ウイルス対策ソフトの話をまとめ。<セキュリティ企業幹部「ウィルス対策ソフトは半分以上の攻撃を検知できない」>、<実は以前からウィルス対策ソフトは赤字でやっていた?>、<ウィルス対策ソフトは意味なし?45%の脅威を防ぐことの価値>などをまとめています。
2023/11/01:
一部見直し
●セキュリティ企業幹部「ウィルス対策ソフトは半分以上の攻撃を検知できない」
2014/5/9:ノートンなどの製品で有名な老舗のセキュリティ企業であるSymantec(シマンテック)のブライアン・ダイ上級副社長は、従来型のアンチウイルスソフトについて「もう死んだ(dead)」と語り、「アンチウイルスソフトは、もう利益を生む商品ではないと考えています」としていました。
この言い方ですとビジネス的にペイしないという話だけ。ただ、さらに衝撃的な発言があります。ダイ上級副社長によると、現在のアンチウイルスソフトがウイルスなどの攻撃を検知できているのは全体の45%だけ。じつに55%の攻撃は検知されることなく素通りしているという状況になっているとのことでした。
<「アンチウイルスソフトは死んだ」とノートンで有名なシマンテック幹部が告白、半分以上の攻撃を検知できず>(GIGAZINE 2014年05月07日 11時08分32秒)によると、ハッキングの手口が高度に巧妙化され、もはや従来型の手法に限界があることを、大手のセキュリティ企業も認めているということです。
http://gigazine.net/news/20140507-antivirus-software-is-dead/●そもそも100%検知できないことはどれほどの問題なのか?
ただ、これがどれほど危険な状態なのかは不明。検知できていない55%がどの程度の脅威か?ということによって、全然受け止め方が変わるため。例えば、軽微な問題を検知できないのと、パソコンが乗っ取られるような被害を検知できないのでは、大きな違いがあるとわかるでしょう。
アンチウイルスソフトの類は何も検出しないのも不安になるので、大した脅威じゃないものをブロックしたり、検出したりして、「仕事したよ」とアピールしているとも言われることがあります。確かに55%検出不能という数字だけ聞かされてしまうと、ショッキングであはるのですが…。
また、<セキュリティ分野の課題が新たなレベルに達している>については、もう少し話がありました。まず、従来は「強固な守りを固めて悪意のある動作を排除する」というのが主な目的だったセキュリティソフトの役目だったといいます。
その上で、ダイ上級副社長は今後の方向性について、「ハッキングされていることを感知して、ユーザーの損失を可能な限り少なくする」という方向へ進むと説明。100%検知できないのが事実であれば、せめて被害を少しでも少なくしようという現実的な対応でしょう。記事では既に"KasperskyやMcAfeeがすでに対応を進めて"いるとしていました。
●実は以前からウィルス対策ソフトは赤字でやっていた?
ところで、元記事では最後に書かれていた「ハッキングされていることを感知して、ユーザーの損失を可能な限り少なくする」という方向への変化については、ダイ上級副社長の所属する"Symantecは一歩遅れている感"があると書かれていました。
こういった記載がなくとも、"55%の攻撃は検知されることなく素通りし"ているなんて言っちゃうと、シマンテックのノートンがショボイだけじゃない?といったツッコミが入りそうです。
はてなブックマーク の感想も見てみましょう。
1番人気になっているコメントは私の予想したものと異なるもの。<要約:コンシューマー製品はビッグデータを得るために開発していた。しかし、最近はウイルス(ワーム等含む)の進化が早くて使えるデータが取れない。そろそろ赤字製品やめたい(小声)>となっていました。これが、ダイ上級副社長の本音だろうと想像するものです。
引用しておきながら上記は意味がわからなかったのですが、他のコメントを読むと何となくわかった気になります。
<だから、一般消費者向けのウィルス対策ソフトの販売はセキュリティ会社からすれば基本赤であって、それでも販売する理由はウィルス捕獲や情報収集であって、それを元に顧客である企業にサービスを提供して元を取る>
<はいはいセキュゴロ案件セキュゴロ案件/まぁユーザ脅して金を取るモデルですからねえ。そして歯止めはない模様。/データ収集して持ってくのが目的のくせにカネとるのか。最悪だな>
●ウィルス対策ソフトは意味なし?45%の脅威を防ぐことの価値
私が最初想像していたような皮肉の類は、以下のようなシマンテックが悪いだけじゃないの?というものでした。
<シマンテックは死んだように動かない、重いということでしょうか。知ってますよ>
<アンチウイルスソフトが死んだのかシマンテックが死んだのか…>
さらに以下のようなものもあります。
<昔からそうでしょ。なにかあった時の言い訳以上の何者でもない>
<45%も検知できてるの?>
<ロックンロール・イズ・デッドくらいの死亡っぽい>
皮肉でないものとしては、<それでも、「検知できる半数」のためにインストールせざるを得ない>というものもありました。これが真理でしょうね。「せめて被害を少しでも少なくしようという現実的な対応」と私が書いたり、「昔からそうでしょ」と書いていた人がいたりしたように100%じゃなくてもできるだけ被害を防ぐというのは、元からあるセキュリティの考え方でしょう。
また、私が「55%がどの程度の脅威か?ということによって、全然受け止め方が変わってきます」と書いたのと同じく、現在防げている45%の脅威がどれほどのものかによってアンチウイルスソフトの価値は著しく変わってきます。
需要自体は間違いなくあるので、シマンテックのような従来のやり方のアンチウイルスソフトが絶滅したとしても、類似のサービスは提供されるでしょうね。
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