ユニクロへのブラック企業批判は、昨年一気に高まりました。このときにはワタミもいっしょに名前が挙がることが多かったです。
しかし、ユニクロに関しては「ワタミとは違う」という擁護記事も何度か見かけました。また、ワタミを含めて「違法なことをしているわけでもないのにブラック企業というレッテル貼りはすべきでない」といった論調の記事もありました。
ただ、この「違法なことをしているわけでもない」は、ワタミもユニクロも怪しいところがあります。
ちょっと前に
バイトが語るユニクロ=ブラック企業説の真実 体育会系朝礼などというのをやっています。バイトたちの結論はなぜか「勝手にブラック企業と言うな」というものでしたが、内容的には「いや、これ真っ黒だろう…」というものでした。
このとき使った記事と同じものを読んだんだろうなぁと思われる(明記はしていませんが)「ユニクロのバイトが語った実態を弁護士が検証したら全部違法でした」という記事を見つけたので、今回読んでみました。
■バイトがサービス残業
今、ユニクロがブラック企業と言われていることに関して、アルバイトをしていた経験から、ここが理由なんじゃないかな、と思うところはありますか?
女B「やっぱり残業ですかね。店舗を閉める時間が決まっていて、例えば夜10時半とかなんですけど、その時間までに上の人達もあがらないといけない決まりになっている。でも、作業自体が終わってないから、そこからサビ残(サービス残業)をしなくてはいけなくて、それが結構大変ですね。」
ユニクロはホントにブラック企業?学生バイトが赤裸々に語るその実態とは 2013/06/27 UNFASHION
http://unfashion.jp/blog/archives/436
サービス残業の時点で違法です。なぜこれでセーフだと思ったのか? 弁護士さんの見解ももちろんアウトです。
バイトも、ユニクロという事業によって使用される者で、賃金を支払われる者で、「労働者」といえますので、当然のごとく、労働基準法の適用があります。(中略)サービス残業をさせることは違法です。
ユニクロのバイトが語った実態を弁護士が検証したら全部違法でした- シェアしたくなる法律相談所(2014年5月17日21時02分)
控訴中ですが、裁判でも負けスタートしている件がありますからね。(
ユニクロもブラック企業?サービス残業・うつ病で離職率5割の高い数字)
■ユニクロの服を着て接客するため、欲しくない服を半ば強制的に買う
男A「ユニクロの服を必ず着ないといけなくて、3割引きなんですけど、およそプライベートで使えないような服を半ば強制的に買うハメになります。」
男B「あと、必ず売り場に出てる服しか来ちゃダメなんですよ。売り切れになったらもうその服は着れない。当時、僕が着てた黒の鹿の子のポロシャツがその場で売り切れてしまったので、その場で違う色のポロシャツを購入したこともありました(笑)。」
「アパレルではよくあるという話も聞いたことあるものの、これも悪い習慣だよなぁ…」と当時書きました。以下は弁護士さんの見解。
売買契約を強要されたということであれば、その契約は強迫によるもので取消の対象になります。
また、自由な売買があったように見せかけ、売買代金を給料から引かれたということになれば、これは賃金は全額を支払わなければならないとする労働基準法に違反することになります。いずれにしろ、強制的に買わせる行為は、違法です。
さっきも言った通り、これはユニクロに限らないのでしょう。本当は法律違反なんですよ!
■休憩中にDVDを見て勉強
これは前回直接的な引用ではなく、説明形式で書きました。
"各商品の説明の記述式のテストがあるそうですが、「休憩室においてあって、休憩中に見ないといけない(笑)」というのも。これも実質的にサービス残業です"
弁護士さんの話は以下の通り。
労働基準法上は、休憩時間は、労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。DVDを見て勉強させるのは、業務の一環と言えますので、労働から離れているとは到底言えません。従って、バイトに休憩中、そのような勉強をさせることは、もちろん違法な行為になります。
そういえば、労働時間によって最低限必要な休憩時間も決められていましたね。
■急に胸ぐらをつかまれました
これは前回飛ばしたかも。
バイトが語るユニクロ=ブラック企業説の真実 体育会系朝礼などでは書いていないですね。
これは単純に「暴行」であり、刑法上の暴行罪に当たるほか、民法上も不法行為になります。胸ぐらをつかんだ理由が「教育のため」であったとしても、明らかに合理的な範囲を超えたものであり、違法であることに間違いはありません。
ユニクロの暴力関係の事件では、控訴中などではなく、既に決着している話もあります。(
ブラック企業批判のユニクロの報道されない暴力事件 裁判で認定済み)
この"「教育のため」であったとしても"は業界に関係なく、広く問題となりそうです。「教育」という言葉から思い浮かべるように、学校の体罰問題なんかもそうです。産経新聞が一生懸命正当化していましたが、学校の体罰も法律上は完全に違法です。ここらへんは法律を超えて「生徒・部下のための体罰が許される」という一定程度の社会的な理解がありますので、ややこしいことになっています。
あと、体罰との関係で言うと、前回盛んに出てきたユニクロが体育会系的と形容されることも思わせます。違法行為をやらされているバイトがユニクロを肯定するというのは、体罰を受けた元部員が教師を肯定するという構図ともよく似ていると思いました。
また、就活で一般的に体育会系の学生が重宝されるということからすると、ユニクロ予備軍的企業は社会に蔓延しているのではないか?とも警戒します。なぜ体育会系が良いか?という理由を、「理不尽に免疫がある」と平気で答えていた社会人がいて、呆れたこともありました。
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日本の会社は部活なので、就活は体育会系が有利 ブラック企業論理も通用 海外にもブラック企業を思わせる企業はあり、以前も紹介しているのですけど、やはり現在のブラック企業問題は日本の文化と密接な関係がありそうです。
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