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息子の濱田典保社長追放の赤福の濱田益嗣会長、暴力団問題で辞任


2014/5/16:
●江戸時代中期の餅屋がルーツという歴史と伝統ある伊勢の赤福
●父に子に母に祖母…濱田一族で続いてきた赤福の歴史で重要な人は?
●ドラマで有名になった赤福、「赤福と言えば食品偽装」というイメージも
●食品偽装でピンチだった赤福を立て直した功労者だったのに…
●取引先も知らなかった!事実上の家族会議による突然の社長解任
●赤福、濱田益嗣・典保親子の確執による社長交代劇 印象悪化必至
2020/07/06:
●息子の濱田典保社長追放の赤福の濱田益嗣会長、暴力団問題で辞任


●江戸時代中期の餅屋がルーツという歴史と伝統ある伊勢の赤福

2014/5/16:赤福のお家騒動については、以前書いた赤福、お家騒動で社長解任 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言もというのを書いています。その後、ひび割れた「赤福」 和菓子老舗の仰天人事 2014/5/9 7:00 日本経済新聞 電子版 津支局長 岡本憲明という記事を読みました。

 この記事は、前回読んだ記事と比べて新しい情報が多いというわけじゃありませんでした。ただ、向こうで全然やっていない話もやりましょう…ということで、赤福の歴史的なところから。これについてはさらに別記事の>赤福、なぜ突然のお家騒動?大量生産型から家業型経営への原点回帰めぐり親子対立か(1/2) | ビジネスジャーナル 2014.05.01から、まず引用します。

<赤福の始まりは江戸時代中期。1707(宝永4)年に、初代治兵衛が伊勢神宮内宮の五十鈴川のほとりで、お伊勢参りの参拝客をもてなすために開いた餅屋がルーツ。赤福の名前は「赤心慶福」(せきしんけいふく)に由来する。まごころ(赤心)を尽くすことで、素直に他人の幸せを喜ぶ(慶福)ことができるという意味で、参道沿いの茶屋として人気を博してきた>


●父に子に母に祖母…濱田一族で続いてきた赤福の歴史で重要な人は?

 解任された濱田典保さんは3代目の社長でした。解任したのは10代目当主で2代目の社長だった濱田益嗣(ますたね)さん。4代目となる新社長の濱田勝子(まさるこ)さんは、この益嗣さんの奥さんです。

 では、初代社長は?と言うと、益嗣さんの父ではありません。父である赤福9代目当主、裕康さんは生後まもなく戦争で亡くなっています。初代社長は祖母である濱田ますさんであり、この方が赤福中興の祖と言われる功労者でした。
 赤福の300年の歴史の中で、中興の祖といわれているのが、8代目当主の未亡人、濱田ます氏である。22歳で赤福8代目当主・濱田種三氏に嫁ぎ、48歳のとき夫が病死、その5年後には婿養子に迎えた9代目当主・濱田裕康氏が戦死した。残されたのは生後9カ月の益種氏(のちに益嗣に改名)。この時、ます氏は大黒柱となって働き、株式会社となった1954年に初代社長に就任した。(中略)

 ます氏が赤福の中興の祖と呼ばれる理由のひとつは、太平洋戦争の終戦前後の5年間、赤福餅の販売を中止した英断だ。戦中から戦後にかけて、砂糖と小豆が統制品となり、まともな原材料が手に入らなくなった。闇市に行けば質の劣る材料を買うことができたが、良質の餅米や砂糖、小豆は手に入らない。ます氏は販売中止の理由について「ヤミの原材料で餅をつくったら、赤福が赤福でなくなる。味がわかる人から、『これが赤福か』と笑われる」と語っている。

 閉店は44年から49年まで5年間にも及んだ。営業を再開するまで収入はゼロで、当時40人いた従業員には休業補償をして自宅待機してもらった。休業補償に充てる金を得るために、濱田家が所有していた別荘など、土地・建物を売り払った。店を閉じている間に、赤福の類似品を出す店が14店も乱立した。ほとんどの店は砂糖が手に入らないのでサッカリンを使っていたが、ますは餅米や小豆、砂糖の原産地にこだわり、本物が手に入るようになるまで決して赤福餅をつくらなかったことで、味を落とさず、赤福の品質を守った。

●ドラマで有名になった赤福、「赤福と言えば食品偽装」というイメージも

 "そのます氏をモデルにしたテレビドラマ『赤福のれん』(フジテレビ系)が75年に放映され反響を呼んだことが、赤福餅が全国ブランドになるきっかけとなった"そうです。この判断はそういった副次的な効果も生み出しました。

 しかし、"そんな赤福が大きくブランドイメージを損なう事件"が発生しました。「消費期限の偽装事件」です。そして、今回のお家騒動…"赤福のブランドが、消費期限の偽装発覚から7年たった今、再び大きく毀損しかねない事態に陥っている"とビジネスジャーナルは書きます。

 私も前回の赤福、お家騒動で社長解任 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言もでは偽装事件と絡ませた書き方をしましたし、今回の日経新聞も"赤福といえば2007年に長年に渡る食品偽装が発覚し、3か月の営業停止となった記憶がいまだ残る"としていました。


●食品偽装でピンチだった赤福を立て直した功労者だったのに…

 また、日経新聞は私の前回のものと"存亡の危機に立たされた赤福を引き継ぎ、立て直してきた典保は功労者のはず"としている点でも同様でした。
 「もう一度、ゼロから信頼を回復していきます」――。事件後、典保が低姿勢で頭を下げて取引先を回る姿が随所で見られた。実績と実力を兼ね備えるがゆえに、時に尊大に見えた益嗣とは対照的な姿だったという。コンプライアンス室や生産管理部などを新設。社外から、かつて住友銀行で「大物副頭取」と呼ばれた玉井英二を会長に招いた。社員がコンプライアンス室に直接通報できる仕組みを作るなど社内の風通しを良くし、偽装を常態化したといわれるトップダウンの社内風土の改革を進めた。

 こうした典保の経営努力や式年遷宮の追い風もあり、営業再開時(08年9月期)には64億円に落ち込んでいた売上高は、13年9月期には約92億円と事件前の水準まで戻した。地元関係者に尋ねても「温厚で真面目、腰も低く、仕事熱心」と典保の評判は上々だ。

●取引先も知らなかった!事実上の家族会議による突然の社長解任

 ただ、益嗣さんにはこれが気に入りません。他の記事ではありませんでしたが、日経新聞は特に"昨年2月、赤福が伊勢市に寄贈したサッカー施設"の件が問題になったとしていました。
 人工芝ピッチ2面と地上2階・地下1階クラブハウスの総工費約10億円のうち赤福が9億円を負担したが、主導したのは典保だった。

 益嗣が「おかげ横丁」に投じた140億円に比べれば額は小さいが、「益嗣さんには地元にも赤福の経営にもプラスになる算段があった。しかし、サッカー場はボランティアのようなもの。典保さんが名誉ばかり追っているように見えたのでは」(地元関係者)。昨年から今年にかけ、典保が伊勢商工会議所の副会頭、伊勢市観光協会会長に相次ぎ就任し、財界活動に力を入れることも意にそわなかったという。

 そして、「家族会議」による解任の決定へと至りました。
 「あの日、臨時株主総会が開かれることは社内でもほとんどが知らなかったはず」と赤福の社員は声をひそめる。それもそのはず。関係者によると総会に出席したのは典保、父親で前の社長の益嗣(ますたね)、母親の勝子、典保の弟の吉司ら。非上場企業である赤福の発行済み株式の84%は、益嗣が社長を務める浜田総業が所有し、残りを典保と益嗣が二分する。株主総会といっても実態は浜田家の「家族会議」のようなものだからだ。

 23日午前に「家族会議」が開かれると、緊急動議によってあっという間に典保の解任が決まった。取引先金融機関にも事前には知らされておらず、周囲には突然の解任劇だったことは間違いない。

●赤福、濱田益嗣・典保親子の確執による社長交代劇 印象悪化必至

 また、"勝子をはじめ、新たに取締役になった4人のうち3人は一度、偽装問題で引責辞任したのに復帰する"ということで、ここらへんも偽装事件の反省を否定するかのような人事で極めてイメージの悪いものです。

 ただ、この人事には次期社長がマスヤの現社長で益嗣さんの次男である吉司さんではなく、「典保さんが復帰の芽もある」(地元財界人)という見方に繋がっています。"今回復帰した4人の取締役の一人が典保の妻である朋恵"さんであるためです。「今回は言うことを聞かなかった典保さんにお灸(きゅう)をすえる狙い」(地元財界人)というわけです。

 しかし、それは飽くまで赤福の内部事情…より正確には濱田家の家族の事情でしょう。傍から見てイメージが悪いことには変わりありません。日経新聞の記事でそういった印象がわかる部分を挙げていくと、以下のように複数あります。

"今回の突然の社長交代に地元経済界では落胆の声も聞かれた。観光産業や財界とも結び付きの強い「赤福」の看板を背負った典保には、財界人としての働きも期待されていたのだ"

"地元市民からも「けったいな会社やな」とあきれる声もあがっている。「イメージダウンは必至。ボディーブローのように効いてくるのでは」と心配する関係者もいる"

"(引用者注:「益嗣さんはもっと大きなビジョンを持っている。今回のこともそのための布石。益嗣さんが長い先を見通して決断したことだから間違いはないのでは」という擁護の声を踏まえて)「ビジョン」どころか、トップ交代の経緯さえほとんど知らされていない従業員530人の間には不安が広がっている。「従業員には細かい説明がないんですよ。ですから、会社がどういう方向にいくのか、かなり不安なんです」"

 内容が内容だけに印象が悪くなって当然でしょうね。


●息子の濱田典保社長追放の赤福の濱田益嗣会長、暴力団問題で辞任

2020/07/06:今頃、2020年2月19日の「赤福」の会長が辞任 指定暴力団の代紋入り焼酎販売:朝日新聞デジタルというニュースを知りました。「赤福」の浜田益嗣会長(82)が、指定暴力団と関わりを持った責任を取り、同社の会長と関連会社の全役職を1月16日付で辞任していたと判明…というニュースです。

 浜田益嗣さんは1989年ごろ、宴席で飲食店の従業員から暴力団幹部を紹介されます。以後、96年まで複数回にわたって飲食などをして付き合いました。00年からは浜田さんが自ら暴力団幹部から直接受注する形で、24回にわたって計8180本の焼酎を販売しています。

 販売していたのは、浜田総業グループの酒造会社「伊勢萬」。前述の焼酎のうち、2000年から2012年にかけての3466本は、焼酎「ステラ」の陶器製の容器の一部に指定暴力団の代紋の焼き印を押したものだったとのこと。別記事を見ると、暴力団というのは山口組で、関係者などに配っていたそうです。ノベルティグッズ的な使い方でしょうか。また、この件を知った男性が2019年12月、浜田総業から現金を脅し取ろうとする恐喝未遂事件が発生したというのが、今になって問題が大きくなった理由のようでした。

 有料記事であり、これ以上の話はわからないのですけど、どうしても食品偽装赤福がお家騒動 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言ものことを思い出してしまいます。外国人差別は右派に多く、暴力団と考え方が近く付き合いがあることが多いのも右派ですからね…。


【本文中でリンクした投稿】
  ■食品偽装赤福がお家騒動 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言も

【関連投稿】
  ■ディズニーで食品偽装・不祥事隠し マスコミが批判しない理由は?
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