●不登校の子と共働き・母親の仕事やしつけの厳しい家庭との関連性
2014/5/28:ジャーナリストの池上正樹さんの書いた2014年4月3日のダイヤモンド・オンライン記事によると、宮城県石巻市は、現在日本でも有数の不登校の多さだとのこと。以下のようなデータが載っていました。
<文科省の調査によると、宮城県では2012年度、とくに中学校の不登校生徒が2056人に急増(前年度より142人増加)。不登校出現率が3.14%に上り、全国ワースト1となった。
不登校者の追跡調査を行っている宮城県教委は、急増の原因について、担任教諭らへの調査から「震災の影響が少なからずある」と分析している。
一方、石巻市は、2012年度の小学校の不登校出現率が0.57%。中学校では4%強の100人に4人以上という、ワースト1の県内でもさらに「高い出現率」(市教委)となった>
http://diamond.jp/articles/-/51101 さらにランダムに抜き出した不登校調査のよると、1割程度が不登校傾向にあることがわかったとのこと。しかし、このアンケート調査の内容の方が問題だと指摘されているんですよ。石巻市は「震災前から、不登校者の数が多かったので、何とかしなければいけないという思いが、委員会のメンバーの中にも強くあった」と言っています。震災でもたいへんだったでしょう。
ですから、あまり言いたくないのですが、この不登校把握のアンケートがあまりにもひどすぎます。それこそ東日本大震災の被害者のことを考えれば、到底できないような質問をアンケートに乗せていました。以下のような配慮のない質問をしていたのです。
<このアンケートは、保護者の方がご回答ください>
<ご両親と相談なさることは構いませんが、お子さんには質問せずに、ご自身の考えや感じていることをご記入ください>
→ 回答者に子供の親を想定しているようだが、震災で両親とも亡くなっている例がある。
最初の設問から
<1 お母さんの仕事の状況について>
<※この質問は、お母さんがお答えください。>
→ 震災で母親が亡くなっている例は、当然それよりさらに多い。
先ほどの石巻市の「何とかしなければいけないという思いが、委員会のメンバーの中にも強くあった」という言葉も素直に信じていいのやら?と思うほど、配慮に欠けています。
また、このアンケートでもう一つ問題点が指摘されていました。最初の「お母さんの仕事の状況について」という設問からも想像できるように、「母親の愛情不足や家庭内の養育状況に不登校の要因があるのではないかと決めつける認識」であることです。これは震災被災地であるなし関係なく問題があります。
このアンケートにおいては、結局石巻市が理由だと決めつけていた「母親が仕事に就いていたかどうかや仕事の勤務状況など」では、不登校傾向にあるかどうかの差が見られませんでした。無関係であることを証明した形です。さらに、作者が「瓢箪から駒」と表現するある傾向がアンケートで判明しました。この記事は、<不登校の小中学生の家庭ほどしつけに厳しかった!?被災地・石巻市の調査で見える「不登校率1割」の背景>というタイトルだったのです。
<関係者の予想に反したのが、不登校傾向にあると答えた保護者は、養育に際して、礼儀や規律、勉強などのしつけを厳しくしてきた割合が、通常通り登校している家庭に比べると多く、子育てへの関心も高かったことだ>
私がこの記事を読み始めた理由はこのしつけの話に関する興味でした。ただ、記事ではほとんどその内容には触れておらず、中身がよくわかりません。仕方ないのでしつけと不登校について、別の話も検索。以下も結局きちんと統計をとったものではないので信頼性はいまひとつですが、方向性としては同じものでした。
・やさしい虐待 | 不登校の相談・支援・カウンセリングならNPO法人輝け元気!
<もし、毎日のように塾や習い事に行かせたり、いつも百点を取るように励ましたり、毎日しっかりと宿題や勉強をやらせたり、こんなどこの家庭でもやっていそうなことが「虐待」だと言ったら、あなたは驚きますか?
もちろん、こういう「しつけ」をきちんとやっている家庭がすべて子供を虐待しているなんて言っているのではありません。
でも、なぜなのか、人がうらやむような素晴らしい親子関係の素晴らしい家庭で、親孝行の素晴らしい子供が突如として学校に行けなくなると言う事態が起こるのです>
http://www.kagayake.org/ac2.html こういった子供は「自分の事、好き?」と聞くと、たいていは「嫌い」などと言うそうです。しかし、「お母さんは好き?」と聞くと、「好き」や「大好き」と答えるそうです。この質問からだけでも、何となく理由が想像できそうなもの。こちらのサイトもどれくらいの裏付けがあるのかな?と思うものですが、興味深い話ではあります。
ただ、困ったことに、以前問題になった「体罰」など、「しつけ」の問題は研究としての確かさよりも、「政治」「信条」といったものが優先されてしまうこと。こういうのは「宗教」みたいなもので、他人がとやかく言ったところで変わりません。
そうなってしまうという気持ちもわからなくはなく、なるべく認めてあげたいとは思うのですが、「子供のため」という大義名分を掲げながら、「子供のため」ではなく「自分のため」の選択になっていると言わざるを得ません。
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