしょうか?

 実は別の記事で、こういった女性は苦手…を否定しそうなタイトルのものがありましたので、今回セットで見てみることに。

「女子は一般的に数学が苦手」は本当か:日経ビジネスオンライン  田中 知美 2014年2月12日(水) 1/5ページ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140207/259424/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt

 こちらだと高校での数学の履修の差が、将来の収入にも影響するという話が出ていました。
 米ウェルズリー・カレッジのフィリップ・レヴィーン教授とウィリアム・カレッジのデビッド・ジマーマン教授は論文の中で、2万人の追跡調査のデータを用いて、高校で受けた数学の授業数と収入の間には一般的には弱い相関関係があるが、大学を卒業した女性については強い相関関係があることを明らかにした。

 つまり、大学を卒業した女性の給料は、高校の時にどれだけ数学の授業を受けたかに影響される。さらに、米カリフォルニア大学デイビス校のヘザー・ローズ准教授とカリフォルニア大学サンディエゴ校のジュリアン・ベッツ教授の研究は、高校でより難易度の高い数学の授業をとった人々は将来高い収入を得ることを示した。

 また、スウェーデンのストックホルム・スクール・オブ・エコノミクスのジョアナ・シュロター・ジョエンセン助教授とアーハス大学のヘレナ・スカイト・ニールセン教授は、1980年代にデンマークの一部の高校で、試験的に高等数学の授業の受講資格を緩和した結果を研究した。すると、高等数学の授業を受ける機会を得た女子生徒は、その後収入の高い技術系の就職をする割合が高く、高等数学の授業を受ける機会が限られていた女性と比べて理系の修士号を取得したり博士号を取得したりCEO(最高経営責任者)になる確率が高かったことを明らかにした。

 さらに、研究の対象となった約2万5千人について男女間の賃金格差が34%もあったが、その5分の1が高等数学の授業経験の有無で説明できることを示した。

 たくさん例がありますけど、どうなんでしょうね? 漠然としたもので大したことはないのですが、二つ疑問に思ったことがあります。

 ひとつは単純に成績が良い人・悪い人の差が、数学で差がつきやすいというだけなのでは?というもの。成績の良さと将来の収入には相関関係がありますから、数学の出来不出来とも相関関係が生まれても不思議なさそうです。

 もうひとつは、上記がすべて海外の研究であることです。日本では欧米に比べて理系の収入が低いと言われていますので、日本だと多少事情が異なってくるかも…と思いました。


 記事で最も詳細に紹介されいた研究は、アムステルダム大学のトーマス・ブサー助教授らのものです。これはメインに選ばれただけあって非常におもしろいです。

 研究対象となった卒業間際の中学3年生362人について数学の成績を調べると、統計的に有意な男女差はありませんでした。しかし、"アンケート調査では男子より女子の方が数学は難しいと感じており、さらに、女子生徒は自分の数学の成績はクラスで下位だと信じていることが明らかになった"のです。

 この思い込みは先ほど収入差が生じるとあった数学の履修にも当然ながら影響してきます。数学の苦手意識が高い女子生徒たちは、当然難しい高等数学を履修することも少なくなります。

 また、この研究で特徴的だったのは、競争することを好むかどうかという点に着目したことです。
 第3ラウンドで競争を選択した男子生徒の割合は49%であったのに対し、競争を選択する女子生徒の割合は半分以下の23%であった。つまり、女子生徒は数学の成績が男性生徒と変わらず、第2ラウンドの計算能力の競争で男子生徒と同じような成績を納めたにも関わらず、競争することは好まないのである。

 回帰分析の結果、第3ラウンドで競争による支払いを選んだのは、男子生徒、自信過剰な生徒、リスクを好む生徒であることが分かった。自信過剰な生徒、リスクを好む生徒ともに男子学生が多かった。

 競争を好むかどうかは、専攻の選択にも大きく影響していた。難易度の高い専攻を選ぶのは、第3ラウンドで競争を支払い方法に選び、リスクを好み、数学を難しいと思っておらず、自分は数学の成績がいいと信じている男子生徒が多かった。

 結論はこちら。
 つまり、実際に数学の成績がいいかどうかというよりは、むしろ、競争することを好んだり、数学が得意だと思い込んでいたりすることで、数学の難易度の高い専攻を選んでいる理由となっているのである。

 おもしろいものですね。

 他におもしろかったのはこういった思い込みによる男女格差に対して、「女子生徒が男子生徒と直接に比べられない男子校・女子校制度が、女子生徒の数学の学力向上に有効ではないか」(ハーバード大学のロランド・フライヤー教授とシカゴ大学のスティーブ・レヴィット教授)という提案があったことです。

 根拠となっているのは"男子校、女子校で別々に教育を受けているイスラム教の国々では数学の学力診断テストに男女格差がほとんど見られない"というものだそうです。さらに同様のことを示唆する研究は他にもあり、「男性との競争」というのは女性にとってネックになるようです。

 "数学オリンピックで女子生徒の成績優秀者が少ないのも"、そもそも競争が嫌いなためではないか?と予想されていました。


 最初の塾の話では、海外の研究のように中学校時点で得意不得意の差は見られないというものとは異なり、小学校5年生で差が出るというものでした。

 こちらも競争を好まないという理論によって説明できるかもしれませんがそれは置いておくとして、海外の研究で触れられていた「思い込み」が重要であるという話は出てきていました。
--男女で算数の得意・不得意な分野が違うんですね。

広野:生徒に算数の得意・不得意分野についてアンケートを採ったことがあるんですが、顕著な例が「速さ」の問題でした。「速さ」の問題は男子では得意分野の3番目なのに、女子では不得意分野の2番目なんですよ。(中略)

広野:その「自分は算数が苦手」という思い込みがいちばんやっかいなんですよ。1度そういう回路ができてしまうと、ますます算数ができなくなって、解けないスパイラルに陥ってしまいます。また親もテストの点数だけ見て「あなたは算数ができないから」と洗脳してしまうのも考えものです。

 必ずしも今回の話とぴったり合うわけではないのですが、思い込みのおもしろさについては過去に以下のようなものをやっています。

  ■ダニング-クルーガー効果 上から目線の人や自信家はむしろ愚かであることが多い「アメリカ人は30カ国中数学25位、科学21位、自信は1位」
  ■アメリカ人は優秀さを自画自賛、日本人は真面目さを過大評価

 私は「謙虚」という方が信条としては好みなのですが、自信過剰のもたらす良い効果というのはなかなか馬鹿にできないようです。


 関連
  ■新入社員が6割わからない算数クイズ 9-3÷1/3+1の答えは?
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