2022/09/09追記:
●日本でまた園児置き去り死亡事故 アメリカでは発生しづらい理由 【NEW】
●「注意すれば大丈夫」という精神論ではなくしくみや規制で対応 【NEW】
●日本でまた園児置き去り死亡事故 アメリカでは発生しづらい理由
2022/09/09追記:静岡県牧之原市の幼稚園で、園児を送迎するバスが幼稚園に到着したあと、本来ならばバスを降りるはずの3歳女児がバスから降りてこなかったのに確認せず、取り残されて熱射病で亡くなる事故がありました。日本では少し前にも同様の死亡事故があり、またしても…という話です。
今回のバスは、トヨタのハイエースコミューターという少し大きめのハイエース。バスとしてはかなり小さいためか、確認していれば気づかないのはあり得ない…と同じ幼稚園で運転していた元運転手が話していました。専門家によると、幼稚園で幼児の数を確認していれば防げた事故で、二重にミス(手抜き?)が重なったとしています。
ということで、二重チェックだけで防げた可能性が高く、そこまで大規模な改革は必要ないかもしれません。ただ、<幼稚園バス3歳児置き去り死、防ぐには? 「スクールバス王国」アメリカ 安全策は意外にアナログ でも確実>(22/9/8(木) 7:24配信 AUTOCAR JAPAN 加藤久美子)で紹介されていたアメリカの対策には、感心するものがありました。
<スクールバス王国、といえるアメリカでは小学校1年生(5歳~)から17歳まで約9割近くの児童生徒は自家用車またはスクールバスを利用して登校する。(中略)「車内置き去り」に対してアメリカではどのような対策が講じられているのだろうか?
アメリカのスクールバス製造会社大手「ICバス」が標準装備している「Leave No Student Behind」(後ろにいる子どもを置き去りにしない)(中略)
朝、子どもたちを乗せたバスが学校に到着し子どもたちが降車するのを見届けると、ドライバーはエンジンキーをイグニッションから抜く。その瞬間からバス内にアラームが鳴り響く(10分以上の走行後のみ)。このアラームを消すためにドライバーはバスの最後部まで歩いてアラームを解除(リセットボタンを押す)する必要がある。
リセットボタンを押す際に最後部まで行く間、一席ずつ確認して子どもが眠ったまま残っていないか? シート下に隠れたりしていないか? 確認しながら歩くことになる。カメラやセンサーではなく、ドライバーが一席ずつ歩いて子どもたちが車内に残っていないかを確認する。そして、ボタンを押すという作業を最後におこなう。その後、ふたたび運転席に戻るまで、もう一度シートや車内を確認することもできる。アナログなシステムではあるが、確実に子どもの置き去りを防ぐことができる。>
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ff34b56abeaf1eb3cb23e6dca3fdd8137aeca4d
前述の通り、二重チェックだけで防げた可能性が高いのですが、それを面倒くさがるから死亡事故が起きたわけです。人間は不正や手抜きを行いやすいんですよ。その点、アメリカは人をあまり信用しておらず、アラームを鳴らすことによって無理やり確認させるしくみを導入。これでも手抜きやズルをする人はいるでしょうが、発見できる確率は上がります。
●「注意すれば大丈夫」という精神論ではなくしくみや規制で対応
「注意すれば大丈夫」という精神論ではないアメリカの工夫というのは、他の点でも見られました。日本人は「アメリカ人と違って真面目で道徳心があるから大丈夫」と言いたい人もいるでしょうが、実際、死亡事故は起きていますからね。人間の悪い習性を考慮し、日本でもしくみや規制で対応してさらに良くすることができそうです。
<(引用者注:日本の国交省自動車局にあたる)NHTSAが定めた保安基準がFMVSSであるが、スクールバスに関してはあらゆる自動車の中で最も多くのFMVSSが関わってくる。(中略)
その(引用者注:保安基準の)1つに、スクールバスが停車して子どもが乗降しているときに出される『ストップアーム』がある。(中略)巨大で視覚的にも物理的にもクルマがスクールバスの横をすり抜けることを阻止する。
なお、日本は幼児バスの横を通るときは「徐行」だが、アメリカではスクールバスの追越は厳禁でバスが動くまで他のクルマは待つ必要がある>
<アメリカのスクールバスは厳格に定められた多くの技術基準のおかげで、シートベルトがなくても衝撃を吸収し、子どもたちに影響がない構造となっている。しかし、同じアメリカでも日本で多く使われているミニバンタイプのスクールバスはシートベルトやチャイルドシートの装備、着用が義務付けられている(引用者注:日本はどのバスでもシートベルトは不要という基準だそう)>
<ドライバーに対する規則も非常に厳しい。3歳女児を死なせた幼稚園バスを運転していたのは、臨時で園の経営者だったとのことだが、アメリカではこういうケースはあり得ない。(中略)多くのトレーニングを受けて数々の試験に合格して資格を得たドライバーじゃない限り、スクールバスの運転はできない決まりがあるからだ。(中略)そもそも日本ではスクールバスや幼児バスの運転に運転免許証以外、特別な資格は不要>
●日本と違ってレベルが低い?自閉症の子供に対するアメリカの警察の対応がすごい
2014/5/31:以前書いた
企業のTwitter利用の難しさ 警察が写真募集→暴力警官の写真だらけでは、<NY市警の「ツイッター広報」裏目に、警官の暴力写真であふれる>(AFPBB News 2014年04月23日 12:35)という記事を紹介していました。
< NYPDはツイッターの公式アカウント「NYPD News」で、「NYPDの職員と一緒に撮った写真をお持ちですか?(中略)」と呼びかけた。
楽しげで低コストな広報効果を期待したものだったが、その結果は市警の目算とは程遠いものだった。
ツイッター上では、デモ参加者を拘束する警官を撮影した写真の数々が拡散。中には、手錠をかけられた若い黒人女性の髪を引っ張る警官や、交通規則を無視して道路を横断したことで呼び止められた84歳の男性が顔から血を流す姿を捉えた不快な写真もあった>
http://www.afpbb.com/articles/-/3013342 これはアメリカの警察だからこそ!という感じで、アメリカ警察のモラルの低さの現れでは?といった見方があったんですよね。
はてなブックマークでは、「これツイッター広報が裏目に出たというよりは日頃の警官のモラル育成の失敗が表目に出たんでは。」というコメントが出ていたのです。
一方でコメントでは、"アメリカの警官は自閉症の子供を勇気付けたかと思えば市民に暴行を加えたりとやることが極端ですな"というものもありました。アメリカの警察はハイクオリティなところもあるのです。おそらくこのコメントは、
自閉症の子供がレストランに来たらどうするか?アメリカの警察恐るべし - 自閉症児 渡の宝箱 2014-04-16というブログを踏まえたものだと思われます。ざっと、経過を書くと、こんな感じです。
(1)自閉症の息子が突然ホームセンターでいなくなり、従業員専用の休憩場に入ったのでは?と思う。
(2)立ち入って探していいかをお店の人に確認すると、許可だけでなく、911番(緊急通報用電話番号。警察や消防など)に連絡。
(3)さらに店舗をロックアウト(立ち入り制限)。
(4)911の電話に対応している最中に、隣の店から息子がひょっこり登場。
(5)警察に怒られるかと思ったが、すぐに身体に痣や怪我がないか確認するように言われる。(暴行、誘拐未遂の可能性の考慮)
作者は"目を離したということで、日本だったら私は警察の人に怒られまくる"と動揺していたそうですが、パトーカーが何台も来て大ごとになったにも関わらずお咎め無し。それどころか、「今回とった行動は100%正しい」から同様のことがあれば「すぐに連絡してください」と言われたそうです。
ホームセンターの人にしても、警察の人にしても非常に理解があります。一部のエピソードを略しているので私のまとめを読んでもそうはならないと思いますけど、私はもとの文章の方を読んでいて涙が出てきました。
●アメリカのお店で迷子が出たら、出入り口は全部シャットアウト
この話を知ったのは、
迷子が出たら店舗を完全にシャットアウトするのがアメリカ - 最終防衛ライン2 2014-05-22というブログ記事でした。こちらでは”店舗で迷子が出たら、出入り口を完全にシャットアウトするのは通常の対応なのです"としており、アメリカでの迷子の対応の良さは、"自閉症の子に限らないのではないかと書かれていました。本当かな?と思う話ですが、同ブログでは以下の記事も紹介しています。
・外で子供が迷子になったらアメリカ人のお母さんたちはどうするの? | 美容ブログ [女性の美学]
<アメリカのスーパーや量販店は大型店が多いので一旦子供とはぐれると大変です。店員やセキュリティーガードへすぐに子供がいなくなったことを伝えます。
するとお店側は店内放送で子供がいなくなったことを伝えますが、このときお店側の人しかわからない暗号や音楽で伝えると言います。すると店員がまずすることは驚くことにお店の出入り口を一時、全部シャットアウトしてしまうのです。
この間、他のお客さんたちのお店への出入りはセキュリティーガードや店員のチェックを受けます。お店を出るときに探している子がいないか厳重にチェックします。これは連れ去り=誘拐防止のためらしいです。
子供は店内にいる分にはまだ、見つかりやすいですが、何らかの形で外に出てしまったらアウトだということ、そういうわけで大事な対応策の一つだという話を聞きました>
http://josei-bigaku.jp/lifestyle/amerikamaigo0482/ マジみたいですね。なお、この記事によれば、ヘリが出動することもあるとのこと。夜になっても帰ってこない息子を心配した親が警察に電話すると、ヘリを飛ばしその子の自宅近辺をライトで照らしながら捜索したことがあったといいます。こういったアメリカの進んだ迷子対応をするに至ったのは、あまり歓迎できない事情もあるようですが、そこらへんは、次の
迷子紐と児童虐待 子供を迷子にしてしまうことこそが児童虐待?で。とりあえず、迷子の子供や家族に対する真剣な姿勢は評価されて良いと思います。
【本文中でリンクした投稿】
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