一般的な知名度が高いわけではないものの、ファナックは日本を代表する優良企業のひとつです。村の山奥に本社を置く日本では珍しい大企業でもあり、山梨県忍野村に本社があります。
ファナックはいろいろ特徴があるものの、おもしろいのがロボットやおしぼりや工場など、宗教的と思えるひど黄色にこだわっていること。実はこうしたイメージカラーを決めるというのは、企業としては重要だという解説がされていました。
2014/5/22:
●ファナックとは?知る人ぞ知る日本を代表する優良企業
●とにかく黄色いファナック、ロボットだけでなくおしぼりまで黄色
●ファナックのロボットが黄色・ローソンが青・吉野家がオレンジの理由
●宗教的なほど黄色黄色なファナックで緑のロボットが登場!
●外観が黄色い試作品ロボットにあった「致命的な欠点」とは?
●緑十字など…現場では「緑色は安全の色」というイメージが定着
●ファナックとは?知る人ぞ知る日本を代表する優良企業
2014/5/22:ファナックって勤めている仕事の分野によっては全く馴染みのない企業で、私も仕事では使ったことがなかったのですけど、産業用ロボットなどの分野で世界的に有名だという、隠れた優良会社です。
Wikipediaでは、以下のような説明があります。
・ファナック株式会社は、山梨県忍野村に本社を置く、日本の電気機器メーカー。村の山奥に本社を置く日本では珍しい大企業。
・2011年にTOPIX Core30銘柄の一社に選ばれた、日本を代表する企業の一つ。工作機械用CNC装置で世界首位、国内シェア7割、多関節ロボットでも国内首位。
・社名のFANUCはFactory automation numerical controlの頭字語である。古河グループに属しているが、最近では独立性が高まっている。
・ファナックは、主に工作機械用NC(Numerical Control、数値制御)と産業用の多関節ロボットで群を抜く企業。工作機械用NCにおいては世界一、約50%のシェアを有すると言われ、国内シェアは実に70%にも達する。産業用多関節ロボットでも、世界で第3位、18.4%のシェアを握る。
・そのため、競合他社に対して圧倒的競争優位を示しており、またCNCやサーボモータなどの内製化や、自社製の産業ロボットの効率的な活用により利益率が高い。
・2008年3月期の連結業績をみると、売上4684億円(対前年比11.16%増)、経常利益2100億円(対前年比17.03%増)、つまり、売上高経常利益率が44.83%であり、製造業では屈指の水準である。
●とにかく黄色いファナック、ロボットだけでなくおしぼりまで黄色
前述のように私はそれほど関わりあったわけではないんですけど、やたらと「黄色いなぁ」という印象はありました。実際、「ファナックに関わるモノはことごとく黄色い」と書いている記事がありました。
代表例とされていたのが、日産自動車やスズキ、いすゞ自動車の工場でクルマを組み立てているロボット。また、大田区や東大阪市の町工場には扉の黄色いファナック製の工作機械がよく置いてあるとのこと。機械の修理にやってくるサービス員のクルマも黄色いし、本社で働く社員の制服も黄色。
山梨県忍野村にある工場群の外壁も鮮やかなまでに黄色いし、来客用のおしぼりや弁当の箸袋も黄色だというからこだわりがすごいです。ちょっとやりすぎなくらいですね。
●ファナックのロボットが黄色・ローソンが青・吉野家がオレンジの理由
企業が色にこわだる意味は何でしょう。ファナックとは異なる一般人向けの産業であれば、この説明は比較的わかりやすいと思います。
例えば、マクドナルドは赤字に黄色、吉野家はオレンジ、ローソンは青…。外食チェーンやコンビニエンスストアについて考えるとき、それぞれの店が使っている色が思い浮かぶことは少なくありません。青い看板の文字がはっきりと見えなくても、「2つ先の交差点にローソンがある」と察する人も多いでしょう。色は企業を表す重要な要素になっています。
ただ、ファナックは前述の通り、誰もが知っているという一般人向けの企業ではありません。プロ相手の企業。このような企業が色にこだわる必要はなさそうな気がしました。ところが、記事によると、結局同じような効果が期待しての色の統一みたいですね。
こうした徹底ぶりにより、工場の生産技術者などモノ作りに携わる人は大抵、この色を見るだけでファナックという企業を思い浮かべるように。日本だけでなく、米国の自動車会社や欧州の機械メーカー、中国や台湾のEMS(電子機器の製造受託サービス)にとっても、「ファナックと言えば黄色」「黄色と言えばファナック」だ。どの国の機械見本市でも、黄色い方角を目指せばファナックのブースにたどり着く…といったことになっています。
ファナックの関係者によれば、創業初期は黄色くない商品もあったが、今は食品工場向けの白い搬送ロボットなどを除けば黄色が徹底されているということです。
●宗教的なほど黄色黄色なファナックで緑のロボットが登場!
…といった話だったのですけど、実を言うと、上記の話があった記事は、
ファナックの黄色くないロボット:日経ビジネスオンライン(佐藤 浩実 2014年4月22日)というタイトルでした。宗教的と思えるほど黄色だらけのファナックの「黄色くないロボット」というのがテーマだったんですよ。徹底して黄色のはずが黄色くないロボットが出てきちゃいました。
。当時の新商品発表会で披露されたロボットで1台だけ、全く黄色くないロボットがいました。「若竹色」というのがぴったりな薄い緑色。黄色いロボットと黄色い制服の社員が溢れる会場のなかで目立ちまくりです。
この緑色のロボットは黄色いロボットと形はほとんど同じ。ただし、動きが緩慢であるため、違いが明らかにわかりあmす。また、手で触れると鋳物の肌触りではなく、表面がやわらかいスポンジになっていることもわかります。ロボットが動いているときに動線上に腕を伸ばしてぶつかっても大して痛くないし、内蔵した力センサーが反応してロボットも止まりました。
このロボットは、すぐ近くに人がいても、安全柵を設けずに使えるようにした「協調ロボット」というタイプのロボット。重たい荷物をロボットから人に受け渡したり、人が用意した部品をロボットが受け取って組み立てたりという使い方を想定。従来のロボットは基本的に人のいない場所で働くので、特徴が大きく異なっています。
●外観が黄色い試作品ロボットにあった「致命的な欠点」とは?
ここまで読んでも察しの悪い私は黄色にしなかった理由が思いつきませんでした。しかし、以下のようなわけだったそうです。
ロボット事業本部の森岡昌宏協調ロボット開発部長によると、まず「開発の途中では外観が黄色い試作品も作ってみた」とのこと。しかし、以下のように致命的な欠点があり、緑のロボットが誕生したとのこと。
「工場に並んでいると一見、どれが一般のロボットでどれが協調ロボットか分からない。もし間違えてしまうと危ないので、はっきりと、安全をイメージできる色にする必要があります。そこで緑色のロボットを作ったんです」
外観を黄色くすると、人と一緒に働かない従来型のロボットと瓜二つ"危ないってことですね。で、一般の人にどれくらい浸透しているかはわからないものの、工業的には通常「安全」の色として認識される「緑色」を選んだようです。
<緑十字(りょくじゅうじ、みどりじゅうじ)は、日本において安全および衛生の象徴として用いられる十字のマークである。工場や工事現場などで、旗や看板などにかかれたものを見かけることが出来る。また、安全第一と言う言葉の「安全」と「第一」の間に緑十字が配置されることが多い>(
Wikipediaより)
●緑十字など…現場では「緑色は安全の色」というイメージが定着
この緑が安全のイメージってのも、色とイメージの話。なかなかおもしろいですね。なお、上記で引用した「緑十字」は昔あった医薬品メーカーの「ミドリ十字」とは関係ないんじゃないかと思います。
株式会社ミドリ十字(ミドリじゅうじ、Green Cross Corporation)は、かつて存在した日本の医薬品メーカー。内藤良一によって創業されたベンチャー企業であった。1950年11月に民間血液銀行日本ブラッドバンクとして設立され、 1964年に株式会社ミドリ十字に商号を変更。(中略)
ミドリ十字は、血液製剤の企業として安定した収益があったので合併先には大手製薬会社の名前も取りざたされたが吉富製薬と合併して法人格は消滅した。その後医薬品業界の大再編時代で三菱ウェルファーマとなり、医薬品業界の合併を経て現在は田辺三菱製薬となっている。
Wikipedia
安全の方の緑ではそのものズバリな「ミドリ安全」という会社も見つかりました。名前を覚えていませんでしたが、シェアの大きい会社らしいので、私も知らずに使っていたかも。聞いたことがある気もしてきました。
ミドリ安全株式会社(みどりあんぜん)は東京都渋谷区広尾に本社を置く、産業用安全衛生保護具・環境改善機器・電気計測器など安全衛生に関連する機材の製造販売を行う企業である。企業規模としては安全衛生保護具業界最大であり、特に安全靴及び、ワーキングウェア(作業服)については国内トップシェアである。また、安全衛生に関するコンサルタント業務も行っている。※第一種衛生管理者合格者数 961名 (2014年4月20日現在)
Wikipedia
最後は違う話になりましたが、企業カラーというのはおもしろく、まだいろいろと書けそうな気がします。
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