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女性は男性より数学が苦手…を研究した結果 女子と男子で差がつくのはいつ?


2014/5/6:
●女子と男子で差がつくのはいつ?大手進学塾本部長によると…
●女の子は「割合と比」の単元でつまずく…
●高校のときに数学を多く履修した女性ほど高収入に
●女性は男性より数学が苦手…を研究した結果
●男女で大きく違うのは、数学の成績ではなく〇〇が好きかどうか
●イスラム教の国々で数学に男女格差がほとんど見られない理由
●数学が自信ある人が一番多い国アメリカ…実際の成績は?


●女子と男子で差がつくのはいつ?大手進学塾本部長によると…

2014/5/6:自称専門家だけじゃなく、ちゃんとした研究者であってもその人の主張は「科学的根拠」とはみなされません。必ず研究論文などの客観的に検証できる調査データが必要なのです。

 そういった研究ではないものなのですが、最初に有名進学塾のトップ層小学生 「小5の算数」で男女差が出る- NEWSポストセブン(2014年3月23日16時00分)という記事を紹介。専門家っぽい大手進学塾「SAPIX」教育事業本部本部長の広野雅明さんに取材したというものです。

 この記事はそもそも算数・数学が苦手だといわれる女の子が多いのはなぜなのか、どうすれば克服できるのかを、フリーライターの神田憲行さんが、広野雅明さんに聞いたという話でした。

 「女の子は算数が苦手と言われますが、それは本当なのでしょうか」という質問に対し、広野さんは全肯定ではなく、以下のように一部否定して、一部肯定といった説明をしていました。この方が「真実っぽい」と感じるかもしれませんね。

「うちの塾のトップ層を見たとき、小学4年生までは男女半々でそんなに差異は見られません。ですが5年生になると教室によっては7割ぐらいが男の子になって明らかに男女に開きが出てきます。成績で差がつく主な原因は算数だと考えられます」


●女の子は「割合と比」の単元でつまずく…

 5年生で差がつく理由について、広野さんが「教室で感じる」というかなり感覚的なものですが、「割合と比」の単元で女の子がつまずくケースが多いと説明されていました。

"全体の4分の1が何%なのかとか、200の60%はいくらなのかとか。これはなぜかというと、「割合と比」の考え方が小学生の日常生活で出てこないからだと思います。たとえば二つのものを比較するとき「彼女は私よりクッキーを3個多く持っている」とか「個数の差」で捉えて、「彼女は私よりクッキーを1.3倍多く持っている」とは考えませんよね。今までの生活環境の中で存在しなかった概念が「割合と比」で持ち込まれる。
 それでも男の子は解き方や方法論さえ頭に入れば、深く納得しなくても馴れで問題をこなせる。ところが女の子はなんでそうなのかという原理がちゃんと自分の中で消化し切れていないと、見よう見まねで解いてみようという感覚がないんです"

 この見解は俗論だとしても、一般的に言われているものと方向性がおもしろいですね。男性の方が論理的と一般的に言われるものの、逆に女の子の方が論理的に理解できることにこだわるといった説明です。


●高校のときに数学を多く履修した女性ほど高収入に

 今回この話を紹介したのは、別の記事でこういった女性は苦手…を否定しそうなタイトルのものがありましたので、今回セットで見てようというものでした。「女子は一般的に数学が苦手」は本当か:日経ビジネスオンライン(田中 知美 2014年2月12日)という記事でした。

 こちらだと高校での数学の履修の差が、将来の収入にも影響するという話が出ていました。米ウェルズリー・カレッジのフィリップ・レヴィーン教授とウィリアム・カレッジのデビッド・ジマーマン教授が、2万人の追跡調査のデータを用いて調査した論文です。

 高校で受けた数学の授業数と収入の間には一般的には弱い相関関係があることが知られていたみたいです。この研究ではさらに、大学を卒業した女性については強い相関関係があることを明らかにしたとのこと。つまり、大学を卒業した女性の給料は、高校の時にどれだけ数学の授業を受けたかに影響されるという意味だそうです。

 また、米カリフォルニア大学デイビス校のヘザー・ローズ准教授とカリフォルニア大学サンディエゴ校のジュリアン・ベッツ教授の研究は、高校でより難易度の高い数学の授業をとった人々は将来高い収入を得ることを示しています。

 さらに、スウェーデンのストックホルム・スクール・オブ・エコノミクスのジョアナ・シュロター・ジョエンセン助教授とアーハス大学のヘレナ・スカイト・ニールセン教授の研究もあります。高等数学の授業を受ける機会を得た女子生徒は、その後収入の高い技術系の就職をする割合が高く、高等数学の授業を受ける機会が限られていた女性と比べて理系の修士号を取得したり博士号を取得したりCEO(最高経営責任者)になる確率が高かっとのこと。。

 この研究の対象となった約2万5千人について男女間の賃金格差が34%もあったのですが、その5分の1が高等数学の授業経験の有無で説明できることを示しています。


●女性は男性より数学が苦手…を研究した結果

 記事で最も詳細に紹介されいた研究は、上記とは別のもの。アムステルダム大学のトーマス・ブサー助教授らのものでそた。これはメインに選ばれただけあって非常におもしろいです。

 研究対象となった卒業間際の中学3年生362人について数学の成績を調べると、統計的に有意な男女差はありませんでした。たぶんこの時点で驚きでしょう。男子生徒と女子生徒で、数学の得意不得意の差がないというのです。

 ただ、おもしろいと思ったのはこの後です。成績が変わらなかったにも関わらず、アンケート調査では男子より女子の方が数学は難しいと感じており、さらに、女子生徒は自分の数学の成績はクラスで下位だと信じていることが明らかになったのです。

 この思い込みは先ほど収入差が生じるとあった数学の履修にも当然ながら影響してきます。数学の苦手意識が高い女子生徒たちは、当然難しい高等数学を履修することも少なくなって当たり前だからです。


●男女で大きく違うのは、数学の成績ではなく〇〇が好きかどうか

 また、この研究で特徴的だったのは、競争することを好むかどうかという点に着目したことです。

 この実験では、第2ラウンドの計算能力の競争において、女子生徒が男子生徒と同じような成績を納めました。ところが、その次の第3ラウンドにおいて、競争を選択した男子生徒の割合は49%であったのに対し、競争を選択する女子生徒の割合は半分以下の23%であった。つまり、女子生徒は数学の成績が同じであっても、競争することは好まないのです。

 また、回帰分析の結果、第3ラウンドで競争による支払いを選んだのは、男子生徒、自信過剰な生徒、リスクを好む生徒といった特徴があることもわかりました。自信過剰な生徒、リスクを好む生徒ともに男子学生が多かったこともわかっていあmす。

 競争を好むかどうかは、専攻の選択にも大きく影響していました。難易度の高い専攻を選ぶのは、第3ラウンドで競争を支払い方法に選び、リスクを好み、数学を難しいと思っておらず、自分は数学の成績がいいと信じている男子生徒が多くなっていました。

 結論としては、実際に数学の成績がいいかどうかというよりは、むしろ、競争することを好んだり、数学が得意だと思い込んでいたりすることで、数学の難易度の高い専攻を選んでいる理由となっている…となっていました。


●イスラム教の国々で数学に男女格差がほとんど見られない理由

 他におもしろかったのはこういった思い込みによる男女格差に対して、「女子生徒が男子生徒と直接に比べられない男子校・女子校制度が、女子生徒の数学の学力向上に有効ではないか」(ハーバード大学のロランド・フライヤー教授とシカゴ大学のスティーブ・レヴィット教授)という提案があったことです。

 根拠となっているのは、男子校、女子校で別々に教育を受けているイスラム教の国々では数学の学力診断テストに男女格差がほとんど見られないというものだとのこと。意外なことにイスラム教国の方がある意味男女平等なんですね。さらに同様のことを示唆する研究は他にもあり、「男性との競争」というのは女性にとってネックになるようです。

 数学オリンピックで女子生徒の成績優秀者が少ないのも、そもそも競争が嫌いなためではないか?と予想されていました。


●数学が自信ある人が一番多い国アメリカ…実際の成績は?

 最初の塾の話は研究じゃなくてそれこそ塾の先生の「思い込み」のような話ですし、上記の研究とピタリと符合する話でもないのですけど、実を言うと、「思い込み」が重要であるという話は出てきていました。

広野:「自分は算数が苦手」という思い込みがいちばんやっかいなんですよ。1度そういう回路ができてしまうと、ますます算数ができなくなって、解けないスパイラルに陥ってしまいます。また親もテストの点数だけ見て「あなたは算数ができないから」と洗脳してしまうのも考えものです。

 やはり今回の話とぴったり合うわけではないのですが、思い込みのおもしろさについては過去にもやっています。例えば、できない人ほどできると思いこむというダニング-クルーガー効果では、アメリカ人が30カ国中で数学が25位の成績であるにも関わらず、自信は1位であったという話をやっています。

 一方で、自信を持つことがポジティブな効果を与えているのかもしれないという、アメリカ人は優秀さを自画自賛、日本人は真面目さを過大評価もやっていました。

 私は「謙虚」という方が信条としては好みなのですが、自信過剰のもたらす良い効果というのはなかなか馬鹿にできないかもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ダニング-クルーガー効果 上から目線の人や自信家はむしろ愚かであることが多い「アメリカ人は30カ国中数学25位、科学21位、自信は1位」
  ■アメリカ人は優秀さを自画自賛、日本人は真面目さを過大評価

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