カタカナに関する話をまとめ。<日本語で言えよ!うざいビジネスカタカナ用語ランキング>、<外来語を使うな!NHKを訴えた裁判の判決はどうなったのか?>、<句読点も日本の伝統ではない無くすべき悪い文化と主張か?>などをまとめています。
2023/06/25:
一部見直し
すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典

●日本語で言えよ!うざいビジネスカタカナ用語ランキング
2014/5/7:
日本語で言ってくれれば意味がわかるのに…と思うカタカナ語ランキング - ビジネスランキング - goo ランキングというのがありました。
言い換えがついていないとイラッとしたと思うのですが、ちゃんとついています。しかし、最初は敢えて「言い換えなし」のランキングで行ってみましょう。どれくらいわかるか、力試ししてみてください。
<日本語で言えよ!と思うビジネスカタカナ用語ランキングベスト10>
1位 アジェンダ 100
2位 オーソライズ 98.8
3位 オルタナティブ 89.5
4位 エビデンス 84.8
5位 バジェット 83.4
6位 パラダイム 82.4
7位 マイルストーン 81.4
8位 スキーム 79.2
9位 バッファ 78.0
10位 コンテクスト 77.4
●カタカナ用語はいけないのか?実は仕方がない場合もある
わかりました? 私は見ているだけでイラッと来ますわ。ただ、多少仕方ないっていうのは、日本語の言い換えが難しい概念もあるってことですね。イコールで示す単語があるとは限らないのです。まあ、そんなこと言ったら、厳密に言い換え可能な外国語というものはあるのか?みたいな深い話になりかねませんけど、いわゆる「日本語にはない概念」というものもあるって話
江戸末期に海外の知識を取り入れた際には、この「日本語にはない概念」を理解するために数多くの造語が作られました。「科学」、「哲学」、「郵便」あたりがそうらしいです。
そういえば、最近
夏目漱石、福沢諭吉の造語というのはほとんど嘘?肩が凝る・価値などという話もやっています。
●オルタナティブといえば音楽だけど、実はジャンルではない
私は上記のうち「5位 バジェット」だけは、聞いたことすらありませんでした。あと、答えとの間隔を開けるためにもう少し余計なことを書くと、「オルタナティブ」と言われて思いつくのは、以前は音楽のジャンルでした。オルタナティブ・ロックですね。
しかし、イマイチどんなジャンルなのか理解できていません。あまりにもよくわからなすぎて印象に残っていたというものです。で、以下の
Wikipediaを見たのですが、「ジャンルじゃない」とのこと。マジかよ。
Wikipediaによると、オルタナティヴ・ミュージックとは、現在の商業的な音楽や流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捕われない普遍的なものを追い求める精神や、前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つ音楽シーンのこと。しばしばロックの一ジャンルとして思われがちであるが、
厳密にはジャンルではないとしています。
「alternative」とは英語で、通常「代わりの」「代用の」「もう1つの選択」という意味であり、「型にはまらない」という意味もあります。音楽の場合は後者の「型にはまらない」あるいは「既存のポップ・ミュージックの概念を打ち壊す」という意味での用法です。
オルタナティヴ・ミュージックとは、ポップ・ミュージックの対義語として使用でき、美術の概念でいう「現代美術」と「前衛美術」の関係に非常に類似している点がある、ともされていました。
●アジェンダ、オーソライズ、バジェットなどの日本語での言い換えは?
だいぶ脱線しましたが、「答え」となるカタカナ用語の言い換えは以下のようになります。私が聞いたことすらなかったバジェットは「予算」という意味だとのこと。
<日本語で言えよ!と思うビジネスカタカナ用語の言い換え>
1位 アジェンダ 100 実施すべき計画、協議事項、議事日程
2位 オーソライズ 98.8 公認
3位 オルタナティブ 89.5 代替、二者択一
4位 エビデンス 84.8 証拠
5位 バジェット 83.4 予算
6位 パラダイム 82.4 考え方、規範
7位 マイルストーン 81.4 各作業工程の節目、里程標、画期的な出来事
8位 スキーム 79.2 枠組みを伴った計画
9位 バッファ 78.0 余裕、緩衝材
10位 コンテクスト 77.4 文脈
バッファはパソコン用語で出てきますね。こちらの意味だと、データをやり取りするときに、処理速度や転送速度の差を補うためにデータを一時的に保存しておく記憶装置や記憶領域のこと、と説明されていました。
http://e-words.jp/w/E38390E38383E38395E382A1.html●カタカナ用語を嫌うばかりにNHKを提訴する人も登場
そういえば、日本語で言えよ!という思いが強すぎるあまりに、NHKを提訴した方もいらっしゃいましたよね。2013年に「リスク」「ケア」「トラブル」「コンシェルジュ」など、テレビ番組で理解できない外来語が多く使用されていることで精神的苦痛を負ったとして、岐阜県の男性がNHKに対し141万円の慰謝料を求める訴えを名古屋地裁に起こした人がいました。
訴えを起こしたのは、岐阜県可児市在住で、「日本語を大切にする会」世話人の71歳の方。訴状などによると、高橋さんはNHKと受信契約を結び、番組を見ているが、必要がない場合でも外来語が乱用されていると主張。「不必要な精神的苦痛を与える」として、民法709条の不法行為に当たるとしていあそうです。
(
NHK、外来語がわからないとの理由で提訴される The Huffington Post | 投稿日: 2013年06月26日 08時02分 JSTより)
提訴という手段についてはそこまで頑張らんでも…と思わなくもないですが、「外来語を使いすぎでわけわからん」と思うときがあるというのには同意。わかりやすく伝える努力というのは大事だと感じます。
●外来語を使うな!NHKを訴えた裁判の判決はどうなったのか?
2019/07/27:最後に書いていたNHKを提訴したという訴訟。その裁判結果が知りたくて検索したものの、出てくるのは提訴時の話ばかり。その後は報道されていないのかもしれません。目的のものは見つからなかったのですが、この検索の副産物として、
日本語を大切にする運動概要 | 日本語を守る会というサイトがあるのを知りました。
日本語を守る会では、例えば、<日本の公文書は誰でもわかる日本語で書くべきだ。読者は日本人、横文字を使う必要なし。公器(放送局、新聞社、役所、公園、税金を使って活動している団体や組織)は、公用語の日本語を使うべきだ>といった主張をしています。かなりガチな感じです。
最初の投稿時にNHKを提訴した方が「テレビ番組で理解できない外来語が多く使用されている」としている方が例示したものとしては、「リスク」「トラブル」という完全定着したものすらありました。なので、意外ではないかもしれまsんけど、ここではなんとイベント・トイレ・コメントすらも言い換えするように…とされていました。
<例えば、イベント → 行事・催し
トラブル → 問題・障害・事故 不具合 いさかい 故障
トイレ → 厠・お手洗い・便所
コメント → 発言 感想 意見 論評 お言葉 声明>
●句読点も日本の伝統ではない無くすべき悪い文化と主張か?
それから、サイト内をいろいろと読んでいると、
2016.09.23 09:41の投稿で、以下のような記述も見つかりました。ちょっとわかりづらいのですけど、ひょっとしたら裁判は負けたということかもしれません。
<3年前に 公共放送なのに 日本語放送に外来語を多用しすぎて理解できないと
結果はNHKの詭弁で一蹴でされました それ以降受信料払いたくないとか>
こちらでは運動概要ページと異なり、上記のような句読点がない独特の書き方をされています。日本語で句読点の使用が徐々に現れ始めたのは明治時代。ひょっとしたら句読点も日本の伝統文化ではないといった主張があるのかもしれないと思いました。
すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典

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