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普通の日本人の年収を知る 平均年収は高すぎ、大事なのは中央値?


 平均年収に関する話をまとめ。<実は問題が多い平均値…平均値だと不適切な代表例が「年収」
>、<普通の日本人の年収を知る 平均年収は高すぎ、大事なのは中央値?>、<富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満>などをまとめています。

2023/10/04まとめ:
●富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満 【NEW】
●日本だけ平均賃金が30年間停滞の異常…分配ない上に税金は増加 【NEW】


●実は問題が多い平均値…平均値だと不適切な代表例が「年収」

2014/5/8:日本人の平均年収は400万…という値を何度も使ってきました。しかし、こういった平均値はごく一部しかいない高所得者が大きく引き上げているために、庶民の感覚とはかなりズレがある可能性があります。そのため、中央値を知りたいなと前々から思っていました。この中央値というのは、以下のような概念です。

<中央値(ちゅうおうち、英: median)は、代表値の一つで、有限個のデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値。たとえば5人の人がいるとき、その5人の年齢の中央値は3番目に年寄りな人の年齢である。 ただし、データが偶数個の場合は、中央に近い2つの値の算術平均をとる。中央値の事を、メディアン、メジアン、中間値とも呼ぶ。ただし、「中間値の定理」の中間値はこの意味ではない>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%80%A4

 この中央値に関するWikipediaの説明を見たら、以下のようにちょうど年収を例に出していました。平均値だと大きな問題が生じて中央値で見た方が良い数字の代表例が、年収なんでしょうね。やはり年収で平均値を基準とするのは、不都合が大きそうです。

<平均値との関係>
<中央値は平均値と類似した目的で使うが、用途によっては中央値のほうが平均値よりも優れている。これはたとえば年収の場合を考えてみるとわかりやすい。
 貧富の差が激しい国では、一部の富裕層が平均年収をつり上げてしまっている為、平均年収は「普通の人」の年収よりもずっと高い値になってしまう。この為平均年収は「普通の人」の生活水準を推し測るには向かない。
 一方中央値は、年収が低い順に国民を並べたときに丁度真ん中になる人の年収を表している為、一部の富裕層の年収は中央値に影響せず、中央値は「普通の人」の生活水準により近くなる。
 実際例えばフォーブスの世界長者番付にランクインするような億万長者が1万人の市に引っ越してくれば平均年収はつり上がってしまうが、年収の中央値はほとんど変わらない。ビル・ゲイツ等の大金持ちが引っ越しただけで、「普通の人」の生活水準が変化するとはいえず、中央値のほうがより直感に近い事が納得されるであろう>


●貧富の差が激しい国じゃない日本でも平均値と中央値は全然違う!

 中央値について検索して出たのは、以下の<日本人の年収の中央値 WEB金融新聞>というページです。ここを見ると「平均値なら549万円」などとやけに年収が高くてびっくりしてしまいました。ただ、よく見ると「世帯所得」ということで、前述の平均年収400万とはこれまた違うデータのようです。

<まず見つかったのは、厚生労働省が公表している「世帯所得」の数字です。これによると、2009年の1世帯あたりの所得は、平均値なら549万円ですが、中央値なら438万円だそうです。実に100万円以上(約25%)も、平均と中央値に差があります>
http://www.777money.com/torivia/torivia4_5.htm

 ちょっと古い2009年ですが、ここで出ている値では最新でした。以下のようななります。

2009年
世帯所得の平均値 549万円
世帯所得の中央値 438万円

 Wikipediaでは「貧富の差が激しい国では」とありました。しかし、貧富の差が比較的小さいと言われる日本であっても、やっぱり平均なんか見ちゃいかん!という話ですね。ものすごい違います。


●普通の日本人の年収を知る 平均年収は高すぎ、大事なのは中央値?

 上記のページでは個人の年収も探していらっしゃって、正確なデータは見あたらなかったものの、国税庁の「民間給与実態統計調査(2010年)から推計した値がありました。

2010年
サラリーマン男性の年収の平均値 約507万円
サラリーマン男性の年収の中央値 約456万円

サラリーマン全体の年収の平均値 約412万円
サラリーマン全体の年収の中央値 約352万円
(後半は男女合わせたものという意味)
国税庁の「民間給与実態統計調査(2010年)※PDF」
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2010/pdf/001.pdf

 私がよく言っていた平均年収400万は、確か本当はもう少し多い409万円くらいだったと思います。で、これまた記憶が曖昧ですが、確かサラリーマンのものだったという覚えもあります。ですから、最後の「サラリーマン全体の年収の平均値 約412万円」の年度違いあたりが私が覚えていたものの元ネタでしょう。この場合の中央値は352万円。このあたりが目安のようです。


●年収300万円以下の割合が多すぎてびっくり!しかもまだまだ増加中

 あと、おもしろかったのが、年収300万円以下の割合について調べたもの。

<収入格差 最新の情報を掲載-年収ラボ>
西暦 男女計(%) 男性(%) 女性(%)
2002年 34.9 17.8 63.7
2004年 37.5 20.0 65.5
2006年 38.8 21.6 66.0
2008年 39.7 22.3 66.4
2010年 40.5 23.4 66.2
2012年 41.0 24.3 65.9
統計元:国税庁 平成14-24年 民間給与実態統計調査結果より
http://nensyu-labo.com/heikin_kakusa.htm

 年収300万円以下の割合は割合は40%ほど。かなりの人が年収300万円以下なんですね。衝撃的です。しかも、着実に増えてきています。女性の方が男性より給料が安いので女性の労働者が増えれば増えるほど、男女計の年収300万円以下の人が増えるはずです。それはそれで問題なのですが、「女性が安いだけ」と思うかもしれません。

 しかし、注目すべきなのは男性限定の年収300万円以下の割合。男性限定でもはっきりと増加してきているのがわかり、「女性が安いだけ」では言い訳できません。全体の年収300万円以下が増えている原因は、男性労働者の年収自体が下がっているという理由もあることがわかります。


●年齢でかなり違う…年代ごとの年収の中央値はどれくらいが目安?

 もう一つ、中央値の話に戻って、年代ごとの年収の中央値を。これは他人との比較としてはより目安としてふさわしいと思います。…が、元データは国の値ではなく、DODA登録者でなおかつ「正社員」限定。非正規雇用が増えている日本人の年収イメージとは異なりますが、一応見てみましょう。

<平均年収(年齢別) 2012年版  DODA(デューダ)>
・男女計
20代平均年収 343万円 中央値 320万円
30代平均年収 458万円 中央値 420万円
40代平均年収 608万円 中央値 550万円
50代平均年収 754万円 中央値 700万円

・男性
20代平均年収 361万円 中央値 350万円
30代平均年収 485万円 中央値 450万円
40代平均年収 637万円 中央値 600万円
50代平均年収 777万円 中央値 700万円

・女性
20代平均年収 317万円 中央値 300万円
30代平均年収 380万円 中央値 350万円
40代平均年収 461万円 中央値 400万円
50代平均年収 486万円 中央値 406万円
http://doda.jp/guide/heikin/2012/age/

 若い頃は「平均年収」と「年収の中央値」の値に大きな差がありません。就職した時点ではそうそう差はつきませんからね。この差と比べると大きいものの、男女差というものの若い年代ではそう顕著ではありません。しかし、中央値と平均値の差はどちらのケースでも、徐々に広がっていきます。特に男女差は年を取るにつれて半端無く広がりますね。

 あと、正社員のみに限った値の話の問題点について補足。以下のように、非正規雇用を含んだ国税庁の調査の値の場合は、DODAによる正社員限定版の30代の年収にすら負けています。やはり非正規雇用を含む・含まないだけで、差は大きいですね。DODAのデータは目安としては、使いづらいところがあります。

サラリーマン全体の年収の平均値 約412万円 (国税庁)
サラリーマン全体の年収の中央値 約352万円 (国税庁)
30代平均年収 458万円 中央値 420万円 (正社員のみ)

 非正社員を人にあらず…みたいにバカにしている人がいますが、実際にそういう非正規雇用者が一定数を占めるというのが今の日本社会であり、無視して考えるのは非現実的。また、用途によるものの、生涯未婚率が高まっている中では、女性の値を入れた方が妥当な場合も多いでしょう。

 私は正社員以外を含めた「サラリーマン全体の年収の中央値 約352万円」を目安にすることをおすすめします。
(2023/10/04追記:以下に転載した<富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満>も、「世帯ごと」に見ており、これも参考になるデータでしょう)


●富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満

2023/10/04まとめ:平均年収絡みの話…ということで、別のところで使った<富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満>、<日本だけ平均賃金が30年間停滞の異常…分配ない上に税金は増加>という話を転載しておきます。

2021/12/28追記:安倍首相に近い人がよく本を出していて、左派系ではなさそうな幻冬舎の幻冬舎ゴールドオンラインで、<貧困急増…「平均所得200~300万円未満が最多」「主要先進7ヵ国でも最下位」日本人のキツすぎるリアル>(12/25(土) 10:46配信 GGO編集部)という記事が出ていたんですよ。

<OECDは、国別の平均賃金についてもランク付けしています。(中略)日本の平均賃金については、現在22位。OECD内の下位層(引用者注:38ヵ国中22位)に所属しており、西洋諸国、ニュージーランド、韓国と悲しい差が開いてしまっています。
少子高齢化、新型コロナ感染拡大など要因は様々ではあるものの、ついに海外メディアが「貧困層の増加によって、日本の『中間層』は消え始めている」(中略)とも報じ始めています>
https://news.yahoo.co.jp/articles/03681edc841b5da556a702afd34e3ae214215e35

 厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)で平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が552万3,000円。ただし、所得や貯蓄といったものは、高所得者が平均値を引き上げていることがわかっており、実態を見るものとしては不適切です。続けて書かれていた以下の部分の方が参考になるデータでしょう。

<同調査によると、「200~300万円未満」が13.6%、「300~400万円未満」が12.8%、「100~200万円未満」が12.6%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は437万円。平均所得金額(552万3千円)以下の割合は61.1%と過半数を超えています>

 なお、貧困が増えている一方、株式会社野村総合研究所の調査によると、2019年、日本の富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多となったそうです。さらにこのコロナ禍、株式市場などの好調が起因となり、世界の億万長者の数は過去最多を更新しているともされていました。


●日本だけ平均賃金が30年間停滞の異常…分配ない上に税金は増加

 <貧困急増…「平均所得200~300万円未満が最多」「主要先進7ヵ国でも最下位」日本人のキツすぎるリアル>という記事タイトルの後半「主要先進7ヵ国でも最下位」は労働生産性であり賃金ではありません。ただ、ヤフーニュースの記事についた専門家コメントでは、独身研究家の荒川和久さんが以下のように指摘していました。

<平均賃金の世界各国との推移を比較すると悲しくなります。1990年時点では、日本を上回るのは米国とドイツくらいでしたが、それ以降イギリス・フランス・北欧諸国などは勿論、遂にはニュージーランドや韓国にまで抜かれた。それも当然で、この30年間、まったく平均賃金があがっていないのは日本だけだからです>

 賃金が上がらない一方で、社会保障費や消費税は上げられ、実質可処分所得はマイナス。独身研究家らしく、独身者は配偶者控除がなく特にきついことも指摘。最近発表の自公政権の10万円給付でも独身者は無視されており、「先進国どころか後退国であり、成長も分配もない国、それが今の日本の姿」と締めています。一般人コメントでも以下のように嘆く声が目立っていました。

<働き盛りの世代は政府の財布と思ってる
困ったら会社員に負担増を強いればいい、それが自民党(中略)
よくこんな政権支持できるもんだ>
<そもそもの始まりはバブル以降のデフレと小泉改革が事の発端だが、賃金は上げずに内部留保溜め込みに血道を上げた大企業と、それを許してきた政府に一義的な責任がある。平成以降物価も賃金も一部を除きほとんど上がっていない。まさに「失われた30年」。
アジア各国や欧米はその間にどんどん力を伸ばし、物価も賃金も上がっている、つまり成長している。
日本は置いてきぼりを食った事に政府は今頃気付いて、賃上げ要請だの「新しい資本主義」とか言ってるが時既に遅し>
<普通に考えて、30年から40年、経済成長が停滞して、給料は上がらないのに、税金は増えていく……この状況で(途中で政権交代はしたものの)まだ自民党を支持し続ける国民はもう異常だ>
<10年くらい前、アメリカで『最低賃金15ドル』運動をやってた時、当時の安倍元首相は「3年で最低賃金1000円まで上げる」と言ってたけど、10年経っても全国平均800円程度>


【関連投稿】
  ■正社員の全国平均時給はいくら?最低賃金・アルバイトとの差は?
  ■100円未満・100円以下では消費税はかからない?話の出どころはどこ?
  ■クロヨン・トーゴーサン・トーゴーサンピン 政治家優遇の税金制度と熊本県菊池市などの税金優遇
  ■国家公務員の給与の推移(人事院勧告改定率)
  ■隅田川花火大会の費用1億5千万円 地元自治体の支出(税金)が大半
  ■人生・生活についての投稿まとめ

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