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怪我を防ぐはずのストレッチが逆効果?パフォーマンス低下も…


 ストレッチの話をまとめ。<怪我を防ぐはずのストレッチが逆効果?パフォーマンス低下も…>、<ストレッチありなしの比較研究があった!怪我は増えた?減った?>、<突然ストレッチを辞めると怪我が増えてしまう理由が想定外すぎ…>、<柔軟性向上には効果あり…あのヨガもストレッチの一種だった!>などをまとめています。

2023/01/12追記:
●ストレッチありなしの比較研究があった!怪我は増えた?減った?
●突然ストレッチをやめると怪我が増えてしまう理由が想定外すぎ…
2023/07/21追記:
●柔軟性向上には効果あり…あのヨガもストレッチの一種だった! 【NEW】


●怪我を防ぐはずのストレッチが逆効果?パフォーマンス低下も…

2022/12/04追記:以前、ストレッチが逆効果…と聞いて、衝撃を受けたことを思い出して検索。運動前のストレッチで「逆にケガをしやすくなる」? - ねとらぼ[石原亜香利,ITmedia 2015年09月22日]という記事が出てきました。

<「運動をする前はしっかり準備運動とストレッチをしないとケガするぞ」学生時代、体育の教師から散々聞いたこの呼びかけ。きっと大人になった今でも、運動をする前にはこの言葉がよみがえり、屈伸や手足の曲げ伸ばし、アキレスけんストレッチなどを欠かさず行う習慣のある人は多いでしょう。しかし、それは迷信だという説が、近年主張されています>

 運動前にやるべきなのは、ストレッチではなくウォーミングアップだとのこと。体温を上昇させて心拍数を上げ、激しい運動の肩慣らしをするのです。一方、しかし、ストレッチは、身体の一部をじっと伸ばすだけで、心拍数も体温の上昇もほとんど見られず、ウォーミングアップ的なメリットはないといいます。

 それどころか、記事の書かれた時期の10年ほど前、単純に10年前とする2005年あたりから海外ではむしろ「運動前にストレッチを行うと、パフォーマンスを下げケガにつながる」という研究報告があり、今では常識レベルだとされていました。ただし、ストレッチでも良いストレッチと悪いストレッチはあるといいます。

<良くないのは、じっくり筋肉の筋を伸ばすような静的ストレッチ。特に強い伸縮を行う静的ストレッチの場合、関節の可動域が低下するため、かえってその部位の動きを妨げてしまうという事態に。ハードな運動の前には、パフォーマンスを下げる大きな要因になってしまうといわれています。実際、静的ストレッチを行った後、短距離走や垂直跳びの記録が著しく落ちたという研究報告もあるそうです>


●静的ストレッチで怪我…は本当なのか?混同している可能性は?

 上記はストレッチがパフォーマンスに与える影だけの話。私が知りたいのは怪我の方でした。怪我を防ぐために行っていた静的ストレッチが余計怪我を増やしていたとなれば、インパクトがでかいです。ただ、この記事では、そこらへんの研究は前述のさらっとした記述のみだったんですよ。

 記事で書かれていた<海外では10年ほど前から「運動前にストレッチを行うと、パフォーマンスを下げケガにつながる」という研究報告があり>という記述からすると、怪我についても報告があるのかもしれませんが、記者がパフォーマンスの問題と混同している可能性も感じました。

 パフォーマンスについては、<静的ストレッチを行った後、短距離走や垂直跳びの記録が著しく落ちたという研究報告もあるそうです>という補足があったのでかなり確かな感じ。私は怪我の方もこのように補足してもらいたかったのですが、最後は動的ストレッチをした方が良いという話で終了。結局、本当に怪我が増えるのか確証を持てませんでした。

<では、パフォーマンスを高めたい運動の前には、どのような準備体操を行えばいいのでしょうか? 簡単にいえば動的ストレッチ、いわゆる軽いランニングやそのスポーツで行う一部の動作などの、動きのある“ウォーミングアップ”が最適だといわれています。また、運動後も同じようにウォーミングアップを行うことで、よりリラックスできる効果も報告されています>


●ストレッチありなしの比較研究があった!怪我は増えた?減った?

2023/01/12追記:前回の記事だとはっきりしないところがあったので、別記事も探してみました。今回検索で見つけたのは、「ランニング前のストレッチには害も益もない」という説 | ライフハッカー・ジャパン(2010.09.06)という記事。こちらでは研究の結果が紹介されており、意外に信頼性が高いものでした。

<ランニング前に欠かせないストレッチ。ケガの防止につながるというのが「通説」とされていますが、運動前のストレッチの是非は、スポーツ界では長年の議論の的でもあります。
 米紙「ニューヨークタイムズ」では、いくつかの研究結果をもとに、ランニング前のストレッチの是非について、採りあげています>

 研究を行ったのは、米国陸上競技連盟(USA Track and Field)。13~60歳の1,400名を対象に比較実験を実施しています。以下のようにストレッチありのグループとなしのグループで比較しているちゃんとした実験を行っていました。結果、ストレッチは怪我を増やしも減らしもしない…というどっちつかずになっています。

<被験者を2グループに分け、片方のグループはストレッチなしで、残りのグループは、スタティックストレッチ(Static Stretch)で、ふくらはぎや大腿二頭筋・大腿四頭筋などを伸ばす運動をして、それぞれ3ヶ月間、ランニングをさせました。すると、ストレッチしなかったグループも、ストレッチをしたグループも、それぞれ16%が怪我をし、1週間程度、ランニングを休んだとか。この結果から、ストレッチは怪我の予防にならないが、怪我を引き起こすものでもない、という結論が導き出されたそうです>


●突然ストレッチをやめると怪我が増えてしまう理由が想定外すぎ…

 記事によると、多くの研究結果では、運動前のスタティックストレッチは、怪我の予防につながらないのみならず、パフォーマンスを妨げる可能性がある、と指摘されているとのこと。これは前回もあったパフォーマンスの問題であり、「多くの研究結果では」とあるので確定的でしょうね。

 一方、ストレッチについては、ランニングで起こりがちな、筋肉などへの酷使による怪我の防止には、多少なりとも効果がある、という報告もあったといいます。ただ、前述の研究は1,400名を対象にした大規模なものであり、こちらの方が信頼性が高そう。パフォーマンスと合わせて考えると、デメリットの方が大きそうです。

 ところが、米国陸上競技連盟の研究によると、運動前のストレッチを習慣にしていた人が、急にストレッチを止めると、怪我する割合が高くなった…ともいいます。これはストレッチ効果というよりは、習慣の問題だとのこと。以下のように書いており、癖になっている人は続けた方が良いということでした。

<従来のルーチン(引用者注:決まりきった型通りの動作・日課)に体が順応しているので、その流れを急に崩すと、怪我につながりやすいそうです。つまり、ストレッチ自体はやったところで大きな害はないので、これまで習慣にしてきた人は、ストレッチを継続したほうがよいようです>

 これらの話を読んで混乱してきた人もいるかもしれませんので、最後にちょっとまとめておきましょう。なお、以下で言うストレッチは厳密に言うとすべて「静的ストレッチ」であり、ウォーミングアップ的なストレッチ、動的ストレッチならやった方が良い…というのは前回書いたとおりです。

(1)ストレッチに怪我を防ぐ効果はないが、怪我を増やすデメリットもない。一方で、ストレッチでパフォーマンスが低下することは確かめられている。
(2)ストレッチの習慣がない人は、(1)の理由により、無理してストレッチを行う必要はない。
(3)ストレッチによりパフォーマンスは低下するものの、ストレッチの習慣がある人は、突然今までと違う行動をとると怪我をしやすくなるので、ストレッチを続けた方が良い。


●柔軟性向上には効果あり…あのヨガもストレッチの一種だった!

2023/07/21追記:もうちょっと調べておこうと検索。すると、静的(スタティック)ストレッチに極めて好意的なストレッチングの実際 | e-ヘルスネット(厚生労働省)というページを発見。厚生労働省のページなので本来ならこっちを信じた方が良い気がしますが、研究などに言及がない点は弱いと感じました。

<ストレッチングは実施方法によって4つに分類することが出来ます。関節の動きの有無により静的(スタティック)か動的(ダイナミック)かに分かれ、一人(セルフ)で行うか二人組(パートナー)で行うかによっても分かれます。柔軟体操とかつては言っていましたが、その概念と大きく違いはありません。また、最近人気が高いヨガ・ピラティス(引用者注:ピラティスはヨガと似たエクササイズ)もストレッチングの範疇に入ります。
 健康づくりの現場では安全第一で、傷害のリスクが少ないスタティックストレッチングが用いられることが多いようです。柔軟性の向上の効果に関してはスタティックストレッチングがダイナミックストレッチングに劣ることはないことがわかっています。パートナーストレッチングは補助者に高い技術を求められることが少なくないため、安全に実施するという観点からセルフスタティックストレッチングが勧められます。>
(宮地 元彦 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部 部長)

 ただし、ここで書いていたのは、「柔軟性の向上の効果に関しては静的ストレッチは動的ストレッチに劣らない」といったこと。条件を限定した書き方であり、その場合なら有効という説明です。そもそも目的が異なっているために、以前の話と雰囲気が異なるのかもしれません。また、正しかったとしても「劣らない」程度です。

 あと、おもしろかったのが、上記でヨガもストレッチの一種だと説明されていたこと。へー、、そうなんだと思った話です。ただ、ヨガというと、以前、ヨガの先生も健康どころか怪我多く危険と告白 科学的根拠もないをやっているので、これまた安全性や根拠が気になってきてしまう情報でしたね…。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ヨガの先生も健康どころか怪我多く危険と告白 科学的根拠もない

【関連投稿】
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