ギフテッドの話をまとめ。<早期教育でギフテッドに…は大嘘 賢い子という理解も誤解招く>、<日本人ギフテッド14歳天才児大川翔 カナダの大学など獲得競争で奨学金を用意>、<カナダは外国人であっても税金で特別に支援>、<叩かれたり商売に利用されたりする天才児たち…>などをまとめています。
2022/11/16追記:
●IQ150で高IQのギフテッド、職場のお荷物でわずか1年でクビになる 【NEW】
●IQ150で高IQのギフテッド、職場のお荷物でわずか1年でクビになる
2022/11/16追記:<IQ150でも職場のお荷物に? 知られざる高IQ・ギフテッドの悩み>(日刊SPA! / 2022年8月27日 8時54分)という記事が目に止まり、こちらで紹介するために読んでみることに…。日刊SPA!なので、信頼性は大丈夫なのか?と心配になるところはあるんですけど…。
JAPAN MENSA会員であり、IQ150の認定を受けた藤井達也さんは、横浜国立大学理工学部を中退して就職。採用試験の一環で受けた「TG-WEB」という適性試験の言語及び数理に関する判断推理力検査では、歴代受験者で最高得点でした。ここまでは順調だったものの、この会社をわずか1年でクビになります。
<原因として思い当たる節はあった。仕事におけるコミュニケーション能力の不足だ。
話の要点を掴んだり先読みしたりする素質があると言いながら、コミュニケーション能力が不足しているというのは矛盾しているのではないか? 私も最初はそう思ったのだが、よくよく考えるとそうでもないことに気づく。話を先読みするがゆえに、話が嚙み合わなくなってしまったのだ。
とある日のこと。「それってどちらの話のことですか?」と話の分岐点を探るため上司に確認を取ることがあった。すると「〇〇のことに決まってるじゃん」と怪訝な態度を取られた。自分としては、物事を場合分けして考えたところ、二通りの可能性が存在した。しかし、彼の中では一通りの解釈になる、という様子だった。
確認のために聞いているのに不快な表情をされる。このようなことが積み重なり、自分の疑問を伝えるのが億劫になった。ついには、「そもそも会話しても無駄だ」と考え、コミュニケーション不足となり、会社にとってお荷物の状態に陥っていた。「素質」だと思っていた部分が、ここでは仇となってしまったのだ>
https://news.infoseek.co.jp/article/spa_20220827_01854085/
「IQが高いなら相手から何が求められているか分かって、それに対して何をすればよいか分かるものなんじゃないの?」 と思うかもしれませんけど、実は違うという話。これはわかりますね。例えば、無知な人ほど断定する一方、様々な可能性を考えられる人ほど断定的にものが言えない…といった傾向が見られます。
前述のケースの場合、対策としては、やはりコミュニケーションでカバーする方法しか思いつかず。別の可能性を考えたことをきちんと相手に伝えれば、「そういう考えもあったか!」とむしろ感心してくれる人もいます。「人もいます」というだけで、「めんどくせー奴」と嫌う人もいるので完璧な対策ではないですけどね…。
●早期教育でギフテッドに…は大嘘 賢い子という理解も誤解招く
2014/6/1:いわゆる「ギフテッド」の話ですので、先に
Wikipediaの説明を。こうしたギフテッドや天才児については、誤解も多くなっています。Wikipediaの説明は、ギフテッド (Gifted)は先天的に平均よりも顕著に高い能力を持っている人のこと、またその能力を指す言葉としていました。
外部に対する世間的な成功を収めることではなく、内的な学び方の素質・生まれつきの学習能力を持つことを指す、とされています。その人物における高能力の傾向は誕生時から生涯にかけて見られるとも書かれていました。難しい言い方ですが、成功者=ギフテッドということではなく、高い学習能力そのものが特徴のようです。
ギフテッドは、日本だと英才児、優秀児、天才児などと訳されているみたいですね。ただ、この訳がまずいのかもしれません。日本ではそのような子供を「飛び級できるような賢い子」という一面でしか捉えられておらず誤解が生じているため、Wikipediaのでは敢えて訳さずギフテッドと呼称していました。
最も多い誤解というのは、先の説明の中にあった「先天的に」「生まれつきの」を無視してしまうパターン。ギフテッド (gifted)というつづりを見てわかるように、贈り物を意味するギフト (gift) が語源で、神あるいは天から与えられた資質、つまり生まれつきの神経系の特質と言えます。
このため、「ギフテッドの才能を伸ばす」という言い方ならできるのですが、「こうすればギフテッドになる」とは言えません。早期教育で他人よりも早く多くマスターする先取り学習によって、ギフテッドに成長するようなこともないのです。ここらへんが誤解され、金儲けの教育商売にも利用されています。
なお、精神的に特異であるという点ではギフテッドも特別支援教育の範疇にあるともありました。ここも注意が必要かもしれないところで、誤解もされてしまいそうなところ。ギフテッドは問題児…という意味ではありませんけど、精神的にケアが必要となる場合がありそうでした。
●日本人ギフテッド14歳天才児大川翔 カナダの大学など獲得競争で奨学金を用意
では、本題。もともと紹介したかったのは、
14歳の天才・日本人少年をカナダのトップ大学が奨学金付きで獲得合戦- 日刊SPA!(2014年5月30日09時02分)という記事でした。
カナダ在住の14歳の日本人少年が、この春カナダ国内のトップ大学5校に合格して、現地で大きなニュースになっていたとのこと。大川翔という少年です。 日刊SPA!では、彼への単独インタビューに成功。インタビュー時点では、中学高校と飛び級して、現在はブリティッシュ・コロンビア州にあるトーマス・ヘイニー高校の3年生でした。
本来は受験資格年齢に満たないところを、システムを変えて受験できるようにした大学や、3学年飛び級(平均点99%)を知ってわざわざスカウトに来た大学もあり、この3月までに“カナダのハーバード”とよばれるマギル大学をはじめ、ブリティッシュ・コロンビア大学、トロント大学、サイモン・フレーザー大学、ビクトリア大学に合格したといいます。
そして、"すべての大学から返済不要の奨学金付きオファーが来ており"、獲得合戦の真っ最中。奨学金に加えて「リサーチ・アシスタントという給料付きの仕事」までつけている大学もあるようです。
下世話な話ですが、この奨学金の金額について。一番高いところは「3万4000ドル」とありました。普通ただ「ドル」と書くと米ドルなんですけど、カナダにはカナダドルがあります。なぜ日刊SPA!は明記しなかったのでしょうか。とりあえず、米ドルなら今のレートで345万円。カナダドルでもあまり変わらず329万円です。
●カナダは外国人であっても税金で特別に支援
"5歳の時に両親の仕事の関係でカナダへ"行った大川翔さんは、9歳のときにギフテッド登録されたそうです。私が感心した点、これを取り上げようと思ったのは、この後にあった話。"通常の学校教育とは別にギフテッド・プログラムも公費で受け始めた"というところです。
日本では大学の留学生獲得競争に力を入れることに対して、なぜ日本人ではなく外国人にお金を使う…という不満が必ず出てきてます。東大の秋入学検討にもそういった観点からの批判がありました。カナダでもそう言う人はいるのかもしれませんが、こうして外国人の子に税金を実際に使えているってのはすごいなと思いました。
大学の獲得競争というのは、まんま今回の件でもそうなのですけど、ここらへんも日本なら排他的な意見が出たところでしょう。
●彼が評価されたのは勉強ができるだけじゃない
なお、彼は"英語のスピーチコンテストやライティングコンテスト、数学コンテストなどで多数優勝している"そうですが、"北米の学校では、単に勉強ができるだけではなく、スポーツやボランティアなど幅広い活動が求められる"そうです。
そして、実際に高く評価されたのでわかるように、勉強以外の点でも彼は優秀でした。その点はインタビューの発言からもわかります。
「僕の高校は、それぞれの生徒にあったスピードで学習することができるし、自由な校風で、大学に近い感じです。勉強はもちろん、化学や物理の実験、牛や羊の解剖実習、3歳から始めたピアノや、もうすぐ黒帯(初段)の空手(国際明武舘剛柔流)の他に、ボランティア活動にも力を注いでいます。たとえば地元の英語の苦手な子供たちに英語の読み方指導をしたり、シニアの方々にWindows8やiPadの使い方を教えたり、行動障害のある子供たちに空手を教えたり、環境保護活動をしたり……。勉強ができるだけではこちらでは尊敬されません。高校生であっても、社会に貢献することが求められています」
将来については以下のように話しています。
「以前は素粒子物理学に興味があったんですが、その後、サイモン・フレーザー大学の研究室や、ブリティッシュ・コロンビア大学の教授たちによるMini-Med School(先端の研究所が高校生を受け入れていろいろ教えるところ)で生化学と出会い、とても引きつけられたんです。人間の体の化学反応というのは、僕にとってはとてもおもしろいです。将来はガンや糖尿病やアルツハイマーなど、現在治療が難しい病気の治療法発見に関与できたら、すごくうれしいですね」
●天才児みたいな子は嫌い?ネットの反応は…
記事からは以上ですけど、以前読んだ天才タイプの子のインタビューに関しては、なぜかツイッターでボロっクソに叩かれていて驚きました。
皆さん、こういう天才児みたいな子嫌いなのかなぁ?と思って、今回も反応を覗いてみたのですけど、何かもう普通。これはこれでつまらないなっていうほど、毒が無くてびっくりです。
こういう能力者や成功者に対して嫉妬しないどころか応援していく気質を持つ国にこそ人材が集まるんでしょうね。
なんかすげーなwwwぎふてっどってwwww
いや、こんな天才現実にいるんだねえ…
すごいなあ。
転生はずるいわ~~~~ずるいわぁ…
天才いっぱい出て来たなー。またそういう時代かなー
日本の教育機関とこういった天才の教育制度が合わないこととは確かだな
素粒子物理に行って欲しかったなー。
日本だとこういう風にはならないわな。
理解が出来るまで繰り返し教える、ってやり方で、才能ある子は暇を持て余すから。
こういう才能ある者を発掘/成長させる制度いいよね、これが日本なら強制的に義務教育過程を経て、「勉強できる頭いい子」で終わるからね
Ceron.jp - 14歳の天才・日本人少年をカナダのトップ大学が奨学金付きで獲得合戦 _ ニコニコニュース●年上の女のコばかりで困ってる…で好感度アップ?
上のは特に選ばずに続けて10コメント。すごいわぁってのが多数、あと、日本の制度は悪いよねってのが次です。
他で見て回ってわざとネガティブなものを探すと、「二十歳過ぎたらただの人」というのがいくつかありました。しかし、その程度であり、今回はネガティブなものがほとんどありません。これは彼自身の発言も落ち着いていて、攻撃的でないからかもしれません。
あと、私の書いた観点、外国人も受け入れる文化…というものも皆無でした。左派の平等主義が飛び級を邪魔している!という声はあったのですけど、右派の排他性という観点もおもしろいと思うのですが。
それから、ちょこちょことあったのが、「かわいい」という反応。多さとしては第3勢力かな?と思います。これは私が省略した現在の悩みについての話によります。卒業式の後にあるダンスパーティのパートナーを探す必要があるけど、同学年は年上の女のコばかりで困っている…という悩みでした。
これのおかげで好感度アップして、批判的なコメントが少なかったのかもしれませんね。
●叩かれたり商売に利用されたりする天才児たち…
2019/01/25:その後、実際に大学が決まったよ!という話を、
カナダの天才日本人少年大川翔、汚い大人たちに利用される?で書いています。ただ、タイトルでわかるように、ネガティブな話もありました。
ネガティブなものというのは、こちらの最初で書いた「早期教育でギフテッドになります…は大嘘」に関わる話。「彼のような子供を育てる方法教えます」いった感じで、教育で儲けるのに利用されてそうなのです。
あと、天才っぽい感じの人へのネガティブな反応の例としては、
中2で東大模試の成績優秀者の天才岡田康志 2chなどで凡人扱いされるというのを後に書きました。こういう反応はなぜなんでしょうね…。
●小学3年生の時点で「短大卒業レベルを超える学力」の天才児
今回のメインの追記は、日本人じゃないのですけど、別の天才児の話を。
ハーバード大と高校を同時に卒業する坊や現る。人類初 | ギズモード・ジャパン(2019.01.23 12:00)という記事からです。
アメリカのブラクストン・モラール君は、小学3年のときには両親が学校に呼び出されて、「尋常じゃなく頭がいいからなんとかするように」と言われました。近くのコミュニティカレッジに連れていってテストしてもらったら、「短大卒業レベルを超える学力で、機械がぶっ壊れたと思われた」(父)という状態に。
それで1年飛び級になり5年生になったものの、だんだん塞ぎ込むようになります。天才児がつぶれないようにあちこちでアンテナを張って面倒を見るNPOに接触して調べたところ、普通の人の中年で見られる存在理由を自らに問う苦悩期に入っていたことがわかったそうです。
●ハーバード大最年少卒業の神童、なぜか高校も同時卒業
そこでもっと刺激が必要と助言されましたが、家庭の都合で選択肢が限られていました。そこでハーバード大学公開講座を試して、合格します。ただ、高校をスキップして大学に通うことには、親が反対したとのこと。他のところで十分彼のために動いているのであまり悪く言いたくないのですが、これは親の価値観の押し付けで残念ですね。
とりあえずこの親のわがままにより、ハーバード大と高校を同時に卒業という奇妙なことが起きました。教育委員会に相談に行ったら、教育委員会が何がなんでも卒業させてやる!と確約。ハーバード大も入学規則変更前で、ギリギリ可能だったとのこと。
また、17歳ちょっとで卒業するので、最年少記録更新でもあるとされていました。じゃあ、細かい話なかったのですけど、高校までは1年飛び級のみってことですかね。そして、ハーバード大の方には何年在籍したんでしょうか。記事の書き方だと小学生時代に入学してそうな感じだったんですけど…。オンライン講座みたいでしたので、通常より長く時間がかかったのかもしれません。
なお、将来の夢は、アメリカ合衆国大統領。秋にはロースクールに進学し、国政に打って出る予定だとされていました。でも、だいぶ先だよね?と思い、検索すると、アメリカ下院の被選挙権は25歳以上で、大統領の被選挙権は35歳以上。やはり出馬できるのはまだまだ先でした。
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